バカとお酒と鬼滅の刃   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
なお本作では現実の日本とは異なり、
18歳になって初の4月1日を迎えた時から
飲酒が可能という法律になっています。
よろしくお願いします。


六十二杯目 残酷

  side 妓夫太郎

 

 

 中学生だったある日、

 

メイの友達「おい!お前メイの事好きって言ってたらしいな⁉︎本人に聞こえてたぞ‼︎」

妓夫太郎「ま、マジかぁ⁉︎」

メイの友達「それで、メイはその後どうなったと思う?」

妓夫太郎「どうなったって………」

メイの友達「泣き出したんだよ‼︎しかもお前の事を怖がって学校にも行けてねえんだ‼︎どうしてくれるんだよ‼︎」

 

 こう言われた時から、俺は恋愛する資格が無いと判断し、他の人にすら興味無いと言い続ける日々を送ってた。心の奥底では好きな人と一緒になりたいとは思ってても、その想いに固い蓋をして過ごさなければいけなかった。金がかなりかかるとはいえ、中学生だがこっそり働いたり、孤児院になんとか掛け合ったりして、見た目はいくらでも治せたのに治してこなかった俺の怠慢でもあるからだ。それにその少し前からリア充狩りみたいな事もしていたからなぁ。全て自分のせいでしかなかったのだ。

 

 

 

 この事件以降、俺のアンチクラブは更に活動を活発にし始めた。そりゃそうだ。なんせ一人の子を自分の怠慢や嫉妬で病ませたからだ。だから俺はどんなイジメでも受け入れた。例えば…………、

 

アンチ1「私と付き合って下さい!」

妓夫太郎「えっ?」

アンチ1「な〜んてね、アンタと付き合う奴なんかいるわけないでしょ‼︎バカじゃないの、この梅毒太郎‼︎」

 

 こう言った悪戯の告白とか、

 

アンチ2(手紙)『あなたの事が嫌いです。死んで下さい。』

 

 告白に見せかけたキツい内容の手紙とか、

 

アンチ3「アンタまだ学校に平気な顔して来てんの?」

アンチ4「最低………」

アンチ5「メイが可哀想………」

 

 罵詈雑言とか。しかし俺は相変わらず

 

梅「今度クラスの奴がなんか変なこと言ったら、アタシがぶん殴っておくから!」

妓夫太郎「な、殴るのはやめとけよ、梅。でもありがとなぁ。」

梅「お、お兄ちゃんがそう言うなら……」

 

 唯一の肉親のおかげで自殺せず学校に通う事ができた。本当に梅には何度も救われたなぁ。

 

 

 

 

 イジメが過酷になり始めてからしばらく経ったある日、

 

累の姉「妓夫太郎君、ちょっと話があるんだけど、今から屋上に来てくれない?」

 

 綾木から話しかけられた。この時のコイツはクラスが別で、少し面識がある程度の相手だった。

 

妓夫太郎「別に構わねぇがぁ。」

累の姉「よ、良かった〜!それじゃあ今から来て♪」

妓夫太郎「あぁ。」

 

 どうせまたイジメだろうと思いながら、俺は屋上に向かった。

 

 

 

 

 そして俺達は屋上に着くなり言葉を交わし始めた。

 

妓夫太郎「んで、俺に何の用だぁ?イジメかぁ?」

累の姉「ううん、違うの!」

妓夫太郎「じゃ、じゃあ一体………」

 

 何を話すんだろう?そう思った次の瞬間…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

累の姉「私は本気で貴方の事が好きです!付き合って下さい!」

 

 信じられない言葉を聞いた。

 

妓夫太郎「えっ?」

累の姉「これは本当に本気なの!悪戯の告白なんかじゃない!」

妓夫太郎「えっ?あ、そ、そうか………///」

累の姉「で、妓夫太郎君はどうなの⁉︎あたしの事が好きなの⁉︎」

 

 そう彼女がいう様からは、今までの悪戯告白とは違う、本気の想いが感じ取れた。自分の事をここまで好きになってくれる人に会ったのは初めてだ。その事を考えた時、自分の鼓動が速くなるのを感じた。きっと俺もコイツのことが好きになったのだろう。だから俺は、

 

妓夫太郎「俺もだなぁ///」

累の姉「ホント⁉︎」

妓夫太郎「あぁ///」

 

 その想いに応えた。

 

累の姉「やったぁ‼︎ありがとう‼︎それじゃあこれからは恋人としてよろしくね!」

 

 生まれた時から梅毒で身体中に痣が出来ている自分の未来なんて、上手く想像出来なかった。ましてや誰かがそんな自分を本気で好いてくれる未来なんて尚更。もしかしたら俺は

 

梅「お兄ちゃんの性格を分かってくれる素敵な人がいずれ現れるって!だから今はモテなくても気にしないの!」

 

 梅が言ってたように、これから真っ当な生き方が出来るのか?好きな人と過ごせるかもしれないという、淡い期待が収拾もつかない程大きく膨らんだ。そしてこの時の俺は命に代えてでも幸せにしてやりたいと思った人から………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハメられるなど夢にも思わなかった。

 

 

 

 それは付き合い始めてから()()()()1ヶ月が経ったある日だった。俺はいつものように教室に居ると、

 

先生「謝花君、ちょっとこっちに来なさい。」

妓夫太郎「あ、はい。」

 

 先生に呼び出された。吐きそうだった。横隔膜が痙攣して、嫌な予感に鳥肌が立っていた。ただ俺は身に覚えが無かった。ここ1ヶ月は涼子(累の姉)と仲良くしてたし、その影響もあってかアンチクラブの活動は大人しかったからだ。

 

 

 

 

 そして生徒指導室に来ると、俺は先生から

 

先生「ここ1ヶ月綾木の事をいじめてるそうじゃないか。」

妓夫太郎「えっ?いや、そんな事は……」

先生「綾木()()から聞いたぞ?」

 

 信じられない言葉を聞いた。

 

妓夫太郎「えっ?俺とアイツは付き合ってるはずなのに……」

先生「綾木が言ってたんだ。無理矢理恋人になれって脅して付き合わされたって。」

 

 なんだよそれ………。本気って言ってたんじゃないのか………。1ヶ月の間言ってきた…………

 

累の姉「妓夫太郎君とここに来れて良かった♪」

累の姉「妓夫太郎君、次はここに行こうよ!」

累の姉「あたし、妓夫太郎君と一緒にいる時が一番幸せ!」

 

 このセリフは全部嘘だったのかよ…………。なんならあの告白も嘘だったのかよ…………

 

先生「とにかく綾木には近寄るな。もし少しでも近づいたらどうなるか分かってんだろうな?」

妓夫太郎「は、はい…………」

 

 そう返事はしたものの、俺は涼子、いや綾木の想いが知りたくて放課後に会おうとした。何故こうなったのか、自分でもよく分からなかったからだ。

 

 

 

 

 そして校舎の外を出た時、彼女が友達と何か話しているのが聞こえたので、俺はそれを聞くことにした。

 

友達1・2・3「「「涼子、お疲れ〜!」」」

累の姉「いや〜、マジでキツかったんだけど‼︎」

友達1「でもキツいのが罰ゲームだからね!」

 

 罰ゲーム?まさか………

 

累の姉「でもアレと1ヶ月付き合うって流石にヤバくない⁉︎」

 

 そういうことだったのかぁ………。だから()()()()1ヶ月の今日こうなったわけね。

 

友達1・2・3「「「だよね〜!」」」

友達2「私だったら死んじゃうかも♪」

友達3「よく生きてたわね!」

累の姉「でしょ〜!」

友達1「でもどうやって別れたの?アイツは結構本気だったっぽいけど?」

 

 そうだよ。本気だったよ!悪かったなぁ⁉︎

 

累の姉「先生に『謝花にイジメられましたぁ〜♪』って言ったからOK!」

 

 そういう事かよ………

 

友達1「わお!」

友達2「涼子ってば、こっわ〜い♪」

累の姉「アイツの方が100倍怖いから!」

友達3「そりゃそうだけどさ!」

累の姉「それに、あたしは散々不快な思いをしたんだよ!これって充分イジメだと思わない?」

友達1・2・3「「「確かに〜!」」」

累の姉「全く、アイツが誰かから好かれる事なんて絶対に無いのにね。それなのにアイツは何か勘違いしちゃってさ♪」

友達1「思い上がりも甚だしいよね!」

友達2・3「「だね!」」

 

 そうだよなぁ。こんな俺を好いてくれる人なんて絶対いないよなぁ。あぁ、何ともまあ、惨めで、滑稽で、つまらない日々だったなぁ。

 

 もちろんこの事はすぐに広まり、俺へのイジメが更に加速した。当たり前の話だ。今までの行いから俺の話を聞く奴なんて誰も居やしない。それによくよく考えたら、ほぼ面識が無い人が自分の事を好いてくれるはずないじゃないか。やはりこれは勝手に思い上がって勝手に自滅した俺のせいだ。その責任を取るため、俺はイジメを甘んじて受け入れた。

 

 

 

 

 もちろん愛菜がこの手の事をするとは思えない。だから今日は本命の人への練習と考えるのが妥当だ。それに、よくよく考えたら愛菜は耕平みたいなイケメンがタイプのはず。だとするとブサイクの俺が恋愛対象になるなんて、それこそ地球が突然爆発して粉々になるくらいあり得ない事のはず。それなのに、俺が勝手に思い上がって、さも愛菜が自分の事を好きだと勘違いしただけなんだ。全く、俺って本当にバカだなぁ。

 

 とにかく、俺がやるべき事はただ一つ。愛菜の本命の相手とのデートに向けてアドバイスをする事だ。

 

 

 

 

 そして俺は愛菜のところへ戻り………、

 

ケバ子「大丈夫、妓夫太郎?随分長かったけど……」

妓夫太郎「あぁ、大丈夫だぁ。それよりさっきの告白のことなんだがぁ……」

ケバ子「えっ⁉︎いや、あの……///」

妓夫太郎「告白だろぉ?」

ケバ子「うん………///」

妓夫太郎「それで、告白なんだが……………標準語の方がいいんじゃねえのかぁ?」

 

 アドバイスをした。

 

ケバ子「えっ?ど、どういうこと?」

妓夫太郎「方言ってその他の地方の人には伝わりにくいからなぁ。お前の本命が九州の人なら別だが、大抵の人はさっきので分からんだろぉ。水筒と勘違いする人もいるんじゃねえのかぁ?」

ケバ子「えっ、あっ、うん、そうかも………」

妓夫太郎「それに比べて標準語なら誰にでも伝わると思わない?」

ケバ子「た、確かに………」

妓夫太郎「ということで、告白はその方がいいって事で。」

ケバ子「あっ、うん、分かった………」

 

 まあいきなり否定したら落ち込むよなぁ。だからここはちゃんと励ましてやらないと‼︎

 

妓夫太郎「でもそれ以外は良かったぞぉ!なんせ、俺も一緒に居て楽しかったからなぁ!」

ケバ子「ホント⁉︎」

妓夫太郎「あぁ‼︎だから本命の相手もイケるはずだぁ‼︎」

ケバ子「あっ、う、うん、そうだね………」

妓夫太郎「まあ恋愛経験ゼロの俺に言われてもアレかぁ。でも自信を持ってくれぇ!もしアレなら俺だけじゃなくて梅とか工藤とかにも協力させるから!」

ケバ子「う、うん。そ、そうしよっか!」

妓夫太郎「あぁ!」

 

 こうして愛菜のデート()()()は幕を閉じた。

 

 

 

 

 その翌日から愛菜が実家に帰ってしまい、俺は少し、いやかなり寂しくなった。でもこの想いは愛菜のためにも心の奥底に鍵をかけてしまっておこう、そう決心した日だった。

 

 

 

 

  side ケバ子

 

 いや、妓夫太郎が恋愛に興味が無いのは分かってた………。でも、

 

妓夫太郎「それで、告白なんだが……………標準語の方がいいんじゃねえのかぁ?」

 

 実際にこう、面と向かって言われるのはキツいものがあった。本当に自分はそんな対象じゃないのだと、思いっ切り言われたようなものだ。

 

 でも私は諦めない‼︎必ず、妓夫太郎を振り向かせてみせる‼︎そう思いながら私は実家へと戻った。




 ということで妓夫太郎とケバ子『前編』が終了しました!妓夫太郎の壮絶な過去を締め括る、凄惨な話でした。これに合わせて鬼滅原作初回のサブタイも満を辞して登場です!ちなみにこの展開は、妓夫太郎をぐらんぶる編に登場させると決めた時から既に考えていました。

 ちなみに『後編』もあります‼︎

 さて、次回からは久々に善逸主人公に戻ります。10/13の21:00〜です。お楽しみに!

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