【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜 作:塊ロック
ジニーにペンタゴンへ誘われる話。
「……どうした?薮から棒に」
ある日の成子坂製作所。
いつもの活気はどこへやら、今日は人が居なかった。
そんな中、ジニーが神妙な面持ちでやって来た。
「その、私と一緒に……ペンタゴンに行かない?」
「……えっ」
それは、どう言う意味だろうか。
彼女は俺が東京シャード自衛隊元技術士官であるという事を知っている。
辞めたとは言え何かしらの情報を保有している為、海外シャード渡航は禁じられている身だ。
「ジニー。俺、海外シャード行けないんだけど」
「これ、チケット」
スッ、と一枚の渡航券が差し出された。
「……ジニー。本当の事を教えてくれ。何故だ」
「隊長さ、このまま……アリスと、アレと一緒に東京シャードで埋もれても、良いの?」
事務所のデスクトップの中にアリスが来る。
話だけでも聞きに来たらしい。
「……どうだろうなぁ。埋もれるとか、忘れるとか、そんな事考えた事なかった」
「え?」
「今のところ大した邪魔も入って来てないし……どの勢力も正直問題にしてないんじゃない?」
「でも、ステイツなら…隊長のその技術を買ってくれると思うんだ」
「売らねーよ。これは思い出なんだから」
「……出世欲ないね、アカツキ」
「元上司にも言われたよ」
そこから、お互い笑い出した。
何がおかしいのかわからないけど。
「ははは、何それ、お前そのチケットどうしたのさ」
「アハハハ!パパが送ってくれたんだ!」
「ジニーの親父さんか。今度娘さんに世話になってるって挨拶しないとなぁ」
「ほんと?約束だよ!」
「約束、か……じゃ、そのチケット受け取っとくよ」
「……え?」
「……時が来たら、行こう。一緒に」
「……うん」
「なーに事務所でJKといちゃついてんのよ」
ビックゥゥッ!!
お互い近かったのか、その一言と共に素早く離れた。
「よ、よう、ゆみ……今日はどした?」
「暁。不自然よ……まぁ、アンタに限ってジニーに手を出したりするなんて無いと思うけど」
「あ、アハハハ……それはそれで悔しいなぁ」
「フフ、まだまだ貴女も子供だからね。暁も遠慮してるんでしょ」
「子供、か……」
ジニーが遠い目になる。
子供と言うには、背負った物が重過ぎる。
「で、何の話してたの?」
「え?ああ、ペンタゴンシャードへの旅行とかどうって話」
「へぇ、海外シャード旅行?良いじゃん」
「うん、ペンタゴンは良いところだよ!」
「私は、カッセルとか行きたいな〜って」
「酒だろ」
「え〜、良いじゃん暁〜?私のディアンドル、見たくないの?」
……ちょっと前にあった商店街でのアクトレス集団ウェイトレスイベントの時、丁度出張で別のシャードに行っていた為……生で見る事は叶わなかった。
……深沙希さんとか。
「私もディアンドル着たよ」
「そうだったのか」
「で、どう?見たい?見るだけなら、ロハで良いけど?」
「……み、見たい……です」
「……ぷっ、何それ!」
「アカツキなんかやらし〜」
「なっ、お前ら……!」
「きゃ〜暁が怒った〜」
「逃げろ〜」
「待てコノヤロウ!!」
湿っぽい空気が、ちょっと霧散した気がする。
ゆみに、気を遣わせてしまっただろうか。
(今度、呑みに誘うか……)
ジニーにもちょっとケアが必要かもな。
買い物にも連れてってやろう。
「暁、何してるの行くわよ」
「え、どこに」
「決まってるじゃない。居酒屋」
「ええ……」
「あー、良いなー私も行きたい」
「ゆみ、ジニーも行けるとこにしようぜ」
「ちぇ、しょうがないか……じゃ、あそこにしましょう?」
……ジニーと二人だと、割と湿っぽい話ばかりだな、なんて思ってしまったが……。
こう言うとき、ゆみが居てくれると助かる。
(ケリつけたと思ったんだけどなー)
まだまだ、甘いらしい。
『女性に甘過ぎるんですよ』
「うるせー」
指輪を渡した二人との会話。
何だかんだこの組み合わせレアだなーと書いてて楽しかった。