【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜 作:塊ロック
隊長の相棒に関するやり取り。
今年最後の更新は隊長に関して。
誰かの前で泣いたのも、相当久しぶりな気がする。
落ち着いてみるととても気恥ずかしいものを感じる。
「隊長、落ち着かれましたか?」
「ああ…見苦しいところを見せたな」
場所は、聖アマルテア女学院の生徒会室。
俺たち……紺堂地衛理と、上品なソファで向かい合って座っている。
造りが本当に上流階級の家屋そのものなのがまたなんとも……。
対面には、この部屋の主紺堂地衛理。
「焦る事はあれど、感情を吐露しない隊長にしては珍しい光景ではありました」
「…忘れてくれ」
「ふふ、ではその様に」
紺堂が紅茶に手を付けたので、こちらもティーカップを手に取る。
……良い香りがする。
紅茶の種類には明るくないが、そういったことは素直に楽しい。
「あれは、以前所属していた部隊に関係があるものですね?」
「……ッ!なんで、それを」
「この程度の事は調べた内には入りませんのよ。隊長も積極的に隠してはいませんでしたし」
「それもそうか……」
脱力する。
…しかし、こいつには毎度毎度揺さぶられている気がする。
未成年は趣味じゃないんだけどな…。
「なぁ、紺堂」
「何でしょうか」
「あれ、譲ってくれないか?」
「構いませんよ」
「金が必要なら必ず払う。俺を好きに、それこそボロ雑巾の様に使い潰してもらっても構わん」
「隊長」
「だから、頼む……」
「ですから」
「あれは俺にとって……」
「……隊長、少し静かにして頂けます?」
「えっ、あっ、はい」
怒られてしまった。
なんとか説得しようとしていたのが露骨だったからだろうか。
「お譲りします、と先程から言っておりますが」
「……何だって、それは本当なのか」
「ええ。私達が所持していても意味の無い物ですので」
「……そうか……ありがとう」
「それにしても、随分とご執心な様子。それ程にあれが?」
「……ああ。大事な、仲間達との思い出だよ」
そう言い切ると、紺堂は言いづらそうに切り出した。
「隊長の居た部隊は、ヴァイスの襲撃で壊滅したと……」
「そこまで知ってたか。それじゃあアイツが何なのかも?」
「いえ、そこまでは……」
武器が便宜上付いてはいるが、兵器ではない。
「……そうですね隊長。1つだけ《お願い》を聞いていただけますか?」
「お願い?」
「はい。そのギアを修復した暁には……私と、踊って頂けて?」
……紺堂地衛理とのダンス。
それが何を意味しているのか分からない訳じゃない。
「……乗った」
「そうでなくては」
また一つ、俺は夢に戻ってこられたのかもしれない。