【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜 作:塊ロック
「こんな所で会うなんて奇遇ですね。ごきげんよう、隊長」
「ごきげんよう、隊長さん」
「………………えぇ?なんか会うの多くない君たち…」
声を掛けてきたアクトレス…まぁ、俺に声かけてくる女なんて基本的にアクトレスだが…は、名高いアマ女の生徒会コンビだった。
「Wow…チェリーとシイナじゃん」
「お久しぶりね、ジニー」
「お久しぶりです。…ちえり、ちょっとお邪魔かもしれないよ」
コロちゃんが、腕を組まされている俺達を見てそう呟いた。
「あー、コロちゃん?これはだな」
「隊長も観光ですか?」
(…おっと、今日はポンコツ生徒会長か)
「そうな「私とお忍びデートなんだ!」コラてめぇ!!」
「あらそうでしたの…アマルテアは本日1泊2日でこちらに修学旅行で来ております」
「お嬢様学校なのに渋くない?」
「理事長がこちらの旅館の経営者と親族なんですってー」
「へぇ…………」
温泉旅館のパンフをコロちゃんが見せてくる。
すっごい見覚えある。
「隊長!ここ私達が泊まるところだよ!」
「あら」
「ジニー、言わんでいい………」
頭を抱えたくなる。
完全にこの二人にはジニーとデートに来たと認識されてしまった。
「あら、ちえり。ナデちゃんから電話」
「もうそんな時間?それでは隊長、ごきげんよう」
「ごきげんよう」
アマ女の二人は去っていく。
…しかしまぁ、周囲に見たことある制服姿が多いと思ったらそういう事か。
「隊長、見られてるよ?」
「気付いてないふりをしていたかった」
以前、アマ女訪問の際に色々噂になっていた為、軽く有名人状態。
アマ女の生徒から必ずと言っていいほど見られている。
(気が休まらん……………)
「隊長、行こう!」
「お、わっ!ったく…!」
仕方ない、今日はこのお姫様に付き合うとしますかね………。
―――――――――――
「隊長!見てこれ」
「なんだこれ…あぁ、民芸品か…まだこういうの作ってるんだな」
21世紀を再現しているとはいえ、もうその時代から相当な年月が経っている。
手作り感満載の木彫りのお土産だが、こういった技能はまだまだ受け継がれているのだろう。
「…隊長、なんか遠い所を見てる」
「そうか?」
「隊長ってさ。たまに…どこか遠くを眺めてるよね」
ジニーの表情はいつもの微笑。
…しかし、声のトーンは変わっていた。
「最近それが増えてる感じがする。成子坂が忙しくて隊長が追い詰められてる時とか」
「…………さぁな。ただ単に疲れてるだけかもしれん」
「はぐらかさなくてもいいよ。私しか聞いてないんだし」
「…敵わねぇな」
思っていた以上にジニーに見られていたらしい。
「空だ」
「空?」
ジニーが上を指差す。
…上を向く。
映し出された空、薄っすらとシャードの天井が見える。
「違うよ…ここには空は無い」
「じゃあ、シャードの外ってこと?」
「いや…どこまでも続く、青い空だ…もうこの世には無いけど」
映像記録で何度も目にした、地球の青。
それに憧れて、でも叶わない小さな夢。
「俺の夢って、言ったことあったっけ」
「…ううん」
ジニーは茶化さず聞いてくれている。
「空を、飛びたいんだ。どこまでも続く青い空を」
「…Dreamy。でも、嫌いじゃないよ」
「そっか。なんか、しめっぽくなっちまったな…」
「隊長。話してくれてありがとう」
「………こっちこそ、聞いてくれてありがとう」
そこで、ジニーの腹から何か音が鳴る。
「…なんか食うか」
「………あはは」
続く………?
中編的な物になってしまった。
あと、なんとなくシリアス。