【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜   作:塊ロック

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隊長の休日、後編。
隊長の休みなんてアクトレスの為にある様な物だしね?

…この隊長、いつかぶっ倒れないかな。


隊長「休みって…なんだろうな、ジニー」

 

あの後、ジニーにあちこち引っ張り連れ回され写真もかなり撮った。

…なんか半分以上ツーショットな気がしたけど気のせいだと思う。

 

時間帯がいい感じになったのでそのまま旅館に入ってジニーと別れた。

 

「ふぃー、やっとひとりになれた…」

 

案内された部屋で荷物の鞄を置く。

貴重品だけは持って旅館内を散策しよう。

 

…アマ女が来てるだけあって内装は古き良き日本の旅館そのもの。

隅々まで手入れされていて清潔感に溢れていた。

 

「さて、温泉は…ん?時間帯で男女変わるのか…じゃあこの時間に来るか」

 

今は広い方が女湯になっている。

後でまた来よう。

 

自販機の並ぶコーナーの一角にビールの自動販売機を見付ける。

 

「…自販機で酒買うとなんか割高な気がするんだよな…」

 

まぁ、料理の方にビール付いてたし買う必要は無いか…。

 

「Hi!隊長!」

「ジニーか。今から風呂か?」

「そうだよ!隊長も一緒に入る?」

「いや、俺はもう少し後にするよ」

「そうなんだ。それじゃあね」

 

…おや?さっきまで執拗に絡んできたのに、やけにあっさり去ったな…。

 

「まぁ、良いか…」

 

さて、時間まで何しようかな…。

 

「隊長、ごきげんよう」

「…紺堂?」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「…コロちゃん達と一緒じゃなくて良いのか?」

 

旅館のロビーに座る。

対面に紺堂も座った。

 

「私も、流石に四六時中しいなと一緒に居るわけではありません」

「親しき仲にも…か」

「しいなにもしいなの交友関係と言うものがありますから」

「ふーん…で、紺堂は何で俺と?」

「せっかく会ったのですから。少し語らいたいと思うのは変かしら?」

「…………俺なんかと?わざわざここで?」

「女性に誘われてその様な物言いをするのは、無粋でしてよ」

「そりゃ失礼した」

 

非難がましい視線を投げてくる紺堂を軽くあしらう。

…階段の方から賑やかな声が聞こえる。

紺堂は続けた。

 

「隊長、貴方は今日楽しいと感じていましたか?」

「え?そうだな…ちょっとワガママなお嬢さんと一緒にそこら中を歩き回ったな…」

「お嬢さん…ああ」

 

納得行ったように相槌を打つ。

…しかし、この言い方…まるで。

 

「…楽しくなかったのか?」

「それは…しいなと一緒でしたし、楽しく無い訳が…」

「以前、言ったな」

 

紺堂地衛理は、戦いの中でしか自由を感じられない。

 

「お前さ…もう少し肩の力抜いてもいいんじゃないか?」

「どう言う事ですか?」

「家とか、アウトランドとか、生徒会長とか、とにかく肩書なんて全部ぶん投げてその場その場で泣いたり笑ったりすれば良い」

「そんな事…」

「しても良いんだ。お前はまだ子供なんだから」

「…ふふふっ」

 

紺堂が薄く笑う。

面白い事を言ったつもりは無いんだけど。

 

「やはり、貴方は面白いですね…私を子供扱いする人間なんて今まで居なかった」

「そうか?…ま、少なくとも俺は子供扱いするぞ。大事なアクトレスだし」

「大事なアクトレス…」

「ああ」

「私も、貴方に大切にされているのですか?」

「まぁ、そうなるな」

「そうですか…ふふふ…」

 

…あれ、これなんか拙い事になってないか。

紺堂は立ち上がる。

 

「楽しい一時でしたよ、隊長…ごきげんよう」

 

笑顔と言うのは、元々攻撃のサインだったとか云々。

 

「…こえぇ」

 

美人の笑顔が怖いと思ったのは初めてだ。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「はぁー…………いい湯だ」

 

時刻は23時前。

流石にこんな時間に風呂に入ろうと思う人間は居ないのか、露天風呂は貸し切り状態だった。

 

「あー生き返る…日頃の疲れも取れるってもんだ」

 

風呂は良い。

人類の作り出した文化の極みだ。

…誰かが入ってくる気配がする。

俺以外にも物好きは居たらしい。

 

「ごきげんよう」

「ヴェァッ!?」

 

ウッソだろオイ!?

 

ナンデ!?紺堂ナンデ!?

 

「お、おまおおお前!?ここ今男湯だぞ!?」

「大丈夫です。表に清掃中の札を出しておきましたので」

「だっ、オメー流石に拙いだろこんな時間に!」

「この程度可愛いものでしょう」

「あのだな…」

「失礼します」

 

こいつ、ごくナチュラルに隣に座りやがった。

視線を向けないように背を向ける。

 

「…良い湯ですね」

「あ、ああ…」

 

…会話が続かない。

 

「……………」

「……………」

 

紺堂の方は見えない。

何をしに来たのだろうか…。

 

「さ、先に出る!」

「あっ、隊長…」

「隊長、背中流しに来たよ!!」

「ちっくしょおおおお!!」

 

知ってた。

何となくこうなる気がしてたんだ。

体にタオル巻き付けたジニーがそりゃもうにっこにこで入ってきたよね。

 

……いやいや君顔真っ赤じゃん。

無理すんな。

 

「あれ、チェリー何してるの?」

「ごきげんよう。隊長とご一緒していました」

「ふぅん…さ、隊長!」

「隊長」

「あ、あのなぁお前ら…出てけ!!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「なんか全然休んだ気がしねーや…」

 

旅行から2日後。

結局あの後気が済むまで湯船に浸かって行った。

まぁ、成子坂の皆に土産も買ったし仕事また頑張りますかね…。

 

「おはようございま」

「隊長!!!!」

「ひぎっ」

 

事務所に入った瞬間アンブッシュ。

相手は四谷さんだった。

スーツのネクタイを引っ張られている。

首が、締まる…!!!

 

「これどういう事か説明して下さい!」

「な、何が…ゲェーッ!?」

 

SNSに投稿されていた俺とジニーのツーショットだこれ…!?

 

「隊長、見損ないました…」

「にゃーさんまで…」

「ほーう、1泊2日で美少女アクトレスとよろしくやった訳だ」

「ゲェーッ!?神宮寺真理!?」

「さぁ隊長!洗いざらい吐いてもらいますよ!」

「や、やめ…来るな…!あっ小鳥遊に吾妻!ちょ、HA☆NA☆SE!!うわぁぁぁぁぁ!?」

 

…今度こそ、休暇は一人で過ごそう…。

 

 

 

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