【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜 作:塊ロック
そんなノリで書きました。
新しい設定が出てきましたけど怪文書なので許して。
ゆみさん好き。
「隊長、同伴お願いしまーす♡」
「断る」
年の瀬迫る12月末。
成子坂の事務所で書類作業をしていると、所属アクトレスの四谷ゆみが入ってくるなりそう言った。
「隊長のいけず。どうせ暇なんでしょう?」
「この書類の山が見えないのかアンタ」
「大丈夫大丈夫、隊長ならパッと片付けるでしょ」
「俺を何だと」
「クリスマスですよ隊長。なーに辛気臭い顔で書類とにらめっこしてるのよ」
まぁ、彼女の言い分は一理ある。
単に飲みたいだけなのだろうが。
「他の成人組と飲みにでも行ってこいよ、俺は無理だ」
「……ここまで言って判らないとか」
小さくなにか呟かれたけど無視だ無視。
書類を裁く手を止めずに言ってやる。
「なぁ、何で俺なんだよ」
「女の子とより暁と一緒のほうが楽しいから」
「……名前で呼ぶな」
「だったらゆみって呼んでよ。職場で意地張ってみんなの事苗字で呼んでるの知ってるんだから」
実は……俺、彼女とは小中高と同じクラスだったりする所謂腐れ縁幼馴染という関係だった。
しかし、その後進路は別れしばらく疎遠となっている。
まぁ進路が分かれるなんてよくある話だ。
そして、成子坂に入社したところたまたま再会したのだった。
「苗字呼びは別に良いだろう」
「必要以上に踏み込むの怖がってるくせにお節介」
「やめろ気にしてるんだから」
「しょっちゅうアクトレス口説いてるって噂になってるわよ」
「この前吾妻にも言われたよそれ。今どきの子と距離感摑めなくてなんて声かけたら良いか」
「それで口説いたわけ?」
「……いや、口説いたわけじゃ」
「あーあ、可哀相に。こんなのに夢見せられてる子達が」
「いやほんと、マジやめてください」
思わず敬語が出てきてしまった。
「ふふふっ、何それ」
「とにかく、仕事の邪魔だ」
「何よそれ。幼馴染がわざわざクリスマスに誘いに来たってのに」
「お互いそういう関係じゃないだろ?」
「私はいつでも空いてるわよ」
「……散財癖を何とかしたら考える」
事務所に二人しか居ないから、昔みたいに砕けた話し方になっている。
昔散々振り回されたから身に沁みて覚えている。
「はい、貸して」
「……何を」
「書類。私これでも前職はエリートよ。このくらい手伝ったげる」
「見返りは?」
「クリスマス、私と二人っきりの乾杯」
「……はぁ、乗った。そっちは任せる」
「了解♪それじゃ、片付けましょ」
敵わないなぁと独りごちる。
外は雪が降り始めていた。
今年は、一人じゃないみたいだな。
「あ、もちろん貴方の奢りね」
「ふざけんな!!」