【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜   作:塊ロック

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パイロットとAIの関係ってのが好きなので無駄に性能の良いAIを搭載することにしました。

名前は…まぁ、紛らわしいですがアリス、で行こうかと。


相棒、復帰。でも波乱

 

聖アマルテア女学院から、所有権が成小坂…の、隊長である俺に…相棒が移った日。

 

「…無理言ってすいません、磐田さん」

「お前さんが珍しく頼みがある、なんてな。しかも、こんな厄介ごとだ」

 

場所は成小坂地下格納庫。

二人して見上げるのは、胴体部分だけになってしまったパワードスーツの成れの果て。

 

「こいつをお前さんが直して、あまつさえお前さんが乗るって言いだした時は何事かと思ったが」

「まぁ普通はそう思わないでしょうが。こいつも一種のアリスギアですし」

「ああ…造りはかなり古いし、機械で補ってる部分が相当だ。こいはギアって言うよりパワードスーツだ」

 

コアブロックからデータを抜き取る。

OSは死んでいない…これなら、相棒も起こせるか?

 

「…こいつAIなんか積んでやがったか」

「はい、何分未熟なシステムだもんでAI補助が無いとまともに動かせなかったんですよね」

「なるほどなぁ…」

『誰が未熟なシステムですか、誰が』

「誰だ…?」

 

響く女の声。

若干機械特有のノイズが混ざっている。

磐田さんが怪訝な顔をして辺りを見渡し始めた。

 

「…そういう意味じゃない、アリス」

「アリス…?」

『どうだか。私のこと3年もほっといた癖に』

「…驚いた。AIがまだ生きていやがったか」

『お初にお目にかかります。パイロット、二宮暁の補助AIのアリスと申します』

 

バイアランを繋いだPCから流れる機会音声。

…こいつ、勝手にPCのプログラム弄ったな。

 

『成小坂製作所の整備班長、磐田様ですね。うちの馬鹿がお世話になってます』

「こりゃご丁寧に…」

「さり気なく俺の事馬鹿呼ばわりはやめてくれない?」

『事実を言ったまでですが』

「こいつ…」

「ま、ここにある設備は好きに使ってもらって構わない。ジャンクだってそこそこ貯まってるから勝手に使え」

「ありがとうございます」

「流石に費用はお前さん持ちだがな」

「いえ、それでも助かります…アリス」

『分かっています。こちらで不足分を提案しますので、物資はなんとかしてください』

 

やっと、またスタート地点に戻ってこられた。

ここからだ。

今度は俺一人で、やらなきゃいけない。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

仕事用のノートPCにアリスを入れてしまったのは、割とまずかったのかもしれない。

成小坂で業務を片付けていた時の事。

提携企業に送る文書を製作していた時だ。

 

『そこ、変換間違えてますよ』

「あ、本当だ…すまんな、アリス」

「…はい?」

「え…?あっ」

 

事務所の中、周囲には結構人がいる。

そして…誰もしゃべっていなかった。

俺が独り言を言っていたか、それとも気がふれたかと思われてしまう。

 

「…隊長?あの、大丈夫ですか…?」

「にぃ…芹菜、いや…これはだな」

「隊長さん、最後にお休みとられたのはいつですか」

「陽子さんまで…俺は正常ですって」

 

『正気で馬鹿をやる人ですから、これが正常なのかもしれませんね』

 

「…えっ」

 

アリスの存在が、速攻でバレた。

 

「…このPCから女性の声が」

『初めまして。パイロット、二宮暁の補助AI、アリスと申します』

「あらご丁寧に。事務員兼アクトレスの新谷芹菜です」

「あ、私はAegisから派遣された安藤陽子です」

『私の主人が迷惑かけてないでしょうか』

「俺の母親かお前は…」

「隊長、そんなものまで持ってらしたのですね…シタラちゃんが作ったのかしら」

『いえ、私は第404実験…』

 

そこまで言われかけて急いでPCのスピーカーを切った。

 

「あら、調子悪いのかしら」

「ま、まだ試験運用中だからな…あはは」

「隊長さん、パイロットというのは?」

「嫌だなー、設定ですよ、設定」

 

…どうせあのギアが完成した時にはここのアクトレス全員に俺の来歴がバレる。

ここで隠し事するのも問題の先送りにしかならない。

 

けれど、つい…隠してしまった。

 

『…ヘタレ』

 

そんな俺の事を察したのか、ディスプレイのメモ帳にテキストが打ち込まれた。

 

「やかましい」

 

作業の経過を保存してPCをシャットダウ…。

あっ、この野郎中からロック掛けやがった。

 

「はぁ…何だかんだ隊長もやっぱり男性なんですね」

「芹菜、その生暖かい目はやめてもらえないか…」

「私は、そういうのも含めて男の人って感じしますけどね」

「フォロー痛み入ります…」

 

諦めてスピーカーをONにした。

 

 

『今後ともよろしくお願いします』

 

 

…今後が不安だよちくしょう。

 

 

 

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