【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜   作:塊ロック

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隊長が体調を崩す話(激寒

誰が見舞いに行くのかひと悶着あったようです。


隊長が風邪ひいた話

 

ピピピッ。

 

---38.5°。

 

「…風邪か…風邪だな…」

 

フラフラとフローリングに倒れこんだ。

 

「床つめてー…」

 

今朝、起きたら体がやけに重く、食欲も湧かなかった。

流石におかしいと思い熱を測ると案の定だった。

 

「事務所に連絡しねぇと…」

 

仕事用の端末を手に取る。

 

「もしもし…ああ、文嘉。すまん…風邪ひいた。皆に映すといかんから休む…ああ、その辺の書類は期限が遠いから置いといて。ああ、それじゃ」

 

電話が切れる。

途端に眠気が襲ってくる。

 

「…寝ないと」

 

寝巻のジャージ姿のままだったため、そのままベッドにダイブロール。

 

「…今日のメンバー、誰だったっけな…」

 

そのまま、意識は沈んでいった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

side:成小坂

 

「「隊長が風邪ひいた!?」」

(うわー…)

 

どうも皆さま、お久しぶりです。

百科文嘉です。

 

今日、先ほど隊長から欠勤の報告が有りシフトをどうするか悩んでいたらアクトレスのL〇NEにその情報が貼られ今事務所が混沌としています。

 

「やはりここは私がお世話するしかないのでは」

「楓さん、うちのエースがが風邪貰ったら拙いよ。ここは私が」

「Hey怜、怜もエースでしょ。元気になるならワタシの出番だよ!」

「ちょっとアンタ達ー。若いのが男の家に上がるんじゃないわよ。私が行くわ」

「ゆみさん、隊長の家何で知ってるんですか…」

「ああもう皆さんうるさいですよ!!」

 

つい叫んでしまった私は悪くない。

それでも全員は止まらない。

 

「しからば!来弥さんのアーバン忍術で元気にするでござるよ!」

「来弥ちゃんだけじゃ心配だわ…私も同行しましょう」

「新谷さんは事務所で仕事あるでしょ?」

「あら怜ちゃん。貴女も今日は出撃あるでしょう?」

「ぐぬぬ…」

「じゃあ隊長さんには美味しいご飯を持って行ってあげないとですねー」

「ごはん!私も!私も行きます!」

「杏奈…隊長のお見舞いじゃないの…?」

「真理さんも行く気っすか…」

 

ああもうこれは収拾がつかない…。

 

「ゆみ!貴女はこれから出る組の指揮代行をしてください!あなたたちは準備、新谷さんはこっちの書類を」

「山野さん?!」

 

山野さん…隊長の代打でこの成小坂に派遣されたと聞いてたけど、その話に恥じない能力で場をまとめていった。

 

「すみません、助かりました」

「いえいえ…隊長の方も応援に行かせたので大丈夫ですよ」

「…応援?」

「ええ。今日は非番で、隊長の家の近くに住んでいる方に」

「そんな人、居ましたか…?」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

side:隊長自宅

 

 

…カーテンの隙間から夕陽が差し込んでいる。

目が覚める。

 

「…あ、起こしてしまわれましたか?」

 

寝ぼけ眼で目の前に居る女性が判別できない。

黒いシルエットの…。

 

「籠目、さん…?何故」

「はい。今日は非番でしたので…山野さんに頼まれて、やってまいりました」

「そんな…悪いですよ…移しちゃ、悪いです」

「…病気の時に、誰も居ないというのはさみしいものですよ…旦那様もそう仰っていました」

「そう…ですか」

 

籠目さんの手には土鍋が抱えられていた。

今時えらい古風な。

 

「おかゆですけど…食欲は、ありますか?」

「…はい、朝から今まで寝てましたので腹が減ってしょうがないです」

「ふふふ…なら良かったです。お水も置いておきますね」

 

付けていたエプロンを外す。

…その所作に思わず見とれてしまっていた。

 

「…ははは、籠目さん旦那さんは羨ましい人だなホント…」

「旦那…隊長、私は、未婚ですよ」

「…え?」

 

未婚…?

え、じゃあ旦那って。

 

「旦那様は…その、私を拾って下さり、ここまで育てていただいた養父の事です」

「…うっそォ」

 

あ、やばい。

ショックが大きすぎてまた頭が。

 

「…隊長さん、まだ本調子ではなさそうですね…まだまだこちらも熱いので、起きた時に食べてください。それでは、お大事に」

 

また、俺の意識は沈んでいった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

数日後。

 

「籠目さん」

「隊長さん…もうお体の方は?」

「絶好調。その節はお世話になりました」

「いえいえ…お元気になられたようで何よりです」

 

事務所で作業していた籠目さんに声を掛ける。

結局、二日寝こんだが籠目さんが世話してくれたお陰で全快したのだった

 

「何か今度お礼しますね」

「そんな…悪いですよ」

「こんな面倒かけちまった俺が悪いんですよ…大人しくお礼されてください」

「ずるい方ですね」

「そうですかね…ん?」

 

事務所の裏の更衣室までの出入り口から視線数多。

 

「…どうしたんだお前たち」

「べっつに…何でもないよ」

「隊長、見損ないました」

「私も隊長が居ない間代行頑張ったんだけどなー?ご褒美とか無いのかな、ア・カ・ツ・キさん?」

「ゆみ、お前職場で名前呼ぶなって言ったろ」

「んなっ…!?ちょっとゆみさんどういう事!?」

「ゆみ!!」

「BBAそれまさか!!」

「フフフ…どうかしらね」

「無いからな、断じてないからな」

「貴方たちいい加減にしなさい!!」

 

何故か俺がげんこつ食らった。

解せぬ。

 

「やっぱり、面白い方ですね…暁さん?」

「籠目さん、揶揄わないでくださいよ」

「深沙紀で良いですよ?」

「勘弁してくれ…」

 

 

 

 




…ちょっとこの人に美味しい役やらせ過ぎかな。

あ、籠目さんの絆エピソードのネタバレがあるので見てない隊長たちは注意っすよ!
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