問 次の問題に答えなさい。
『 行進曲における中間部のことをなんと言うでしょう。 』
我妻善逸、尾崎綾女の答え
『 トリオ 』
教師のコメント
正解です。2人とも音楽は流石ですね。
土屋康太の答え
『 真ん中 』
教師のコメント
そのまま過ぎます。
吉井明久の答え
『 中間管理職 』
教師のコメント
とても辛いです。残業代が欲しいですね。
side 琴葉
私は18歳のときに伊之助を産んだ。伊之助はとても可愛くてあたたかかった。自分は可愛い息子が産めてとても幸せだった。この子だけは何があっても守ろう。そう思えた日だった。
だが周りの環境は決して良くなかった。日常的に暴力を振るう夫にいびり続ける姑。私はもう限界だった。でも伊之助を守るためにはこの生活を続けるしかない。頭の悪い私は自分一人じゃ何もできないことが分かってたから。だが伊之助が5歳になったある日、その考えは変わった。
夫と姑が遂に伊之助に手を上げるようになったのだ。私が傷つくくらいなら全然いい。ただ伊之助に手を上げるのは違う。このままではダメだ。そう思った私は伊之助を連れて家出した。
だが私は頭が悪かった。ただ伊之助が心配で家出しただけなので、どこに住むとかどうやって生きるとか全く考えてなかった。そんな中最初に会ったのが神崎さんの家だった。
神崎さん(両親)は逃げている私と伊之助を見て助けてくれた。家と仕事を紹介してくれたのだ。時々伊之助の面倒も見てくれた。アオイちゃんと話し始めて前よりも元気になっていく伊之助を見て私も嬉しくなった。だがそんな日々は長くは続かなかった。
伊之助が9歳になったある日、夫と姑が連れ戻しにきたのだ。私は抵抗する術もなく伊之助と一緒に連れ戻されてしまったのだ。それ以降また以前と同じような暴力の日々が続いた。神崎さんとの連絡先も消されてしまった。やはりここにいてはダメだ。そう思って私はまた伊之助を連れて逃げ出した。
前回と同じく神崎さんの家に逃げ込もうとした。でも夫に待ち伏せされていた。唯一のアテを失った絶望感。再び私と伊之助は逃げ惑うほかなかった。そんな中救ってくれたのは万世さん(童磨の両親)だった。
万世さんは信仰宗教をやっていた。私と伊之助はそこで匿ってもらってたのだ。神崎さん達とも再開できた。また息子の童磨君はちょっと変わった子だったけれど、伊之助の兄貴分みたいな感じで仲良くしてくれた。再び取り戻した幸せな世界。だがそれもまた壊されてしまった。
伊之助が14歳のとき、万世さんの夫が信者に手を出したのだ。それを知った奥さんが半狂乱になって夫を殺害。そしてそのまま自殺してしまった。当然新興宗教は解散。後に残された私と伊之助と童磨君は家を失った。
童磨君はその時22歳で、文月学園の英語教師になっていたた。そのため、私に迷惑をかけるのは悪いよ〜、と言って一人暮らしをすることになった。後に残った私と伊之助はマンションで暮らすことになった。なんとか生活も安定してきたある日、隣に吉井君が引っ越してきた。
その子はとても明るく優しい子だった。高校生なのに一人暮らしをしていて大変なはずなのにいつも私のことを気遣ってくれた。
「山まで走るぞバカひさ‼︎どっちが速いか競争しようぜ!」
「いいぜ伊之助!僕の足をナメるなよ‼︎」
伊之助ともこんな感じで仲良くしてくれた。アオイちゃんもたまに遊びに来てくれて本当に楽しい日々が続いた。そう思ってたある日、遂に夫と姑に居場所がばれ、家まで押し掛けられてしまった。また私は伊之助を守れないのか。何度振り回すのか。何回迷惑を掛ければ済むのか。そう思った時…、
「おいそこのお前ら!伊之助ママが嫌がってるじゃないか!帰ってあげなよ!」
「あ、明久君?」
「なんだこのクソガキは?俺は伊之助の父親でこっちは祖母だぞ、あァ⁉︎」
「そんな態度を取れる奴らのどこに父親と祖母を名乗る資格があるんだ!帰れ!」
「あァ⁉︎テメェ調子乗ってんじゃねえぞ‼︎ぶっ殺してやる‼︎」
「やれるもんならやってみろ!」
大変、明久君が傷ついちゃう!ここは私がなんとかしないと!そう思ったその時……、
「頭が悪いと辛いよね〜。こう何年も無駄なことに自分達の時間を使っちゃうってさ。俺泣いちゃうよ〜。」
「貴方方!これ以上伊之助とお母さんに危害を加えるのはやめて下さい!」
童磨君とアオイちゃんが助けに来てくれた。童磨君は飄々とした態度で夫の手を止め、そのまま地面に押さえつけた。明久君も姑が動くのを防いでいる。アオイちゃんもいざというときに警察に連絡できるように準備している。
ああ、なんて凄い人たちなんだろう。私が15年もかけて全く守れなかった伊之助をこうも簡単に守ってくれるだろう。みんな、本当にありがとう。そう思っていると最愛の伊之助が出てきてくれた。
「おいお前ら!母ちゃんをいじめるんじゃねえ‼︎出てけ!」
「黙れ伊之助‼︎俺は父親でこっちは祖母なんだぞ‼︎」
「オレは母ちゃんだけで十分だ‼︎母ちゃんを傷つける父ちゃんや婆ちゃんなんていらねぇ‼︎出てけ‼︎帰れ‼︎」
迷惑をかけてばかりのはずなのに…、なんで伊之助はここまで私のことを庇ってくれるの?なんていい子なんだろう。そうだ!今まで何もできなかった分、これからはきちんと守ってあげなきゃ。そう決意した私だった。
「大人しく帰ってくれないと警察呼びますよ?」
「「クソが‼︎」」
アオイちゃんの警告もあって夫と姑は帰ってくれた。また、そのとき以降二度と会うことは無かった。
あれ以降、とても平和に過ごしている。今日話を聞いた感じ、友達とも仲良くやってるみたい。ただ私は相変わらず伊之助に対して何もできていない。16年間守ると誓い続けながら。そんなことを考えていると我妻君が話しかけてくれた。
「琴葉さん?」
「どうしたの、我妻君?」
「さっきのことなんですけど、伊之助があそこまで元気で無邪気で友達思いに育ったのって、やっぱりお母さんの愛情のおかげだと思うんですよ。」
「そ、そんなことないよ〜。いろいろあって家出しちゃったし、今までずっと振り回してきちゃった。そんな私が伊之助に対して愛情を持ってるなんて…。」
「それでも16年間ずっとたった一人で伊之助を守ってきたじゃないですか!過去に何があったかは分かりませんけど、どんなに苦しいことがあろうとも、伊之助を決して見離さしませんでしたよね?自分のことよりも伊之助のことをずっと優先させてきて…。そういう母親の愛を受けて育ったから、今の伊之助はあるんです‼︎そして俺は琴葉さんみたいな親になりたいです‼︎」
私が、ずっと伊之助を守ってきた…。今まで迷惑をかけたけど、それでも守ってきた…。何があっても…。そうか!これが守るってことなんだ!私の目標は今までずっと達成できてたんだ‼︎
「ありがとね我妻君!君もいい父親になれると思うよ!」
side 善逸
琴葉さんは凄い人だ。女手一つでずっと伊之助を16年間育ててきた。きっと辛いこともあっただろうに、それを感じさせないように笑っている。俺も琴葉さんのような母親が欲しかった。だけどそんなことはもう叶わない。だったら俺が琴葉さんみたいな父親になって、子供を守っていきたい。
ただどこからか琴葉さんからは後悔の音がする。きっと今まで伊之助に迷惑かけてきたとでも思っているのだろう。安心して下さい。伊之助はそんなことを思っちゃいない。アイツは確かにバカで野生児だが、仲間に対する思いは人一倍だ。きっと琴葉さんのことを大切に思っているのだろう。だからどうかそんな後悔の音を鳴らさないで。そう思ってたら俺はいつの間にか琴葉さんのところにいた。
いろいろ琴葉さんと話した。やっぱりいろいろ後悔してたみたい。でもこれだけは言っておきたい。
「それでも16年間ずっとたった一人で伊之助を守ってきたじゃないですか!過去に何があったかは分かりませんけど、どんなに苦しいことがあろうとも、伊之助を決して見離さしませんでしたよね?自分のことよりも伊之助のことをずっと優先させてきて…。そういう母親の愛を受けて育ったから、今の伊之助はあるんです‼︎そして俺は琴葉さんみたいな親になりたいです‼︎」
そう琴葉さん、今日初めて会ったばかりなんですけど俺にとって貴女は憧れの人になったんです。だからどうか、そんな後悔の音を鳴らさないで下さい。俺の勝手なんですけどね。
そんなことを思っていると琴葉さんが言葉を返してくれた。
「ありがとね我妻君!君もいい父親になれると思うよ!」
憧れの人からもらった褒め言葉。俺はそれがとても嬉しかった。琴葉さんも後悔がなくなったみたいで、さらに嬉しかった。
「ありがとうございます!子供ができたら紹介しますね!」
「美波ちゃんと一緒によろしくね〜。」
「み、美波⁉︎え、あ…、はい!よろしくお願いします!」
なんで美波の名前が⁉︎付き合ってること言ってたっけ⁉︎
結婚については翔子ちゃんじゃあるまいし考えたことなかったけど……、そこでふと如月ハイランドでの美波のウェディング姿を思い出す。あの美波、めっちゃ綺麗だったな〜。またあの姿をみたいな〜。今までいろんな女の子と遊べなくなるから人生の墓場だと思ってた結婚だけど、今日初めてしてもいいかな、と思えた。
その日の勉強会は夕方まで続き、そこで解散になった。実りある一日だったな〜。よし、明日からも頑張るぞ!そして点数を伸ばして、瑞希ちゃんや炭治郎、そして何より美波のためにも、Aクラスに勝つんだ‼︎
週明けの月曜日、変わりすぎて気持ち悪い明久がまた似合わないセリフを言ってきた。
「雄二、善逸!今日も楽しく勉強会をしよう!」
「明久、似合わないセリフが気持ち悪いぞ。」
「人格乗っ取られたんじゃな〜い?」
「なんとでも言ってよ二人とも。今の僕には体裁を気にしている時間なんてないんだから。」
凄いな。あの明久がなり振り構わず勉強するなんて。コイツに負けるのも癪だから俺も更にやるか!
「ということで今日も明久の家に行くの〜?」
「確かに今日は姉さんが仕事でいないけど…、そうだ!たまには違う人の家なんてどう⁉︎」
それありだな!今日は誰の家に行こう?
「雄二の家とかどうじゃ?霧島のために必死に勉強してるから参考書もいっぱいありそうじゃし。」
「いいぞ。いつも明久の家ばかりじゃ迷惑だしな。今日はおふくろも旅行に行ってるし大丈夫だろ。あと秀吉、俺は翔子から『逃げるために』必死に勉強してるんだぞ。」
「「「さんせ〜い!」」」
逆にお母さんいるとダメなんだ。なんでだろう。厳しい人なのかな?
「というわけでいつものメンツでも誘うか。」
「それいいね!じゃあ俺が呼ぶよ〜!」
「よろしく頼むのぅ。」
雄二には悪いけど、ちょっと変わったメンツにしてやる!
「おーい美波、伊之助、ムッツリーニ、炭治郎、瑞希ちゃん、そして………」
「そして誰だ?」
「翔子ちゃん‼︎」
「おい待て!なんで翔子もなんだよ‼︎」
「この間は優子ちゃんがいたんだし、上弦が一人いたほうがいいでしょ〜。それにほら、そこにいるよ?」
「え?」
「…雄二、私も行く。」
「いつからいた⁉︎」
「…私から逃げるためにのところ。…雄二は絶対に逃がさない。」
「待ってくれ翔子、頼むからそのスタンガンを俺に向けるな!」
雄二って翔子ちゃんのことになると本当面白いよね♪ついいじめたくなっちゃう♪
放課後、炭治郎がさらにカナヲちゃんを連れてきたこともあって、結構な人数で雄二の家に押しかけることになった。
「そういえば雄二さ?」
「なんだ善逸?」
「家には誰もいないの?」
「ああ、親父は仕事で、おふくろは高校の同級生達と温泉旅行らしい。だから何も気兼ねせずゆっくり過ごしてくれ。」
「そういえば前に雄二の家に来た時も雄二の家族は留守だったよね?」
「ああ、その方が色々と都合がいいからな。」
そう言って雄二が扉を開けるとそこには………
プチプチプチプチプチプチプチ
とてつもない量のプチプチを潰す女の人がいた。
というわけで嘴平家の過去でした。最初は伊之助の反抗期とか書こうと思ってたんですが、琴葉視点で原作みたいに一人で奮闘した方が面白いかな、と思ってこっちにしました。童磨に関しては童磨24歳、琴葉34歳、伊之助16歳なので、義理の父親よりは兄貴分の方がいいだろうと思いこうしました。そして珍しく童磨は悪役ではありません。
さて次は雄二の家です。これ以降は割と原作通りに話が進む予定です。(追記:そうでもありませんでした。)