【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜   作:塊ロック

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このゲームと出会えて、自分は初めてSSを書くと言う行為をし始めました。

実はSSを書き始めたきっかけってアリスギアだったんですよね。


憧れは遠く、されど心は折れず

 

結局、バイアランの飛行時間は5分にも満たず……墜落した。

 

地面に不時着し、バイアランは大破、俺も左腕の骨を折った。

あの時のジニーとゆみの顔は忘れられそうにない。

 

その日から一ヶ月。

 

「おはよう」

 

成子坂製作所に久しぶりに顔を出す。

先日まで入院生活を余儀なくされ、体力が落ちたなと苦笑しながら事務所のドアをくぐった。

 

「あ……暁。退院、したんだ」

 

四谷ゆみが、俺の事務机を掃除していた。

 

「さんきゅ、ゆみ。整理してくれてたんだろ?」

「別に、深い意味は無いわよ……ただ、見てくれる人が居なくて張り合いが無かっただけ」

「……おいおい、やけに素直だな」

「誰のせいだか。心配したんだからね」

「……ごめん」

 

俺が意識を失っている間、一番泣いていたのは彼女だったらしい。

心配かけてしまったようだ……また埋め合わせをしないといけないだろう。

 

「暁……貴方は、まだ空を目指すの?」

「ああ」

 

即答する。

 

「どうして?あんな目に遭ったのに」

「それでも、止められないんだ。止まるわけには行かないんだ」

 

あの青い空こそ、俺の願いで、皆の願いで、俺の背負ったもの。

義務であり、宿願であり……俺の全て。

 

「諦める訳にはいかない」

「そっか……私が何を言っても、無駄なんだ」

「ごめん」

「良いよ、別に……男を送り出すのも、いい女に必要なことなんだから」

 

笑ってはいるが、無理やりな印象を受ける。

 

「ゆみ、その」

「ごきげんよう、隊長、四谷さん」

 

……珍しく、事務所に地衛理が顔を出した。

 

「地衛理……」

「あら、お取り込み中でしたでしょうか」

「取り込みって、別にそんな……」

「おはよう!隊長、おかえり!!」

 

また新たなアクトレスが来たな、と思ったら背後から衝撃。

思わず踏ん張った。

 

「痛っでぇ!!ジニー!まだ腕のギプス取れてないんだ……」

「心配したんだよ!良かった……」

 

俺の背中に抱きついてジニーが頭を押し付けてくる。

 

「……そうね、おかえり暁」

「退院おめでとうございます、隊長」

 

二人ともその様子に笑みを浮かべて言った。

何だかんだ、3人には大分信頼してもらえているんだなと改めてそう感じた。

 

「ありがとう、皆。それと……先月はありがとう。3人のお陰で俺は飛べた」

「落ちた、の間違いでなくて?」

「手厳しいな地衛理……」

「私との約束、果たして頂けなかったので」

「……しょっぱなから出来るわけないだろ。というかお前専用装備で固めてきやがって……まさか、気合入れてたとか」

「……何の事でしょうか」

 

地衛理が顔をそらす。

でもその先にジニーが満面の笑みでニヤニヤしていた。

 

「あれぇ?チェリー顔が赤いよ?」

「へぇ?結構可愛いとこあるじゃない」

「何の事でしょうか」

「まだそれを通すのか……」

 

何となく、雰囲気が明るくなった。

……そこへ、Aegis端末へメールが届いた。

 

「おっと……え、また指輪か」

 

アニバーサリーリング配布のお知らせが来ていた。

もう渡す相手に心当たりは……。

 

「……地衛理?」

「はい、何でしょうか?」

「……いる?」

「頂きましょう」

「えっ、マジ?コロちゃんには良いの?」

「ええ。しいなもきっと分かってくれるわ」

「良いのかよ……」

 

凄いグダグだに決まってしまった気がする。

 

「私が、隊長に認められた。隊長の夢を見届ける権利を得た……そういう事ですよね」

「え……?」

「この3人は、隊長が空を目指した瞬間に立ち会いました。これからも、勿論選んでいただけますよね」

「そうよ、暁!ここまで来て除け者は絶対嫌だからね」

「うん、私も……隊長の夢の手助けがしたいんだ」

「お前ら……」

 

ジニーが改めて俺に笑顔を向けた。

 

「言ったでしょ。空への道先案内人は私がするって」

「そうだったな……頼んだぜ」

 

一度地に落ちたくらいで、諦めてたまるものか。

俺には、3人の案内人が着いている。

 

俺はもう、一人じゃない。

 

見上げる空は遠くても、いつか届くその日まで。

 

「俺は、手を伸ばし続ける」

 

その先の蒼に向かって。

 

「俺は、絶対に諦めない」

 

 

 

 

 

空を目指すもの ~完~




いつか、あの空に手が届きますように。

ここまでのお付き合い、本当にありがとうございました。
これからも、隊長の空への挑戦は続きます。
物語は一先ずの終わりですが、もしかしたら続きとか書くかもしれません。
気長にお待ち下さい。

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