銀騎士珍道中   作:自称・エリート銀騎士

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城塞都市騒擾 in 銀騎士:2

 バレアレ薬品店を営むポーション職人、リイジー・バレアレの孫が誘拐された──その知らせは冒険者組合を震撼させた。

 

 リイジーのポーション職人としての腕はエ・ランテルでも最高峰だ。ともすれば王国全体で見ても上位に位置するだろう。冒険者にとっての必需品であり生命線であるポーションを作るリイジーは組合にとって最重要人物であると言える。

 そんなリイジーの孫であるンフィーレア・バレアレは、若年ながら現時点においても既に優れたポーション職人として頭角を現している人物だ。魔法詠唱者(マジック・キャスター)としても優秀で、次代のバレアレ薬品店を担う人材として注目されている。

 

 そんなンフィーレアが誘拐されたとなれば、それはエ・ランテルの冒険者にとっても一大事である。『漆黒の剣』とリイジー本人によってその大事件を知らされた組合は即座に手隙の冒険者を招集、異例の速度で捜索隊を結成する。

 肝心の行方だが、意外にもその手掛かりは簡単に判明した。『漆黒の剣』の一員であるガレアが既に追跡を行っており、その行き先は道路の破壊という形でこれ以上なく明確に刻まれていたのだ。

 

 バレアレ薬品店からエ・ランテル西端まで延々と続く派手な破壊痕がただの足跡であることに捜索隊は戦々恐々としつつ、唯一の手掛かりを辿って彼らは共同墓地に突入する。

 

 そして彼らは、新たな英雄誕生の瞬間を目撃することになる。

 

 

 

 

†††

 

 

 

 

「カジッちゃ~ん! へるぷ、へるぷみ~!」

 

「……クレマンティーヌ、貴様は何を連れて来たのだ」

 

 予期せぬ逃走劇により全身汗だくとなったクレマンティーヌは這う這うの体で共同墓地に逃げ込み、協力者である男に助けを求める。

 カジッちゃんと呼ばれた男──秘密結社ズーラーノーンの高弟、カジット・デイル・バダンテールはとても助力を請う者の態度とは思えぬふざけた声を上げる協力者に呆れ顔を向けつつ、彼女の後を追ってきた侵入者を油断なく睨んだ。

 

「貴様らがンフィーレア殿誘拐の首謀者か。一応通告しておこう、大人しくンフィーレア殿の身柄を返したまえ。そうすれば命だけは取らないでやろう」

 

「愚か者め。どうやら自分の立場が分かっていないらしいな」

 

 全身を重厚な漆黒の鎧で覆った偉丈夫──ガレアの通告をカジットは鼻で笑う。この場は死霊魔法を扱う彼にとって最大限に力を発揮できるフィールドだ。眼前の敵は(カッパー)のプレートに見合わぬオーラを放つ屈強な戦士のようだが、墓地にいる限りカジットに敗北はない。

 

(だが、足手纏いを抱えていたとはいえクレマンティーヌがまだ殺していない……殺せていないというのは気にかかる)

 

 協力者であるクレマンティーヌは、スレイン法国が抱える最強の特殊部隊『漆黒聖典』の元メンバーという経歴を持つ。その戦闘力は漆黒聖典時代に使っていた武装を手放している現在であっても絶大であり、冒険者に換算するならアダマンタイト級……即ち英雄級の実力を有する戦士なのだ。並の冒険者が束になってかかったとしても彼女なら笑いながら殺せるだろう。

 そしてクレマンティーヌは快楽殺人者という一面も持っている。人間を殺すこと、弱者を甚振る行為を「愛している」とまでのたまう狂人であり、彼女と敵対して生きて帰れる可能性は絶無であると言っていいだろう。それは彼女が纏う軽鎧の表面に打ち込まれた無数の冒険者プレートが示している。

 

 そんな彼女が戦わずに「逃走」を選択し、あろうことか戦闘者として格下のカジットに──それが本心からのものかは分からないが──協力を求めてくるという異常事態。それだけで相手が只者ではないと分かる。

 尤も、戦士ではないカジットにはガレアの正確な力量を測ることはできない。同じ戦士であれば足運びや体幹などの身のこなしからおおよその実力を割り出すのだろうが、完全後衛職である彼は装備品の良し悪しなどから何となく察するしかなかった。

 

(見上げるような巨体、儂の身長より大きな剣、精巧な造りの鎧……少なくとも駆け出し冒険者の出で立ちではないな。あまり油断し過ぎるのも危険か……)

 

 とはいえ確かにガレアから放たれる重圧と敵意は尋常ではないが、それでもカジットは自らの優位を疑っていなかった。第三位階の魔法を操る己に、最強クラスの戦士であるクレマンティーヌ。そしてカジットには及ばないまでも、優秀な魔法詠唱者(マジック・キャスター)の弟子が十名ほど。対する相手は戦士がたった一人。これ程の数的優位があれば苦戦する方が難しいだろう。

 加えて──

 

(儂にはこの『死の宝珠』がある!)

 

 カジットは不敵に笑い、手にした黒い球体へと視線を注ぐ。

 死の宝珠という名のこれは「知性あるアイテム(インテリジェンス・アイテム)」という稀少な魔道具である。その名の通りに宝珠そのものに自我が存在し、死霊魔法やアンデッドの支配を補助する強力な効果を宿している。これによりただでさえ高位魔法詠唱者(マジック・キャスター)であるカジットの魔法は著しく強化されるだろう。

 

 墓地という自らに有利なフィールド。伝説級のアイテム。意のままに動く優秀な弟子たち。そして言う事は聞かないが優れた実力の協力者。カジットは改めて自らの陣容の充実ぶりを再認識し、いつに無い高揚感に頬を吊り上げた。

 

「ふん、とっとと邪魔者を片付けるぞ。早く死の螺旋を完成させねばならぬ」

 

 邪悪な笑みを浮かべ、カジットは弟子たちに指示を出そうとする。

 カジットがその気になったことを察した弟子たちは即座に杖を構える。クレマンティーヌもまたチェシャ猫のような不気味な笑顔でスティレットを手に取り──

 

 その敵意を以て開戦の合図とし、ガレアは問答無用で斬りかかった。

 

 つい先ほど無駄に問答したせいでみすみすンフィーレアを奪われたばかりである。ガレアはこの期に及んで一切の手加減をするつもりはなかった。

 相手が敵と分かったのならば是非もなし、如何に小人が相手だとて容赦はせんと。名乗りもなく一瞬で間合いを詰めたガレアは、カジットの前で隊伍を組んでいた弟子たちを大剣の一振りで薙ぎ払った。

 

「なッ……!?」

 

「コイツ……!」

 

 瞬きの刹那に数的有利は失われる。カジットの動体視力ではガレアの踏み込みに反応できず、彼の目には突然血飛沫と共に弟子たちの上半身が失われたようにしか見えなかった。

 クレマンティーヌにしても、これ程の速度で間合いを潰されるのは予想外だった。ついさっきの逃走劇の時点で嫌な予感はしていたが、あろうことか相手の足の速さは自身に並ぶ。彼女は驚愕と共に想定していた敵の力量を上方修正した。

 

 身軽さを活かした軽快な立ち回りと素早い身のこなしを得意とするクレマンティーヌに迫る速さ。そして弟子レベルとはいえズーラーノーンの魔術師を十人まとめて斬殺できる力。これ程の実力者が(カッパー)級の冒険者であることも、これまで無名であったこともあり得ない。ともすれば漆黒聖典の隊員クラスの戦士が敵となったことにクレマンティーヌは歯噛みした。

 

「王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ、『蒼の薔薇』のガガーラン、『朱の雫』のルイセンベルグ・アルべリオン、かつて戦士長と互角に戦ったっていうブレイン・アングラウス……王国で私と戦える実力の戦士はそのぐらいだと思ってたんだけどなー。カジッちゃん、油断しない方がいいかもねー?」

 

「分かっておるわ! くっ、何故よりにもよって大願成就を目前にして邪魔が入るのだ……!」

 

 今度こそ油断を排したカジットは忌々しげに顔を歪めながら死の宝珠を掲げる。魔法発動の気配を感じ取ったガレアはそうはさせじと再び距離を詰めようとするが、その前にクレマンティーヌが立ちはだかった。

 

「〈不落要塞〉!」

 

 武技を発動し、スティレットで振り下ろされる大剣を受け止める。

 迫るのは大剣どころか特大剣とでも言うべき巨大な剣。それと比べれば、クレマンティーヌの得物はあまりに小さく頼りない。だが武技〈不落要塞〉の効果により一時的に城塞の如き堅牢さを宿し、武器の差を覆してガレアの剣を弾くことに成功した。

 

 スティレット諸共クレマンティーヌを叩き潰すつもりでいたガレアは、信じ難い手応えと共に自慢の大剣が跳ね返されたことに兜の下で瞠目する。

 その隙を逃すクレマンティーヌではない。彼女は大きく態勢を崩したガレアの懐に飛び込み、兜と胴鎧の継ぎ目を狙ってスティレットを突き出した。

 

「ガッ……!?」

 

 だが次の瞬間、クレマンティーヌの腹に漆黒の大盾がめり込んだ。

 盾は相手の攻撃を受け止める防御用の装備だが、ガレアが片手で持つそれは人間が扱う壁盾にも匹敵する巨大さを有しており、振り回せば十分な殺傷力を持った質量武器になる。身軽さを確保するために最低限の装甲しか装備していないクレマンティーヌにとって、そのシールドバッシュはかなりの痛打となった。

 

「よくやった、クレマンティーヌ!」

 

 吐血しながら吹き飛ぶクレマンティーヌを尻目に、カジットは召喚した二体のアンデッドを嗾ける。

 そのアンデッドは人骨の集合体とでも言うべき姿をしていた。無数の骨が寄り集まり、長い首、大きな翼、強靭な尾を形成している、さながら骨でできたドラゴンのような異形のモンスター。

 

 名を骨の竜(スケリトル・ドラゴン)。死の宝珠の補助を得て召喚した、カジットにとって最大の切り札となるアンデッドである。

 

「これは……!」

 

 竜はガレアにとって……否、火の時代を開闢したあらゆる神々にとって因縁深い相手だ。岩のウロコを持つ万古不易にして火の敵対者。裏切りの古竜、白き竜公シースの助力によってようやく打倒が叶った前時代の支配者である。

 無論目の前の存在は本物の竜ではなく、竜の姿を模しているだけのアンデッドに過ぎない。しかし見る者に根源的な畏れを抱かせる超越種の似姿はガレアを警戒させるには十分な効力を持っていた。

 

 動揺するガレアの姿を見たカジットは嗜虐的な、しかしどこか安堵したようにも見える笑みを浮かべた。

 

「本来ならば召喚に二ヶ月もの大儀式を要するアンデッド、骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の連続召喚! これが死の宝珠の力だ!」

 

 夜の静寂(しじま)を引き裂き、異形のドラゴンの咆哮が墓地に響き渡る。

 同時に、俄かに墓地の入り口が騒がしくなる。何事かとガレアが振り返れば、そこには彼の後を追って駆け付けたのだろう冒険者たちの姿があった。

 

「ガレアさん、助太刀に来ました!」

 

 その先頭にいるのはペテルたち『漆黒の剣』だ。足の腱を切り裂かれていた筈のルクルットらも復帰している。恐らくその場にいたリイジーからポーションを都合してもらい負傷を癒したのだろう。

 だが間が悪い。冒険者たちの中には(ゴールド)のプレートをぶら下げている者も散見されるが、敵は英雄級の戦士クレマンティーヌに、死の宝珠の補助を得たカジットの手によって召喚された骨の竜(スケリトル・ドラゴン)が二体。彼らには荷が勝ちすぎる相手だった。

 

「チィ、冒険者どもめ……骨の竜(スケリトル・ドラゴン)! 奴らを始末しろ!」

 

 号令一下、骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の片割れが皮膜のない翼を羽搏かせ飛翔する。向かう先は今し方入ってきた冒険者たちだ。

 

「させん!」

 

「それはこちらの台詞だ!」

 

 ガレアの頭上を飛び越え冒険者たちに迫る骨の竜(スケリトル・ドラゴン)。ガレアはそれを阻止しようと動くが、カジットは即座にもう片方の骨の竜(スケリトル・ドラゴン)をガレアに嗾ける。

 迫る異形の鉤爪。骨ばかりとはいえ竜の爪である。ペテルたちの安否も心配だが、自身に迫る脅威を無視することもできない。ガレアは舌打ちし、仕方なく己を狙う骨の竜(スケリトル・ドラゴン)に向き直った。

 

 左腕に装備された黒騎士の盾を掲げる。混沌に抗するべく鍛造された漆黒の大盾と骨の鉤爪が激突し、轟音と共に火花を散らした。

 

「……む?」

 

 だが、覚悟していたものより遥かに軽い衝撃にガレアは首を傾げる。これでは賢王改めハンムラビ・ニムロデ・ユスティスケことハムスケの尾の一撃よりも劣る。

 然もあらん。骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は確かに強力なアンデッドだが、それでも難度は48である。対して森の賢王は骨の竜(スケリトル・ドラゴン)を大きく上回る難度90の大魔獣なのだ。それを容易に下したガレアにとって、骨の竜(スケリトル・ドラゴン)など本来ならば難敵でも何でもない。ただ竜の似姿を前に過剰に警戒してしまっただけである。

 

「ガレアさん、こっちの骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は我々で相手をします!」

 

「あ、うむ」

 

 ガレアは何とも言えぬ表情で曖昧に返答し、腕の一振りで盾に爪を立てていた骨の竜(スケリトル・ドラゴン)を吹き飛ばした。

 

「な、何だと!?」

 

 確かにガレアは非常に大柄な戦士だが、骨の竜(スケリトル・ドラゴン)はそれに輪を掛けて大きい。ドラゴンの名を冠しているのは伊達ではなく、その体高は三メートルを超え、尾を含めた全長はゆうに十メートルに達するだろう。肉がないとはいえ、その体重はかなりのものの筈だ。

 にもかかわらず、漆黒の戦士は片手で骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の全体重を押し返し、しかも大きく吹き飛ばしてしまったのだ。その異常性は魔法詠唱者(マジック・キャスター)のカジットにすら容易に察せられる。

 

「ぐっ、〈負の光線(レイ・オブ・ネガティブエナジー)〉! 〈鎧強化(リーンフォース・アーマー)〉! 〈下級筋力増大(レッサー・ストレングス)〉!」

 

 カジットは慌てて骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の負傷を癒し、同時に魔法による防御力と攻撃力の増強も行う。援護を受けて魔力のオーラを全身から立ち昇らせた骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は、咆哮を上げながら再びガレアに向かって突進した。

 

「似ているだけの()()()であったか。が、仮にも竜の(なり)をしておるのだ。ただ叩いて砕くのでは風情がなかろうな──」

 

 それを迎え撃つガレアは、大剣を地面に突き刺し空いた右手を頭上に掲げる。次の瞬間、夜天に瞬く星々を掴むかのように大きく開手された掌の上に極小の太陽(プラズマ)が出現した。

 黄金の輝きは神の奇跡たる証。一瞬で夜の闇を尽く掃い去ったその業の名は「雷の大槍」。古き竜狩りの秘儀である。

 

「魔法だと!? 貴様、戦士ではなかったのか!?」

 

「如何にも。我は銀騎士、白き神座を守護せし()()()()である」

 

 雷即ち神鳴り。これぞ神の従僕たる証であると。

 アノール・ロンドを守護する銀騎士は一騎一騎が優れた戦士であり、同時に神の奇跡を物語る聖職者でもある。加えて火の時代の始まりより神と共にあったガレアの身に宿る祝福は銀騎士の中でも特に色濃く、その奇跡は小人の聖職者が扱うものとは比較にならぬ威力を宿していた。

 

「だ、だが! 骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は魔法に対する絶対耐性を有するアンデッド! 戦士が魔法を扱うことには驚かされたが所詮は無意味よ!」

 

 そう、骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は魔法攻撃を無効化する能力を有しているモンスターなのだ。魔法詠唱者(マジック・キャスター)にとっての天敵というべき存在であり、更にアンデッド特有の各種耐性も相俟り冒険者からはミスリル相当の強敵と認識されている。

 

 ──しかし、実はその認識は正しくない。確かに骨の竜(スケリトル・ドラゴン)は魔法に対する耐性があるが、正確には「第六位階までの魔法の無効化能力」が正しい。尤もこの世界では第六位階以上の高位魔法を使える存在は皆無に等しいため、絶対的な魔法耐性があると勘違いされても仕方がないのだが。

 

 そしてガレアの「雷の大槍」は第六位階以上の威力を有していた。彼の扱う奇跡はこの世界の位階魔法とは根本から異なるため一概には比較できないのだが、少なくとも第七位階魔法である〈連鎖する龍雷(チェイン・ドラゴン・ライトニング)〉と同等かそれ以上の威力があることは確かだった。

 

「太陽の光の王の加護ぞあれ! 願わくは、死せる竜に永久の眠りを与え給う!」

 

 辺りを真昼のように照らしていた雷の輝きが最高潮に達する。ガレアは大きく右腕を振り被り、地鳴りを伴う踏み込みと共に黄金の雷槍を投げ放った。

 太陽面爆発(フレア)を思わせる灼熱を撒き散らし、爆音と共に飛翔する雷槍。それは真っ直ぐに牙を剥く骨の竜(スケリトル・ドラゴン)に突き刺さり、僅かの抵抗も許さずその巨体を爆散させた。

 

「あ、あり得ん! こんなことがあり得るかあああああ!?」

 

 骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の総身を砕いた「雷の大槍」は、しかし一切威力を失わぬまま突き進む。その矛先が向かう先にいるのは、援護のために骨の竜(スケリトル・ドラゴン)のすぐ背後にいたカジットである。

 カジットは狂乱しつつも、咄嗟に〈電気属性防御(プロテクションエナジー・エレクトリシティ)〉を発動する。これに加え元々装備していた魔法防御を付与する魔道具の効果によって、第三位階の雷属性魔法程度なら無傷で凌げる程度の防御を得る。

 だが、それが何だというのか。骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の魔法無効化能力すら貫通してしまう理外の奇跡に対して、我が身を守る防御の何と心許ないことか。

 

(何故だ、何故、どうしてこんなことに──)

 

 時間の流れが鈍化する。迫る雷槍の余波だけで既に炭化しつつある皮膚の痛みすら忘れ、今わの際にあるカジットの思考を占めるのは「何故」という思いだけだった。

 何故こんなことになったのか。どこで何を間違えたというのか。何故、どうして──

 

 彼の三十年以上に渡る研鑽。その道程の始まりから既に間違っていたことにすら気付かず、カジット・デイル・バダンテールは死の宝珠諸共その生涯を終えるのだった。

 

 

「去らば、名も知れぬ小人よ。貴様の死出の旅路に、せめて太陽のあらんことを」

 

 名を尋ねることすらせず焼き払った小人に対し、せめてもの慈悲としてガレアは小さく祈りの言葉を口にする。

 辺りは静寂に包まれていた。もう片方の骨の竜(スケリトル・ドラゴン)も召喚者の消滅により活動を停止しており、それを相手にしていた冒険者たちは開いた口が塞がらぬ様子でガレアを凝視している。

 

「さて」

 

 地面に突き刺さっていた大剣が重々しい金属音と共に引き抜かれる。身の毛もよだつような風切り音を上げて刀身に付着した土を払い落とし、大剣を肩に担ぎ直したガレアは残るもう一人に視線を向けた。

 

「残るは貴様だけだ、女」

 

「は、はは……冗談きついって……」

 

 兜の下から覗く銀の眼光に射貫かれたクレマンティーヌは蒼褪めた顔で後退る。

 片手で骨の竜(スケリトル・ドラゴン)の巨体を投げ飛ばす怪力を持ち、更には絶対的な魔法耐性をも無視する埒外の魔法を操る戦士──何だそれは。いつから現実は物語の舞台になったのだ。

 

 冗談ではなかった。こんな化物、聖典の逸脱者でもなければ相手にならない。同じ化物同士、きっといい戦いになるに違いない。

 

「ねえ、見逃してくれない? 見逃してくれたらコレあげるからさ、ね、コレって凄い魔道具(マジックアイテム)なんだよ? 叡者の額冠っていうんだけどさ、実は法国の最秘宝で──」

 

「女。いや、クレマンティーヌといったか」

 

 有無を言わせぬ威圧が籠もったガレアの声に、クレマンティーヌは命乞いの中断を余儀なくされる。

 

「小人を下に見るつもりはないが……いや、虚偽は侮りを上回る侮辱だな。正直に言おう。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。この屈辱は、完膚なきまでの勝利によってのみ雪がれるであろう」

 

 故に許さぬと。

 要するに、ガレアはまんまとクレマンティーヌに出し抜かれたことを根に持っていたのである。

 銀騎士ガレア、微妙に器の小さい男であった。

 

「生き残りは貴様だけになってしまったからな。尋問のためにも命までは取らぬ。……だが、口を利くのに手足は要らぬであろうな」

 

「達磨女が好きなんてイイ趣味してるじゃない……でも、そんなおっきな剣で手足を斬られたら出血多量で私死んじゃうよ?」

 

「安心せよ、吾輩は回復の奇跡を修めておる。頭と胴体さえ残っていれば生かしておくのに問題はない」

 

 問題大ありだっつーの、という罵声が出そうになるのを堪える。今更回復魔法まで使えることに驚きはしないが、その事実はクレマンティーヌを更に絶望させるには十分な威力を持っていた。腕と足は戦士にとっての命に等しい。手足を失えば、クレマンティーヌは生きながらにして死んだも同然の有り様になるだろう。

 死は恐ろしくない。この世界には蘇生魔法が存在するため、死んでも甦ることは不可能ではないからだ。

 だが、蘇生魔法では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。もし手足を断たれた状態で傷口を塞がれてしまえば、クレマンティーヌの身体はその状態で固定されてしまうだろう。

 

(逃げなきゃ)

 

 だがガレアの身体能力を考えれば、普通に逃げただけでは遠からず追いつかれてしまうだろう。

 そこでクレマンティーヌはここまで運んできたンフィーレアの存在を思い出した。気絶させ少し離れた所に転がしておいたあの少年を人質にとれば、もしかしたら逃げられるかもしれない。

 

 そう思い立ったクレマンティーヌは即座に行動に移す。まず第一条件として、ンフィーレアの身柄を確保するまでにガレアに追いつかれるわけにはいかない。

 対象との距離はそう遠くはないが油断はできない。狙いを悟られないよう視線はガレアから動かさず、僅かに腰を落としいつでも飛び出せるように体勢を整えていく。

 

 ガレアは動かない。自分から仕掛けるつもりはないのか。強者の余裕というやつだろうが、好都合だ。クレマンティーヌは足に力を込め、ンフィーレアを横たえてある地下神殿の入り口へと飛び出そうとし──

 

「莫迦め。吾輩から逃げられると思うたか」

 

 その声は背後から。金属特有の硬く冷たい感触に肩を押さえつけられ、クレマンティーヌは全身を総毛立たせた。

 肩に手を置かれている。それを理解した彼女は血の気を引かせた。

 

(そんなバカな! 私は一切目を逸らさなかったぞ! コイツ、まさか……!)

 

「転移魔法……!?」

 

「そんな便利なものを使えれば言う事はないのだがな。生憎と魔術師でない吾輩には転移魔法を使うことはできん。ただ目にも留まらぬほど速く動いたというだけよ」

 

 クレマンティーヌは先ほどガレアが見せた踏み込みが最高速度だと思っていたが、その認識は正しくなかった。

 ガレアは身に宿した雷の力によって通常より速く動くことができる。彼が知る最速の戦士である“竜狩り”オーンスタインも同様の原理による高速移動を得意としており、とりわけオーンスタインは光速一歩手前という出鱈目極まる加速を可能としていた。

 だが、ガレアの実力では()()()()速さは出せても、()()()()の速度で動くことまでは不可能だった。そのぐらいの速度であれば、クレマンティーヌの動体視力ならば辛うじて目で追う程度はできただろう。

 

 では、どのようにしてクレマンティーヌ程の戦士の動体視力を振り切ったのか。その絡繰りはガレアが「残り火」と名付けたものにあった。

 ガレアはこの世界に落ちる直前、最初の火の炉で始まりの火に全身を焼かれ、しかし燃え残ったことでその身に始まりの火の残滓を宿した。始まりの火とは火の時代における万物の根源。グウィンら創世の神々を王たらしめる特別なソウルもまた始まりの火の内より生じたものだ。欠片とはいえ根源たる始まりの火、その灼熱の神秘が齎す力は想像を絶する。

 かつて大いなるイザリスですら再現しようとして失敗した原初の火。それを宿したガレアは、疑似的ではあるが大王グウィンと同じ存在──薪の王となったのである。

 

 漆黒の鎧の隙間から赫奕と共に火の粉が漏れ出る。肩に置かれた手を通して圧倒的なエネルギーの奔流を感じ取ったクレマンティーヌは、反射的に手を払い除けようと身体を動かす。

 グシャリ、と肩当ごと腕が握り潰される音が響き渡った。

 

「ッッ……!!」

 

「まずは左腕」

 

 歯を食い縛って悲鳴を堪え、クレマンティーヌは壊れた肩を庇いながら飛び退る。

 今ので完全に左腕が使い物にならなくなった。切断されなかっただけマシと捉えるか、無駄な重石ができたと嘆くべきか微妙なところだ。少なくとも、力が入らずぶら下がるだけとなった左腕は確実に動作に支障を来すだろう。

 

「クソッ、ちくしょう……!」

 

 悪態を吐きながら駆け出す。とにかく立ち止まっては駄目だと本能が叫んだ。

 案の定、一瞬前までいた空間に大剣の切っ先が突き出される。動いていなければ確実に右腕を吹き飛ばされていた。ぶわり、と全身から嫌な汗が噴き出す。

 

 相手は信じ難い速度での移動を可能にしている。よって逃走は不可能。

 ならば活路は正面にしかない……が、敵の力はあまりに強大だ。次元が異なると言っていい。まず勝ち目はないだろう。

 進むも地獄、退くも地獄。完全に進退窮まった現実にクレマンティーヌの表情が絶望に染まる。

 

「クソ、クソ、クソッ! クソがああああッ!!」

 

 どうせ地獄ならば、せめて一矢報いてやる。そう開き直ったクレマンティーヌはヤケクソ気味に吼え、スティレットを握り締めて飛び出した。

 

 〈能力向上〉──

 〈能力超向上〉──

 〈疾風走破〉──

 

 続けざまに武技を三種発動、身体強化の三重掛けにより限界を超えた肉体を全力駆動させる。

 並の人間からすればそれこそ瞬間移動と見紛うほどの超加速。全身の血管が破裂するのではないかという程の負荷に負傷した左腕が激痛を訴えるも、クレマンティーヌはその一切を意識から排除した。この程度の痛みが何だというのか。無理をしてでも動かなければどの道死ぬのだ。

 加速する身体とは反対に鈍化する意識の中、視線の先では漆黒の戦士が悠然と佇んでいる。構えることすらしないのは余裕の表れだろう。漆黒聖典の隊員ですら全力を出したクレマンティーヌの動きを目で追うのは至難の業だったというのに。

 

 しかしクレマンティーヌには僅かにだが勝算があった。

 先ほど〈不落要塞〉で大剣を弾いた時、ガレアはまるで未知の現象に直面したような驚きを見せていた。確かに〈不落要塞〉は習得難度の高い武技だが、それなりのレベルにある戦士にとってはさほど珍しい技ではない。ガレアほどの戦士であれば自ら習得していても不思議ではないだろうに、何故そのような反応を見せたのか。

 

 考えられる可能性としては、元々防御系武技の適性に欠けており、且つ〈不落要塞〉を扱う戦士との戦闘経験がなかったというもの。

 誰にでも向き不向きというのはあるもので、レベルは十分でも素質の問題で特定の武技が習得できないという現象は珍しいものではない。

 そして冒険者という人種はモンスターとの戦闘経験は豊富でも、対人戦闘の経験には乏しいというのが常だ。対モンスターに特化した職種であるため仕方のないことだが、それ故にレベルは高いのに対戦士・対武技への理解が不足してしまうということもあり得てしまう。

 

(正直、これ程のレベルの戦士に限って都合よく武技の知識に疎いなんてあり得ないとは思うけど……今はそれに賭けるしかない)

 

 真っ直ぐに駆ける。小細工の一切を用いず、全速力で突撃しスティレットによる急所への刺突攻撃を敢行する。これぞクレマンティーヌの基本にして極みたる戦法。これまで数多の敵を打ち砕いてきた必殺の一撃が放たれ──

 

「鈍いわ!」

 

 ──それで終わる相手ではない。当然のように盾で防がれる。大抵の相手はこれだけで決着がつくような一撃だが、今回に限ってこれは次なる一手に繋げるための布石だ。

 

「まだ終わりじゃないんだよ!」

 

 〈流水加速〉──!

 

 技後硬直の一切を無視し、流れゆく水の如き滑らかさで次の動作に移行する。突撃のために伸び切った筋肉も盾で弾かれたことによる反動も、その全てがこの武技発動中に限り無視できる。

 

 果たして、クレマンティーヌは賭けに勝った。兜で覆われているため表情は窺えないが、明確な動揺が伝わってくる。やはりコイツは武技を、〈流水加速〉を知らなかった──!

 

「貰ったァッ!!」

 

 盾を踏み台にガレアの巨体を駆け上がる。そのままスティレットを逆手に持ち替え──スリットから覗く眼球目掛け刃を振り下ろした。

 

「ッ……!」

 

 ガギン、と硬質な音を立てて刃が止まる。眼球を潰すつもりで放ったスティレットの切っ先は狙いを外れ、歯で噛んで止められてしまう。そしてメリメリと音を立てて刃が噛み潰されようとしている感触が柄を通し伝わってきた。

 仮にもオリハルコンでコーティングされたミスリル製の刃を噛み潰すなど、とてもではないが人間の咬合力ではない。つくづく化物め、とクレマンティーヌは内心で毒づいた。

 

 だが問題はない。本当は眼球を貫き脳を破壊する腹積もりだったが、これならこれでやりようはある。

 このスティレットには〈魔法蓄積(マジック・アキュムレート)〉という魔法付与が施されており、第三位階までの魔法を込めることでその魔法を一度のみ使用することが可能となっている。クレマンティーヌが所持する四本のスティレットには例外なくこの〈魔法蓄積(マジック・アキュムレート)〉が付与されており、それぞれに異なる効果の魔法が込められていた。

 

 そして、今クレマンティーヌが手にしているスティレットに込められた魔法は第三位階魔法〈火球(ファイヤーボール)〉。優秀な射程と威力を両立した、殺傷力の高い魔法の代表格とも言える()()()()()()である。

 

「死ねェッ!!」

 

 爆炎が迸る。今にも砕かれようとしていたミスリルの刃から魔法の炎が噴出し、口腔を通じガレアの肺を焼き尽くす。

 それだけでは止まらない。着弾地点で爆発し広範囲に熱波と火炎を撒き散らすという凶悪な性能を誇る〈火球(ファイヤーボール)〉は、零距離で放たれたことにより一瞬で全身を焼き尽くす程の業火となってガレアを包み込んだ。

 

(勝った……!)

 

 クレマンティーヌは勝利を確信し笑みを浮かべた。

 これで殺せたのなら良し。よしんば死んでいなくとも、体内から焼かれたことによる大ダメージですぐには動けまい。その隙に逃げれば勝利条件は満たせる。

 

(勝った! 隊長クラスの化物に! この私が!)

 

 勝った──その、筈だったのに。

 

 

「見事だ、クレマンティーヌよ」

 

 

 ああ、そんなことがあり得るのか。

 何故こいつは……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「小人風情と言ったが撤回しよう。以前の吾輩であれば、この一撃で少なからずダメージを負っていたであろうからな。

 ……貴様は運がなかった。今の吾輩にとって、()()()()の熱量は微風に等しい」

 

 〈火球(ファイヤーボール)〉の炎が、ガレアの内から生じた別次元の灼熱によって塗り潰される。

 クレマンティーヌには知る由もない。それは始まりの火、原初の炎。その熱量のみを以て世界一つを存続させ続けた創世の劫火である。今や欠片に過ぎぬとはいえ、人間の生み出した炎で掻き消すにはエネルギーの桁が違い過ぎた。

 

 総身から紅蓮を立ち昇らせるガレアの威容に、今度こそクレマンティーヌの表情が絶望で埋め尽くされる。然もあらん。五臓六腑を焼き尽くされて、それでも平然としていられるような手合いに対抗できる手段など彼女は持ち合わせていないのだから。

 

「飛竜の吐息(ブレス)にも及ばぬ小火とはいえ、吾輩の肉体に一撃を見舞った事実は評価せねばならん。侮辱には死の苦痛を以て応じるのが戦士の慣わしだが、これ程の勇士を虫の如くに潰してしまうのはあまりに惜しい」

 

 ガレアにとって、盾と鎧の守りを抜いて攻撃を受けたのはこの世界では威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)による〈善なる極撃(ホーリー・スマイト)〉以来ようやく二度目のことだ。かつての世界においても、歴戦の銀騎士であるガレアにまともな傷を負わせられる存在は限られた。それが小人ともなれば尚のことだ。

 並の戦士では銀騎士の鎧に傷一つ付けることなく斬り伏せられて終わる。その例外たる勇士の手足を虫のように()いでしまってはあまりに無体というもの。ここは一つ、広い心で過去の因縁は水に流してやるのがエリートの度量というものであろうと。

 

「五つ裂きにしてやろうと思っていたが、貴様の戦士としての力量に敬意を表しそれは取り止めとしよう。が、それで犯した悪事が無かったことになるわけでもなし。吾輩の温情に感謝し、大人しく公の沙汰を待つがいい」

 

 そう告げ、ガレアは一歩で彼我の距離を詰める。咄嗟に飛び退ろうとするクレマンティーヌの頭を掴んで止め、剥き出しの腹に重い拳を叩き込んだ。

 臓腑が引っ繰り返るような衝撃に、クレマンティーヌの意識は為す術なく暗転する。ガレアは吐瀉物が鎧を汚すのも気にせず崩れ落ちた女戦士の身体を抱き留めると静かに地面に横たえ、遠巻きにする冒険者たちに声を掛けた。

 

「ンフィーレア殿誘拐の下手人は取り押さえた。此度の一件はこれにて落着である。誰ぞ、縄でも鎖でも縛れる物を持っておらぬか? 気絶させたが、念のため手足を縛り確実に拘束しておきたい」

 

「……お、俺が縄を持ってる。使ってくれ」

 

(かたじけな)い」

 

 ガレアの要求に一人の冒険者が応える。白金(プラチナ)のプレートを首に下げたその男は、震える手でガレアに縄を手渡す。

 ガレアは男が震えていることに気付いたが、敢えてその訳を尋ねるようなことはしなかった。神族であるガレアにとって、小人から向けられる畏怖の感情はむしろ馴染み深いものだ。この男もそれと同種の恐怖に震えているのだろうと推測していた。

 

 だが、その推測は半分正解で半分不正解だった。

 確かに彼らはガレアの異常とも言える力に畏怖を抱いていた。骨の竜(スケリトル・ドラゴン)をも砕く未知の魔法を操り、〈火球(ファイヤーボール)〉の直撃を喰らっても平然としている不死身の如き巨躯の戦士。しかも戦士としての実力も桁違いで、明らかに英雄級の強さを持っていた女戦士を情け容赦のない苛烈さで圧倒したのだ。これ程の超人を前にして畏怖するなという方が無理な相談である。

 

 しかし同時に、この場に居合わせた冒険者たちは誰もが得も言われぬ興奮を感じていた。それは自らが歴史的瞬間を目撃した生き証人になれたという自覚が齎す高揚感。

 ()()()()()──個の武力が戦争をも左右し得るこの世界において、英雄の存在は果てしなく大きな意味を持つ。

 

 リ・エスティーゼ王国内で例を挙げるならば、周辺国家最強の戦士たるガゼフ・ストロノーフに、アダマンタイト級冒険者の『朱の雫』と『蒼の薔薇』といったところか。いずれも王国のみならず、世界中にその名を轟かせる英雄豪傑たちだ。王国人が国自慢をする際には必ずと言って良いほど彼らの名が挙がる、と言えばその勇名の程は容易に知れよう。

 そこに新たな英雄が加わるかもしれないのだ。それが冒険者で、且つ長らくアダマンタイト級が存在しなかったエ・ランテルに所属する人物ともなれば、彼らの期待は一入(ひとしお)である。

 

 果たして彼らの期待は現実のものとなり、エ・ランテルに一人のアダマンタイト級冒険者が誕生することとなる。

 それは遠くない未来、今より約一ヶ月ほど後のことだった。

 




原作と違いクレマンティーヌは死んでいませんが、だからといって運が良いかというとそういうわけでもなく。結局のところ、死んでいようがいまいが風花聖典か邪神教団に回収されるというオチに変わりはありません。合掌。

それではまた明日、20:00頃にお会いしましょう。
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