【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜 作:塊ロック
ちなみに初☆4は愛花。
これは、早く伝えなくてはならない。
「文嘉!」
「…隊長!?ど、どうしたんですか…?」
ある日。
ハンガーから事務所に戻り、文嘉の姿をずっと探していた。
「ああ良かった。文嘉、来てくれ」
「へ?隊長一体…」
「良いから」
「ちょっ、」
文嘉の手を引いてハンガーに向かった。
「隊長、とりあえず説明してください…!書類と業務を全部ほうりだして来ちゃったじゃないですか!」
「説教は後で聞く!磐田さん!」
「はいよ…ったく、ガキじゃねーんだからよ隊長さんや」
ハンガーの灯がつく。
…そこには濃紺のカラーで彩られた、一人分のアリスギアが吊るされていた。
「これは…」
「文嘉、お前の専用ギアだ」
「えっ、私のですか!?」
「ああ。お前さんのだ」
「そんな、何で私が…」
「大きな理由としては、お前さんのギアが最も数が揃っていたからだ。ただ」
「お前が一番頑張ってくれてたからな。タイミングさえ合えばお前を優先的に渡したかった」
文嘉は何とも言えない表情で専用カスタマイズが施されていたギアを眺めていた。
「そんじゃ、オレぁまだ仕事があるから先に行く。後は二人でゆっくりしてくれ」
磐田さんが出ていっても、文嘉はギアをずっと見ていた。
「隊長」
「どうした?」
「私で…良いのでしょうか。楓さんみたいに実力がある訳でもないです。バージニアさんみたいに思い切りが良い理由でもないです」
「そう思うか?」
「はっきり言って私は…優秀ではありません」
「それを決めるのは俺だ」
「っ!」
考えがどうにもネガティブな方向に向かっていくのはよろしくない。
素直に喜んでくれるかなと安易に考えていたが…。
ひと押しが、足らない様だ。
「ったく、嬉しいだろ?」
「は、はい…」
「ならそれで良し。そうだろう?」
この年の女の子が、貰って喜ばない訳は無いよな。
ただ、こいつはあんまりはしゃぐタイプじゃないってのも知ってるけど。
「…あ、ありがとうございます隊長」
たまには、飴だってあげても良いだろう。
「これからも頑張ってもらうから、覚悟しとけよ?」
「ふふ…仕方ないですね。頑張らせてもらいますよ」
初めて会ったときと比べて、ずいぶん笑うようになった。
「そうやって笑ってるほうがやっぱり好きだね、俺は」
「なっ、何を言ってるんですか!」
ばしん、と文嘉に背中をたたかれる。
俺は笑いだす。
釣られて文嘉も笑う。
「本当に、隊長に感化されてますね……私は」
「良い事じゃないか」
「そう、でしょうか」
「ああ」
「なら、そうなんでしょうね」