【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜   作:塊ロック

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隊長「なんか巻き込まれたんだけど」

アリス『諦めてください』

隊長「そんなー。あっやべぇ助けて!」


相棒初戦闘。
ノリと勢いで書いたけど割とシリアスなのでは…。


黒猫怪盗シャノアールVS未亡人捜査官アラーニェfor隊長

 

ある日の夜中。

たまたま前の職場の知り合いと飲みに行き、帰りがけにたまたま会ったゆみに引っ張られ飲み屋を三軒ほど梯子した後の事だった。

 

「…ん?人?」

 

アルコールが入り熱を持った頬を冷たい風が撫でる感触が心地良い。

…が、目に入ったのはあまりにも異色だった。

全身スーツの黒髪の女がビルの屋根から屋根へ飛び移り疾走していたのだ。

 

「…何だあれ」

 

酒の入った頭では考えがまとまる訳でもなく、そんな事もあったな程度の出来事として処理されるだろう。

しかし、まぁ。

 

「…いい体してるな」

 

俺は平常運転です。

 

 

 

 

―――――――――――翌日。

 

 

 

 

 

 

「芹菜さん、シャノアールさんにその様にお伝え出来ますか?」

 

喫茶店に入り、コーヒーとケーキのセットを頼み至福の時間を堪能している時であった。

 

(…シャノアール?)

 

シャノアールとは、世間を騒がす怪盗…とまでは行かないが、様々な企業へ夜な夜な侵入し、闇に葬られた不祥事、汚職を暴き夜に知らしめていると言う。

現代に生きる義賊、と取る人もいる。

 

(この声、深沙希さんか?それに、芹菜って)

「分かりました、深沙希さん。必ず伝えますね」

「ありがとうございます」

 

ちらりと後ろの席を見やると、ボックス席で二人がそんな話をしていた。

聞かれてるけど大丈夫なの君ら。

 

「それでは失礼します」

 

深沙希さんが立ち上がったので慌てて前を向く。

見られては居ないだろうが、何となく居心地が悪い。

 

「…明日の夜零時、アマカサ商事か」

 

芹菜?聞こえてるから。

駄目だろそう言うの呟いちゃ。

 

 

 

 

―――――――――――深夜零時。

 

 

 

 

アマカサ商事前。

 

「…来てしまった」

 

何となく仕事を終わらせ、何となく足を運んでしまい、何となく野次馬しに来てしまったのだ。

目の前のビルには灯り一つない。

ホワイト企業と言うことで割と好評な企業の一つであるここに、闇に隠さなければならない秘密でもあるのだろうか…。

 

「動かないでください」

「…っ!」

 

背後からかけられた声。

背中に押し当てられる硬い物。

反射的に振り返ろうとするが、相手の手がやんわりと左手首を摘み…。

背中から上方向へ捻り上げた。

 

「う、ぎぃっ!?」

「質問します。貴方は何故ここに?」

「あ、あんたみたいな美人に会いたいからかな…」

「お上手ですね」

「いやちょっと、痛いから。褒めてるんだから手心とか無いのか!?」

「あまり効いていないよう見えますが」

「…バレたか」

 

手を離された。

しかし、背中の感触は消えない。

なので、両手を上げる。

 

「二宮暁さんですね?」

「よくご存知で」

「今貴方のことを知らない企業なんてありませんよ」

「…えらく有名になったな俺」

「ご活躍は私共にも耳に入る程ですよ」

「あんたらが何者か知らないんだけど…シャノアールじゃなさそうだ」

 

この状況、思ったよりヤバい。

生殺与奪権を奪われてい上にこちらの正体は割れている。

どうする。どうやって切り抜ける。

 

「アラーニェ!あなた何を!!」

「来ましたか、シャノアール」

 

ウッソだろおい。

 

「たいちょ…げふん!アラーニェ、その人を離しなさい。無関係な筈よ」

「それは出来ません、シャノアール。私達しか知らない計画をこの人は知っていました」

「…それは本当に?」

「ええ。ですから、処分を」

 

サラッと恐ろしい事を言ったぞこの人。

拘束が緩まったので手を振りほどき二人の姿をせめて拝んでおく。

 

「あっ」

「…困りました」

 

方やぴっちりとした全身スーツの女。

もう方や豊かなバストと際どすぎるラインの女。

 

「うわ…」

「ちょっと、たい…そこの貴方、なんで今引いたんですか」

「いやだって…その格好…」

 

コスプレやないかい。

 

「…アラーニェ!とにかく他人に危害を加えるのは許せないわ!」

「困りました、シャノアールさんに協力がえられないと滞りが」

 

スルーされた。

まぁ今の内に逃げるが吉か。

 

「…ちょっと、待ちなさい!」

 

待てと言われて待つ馬鹿がいるかっての。

 

「とう!」

「ぐえっ」

 

上から降ってきた誰かに踏み潰された。

 

「「来弥ちゃん(さん)!?」」

「む、これはシャノアールとアラーニェ殿。ご無沙汰でござる」

「どうしてここに?まさか、自力で情報を?」

「それが、今回拙者が受けた依頼は…ここの警備でござる」

「「また!?」」

「ら、来弥…いい加減退いてくれないか?」

 

現役JKに背中グリグリされてる。

ローファーめっちゃ痛いからやめて。

 

「た、隊長!?どうしてここに!?まさか、自力で」

「その下りもう良いから」

「それで、お前は何でここにで?」

「それは…」

 

 

『動くな!小汚い怪盗!』

 

 

突如ライトが当てられる。

思わず眼を閉じる…あれ、これ拙いんじゃね?

 

「見つかった…!?」

『玄関でそれだけ騒いでればこうもなろう』

「…仰る通りで」

 

ぐうの音も出なかった。

 

『フフハハハ!今まで散々嗅ぎ回りおって!今日こそ始末してやる!』

 

どこからともなく聞こえる指パッチンの音。

…地面が凹み、下から何かがせり上がってくる。

 

「うわ、良いなこの会社…羨ましい」

「馬鹿なこと言わないでくださいよ!?」

 

俺たちの目の前に現れたのは…緑の角ばったシルエットに、よく見た剣のようなパーツ。

 

「ヴァイスワーカーだと!?」

『そのとおり!どうだ!怖かろう』

「やはり…最近になってヴァイスの廃材を集めていたのは」

「なんだって…こいつを作っていたのか」

 

人がヴァイスを操っている…まぁモドキなんだが。

 

「来弥、今すぐ成子坂に…」

「隊長!無理でござる!この区画から走っても20分は…」

「くそ、今のシフトは…ああ駄目だ!この時間仮眠させてる…」

「ちょっと隊長!逃げますよ!」

「判ってる芹菜!急かすな!」

 

考えろ、この状況を打開するには…。

 

「危ない!」

「あっ…」

 

隣に立っていた黒髪ロングの女性の手を引く。

確かアラーニェとか言ってたけど。

 

さっきまで立っていた場所に剣が振り下ろされた。

 

「あ、ありがとうございます隊長…」

「良いから、走れ!」

 

叫ぶと同時に走り出す。

ヴァイスワーカーモドキも追いかけて来る。

 

「流石にAEGiSが黙ってないだろ!」

「駄目です!あの辺一帯はSINの勢力下で手が出せないんです!」

「何これそんな案件だったのかよ!?」

「アリスギアさえあれば…」

『このヴァイスは特別性でワシの脳波でコントロール出来る!』

「要らん解説始めたぞ!」

 

操縦手は絶対鉄製の仮面でも着けている。

 

「う、わっ!?」

「隊長!?」

 

ヴァイスワーカーモドキの空いた手に掴まれ持ち上げられた。

 

『しかも手足を使わずコントロール出来る!』

「来弥!芹菜!深沙希!ニゲルォ!!」

『こんな時まで仲間の心配か…安心しろ、貴様を消してから全員送ってやる』

「隊長!」

 

やむを得ない…だが、試験運用には丁度いい!

 

『死ねぃ!』

「アリィィィィス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『煩いですよご主人。聞こえています』

 

 

 

 

 

 

 

 

ザン!!

急に訪れる浮遊感。

 

続いて重力に従い落ちる…が、横から伸びてきたクローアームが俺を捕らえた。

 

「だいぶ早かったじゃねーか」

『無人だったのでバーニア全開できました』

「愛してるぜアリス!」

『冗談キツイです』

 

胸のハッチが開く。

すかさず滑り込み、体をコックピットに固定。

相棒を起こす。

 

 

「起きろ、バイアラン・カスタム!!」

 

 

片腕を失ったヴァイスワーカーに肉薄する。

 

『貴様…!何故ヴァイスを!?』

『心外です。ご主人、抹殺許可を』

「待て待て殺すな。まぁアレ人乗ってないけど、さ!!」

 

左のクローアームのストレートがクリーンヒットする。

たまらずヴァイスワーカーが吹っ飛ぶ。

 

「三人とも、今のうちに!」

『敵弾、来ます』

「切り払う!演算任せた!」

 

クローアームの下にマウントされたメガ粒子砲の砲口からサーベルが展開される。

ヴァイスワーカーの胴体に備えられた砲口か弾丸が発射された。

 

 

…が、これを切り払う。

 

『クリア』

「失せろ!!」

 

スラスターを吹かせて、切り払った方とは逆のサーベルを付き出す。

サーベルはそのまま頭部に突き刺さる。

 

『メインコンピュータが!?』

「ふぅ…悪いが破壊させてもらう」

 

そのままサーベルを縦に振り降ろし、ヴァイスワーカーを両断した。

 

『ぐ、ぐぬぬ…覚えておれ!!』

『三流の悪党みたいなこと言い始めましたが』

「ほっとけほっとけ。とりあえず制圧するか」

『その必要は無さそうですよ』

「…え?あ、本当だ」

 

カメラをビルの方に向けると、シャノアールとアラーニェと来弥に取り押さえられたおっさんの姿が。

…部下居なかったのかよ。

 

「片付いたかな?」

『AEGiSと成子坂に提出する始末書と反省文とがまだ済んでいませんが』

「あー…」

 

警察が駆けつける前にずらかろう。

 

 

 

 

――――――――――三日後。

 

 

 

 

AEGiS東京シャード支部で鳳さんにこってり絞られた後。

何故だか知らないが事件の詳細は情報部が揉み消してくれたらしい。

 

何故だが知らんが助かった。

 

 

「…で、だ

『まさかシャノアールとアラーニェの正体が身内とは』

「まぁ、そうだな」

『よくお気付きに』

「何となく所作とか体型とかでつい名前呼んでたみたいだ」

『スケベ』

「何でだ」

「隊長、珈琲どうですか?」

「え?ああ、芹菜。頂くよ」

 

場所は成子坂製作所の事務所。

あれから芹那と話した結果。

 

「出来れば秘密にして頂けると…その、何でもしますので」

「バラさねーよんなもん。いやでもそうか…まぁ、怪我しないでくださいよ?美人の疵は見てられない」

「え、はい…ありがとう、ございます…」

 

とまぁ強引だけど片付けた。

反対側に追加の書類を持ってきた深沙希さんが来る。

 

「隊長、それでは喫茶店でもどうでしょうか。良い豆を使っている所を知っていますよ」

「良いですね…芹那もどうだ?」

「それじゃあお昼休憩も兼ねて行きましょうか」

 

アラーニェこと深沙希の件も、

 

「…情報部の方で規制を行いました。これで隊長の事は世間には割れないでしょう」

「えーと、深沙希さん?どういう…」

「これでお判りになられましたか?今後、もう近付くのは止めて頂けると」

「いや、今の貴方は俺の部下だ。秘密は守るし深沙希を(戦力的に)手放すもんかよ」

「………そう、ですか」

 

なんと言うか、これ以来二人共なんか距離が近いというか。

怜や楓から凄い見られてるのからやめてほしい。

 

「それで、来弥はあそこで何やってたんだ?」

「それは…アーバン流忍術の忍び道具を買うためのろ銀を…」

「お前、ちょっとバイトするところ選んだら?」

 

ヴァイス作っちゃうようなところで働くのはちょっと。

 

 

 

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