俺の簡単な自己紹介が終わると、丁度左斜め前の位置に立っていた爽やか系男子がぱんっと一拍手し、笑顔で口を開いた。
「じゃあ、向月くんから時計回りに自己紹介、ってことで進めていいっすかね?
ちなみにオレは超高校級の助っ人としてスカウトされた、
爽やか系男子、もとい禍埜羽は、ネットで仕入れた情報によると「運動部の助っ人から文化部の手伝い、さらに教師陣の簡単な仕事を自ら進んで手助けし、なおかつ完璧にこなす」とのこと。
超高校級の助っ人という才能ではあるが、別名「超高校級の便利屋」とも呼ばれている…らしい。
【超高校級の助っ人 禍埜羽卍里】
「次、アレク様っすよ。どうぞっす!」
そう言いながら禍埜羽は隣にいた正統派美少年に声を掛けた。どうやらこの二人は知り合いのようだ。
正統派美少年は禍埜羽をチラ見すると、ゆっくり口を開いた。
「……アレクサンドラ·アルフレッド·アリフォールJr.。長いと感じるのなら、アレクと呼んでも構わない。超高校級の帝王と呼ばれている」
正統派美少年…もといアレクは、とある国の若き帝王らしい。
様々な国の文化を知る、という名目で来日していたアレクを希望ヶ峰学園がスカウト、という流れだそうだ。
また、禍埜羽曰く二人は通っていた学校が同じだったらしい。この状況下で顔見知りがいるというのは心強いだろうな。
【超高校級の帝王 アレクサンドラ·アルフレッド·アリフォールJr.】
「時計回りということは、次は私ね。
眼鏡美人、もとい九里田は若き天才数学者と呼ばれているらしく、今までどの天才秀才たちが解けなかった超難問も小学生が習う足し算のようにスラスラと解いていき、その頭脳から世間では今や彼女に解けない問題は無いとまで云われているらしい。
【超高校級の数学者 九里田璃久】
「……
着物男子、もとい染井は全国的に有名な華道家らしい。
彼の活けた華はまるで生きているかのように輝いて見えるらしく、世界各国の富豪、貴族、有名人から一般人まで、こぞって彼の活けた華を見るためだけに来日してくるまでの人気だそうだ。
【超高校級の華道家 染井吉野】
「じゃあ、次!私たち!
私は
「鈴木歪夢。不本意ながら歪見の双子の妹」
「私たちは武器職人!私が遠距離専門でー、歪夢が近距離専門なの!よろしくね!」
鈴木と瓜二つの少女はやはり双子の姉だったらしく、男勝りな鈴木(妹)と比べ鈴木(姉)は年相応に明るい元気な子らしい。
彼女たち姉妹が製造した武器は警察から裏社会の人間まで、様々なところで役に立っているそうだ。ちなみに特許は取っているとのこと。
【超高校級の遠距離武器職人 鈴木歪見】
「…一応、僕ももう一度。岩崎孝輔だ。よろしく頼む」
一つ咳払いをして改めて自己紹介した岩崎は、小さい頃から親の都合で転校が多かったらしく、どんな荒れている学級でも学級委員長として一ヶ月以内にはクラス全員をまとめた実績の数々からスカウトされたらしい。
ちなみに今まで転校した回数は二桁を超えるとのこと。
「………
寝間着女子、もとい野宮は私立の小·中·高の試験を主席で入学したにも関わらず、一日も、入学式にさえも登校しなかったことから、その根性が逆に凄いと関心した希望ヶ峰学園卒業生の一人が超高校級のニートとしてスカウトしたらしい。いや超高校級のニートってなんだ?
【超高校級のニート 野宮憂希】
「拙者は
道着男子、もとい牙山は実家が有名な空手道場らしく、幼い頃から空手家の父親からの英才教育を受け育ったらしい。
当時齢五歳にして、身長差が倍もある高校生相手に数秒で勝利した、という伝説はネットにも流れていた。
【超高校級の空手家 牙山柁紀】
「…あたしね。
ツインテ美女子、もとい輝は、当時小学一年生ながら女子中高生向けファッション雑誌の表紙を飾ったという経歴の持ち主で、今やどの雑誌でも輝の姿を見ない日は無いと言われるほどの超人気モデルだ。
あまりファッション雑誌類を読まない俺でも、顔くらいは見たことがあるくらいだ。
【超高校級のモデル 輝流美衣】
「僕は
モノクル男子、もとい漆乃は世界各国のあらゆる美術品や宝石、果てには家宝を盗んでは、それを本来持つべき主へと返却している、いわゆる義賊というやつらしい。
世間では「怪盗義賊」と呼ばれているが…希望ヶ峰学園側は漆乃の素性まで調べあげてるんだな。
【超高校級の怪盗 漆乃怪盗】
「アタシは
ヘッドホン女子、もとい塀獨は、叔父が政府お抱えのホワイトハッカーというやつらしく、その叔父に憧れて真似をしているうちにハッカーとしての才能が開花したらしい。
今は叔父の手伝いとしてインターネット犯罪の撲滅を主な活動としているとのことだ。
【超高校級のハッカー 塀獨駿】
「次はオレだな!オレは
アホジャージ、もとい黒紫峰…もう涼でいいな、涼のことは嫌ほど知っている。
本人が言う通り幼い頃からバスケを楽しんでおり、ストバスでは経験豊富な大人相手に勝ち越すほどの実力で、大会ではコイツのいる学校はいつも大差で優勝していた。
ちなみに、コイツは俺の幼馴染だ。数年前に別れてから、全然変わっていないらしい。
【超高校級のバスケット選手 黒紫峰涼太郎】
「……
こげ茶色髪の女子、もとい常前は…おそらく、「超高校級の幸運」だろう。
希望ヶ峰学園は毎年、一般の平均的な学生の中からクジで一人を選び、超高校級の幸運として入学させる伝統がある。
常前は、それこそ幸運にもその枠に選ばれた人物のようだ。
【超高校級の幸運 常前梛】
「最後は…私ですね。はじめまして、
三つ編み女子、もとい機織は腕の達つ裁縫師らしく、主に海外で日本の着物をメインとした商売活動をしているらしい。
彼女の裁縫した着物や反物は繊細で丁寧な仕上がりになるらしく、固定ファンが付くほどの人気だそうだ。
【超高校級の裁縫師 機織雀】
以上、計十六名。
この十六人で、この絶望山での保護を待つ集団生活を行うことになる。
…コロシアイとかモノクマとか、余計なものは付いているものの、そんな物騒なものから目を背けば、至って普通の林間学校になるだろう。
コロシアイなんて非現実的なこと、現実では絶対に起きようが無いのだから。
序章 END