【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜   作:塊ロック

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アクトレスと過ごすシリーズ、第6弾。

今回のお相手はアマ女の風紀委員さん。
彼女のハイテンションに我らの隊長はついていけるのだろうか。


遥か宇宙へと響くエグゾーストノート

 

 

『私の残像と戯れてると良いよ!!』

 

「…は?」

 

自分でも物凄い間の抜けた声が出たなと思ってしまう。

いやしかし無理もないと主張したい。

 

隣で戦闘宙域のモニターを見ていた四谷さんも、ぽかんとした顔をしていた。

 

『いぇーい!チェック!やったよね!!』

 

…いやだって、宇宙で、

 

「バイク乗るか普通…」

 

 

 

 

数日後。

 

 

 

 

所で、諸君は2輪へ憧れを持ったことは無いだろうか。

俺はというと勿論あった。

 

昔の貯金を卸せばまぁ買えなくはない…が、

 

「…種類とか、よくわかんねぇや」

 

不精な性格が災いして、良く調べていないのであった。

…そんなことを久しぶりに考えたいたら、1台のバイクが横を通り過ぎた。

 

(飛ばすねぇ…うん?)

 

二人乗りをしていたが…後ろの子がとても小さい。

しかも、身にまとっているのは見覚えのある制服…。

 

「アマ女の…?」

 

そのバイクは、目の前で停車、小柄な方が降り、メットを外した。

 

「やっぱりコロちゃんか」

「あ、隊長さん。ごきげんよう」

 

朗らかに笑うおっとりとした少女、須天頃椎名。

本人からの強い希望でコロちゃんと呼んでいる。

 

「てことはこっちは紺堂さん?」

「ちえりじゃないですよー」

「隊長さんちょっと酷いですよー?」

「ごめんごめん、仁紀籐。次からは間違えない」

 

バイクに跨っていたライダースーツ姿の少女がメットを外す。

こちらもアマ女の生徒で風紀委員長の仁紀藤奏だ。

 

かつて、鳴子坂に対して宣戦布告を行い、白金エリアを賭けて戦った相手だ。

現在は故あって和解。

共闘する関係となっている。

 

「…へぇ、これ仁紀藤のバイクなのか」

「そうですよ!かっこいいでしょ?」

「ああ」

 

それと、しっかりと手入れが行き届いていて大切にされている事がわかる。

 

「それで、二人は何を?」

「ちょっとナデちゃんにお買い物をお手伝いしてもらって」

「コロちゃんのお手伝いです!」

「仲が良いんだな」

「はいー。幼馴染ですからね」

「はい!昔からの付き合いです!」

 

アマ女の3人は何というか、仲がいいの一言で表すには何とも言えないオーラがあるけど。

…うちの二子玉が凄い興奮するし。

 

「買い物か…そこのスーパー?」

「そうですよー」

「俺も晩飯の買い物に来たんだ。良かったら荷物持ちでもするよ」

「そんな、悪いですよ」

「気にすんな。さ、行こうぜ」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「…ってことが昨日あってな」

「そうですか…仁紀藤さんは…その、元気でしたか?」

「気になるんだったら連絡とればいいだろう」

「それは…そうなんですが」

 

翌日、事務所に居た百科に昨日の話をする。

以前、仁紀藤と百科が交友を深めていたことを又聞きで知っていた。

 

「ま、友人との距離感っていうのは人それぞれだ。お前の場合引きすぎだがな」

「皆さん!!ごきげんよう!!」

 

ものっそい大きな声で誰かが叫んだ。

…ごきげんよう、なんて挨拶する人間を3人しか知らないし、この声の大きさだと一人しかいない。

 

「仁紀藤さん…!」

「あ、百科さん!ごきげんよう!」

「き、今日はどうされたんですか…?」

「百科さんに会いたくて!」

「えっ、」

 

そっと事務室を後にした。

 

「ちゃんと、友達は大事にしろよ」

「わぁ…!無理、尊い…」

「二子玉、邪魔しちゃ悪いからお前は向こうにいこうなー」

「あぁー!隊長!離してー!私はアマ女の壁のシミになるー!!」

 

夕刻。

 

シャードの人口の空が茜色に染まる。

今日は特にこれと言って手のかかる書類も無く、定時で帰れた。

 

「…仁紀藤」

「あ!隊長、ごきげんよう!」

 

自宅までの帰り道の途中にある公園前、仁紀藤がバイクから降りて休憩していた。

 

「すみません、わざわざ百科さんが居るタイミングを教えてもらって」

「気にするな。部下のケアも仕事のうちだ」

「またまたそんなもっともらしい事言って…キャラじゃないんじゃないですか?」

「バレたか」

「付き合いは短いですけど、隊長の人柄は結構わかりやすいですからね」

 

からからと笑う。

不思議なものだ。

この子はなんだかとっつきにくいイメージはみじんも感じさせられない。

 

「そんなわかりやすいか?」

「はい。かっこつけてますけど何だかんだ私たちを気にかけてくれる不器用に優しい人」

「…言ってて恥ずかしくないか?」

「って百科さんが言ってました」

 

がくっと首が落ちる。

そんな風に思われていたのか俺は。

 

「私もそう思います」

「なんで」

「だって、買い出しの行き先が同じだからって荷物持ちしてくれるなんてよっぽどのお人よしですよ」

「そうか…」

 

空を見上げる。

茜色は、だんだん暗くなっている・

 

「そろそろお暇させてもらおう。そっちも早く帰った方が良い」

「あ、じゃあ最後にひとつだけ」

「最後だぞー」

 

けらけらと笑って続きを促す。

 

「隊長はどうして”アクトレス”に優しんですか?」

「…」

「アクトレスの子に対する世話の焼き方が尋常じゃないですよ?何か理由でも…」

 

 

 

 

 

「憧れ…かな」

 

 

 

 

少し昔の、俺の命を救ってくれたアクトレスの少女。

 

その子にもう一度会いたい。

 

会ってお礼が言いたい。

 

 

 

「ちょっと違う気がするんですけど」

「はい、最後だ。またな仁紀藤」

「ちょ、隊長!?…もう。ごきげんよう!隊長!!百科さんによろしくー!!」

 

 

 




隊長がアクトレスに甘い理由は。

…なんだかあんまり絡ませられなかったなぁ。
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