銀騎士珍道中 作:自称・エリート銀騎士
偉大な先駆者様たちが作り上げたテンプレートをなぞることしかできない拙作ですが、今後も目を通して頂ければ幸いです。
目覚めてより吾輩が感じていた違和感の一つに、絶えず全身を苛む灼熱感があった。
これについては概ね見当がつく。吾輩は偉大なるグウィン王と共に最初の火の炉へ足を踏み入れ、王のソウルを燃料に爆発的な再点火を起こした始まりの火に焼かれた。身体に感じるこの熱はその残滓だろう。あの瞬間、確かに吾輩の肉体とソウルは創世の炎に晒され、だが如何なる理由か燃え残ったのである。
ちなみに、吾輩の黒銀鎧が真っ黒に焼け焦げていたのもこれが原因と思われる。吾輩はそっと銀騎士の鎧に着替えた。
この熱を始まりの火の残滓……暫定的に「残り火」と名付けよう。疑似的に薪となった吾輩の身体にはこの残り火が宿り、燻りに焼かれた状態にある。分かりやすく言うならば火傷状態であるな、多分。差し当たって大きな問題はなく、徐々にではあるが身を苛む熱は治まりつつあった。きっと吾輩の身体がこの状態に慣れてきたのであろう。
さて、問題はもう一つだ。それは吾輩が目を覚ましてから初めて見上げた太陽に抱いた違和感である。
天にありて遍く生命を照らすそれは紛れもなく吾輩がよく知る太陽そのものであり、一見してこれといった差異はないように思えた。だが、時間を置いたことで冷静になった吾輩は決定的な違いに気が付いてしまったのだ。
我が永遠の太陽、神々の王たる大王グウィンの神威が感じられないのである。
アノール・ロンドにおいて、大王グウィンとは太陽であり、また太陽とは大王グウィンである。
そして終に王はお隠れになり、薪として時代の礎となられた。それが外の世界に如何なる影響を与えたのかは吾輩には分からないが……その結果がこの太陽の変異なのだとすれば、悲しいが納得できた。
だが事はそう単純なものではなかった──それはカルネ村の村長の邸宅に招かれ、歓待を受けている最中のこと。何かお礼をしたいという村長に対し、吾輩はこの近辺の地理情報を、あわよくば地図でも貰えないかと申し出た。
何しろ吾輩、ただ今絶賛迷子中の身なれば。いや、太陽に向かって歩けばいずれ必ず王都に辿り着けるとは思うのだが……吾輩ってば少しばかり、いやほんの僅か、干乾びた亡者のソウル量並に微かに方向音痴である可能性があるのでな。地図があるならばそれに越したことはない。
しかし、村長の口から語られた答えは吾輩の予想もしないものであった。
「残念ながら地図はご用意できないのですが……」と申し訳なさそうに言った村長は、吾輩に知る限りの周辺国家の情報について語ってくれた。それがリ・エスティーゼ王国、バハルス帝国、スレイン法国の三国家であった。
吾輩は困惑した。ロードラン、ソルロンド、アストラなどの著名な国家や地名の名は一切出てこず、吾輩がそれらについて尋ねても村長は首を傾げるばかりであった。逆に吾輩は村長の語る国々については全く聞いたことがない。
何よりも衝撃を受けたのは、栄光のアノール・ロンドについて全くの無知であることだった。アノール・ロンドといえば神々が住まう伝説の都として世に
あるいはここは吾輩の想像を超えた辺境、世界の最果てなのか。そう思い吾輩はアノール・ロンドのみならず、火の時代に生きる者ならば当然知っているであろう伝説の名を挙げ連ねた。
王のソウルを見出し火の時代を開闢した太陽の光の王グウィン、混沌の魔女イザリス、最初の死者ニトの三柱より始まり、王の同盟者白竜シース、小ロンドの公王、そして我らが四騎士──火の時代に綺羅星の如く輝く生ける伝説の名を村長らに語って聞かせ、しかしそのいずれも知らぬの一点張りであった。
結論として、彼らは火の時代の
そこでようやく吾輩はこの地で仰ぎ見た太陽に感じた違和感の正体を掴んだのだ。──即ち、あれは吾輩が知る太陽とは
異世界。吾輩の脳裏をそんな言葉が過る。小人が綴る三文小説よりなお突飛な現実に吾輩は眩暈がする思いだった。
だが、それ以外に何の説明ができよう。何と言うことだ。吾輩は薪として燃え損ねたばかりか、もはやアノール・ロンドに帰ることすら叶わぬというのか──
頭を抱える吾輩を見て何か粗相をしてしまったのかと慌てる村長夫妻を手で制し、吾輩は供された白湯を一息に呷った。うむ、味がしない。
そうだ、この者らは吾輩の境遇とは何も関係がない。ただでさえ村を襲われた今の状況を不安に思っているであろう彼らを、吾輩の所為で更に動揺させるのは本意ではなかった。
それに──吾輩はこの身に宿る仮称・残り火に意識を向ける。これは始まりの火の欠片。糸のようにか細い、だが確かな火の時代との繋がりであった。
そう思えば、この身を焦がすような灼熱感にも愛おしさすら感じる。言うなればこれは故郷の灯だ。どうしようもなく孤独な吾輩に安心感を与えてくれる導きの灯火。即ち、これぞ紛れもなく太陽である。
おお、素晴らしきかな太陽。世界は神の奇跡で満ちている。太陽万歳!
斯くして吾輩は平静を取り戻した。安心召されよ村の小人たち。エリート銀騎士は狼狽えない。
そのようにして気持ちを立て直した吾輩であったが、まるでそれを見計らっていたかのようなタイミングで村長宅に村人の一人が駆け込んできた。
動揺に震える彼を宥めて話を聞いてみると、遠くの方から村に迫ってくる騎馬の影が見えたらしい。ふむ、もしや賊徒共にまだ仲間がいたのだろうか。
不安に表情を曇らせる村人たちに、吾輩は銀騎士の剣と盾を掲げながら心配無用と言って聞かせる。たとえ賊徒が先の倍に増えようと吾輩の有利は覆らない。いや、相手が百でも千でも結果は変わらないだろう。
故に安心して吾輩に任せるがいい。だが、もし相手が賊徒とは別の勢力であった時のために村長には共に来てもらおう。神族である吾輩では要らぬ混乱を招くかも知れぬからな。
「この村を救って頂き、感謝の言葉もない」
練達の武人の気配を纏う男は、そう言って吾輩に頭を下げた。
結論から言うと、やって来たのは先の賊徒共とは関係のない小人たちであった。彼らはここカルネ村を領有するリ・エスティーゼ王国に仕える戦士団であり、またそれを率いる目の前の男の名をガゼフ・ストロノーフといった。王国の最高戦力であり戦士長の位を戴く彼は、王命により戦士団を連れて近隣の村々を荒らして回る帝国の騎士どもを追っている最中なのだとか。
しかし戦士長という名称から察するに、その立場はアノール・ロンドで例えるならば騎士長、即ちオーンスタイン殿と同等の位に相当しよう。そのような身分の者が、如何に吾輩が神族とはいえ故の知れぬ相手に頭を下げるとは……同じく王家に仕える身としては感心しないが、吾輩個人の感情としては好感が持てる。
「面を上げられよ、戦士長殿。吾輩は己の信条に従い、己がために剣を取っただけ。誰かに感謝されるようなことではない」
「それでもだ。本来であればこれは我々が果たさねばならなかった責務。王国の戦士として、王国民を救っていただいたことは感謝の念に堪えませぬ。
……ところで、見たところ貴殿の他に戦える者はおられぬ様子。お一人で帝国の騎士共を撃退するとは、さぞ名のある戦士なのでしょう。差し支えなければ名前をお聞かせ願えまいか」
ほうほうほうほう。
いやはや、この地に来てからというもの名乗りを上げる機会に事欠かないな! 無論、王より忠臣と認められた誉れある我が名、聞かせるに吝かではない。
「我が名はガレア。輝きの神都アノール・ロンドの守護戦士、銀騎士ガレアである」
うむ、やはりこういう名乗りは気持ちがいいな! 石の古竜や混沌のデーモン相手にはこういう機会がなかった故、何というかとても新鮮だ。次はあれだ、遠からん者は音に聞け~という東国風の名乗りもやってみたいな。
だが、我が名を聞いた戦士長は微妙な表情をした。
……まあそうであろうな。この地に栄光のアノール・ロンドを知る者はおらず、それはこの男も同様であったらしい。村長より身分が上で、当然より多くの知識に触れられるだろう戦士長が知らぬとあれば、やはりここが異世界であるという吾輩の推測は間違っていなかったようだ。うん、吾輩知ってた。だから寂しくないよ。
「いや、うむ。吾輩はここより遠く離れた異国よりやって来た身なれば、この名を知らぬのも無理からぬこと。だからそのように申し訳なさそうな顔をなされるな。逆に傷付くゆえ」
「あ、ああいや、失礼した。貴殿の実力を疑ってなどおりませぬ。何せ私ですら見上げるような見事な体躯、それに輝かんばかりの武装の数々……貴殿の武勇の程は察するに余りある」
おお、我が銀騎士の鎧に目を付けるとは流石戦士長。王国一の武人だけあるな。
そう、吾輩はエリート銀騎士。アノール・ロンドでも五指の指に入る実力者である。ちなみに五指の内の四指は言うまでもなく四騎士の方々であり、吾輩は五番目である。……え、レド君? 雷の扱いでは吾輩の方が上だから。
「さて、話を戻そう。カルネ村を襲った賊徒共の半数は吾輩が討伐し、残る半数は戦意を失い降伏したために捕縛した。今は村の蔵に閉じ込めてある」
「おお、それはありがたい。生きて連れ帰れば情報も引き出しやすい」
「この場で尋問はなされぬか」
「生憎と専門の技術を持つ者は我が戦士団にはいないのです。それに、被害にあったばかりの村で更に血を流すのは憚られる」
「尤もであるな。愚問であった、忘れてくれ。……ふむ、村長。何度もすまぬが、今一度場所をお借りしても宜しいか。戦士長殿をいつまでも立たせたままにしておくのは忍びない」
「あっ! こ、これは気が利かず大変失礼を……! すぐに場所をご用意いたします!」
「いや、そう畏まらずとも結構。それより、私の部下を村の手伝いに使って下さい。今は力仕事をこなせる人手が入用でしょうから」
「お気遣い、痛み入ります……!」
吾輩という恩人と国一番の戦士という要人を二人も前にしているからか、先程から恐縮しきりの村長は何度も何度も頭を下げる。それに戦士長は何とも具合が悪そうに対応していた。恐らく、一番大事な時に間に合わなかったという負い目が彼にはあるのだろう。人が好すぎるというのも考えものだな。
ともあれ、再び村長の邸宅に招かれた吾輩は戦士長と向かい合わせに席に着く。出会いは奇貨、故におくべしというものだ。優れた精神と武勇を兼ね備えた勇士は、それが小人であれ尊ぶが吾輩の流儀。是非とも色々な話を聞かせてほしいものだ。
……ところで、さっきから村長の家の椅子が吾輩の巨体に悲鳴を上げているのだが。これ大丈夫? 話してる最中に潰れたりしないよね?
王国の戦士長であり、人類最強の戦士との呼び声も高いガゼフ・ストロノーフは、平静を装いながらもかつてない緊張の只中にあった。
その原因は目の前で言葉を交わす戦士にある。いや、戦士というよりは騎士だろうか。白銀に輝く優美な鎧を纏うその身体は、高身長であるガゼフと比べても頭一つ分以上は大きい。かといって痩身というわけでもなく、まさに戦士の理想とでも言うべき重厚な存在感を示す見事な体躯の持ち主であった。
しかし、何もその巨体ばかりが緊張の理由ではない。その原因は目の前の騎士の総身から滲み出る、あまりに強烈な強者としてのオーラだった。
強い。ガゼフはその姿を視界に入れた瞬間から、戦慄と共にそう確信していた。ガゼフは人界において類稀なる実力を持つ剣士であり、それは誇張でも何でもない全くの事実である。だが、目の前の騎士はそのガゼフをして格上と断じるに足る圧倒的な気配を自然体のままに漂わせていた。聞けば帝国騎士を鎧ごと手にした大剣で膾切りにしたというが、然もありなん。
アノール・ロンドなる国の銀騎士ガレアと名乗った彼は善良な心根の人物であり、よほど目に余るような態度を取らない限りその力がこちらに向けられる心配はしなくて良さそうなのは幸いだった。だが、王国戦士長として王族や貴族といった権力者と触れ合う機会の多いガゼフは、ガレアの洗練された所作と気品ある言動から彼が国では相当に高い身分の人物であっただろうことを悟っていた。
そういった高貴な身分の者は往々にして、ガゼフのような平民の者には想像もできぬところに思わぬ逆鱗を潜ませているものである。それを経験則で知っていたガゼフは、万が一にもガレアの機嫌を損ねないよう細心の注意を払いながら言葉を選びつつ会話をこなしていた。
(まあ、どうやら杞憂に終わりそうだがな)
ガゼフは手に持った器に注がれた白湯に視線を落とす。今でこそ王に取り立てられ戦士長という高い身分にある彼だが、元は平民であるためこういった下々の飲み物を口にするのに抵抗はない。だが、王国の腐った貴族共であれば──まず貴族が辺境の村に足を運ぶことなどないが──沸騰させただけの水など出しては烈火の如く怒り狂うであろう。
だが、ガレアは気にした様子もなく白湯を口にしている。むしろ村人たちの精一杯の歓待に心から喜んでいるようですらあった。加えて、自らも戦う者であるためかガゼフのようなむくつけき戦士に対しても理解があるらしい。貴族共からは散々に野蛮だの何だのと罵られてきたガゼフは、ガレアの言葉の端々に滲む戦士という人種に対する敬意の感情に面映ゆい心地を味わっていた。
だが、穏やかな時間は唐突に終わりを迎える。話を始めてから半刻と経たぬ内に、ガゼフの部下が深刻な表情で緊急事態を告げた。
「報告します! 村の周囲に複数の人影を発見。徐々に包囲を狭めつつあります!」
「確かにいるな」
「村全体を等間隔で包囲している模様です」
ガゼフは家屋の影から村の外を窺う。部下の報告通り、法衣を纏った何者かが隊伍を組みながら接近してくるようだった。
だがガゼフが注目したのはその何者かではなく、彼らが引き連れる異形の影だった。
「あれは召喚モンスター、それも天使か……ふん、なるほどな。敵はスレイン法国だったか」
優れた
そして、向こうもまたそれを隠そうとはしていないだろうということも。
「ふむ、敵はバハルス帝国なる国の騎士ではなかったのか?」
ふと、その巨体を窮屈そうに潜めさせるガレアが呟いた。そういえば遠い異国から来られたのだったな、とガゼフは敵を法国の人間と断じた理由を説明する。
「私はあまり魔法には詳しくないのですが、天使や悪魔など高位のモンスターを召喚する魔法を扱える者はかなり限られると思われます。それほどの
「なるほど、帝国の鎧は偽装であったか。……益々気に食わぬな。誇るべき戦装束を偽りと欺瞞で汚すとは」
「全くです」
このような状況ではあるが、ガゼフは銀騎士の率直な物言いに破顔した。彼も全くの同意見だったからだ。つくづくこの御仁とは話が合うな、と久しく感じなかった清々しさに頬を緩める。
だが次の瞬間には笑みは消え去り、公人としての冷徹な表情を露わにする。ガゼフは予想される敵の強大さを計算に入れ、羞恥と屈辱に蓋をしながらガレアに向き直った。
「恥を承知で頼みます。どうか我々に雇われては頂けませんか?」
「ほう?」
「このようなことを、本来この国の人間ではない貴殿に頼むべきでないとは承知しております。ですがどうか、貴殿のお力を我々にお貸し頂けないだろうか。無論、報酬は望まれる額をお約束致しましょう。何卒、ご一考を……!」
「…………」
沈黙が降りる。翼を象った
「……同族同士の争いほど無益で醜いものはない。だがそれもまた人の営みなのだろう。
──だが、それに吾輩が加担するかと言えば話は別だ」
まるで人間という種を神の如き視点から俯瞰したようなガレアの物言いにガゼフは目を見開き、だが反論すべき点を見出せず恥じ入るように顔を伏せた。
「愚かなことを申し上げた。この村を救って頂けただけでも望外のことだというのに、過ぎた望みでした。どうか忘れて頂きたく──」
「しかし、だ」
引き下がろうとしたガゼフの言葉を遮り、ガレアは強い口調で続ける。ハッと顔を挙げれば、彼の手にはいつの間にか規格外の大弓が握られており、兜の奥から覗く銀色の双眸がガゼフを見詰めていた。
「今この村を襲う脅威に対し村人たちは抗拒する手段を持たず、然るにこれは戦争でも闘争でもない。唾棄すべき暴虐である。吾輩はそれを見過ごすことはできぬ」
「! では……」
「人の戦争に人ならざる吾輩が関わることはなく、故に貴公らに手を貸すことはない。吾輩はこの村のためだけに剣を振るおう」
それで十分だった。この騎士が村を守っていてくれるというだけでガゼフの心は軽くなった。
たとえ自分たちが力及ばず倒れようと、ガレアがいる限りこれ以上この村を悲劇が襲うことはない。斯くも憂いなき戦いがあろうか。
ガゼフは深く、深く頭を下げる。ガレアの物言いから彼が恐らく人間種ではないのだろうとは察したが、そんなものは関係がない。相手が人であろうとなかろうと、感謝すべき相手に感謝を告げる。頭を下げることに躊躇いはなかった。
「騎士様、何故戦士長様は出て行かれるのでしょう……」
「心配召されるな。かの者はこの村を見捨てたのではない。元より今ここを包囲する者らの狙いは戦士長殿にあった。故に彼は敢えて打って出ることで自らを囮とし、この村から注意を逸らしたのだ」
「何と……では私たちはどうすべきなのでしょうか? このまま村で動かない方が……」
「戦士長殿が勝利すればそれで問題はない。だがもし仮に敗れるようなことがあれば、次なる狙いはやはりこの村となろう。帝国騎士に扮する偽装工作まで行う連中だ、目撃者を生かしたままにするとは考え難い」
吾輩がそう推測を口にすると、村長は顔を蒼褪めさせて震えだす。見れば、遠巻きにこちらを窺う村人たちも不安に表情を曇らせていた。
だが心配は無用である。何故ならこの村にはエリート銀騎士たる吾輩がいる故な。吾輩は大弓の弦を指で軽く叩き、その音で押し黙る村人たちの注意を集めた。
「何も問題はない。如何に
流石に白竜公爵ほどの結晶魔法の使い手が相手となれば吾輩でも危ういが、見たところ敵にそこまでの魔術師はいない様子。天使だか何だか知らないが、あんなもの吾輩にとってはただの案山子よ。物の数ではない。
そう告げると、村人たちは目に見えて安堵した様子だった。うむ、それでは吾輩は見晴らしの良い高台にでも場所を移そう。そこから戦場を俯瞰し、戦士長が窮地に陥るようであれば矢を射かけ援護する。アノール・ロンドを侵す鼠共を尽く射貫いた銀騎士の弓技、とくとご覧に入れよ。
拙作における大王グウィンや残り火に関する諸々の描写は私の拙い独自設定を含んでおり、『DARK SOULS』及び『DARK SOULS3』で公式に語られた設定ではありません。ご注意下さい。