バカとお酒と鬼滅の刃   作:スピリタス3世

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バカテスト 英語

問 次の文章を日本語に訳しなさい。

『 Oh, you are the perfect woman! 』


竈門炭治郎の答え

『 ああ、あなたは完璧な女性だ。 』

教師のコメント

正解です。流石です、竈門君。


我妻善逸の答え

『 ああ、なんて貴女は完璧な女性なんだ‼︎是非この俺と結婚してくれ‼︎そして一生愛し合おう‼︎ 』

教師のコメント

最初の一文は完璧です。後は不要です。


吉井明久の答え

『 テレビで見たことあるやつ。 』

教師のコメント

確かに似たようなセリフが流行りましたね。


木下秀吉の答え

『 ワシは男じゃ‼︎ 』

教師のコメント

すいませんでした。


第六十二話 悲痛な恋情

  side 姫路

 

 私は小学3年生のとき、学校でうさぎの飼育係を決めることになりました。その時に私が推薦されたのです。正直に言うとかなりやりたくなかったのですが、引っ込み思案な私はなかなかそれを言い出せませんでした。その時に私を助けようとしてくれたのが明久君でした。まあ助けようとした文章がちょっと間違ってて結局飼育係になっちゃったんですけどね。

 

 明久君はそのときからクラスの女の子に人気者でした。優しくてお人好しな彼がそうなるのは当然なんですけどね。そんな彼が作る輪に当然私は入っていけませんでした。だからある日、クラスメイトに明久君との関係を聞かれた時はこう答えました。

 

「私は明久君の友達でもなんでもないよ。」

 

 当然の答えだったのですが、それ以降明久君とは気まずい関係になってしまいました。多分本人に聞かれてしまったのでしょうか。そして元々身体が弱かった私はたまたまそのすぐ後に入院することになり、気まずい関係のまま明久君とは会わなくなりました。

 

 

 だけどある日、病院の外を見るとそこには木の上に座った明久君がいました。私はあの日のことが気になってつい聞いてしまいました。

 

「あの日のあの言葉、聞いたの?」

「うん。」

 

 やっぱりそうだったんですね。飼育係の時に庇ってくれたのにこの仕打ちをしてしまうなんて、なんて私は酷い子なんだろうと思いました。しかしそのあと、彼はとんでもないことを口にしました。

 

 

「別に瑞希ちゃんが僕のことを嫌いでも、僕は瑞希ちゃんのことが好きだからね!」

 

 

 なんて優しい子なんでしょう。こんな酷い子のことを好きでいてくれるなんて…。私はとても嬉しかったです。さらにその時明久君は雪兎のヘアピンまで私にくれました。それが本当に嬉しくて、今でも私は毎日それをつけています。

 

 

 

 ただ中学生になって以降、明久君とは違うクラスになったこともあって疎遠になってしまいました。そのまま一緒に文月学園に進学したものの、ここでもクラスが違くて疎遠のままでした。そんな状態で振り分け試験の日を迎えました。

 

 この日はクラスごとではなかったおかげで明久君と一緒の教室で受けました。それは良かったのですが、その日の私の体調はかなり悪く、試験中に倒れてしまいました。これは体調管理が出来なかった私の責任。そんなとこを思っていると……

 

「ひ、姫路さん⁉︎」

 

 明久君が私のことを見て駆けつけてくれました。

 

「吉井‼︎試験中だぞ!席につけ‼︎」

「でも姫路さんが…。」

 

 本当に明久君はいつでも優しいんですね。そんなことを思っていると試験監督の先生から近づいてきました。

 

「姫路、体調が悪いなら保健室に行くか?ただし試験中の途中退席は無得点扱いになるけどな。」

「分かりました……。退席します……。」

 

 当然のことです。体調管理も実力のうちとはこのことです。だけど明久君はそんな私を庇ってくれました!

 

「具合が悪くて退席するだけで無得点扱いは酷くないですか⁉︎」

「といってもこれがうちの学園の決まりだしね。」

「そんな決まりはとっとと無くしてしまえ‼︎」

「それに体調管理も実力のうちだよ。」

 

 本当に明久君は優しいです。その後も自分が途中退席してまで先生と言い争ってくれました。そんな明久君に対する想いをこの時初めて私は自覚しました。

 

 

 そうして迎えた2年生の始業式の日、明久君は我妻君と坂本君を連れて何やら廊下で話していました。どうやら明久君が私や竈門君のために試召戦争を起こしてくれるみたいです…。なんで本当に優しい人なんでしょう。そんな明久君のためにも、私はここで負けるわけにはいきません‼︎

 

 

「………姫路、俺のことは気にせず自分のタイミングで熱線を使え‼︎」

「は、はい!」

「敵の目の前で作戦をバラしてくれるとはアンタ達、親切ね〜。」

「………あまり俺たちをナメるなよ、木下優子。」

「ナメてないわよ!」

「………腕輪の力を使っていないくせに!」

 

 土屋君の召喚獣が撒菱を投げています!優子ちゃんが足元に気を取られている隙に……

 

「熱線‼︎」

「な⁉︎」

「………かかったな!」

 

 

 命中しました‼︎それもビームの中心あたりで受けてくれたのでクリティカルヒットです‼︎土屋君も巻き込んでしまいましたが、彼が与えてくれたダメージも加わって、これで決着です‼︎

 

 

Fクラス  

     姫路瑞希  215点

     土屋康太  0点

      VS

Aクラス  

     木下優子  1点

 

 

 そんな……。1点だけ残ってしまいました……。

 

「どうして……。」

「………すまん。」

「そう簡単に負けるわけにはいかないからね‼︎瑞希、さっさと死になさい‼︎」

 

 なんとか倒さないと……。優子ちゃんの猛攻を掻い潜って……。

 

 

 

 

  side 優子

 

 なんとか1点だけ残った…。でも残り1点、しかも腕輪の力は使用済み。それでも負けていられないわ‼︎ここで勝って生き残り、代表達のところに合流してFクラスを倒す!優等生ならばこれくらいは出来て当然!ここで負けたら優等生ではなくなってしまう!そうしたら………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 せっかく戻ってきてくれた、大好きな貴方のことをまたアタシが傷つけてしまうじゃない。

 

 

 昔のアタシは何に対してもやる気がなく、日々を適当に遊んで過ごす劣等生だった。授業はよく寝る、宿題はやってこない、机の周りは散らかす、片付けができない、やんちゃでいつもうるさい………などなど。それでもそれなりに学校生活を楽しく過ごせたり、演劇に一生懸命な秀吉のかっこいい姿を見たりすることが出来たりしたので、特に不満はなく過ごせていたし、特に努力しようとも思わなかった。

 

 

 だが中学生になってしばらくしたある日、秀吉に対するイジメが始まった。

 

「お前男のくせに女みたいだな‼︎」

「女ばっかいる演劇部にもいるしな!」

「しかも喋り方もキモいしよ‼︎」

 

 秀吉は適当に生きているアタシとは違って、いつも演劇に一生懸命に取り組んでいた。あの口調だって大好きな時代劇を真似したもの。そんな物事に熱心になれる素晴らしい弟を、アンタ達がバカにする権利なんてない‼︎

 その日からアタシといじめっ子たちの戦いが始まった。アイツらはいくらアタシや美紀(玉野)が秀吉を庇っても何度も何度もいじめを続けてきた。その度に何度もいじめを止めるよう言ったが、全く止む気配がなかった。そんなある日、一人の救世主が現れた。

 

「みんな、いじめはよくないだろ‼︎」

 

 その男の子の名前は不死川玄弥。成績は常にダントツで品行方正、おまけに人当たりも良く、みんなに好かれている優等生だった。そんな人に逆らうのは部が悪いと思ったのか、それ以降秀吉に対するいじめはなくなった。そんな彼に対してアタシはお礼を言わずにはいられなかった。

 

「不死川だっけ?アタシは木下優子。いじめられてた弟の秀吉を助けてくれてありがとね‼︎」

「い、いや……別に俺はそんな……。」

 

 あんなにかっこよく秀吉を守ってくれたのに全く驕ることのない姿。これがアタシだったら間違いなくドヤ顔をしてたのに。そんな凄い人に会えたのがアタシは嬉しくて、その日以降、積極的に玄弥と話すようになった。

 

 玄弥はとても優しくて、面倒くさがり屋なアタシに対しても宿題を教えてくれたりなど色々してくれた。優しすぎるあまり色々と心配性なところもあったんだけどね。また玄弥は物知りで、アタシが知らなかったことを色々と教えてくれた。そうして自分の世界が広がっていくのがたまらなく嬉しく、そして面白かった。

 そんなことを思っているうちにだんだんと彼が好きになっていった。冷静に考えてこんなズボラなアタシのことなんて何とも思ってないだろうけど、まあ言わないよりはマシだと思ってとりあえず告白してみることにした。

 

「あのね玄弥。」

「何、優子?」

「アタシはアンタのことが好きなの‼︎だから、アタシと付き合ってくれるかな?」

 

 そうしたら意外な言葉が返ってきた。

 

「いいよ。俺も優子のことが好きだし、今日から付き合おう!」

「ほ、本当⁉︎ありがとう‼︎それじゃあよろしくね!」

 

 まさかのOK。それがとてもとても嬉しかった。

 

 

 その日以降、玄弥とは色んなところで遊んだりした。貴方が心から嬉しそうだったことが更にアタシの心を満たしてくれた。秀吉も美紀もアタシ達をいつも応援してくれていた。だが周りはそうではなかった。

 

「あんたバカでズボラなくせにあの玄弥と付き合ってるとか何様のつもり?」

「どうせあんたが誑かしたか脅迫したかのどっちかでしょ‼︎」

「玄弥の優しい心を利用するなんて最低‼︎」

「汚い女‼︎」

 

 別に玄弥はアタシのことが好きで付き合ってるのは分かってたし、アタシがバカでズボラな劣等生なのは分かっていたことだからアタシは何とも思わなかった。玄弥にバレないところでいじめられたり殴られたりとかはしたものの、こんなことに時間を割くくらいなら別のことをすればいいのに、下らないな〜、としか思わなかった。

 

 

 そんなある日、アタシはいつものようにいじめられていた。

 

「あんたみたいなろくでなしの劣等生が玄弥と付き合うんじゃないわよ‼︎」

 

 あ〜今日は殴る感じなのね〜。はいはい分かったよ。そんなことを思いながら殴られようとしたその時……

 

「俺の優子を侮辱するなァァァ‼︎」

 

 玄弥が激昂しながらアタシをいじめていた子を殴り飛ばしてくれた。助けてくれて嬉しかったアタシは玄弥にお礼を言おうとしたが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ……あ……あ………」

 

 玄弥はとても慌てていて、そして震えていた。まるで何かに怯えているようだった。アタシが声をかける前に

 

「お、俺に近づくんじゃねェ‼︎」

 

 と言って消えてしまった。その日以降、玄弥は学校に来なくなった。

 

 恐らく貴方は自分が化け物みたいな父親そっくりになってしまったと思い込んでいるのだろう。そして優しい貴方はアタシが傷つくのが嫌だったから逃げたのだと。そんなことないよ、だから傷ついていないで戻ってきてまた幸せな日々を送ろう。そう思って毎日探したけれど、結局玄弥は見つからなかった。

 

 

 しばらくしたある日、アタシはいじめっ子に声をかけられた。

 

「あたしはね、あんたと違って玄弥が優しい子だって知ってるからね‼︎」

 

 いやそんなのアタシの方が知ってるわよ。そんなことを思いながらやり過ごそうと思ってたその時……

 

 

「だから玄弥が壊れたのはあんたのせいなのよ‼︎」

 

 

 言われた言葉がとても刺さった。玄弥は、不釣り合いだって言われていじめられてたアタシを庇って消えてしまった。もしアタシがバカでズボラな劣等生じゃなかったら?もしアタシが玄弥みたいな優等生だったら?玄弥を傷つけたのは他の誰でもない、アタシだった。

 

 このままだったらいくら玄弥が戻ってきてもまた傷ついてしまう。それがとても嫌だった。だからその日からアタシは玄弥みたいな優等生になるようにした。優等生になれば玄弥は傷つかなくて済む。玄弥は安心してまたアタシのところにいつでも戻ることができる。そのためなら何でもやった。嫌いだった勉強もきちんとやって成績を上げる、行事などには真面目に取り組む、人がやりたがらないような雑用もやる、人当たりを良くして多くの人から好かれるようにする、などなど。まあそう簡単に成果は出なかったけど、2年かけてなんとか玄弥が通う予定の文月学園にギリギリ合格することができた。

 

 高校入ってからもそれは続けた。最低点付近のままでは前までと変わらない劣等生のまま。これではいけない。そう思って成績を上げ、他の仕事もし、なんとか上弦の参にはなれた。でもまだ足りない。玄弥は成績ならダントツだったし、みんなに好かれていたし、もっと行事とかにも真剣に取り組んでいた。このままではダメ。2年生からは試召戦争でも勝たなきゃいけない。通常攻撃と比べて攻撃力が上がる以外全くない腕輪の力でもそれを利用して他のクラスに勝ち続けなきゃいけない。

 

 だから秀吉が玄弥を連れ戻してくれたときも、また傷つけるのが怖くてずっと会えなかった。そんなこんなでうじうじしていると、とうとう玄弥がクラスに戻ってきてしまった。

 

 だったらせめてここは勝たないと。優等生なら、貴方なら、絶対に勝たないと‼︎何がなんでも‼︎また傷つかないために‼︎絶対に‼︎勝つ‼︎

 

 

 

  side 姫路

 

 優子ちゃんになかなか攻撃が当たりません‼︎さっきから何回も攻撃をくらってしまっています…。でも、あと一回だけ当てれば‼︎明久君のためにも、絶対に勝ちます‼︎これで決められるかな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fクラス  

     姫路瑞希  1点

     土屋康太  0点

      VS

Aクラス  

     木下優子  0点

 

 

「勝者、Fクラスだね。」

「あ、ありがとうございました!」

「………ありがとうございました。」

「ありがとうございました……。」

 

 なんとか勝てました‼︎土屋君の助けもあって、あの日(第七話)完敗した優子ちゃんに勝つことができました‼︎ここまで頑張ってきて本当に良かったです‼︎あとは翔子ちゃん達のところに向かうだけです‼︎

 

 

 

 

  side 優子

 

 負けた…。負けちゃいけなかったのに…。所詮アタシはバカでズボラな劣等生のままだったんだ…。玄弥はクラスに戻るから、今度はアタシが居なくなる番か…………ってあれは……

 

「久しぶり、優子‼︎」

 

 げ、玄弥?なんでここに?戦死者用の補習のはずじゃ……。っていうか今のアタシに近づいたらダメじゃん‼︎また玄弥が傷ついちゃう‼︎なんとか遠ざけないと!

 

「こ、こ、来ないで‼︎アタシに近づいたらダメ‼︎」

「え、なんで?」

「ちゃんとクラスに戻りたいんでしょ⁉︎」

「まあそうだけど…。」

「ならアタシに近づかないで‼︎」

「どうして?」

 

 ち、近づいてくる…。な、何とか説得を……

 

「とにかく、クラスに戻るためにはアタシがいない方がいいの‼︎」

「優子がいないクラスなら戻らなくていいかな〜。」

「え、ちょっと⁉︎」

 

 な、なんでよ……。アタシが傷つけた原因なのに…。まだ解決していないのに…。そうだ、無理矢理逃げ……

 

「逃さないよ‼︎」

「えっ……」

 

 だ、抱きしめられちゃった…。な、なんで…。アタシが全て悪いのに…。なんで…。

 

「4年間待たせて悪かった。もう俺は化け物になることは絶対にない。だから前みたいに一緒に居よう!」

「でも、もし……」

「俺を信じて‼︎むしろ今まで全く出来なかった優子のことをちゃんと守ってやる‼︎だから一緒に居よう、な‼︎」

「う、うん!」

 

 玄弥……。ありがとう……。こんなアタシでも好きになってくれて……。

 

 

 

 

  side 玄弥

 

 俺は化け物である父親のようになるのが怖かった。まずは敵を作りたくないから人当たりを良くする。そしてとにかく波風が立たないようにする。そんな俺のことをみんなは優しいと言ってくれたが、本質はただ慎重で臆病なだけだった。

 

 だからいじめの現場とかを見ても最初は我関せずのスタイルだった。いじめられていた子を後でフォローすることはあっても、いじめている現場に突っ込んで庇ったりとかいうことはなかった。だけどそんな中で、一人の女の子の姿が目立った。

 

「アンタ達、アタシの弟をバカにしてるんじゃないわよ!」

 

 その子はいつも弟をいじめっ子から庇っていた。明らかにいじめっ子の方が人が多くて不利なのに、そんなことは気にせず体を張っていた。自分への危険を顧みず、大切な人を何度も守ろうとする姿。その姿がとてもカッコよかった。自分も何かできたらと思い、いじめを止めようと決心がついた。そして俺の言葉でいじめが止まると、その子から声をかけられた。

 

「不死川だっけ?アタシは木下優子。いじめられてた弟の秀吉を助けてくれてありがとね‼︎」

「い、いや……別に俺はそんな……。」

「アンタがいなかったらいじめはなくならなかったわ!だからそんなに遠慮してないで自信を持ちなさい‼︎」

 

 本当にそんなことないんだよ…。俺はただ優子の姿を見てやっただけ。

 そんな優子のことをもっと知りたくて、それから色々話しかけるようになった。俺が少し不安なことがあると必ず声をかけてくれて助けてくれる姿、いつも自分のことなんか度外視して他人のために行動する姿、そんな姿を見せる優子のことを俺は気がついたら好きになっていた。

 

 いつ告白しようか悩んでたとき、逆に優子から告白されてしまった。だけど俺はそれが嬉しかった。すぐさま自分の気持ちを伝えて恋人同士になれた。

 

 

 だけどある日、優子がいじめられているところを見てしまった。何も知らないくせに優子を侮辱して傷つけようとするなんて許せない‼︎そんな怒りで庇おうと思っていたら、思わず手が出てしまった。いじめっ子は吹っ飛んでいってかなりの怪我を負った。

 

 そのとき、自分が忌み嫌っていた、父親のような化け物に自分もなってしまったのだと気づいた。このままだとそばにいる優子や、大切な友達である秀吉や美紀、さらには家族のことを傷つけてしまうかもしれない。そう思って一目散に逃げた。

 

 あの後、秀吉と兄ちゃんが俺を連れ戻してくれたけど、クラスにだけは戻ることができなかった。秀吉達が化け物の扱いを知っただけで俺は依然として化け物なのではないか。だとすると俺がクラスに戻った場合、一番大切な優子を傷つけてしまうのではないか。優子だけは傷つけたくない。そう思って会うことすら出来なかった。

 

 でもそれは違った。俺は化け物なんかじゃなかったと気付いた。だったらもう優子を傷つけることはない。もう優子のところに戻れるんだ!むしろ早く戻ってやらないと‼︎

 

 そして優子との久々の再会。俺のために血の滲むような努力を4年間も続けて変わろうとしてきた優子の姿を見て感動で泣きそうになった。それでありながら自分のことを度外視して俺のために行動しようとするところが変わってなくて更に泣きそうになった。こんな4年間も逃げてた俺のことを努力しながらずっと待っててくれたんだ。そんな彼女のことは、ちゃんと守ってあげないとな‼︎

 

 

 

 

  side 秀吉

 

 戦死者用補習の昼休憩のとき、ワシは玉野と実弥さんと話しておった。

 

「ようやくあの2人が再会できたね。」

「全く、アイツは彼女を4年間も待たせやがってよォ。」

「でも実弥さんも玄弥が姉上と再会できて嬉しいんじゃろ?」

「ま、まあな…。」

「あ、実弥さん照れてる〜♪」

「うるせェ‼︎」

 

 ワシも散々姉上と玄弥に助けてもらったからのぅ。そんな2人じゃから幸せになって欲しかったのじゃ。まあワシにできたことは姉上を皆に親しみやすい人じゃと伝えることと、玄弥を連れ戻したことぐらいじゃがな。

 

「ところで、テメェらは早く付き合わねえのかァ?」

「「え?」」

「は、恥ずかしいことを言わないで欲しいのじゃ///」

「そ、そうだよ///」

 

 な、なんてことを言うんじゃ、実弥さん‼︎確かに好きじゃけど……

 

 

 そんなことを思っておると、遂にあの2人がやってきたのじゃ!

 

「皆お待たせ。やっと戻ることが出来たよ‼︎」

「こ、これからも玄弥をよろしくね///」

「遅えぞォ。」

「おめでとう2人とも!」

「やっぱりこの2人が一緒じゃないと安心せんのぅ‼︎」

 

 とにかく、2人が無事一緒に戻れたのが幸せじゃ‼︎さあ、あとは我がFクラスが勝つことを祈るのみじゃ‼︎




 ということで姫路と優子の過去からの上弦の参との戦いの決着でした。そして玄弥の残っていた過去も全て明らかになりました。ちなみに、明久×姫路の部分よりも玄弥×優子の部分をかなり長くしたのは、せっかくのクロスオーバーなんだから両作品のキャラとのカップリングをメインに書きたかったからです。ちなみに主役の善逸×美波もそうですね。

 優子の腕輪の力についてですが、攻撃力が高くなる以外は通常攻撃と全く変わりありません。そのため優子は名前をつけずに通常攻撃のフリをして腕輪の力を使う、という戦法を取ってきました。今回姫路にそれを使ったタイミングは、ムッツリーニが優子の腕輪の力を疑った場面のちょっと前ですね。
 
 ちなみに第二十話、ナンパ大会裏の女子会で優子が「恋愛よりも学校のこと優先」って言っていたのは、今のままだと玄弥が戻ってきてもまた傷ついてしまうから、それを防ぐために、玄弥を連れ戻して仲良くデートすることよりも勉強や学校の仕事を頑張って優等生になることを優先させる、という意味です。
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