バカとお酒と鬼滅の刃   作:スピリタス3世

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バカテスト 現代文

『 与謝野晶子の代表作で、日露戦争の時に徴兵された弟を嘆いて歌ったものをなんというか。 』


竈門炭治郎の答え

『 君死にたまふことなかれ 』

教師のコメント

正解です。ちなみに弟は無事日本に帰還しましたね。


吉井明久、我妻善逸、坂本雄二の答え

『 君死にたまへ 』

教師のコメント

なんで3人とも同じ答えなのでしょうか。


第六十五話 ひとつのことを極め抜け

  side 善逸

 

 マズい‼︎翔子ちゃんの腕輪の力だ!よけなきゃ!

 

「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」

 

 なんとかよけ……

 

「うわぁぁぁぁ‼︎」

 

 少しかすっただけでこの威力……めちゃくちゃ痛い……って瑞希ちゃんが!

 

「きゃあ!」

 

 直撃してしまった……。じゃあ雄二は?炭治郎は?

 

「クソ!俺もここまでか‼︎」

「これが私の全力。凄いでしょ、炭治郎♪」

「本当に凄かったよ…。」

「うお!危ねえぞ翔子‼︎」

「…雄二に当てられなかった……」

「代表!気にしないの!」

「…ありがとう、カナヲ‼︎」

 

 マズい……。雄二はなんとか避けたものの炭治郎がカナヲちゃんにやられた。そして瑞希ちゃんに大ダメージ。一気に状況をひっくり返されてしまった……。

 

 

Fクラス

     坂本雄二  82点

     我妻善逸  72点

    竈門炭治郎  0点

    嘴平伊之助  0点

     姫路瑞希  45点

      VS

Aクラス

     霧島翔子  107点

    栗花落カナヲ 137点

 

 

 

 この状況を打破するには漆の型を使うしかない。タイミングを見極めて……

 

「炎の呼吸 陸の型 紅蓮の炎」

「させません‼︎受けて立ちます‼︎」

「花の呼吸 伍の型 徒の芍薬」

「避けきってやるぞ!」

 

 瑞希ちゃんが止めてくれている!雄二もなんとかカナヲちゃんの攻撃をしのいでいる。なら今のうちに……

 

「雷の呼吸 漆の型 火雷神」

「炎の呼吸 肆の型 盛炎のうねり」

 

 げ、迎撃された⁉︎漆の型が⁉︎嘘だろ⁉︎この速度で勝てないのか……。しかも点数を全然削りきれなかった‼︎クソが‼︎

 

 

Fクラス

     坂本雄二  15点

     我妻善逸  17点

    竈門炭治郎  0点

    嘴平伊之助  0点

     姫路瑞希  20点

      VS

Aクラス

     霧島翔子  32点

    栗花落カナヲ 126点

 

 

 

 クソ‼︎こんなのもう無理だよ‼︎万策尽きたし!今まで努力してきたことも全てパーじゃないか!やっぱり上弦6人含むAクラスになんて勝てるわけがなかったんだ‼︎ここまでやってもダメだったんだ‼︎ そして今までのフィードバックで脚が痛い…。もう正直立てない……。早く終わって楽になりたい……。よし、これからは諦めてあの教室で過ごそう‼︎それがいいよ!だからこんなことはもう終わりに………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいタンポポ‼︎根性見せろや‼︎」

「美波ちゃんにそんな恥ずかしい姿を見せていいんですか⁉︎」

 

 危ない。忘れるところだった!俺が誰のためにここまで頑張ってきたのかを。美波がいなかったら俺はここまで成長しなかった。美波がいなかったら今頃そこら辺の女に求婚しまくる糞野郎のままだった。美波が俺を変えてくれた。美波は俺のために毎日お弁当を作ってくれた。俺のために勉強を頑張ってくれた。俺のために色々怒ってくれたり、ついには俺のために壱の型まで習得してくれた。消化器の罪を押し付けたり、清涼祭のメイド喫茶でふざけた注文をしたり、如月ハイランドで逃げ回ろうとしたり、美波がいない隙に勝手にナンパ大会に参加したり、女子風呂を覗こうとしたり、今まで自分の気持ちを言わずに弄んだり、下心丸出しで友達の家に行ったり、脚が痛くなりすぐに弱音を吐いて諦めようとしたり、バイトやエロ本麻雀大会でふざけたりしてきたこんな俺にもずっと尽くしてくれた。だったら俺の今までの集大成を見せてやろうじゃないか!極めに極め抜いたこの一つの技をな‼︎

 

 

 

 

 

 

 

「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」

 

 

 

 

 

 

Fクラス

     坂本雄二  0点

     我妻善逸  17点

    竈門炭治郎  0点

    嘴平伊之助  0点

     姫路瑞希  20点

      VS

Aクラス

     霧島翔子  0点

    栗花落カナヲ 104点

 

 

 

 

 決着。だけどカナヲちゃんの攻撃の影響で雄二も戦死してしまった。両方の代表が同時に倒れたので引き分け。

 

「お疲れ善逸。お前のおかげでなんとか引き分けにはなったぞ。」

「我妻君、あ、ありがとうございました‼︎」

「雄二と瑞希ちゃんのおかげでもあるよ〜。

 

 この2人が叱咤激励してくれたおかげだね。これがなかったら普通に負けてたよ。

 

 そういえば、引き分けって……

 

「ねえみんな、試召戦争では引き分けのときってどうなるの?」

「お化け屋敷の時はどっちの学年も何もなかったな。」

「じゃあ私たちもAクラスもそのままなのでしょうか?」

「…ごめん、何も想定していなかった。」

「上弦と先生で話し合っておくべきだったね。とりあえず他の上弦のみんなとも連絡を取ってここに来てもらうようにするよ。」

 

 ちょっと‼︎決まってなかったのかよ‼︎まあ順当に行けば教室の設備はそのままか……。結局ダメだったな〜。そんなことを思っているとまさかのババアがやってきた。

 

「すまないねアンタ達。お化け屋敷対決のことからある程度対策はしておくべきだったのに、まさか早速該当事例ができちゃうとはね。あの時は2つの学年の戦力は同じだったからああしたけど、今回はかなり違うからね。しかもあの時とは違って試召戦争は前々から行なってたことだからねぇ。」

「そうだぞババア。上弦6人含むAクラスに下弦6人含むFクラスが引き分けにまで持ち込んだんだ。しかも試召戦争はお化け屋敷対決とは違って何回もあるはずだ。それなのにお前ら教師はなんの対策を立てていなかった。それについての罰兼俺たちへのなんかしらの褒美はあってもいいはずだ。」

「雄二の言う通りだね、ババア‼︎俺たちがこんだけやってそのままなのはおかしいよね‼︎」

「2人とも、学園長にものを頼む態度じゃないと思います……」

「「瑞希ちゃん(姫路)、この人にはこれが普通だ。」」

「普通にされたら困るんだけどさ。」

 

 ババア‼︎今まで決めていなかった責任を取ってもらうぞ‼︎

 

 

 そんなことを思っていると戦死者用補習から帰ってきた他の上弦達が翔子ちゃんやカナヲちゃんと一緒に口を開いた。

 

「学園長、これは私個人の頼みなのですが、上弦6人含むAクラス相手に引き分けに持ち込んだFクラスの功績を称えて教室や設備の改良をお願いできますか?」

「…これは私達上弦が不甲斐なかったことの責任でもあります。」

「僕は今回の結果からFクラスはAクラスと同等の実力を持つと考えております。」

「ですのでAクラス並みの設備にしてもいいと思います。」

「Aクラス並みの設備が2クラスになれば他クラスの試召戦争に対するモチベーションも上がるのではないでしょうか?」

「それにFクラスの人も設備が良くなることによって勉強に対する意識が上がると思いますけどね〜。」

 

 優子ちゃんを皮切りに上弦が全員意見を述べ始める。ほとんど話し合ってないのにここまで息を合わせることが出来るなんて、さすが上弦だね〜。

 

「Fクラスの人だけならともかく、アンタ達上弦が全員でここまで頼み込んでくるとはね。そうなったらやるしかないね。予算とかの都合で上手くいかないかもしれないけど、出来るだけAクラスに近い設備をアンタ達に与えてやるよ‼︎」

「「「はい‼︎」」」

 

 こうして俺たちの試召戦争の目的は達成した。欲を言うと勝ちたかったけれど、今までやってきたことを全て出し切れたから満足だ‼︎

 でも一個やり残したことがあるんだよね〜。

「翔子ちゃん‼︎雄二のプロポーズあげるよ!」

「…ありがとう‼︎」

「テメェ、死にたいのか?」

「嫌なら早く善子の写真を全部燃やしな‼︎」

「分かったよ…。背に腹は変えられない…。せっかくのいい道具だと思ったのに…。」

「なんか癪に触るけど仕方なくこの録音機をあげるよ。」

 

 なんでそんな渋々なんだよ。俺のことを道具扱いするならマジで翔子ちゃんの道具になってもらうぞ。

 

 

 その後、俺と瑞希ちゃんは教室に戻った。雄二は翔子ちゃんと話があるらしい。そして開口一番美波が抱きついてきた……って何してんの⁉︎ちょっと恥ずかしいんだけど‼︎ドキドキしちゃうじゃん‼︎

 

「善逸、お疲れ‼︎アンタが翔子を倒したんでしょ!凄いじゃない‼︎」

「ありがとう美波!でも美波がいなかったら俺負けてたよ。だからこちらこそありがとう!」

「へ?それはどうも///」

 

 さらには先に戦死した炭治郎や他の下弦まで声をかけてくれた。

 

「俺が死んだ時かなり大変だったよね?あそこから引き分けにまで持ち直したのはすごいね‼︎」

「僕は途中から結果が気になりすぎて補習に集中できなかったよ〜。」

「みんな、ありがとな‼︎」

「本当に引き分けに出来て良かったのじゃ‼︎」

「………感謝する‼︎」

「俺こそありがとう〜‼︎」

「私からもお礼を言わせてください、ありがとうございました‼︎」

 

 そして雄二が戻ってきて教壇に立ち、改めて全員の前で挨拶をする。

 

「みんなの協力のおかげで、なんとかAクラス相手に引き分けにまで持ち込めた。その結果、俺たちにもAクラスの人たちと同様、システムデスクなどの最高級の設備が支給されることになった‼︎」

「「「「やった〜!!!!!」」」」

「改めて皆には感謝する‼︎俺についてきてくれて本当にありがとう‼︎」

 

 雄二の指揮能力が無かったらこの結果にはなってないからね。さらには明久の召喚獣を動かす上手さ、伊之助の索敵、秀吉の演技、ムッツリーニの隠密行動、炭治郎の成績と呼吸、瑞希ちゃんのエースとしての力、他のクラスメイトの力、そして何より俺のためにずっと頑張ってきてくれた美波。これはクラス全員で勝ち取った引き分けだ‼︎なんか日本語変だけどそんなのは気にしないよ!

 

 

 この日の帰りのHRでスケベが新しい教室のことについて話してくれた。今はまだ作るのに時間がかかるから、数ヶ月はここの教室のままで過ごすということ。そして設備を利用するために新教室が完成して一週間後までは他クラスからの宣戦布告を拒否できると言うこと。しばらく時間はかかるけど、これで待ちに待ったシステムデスクにリクライニングシートでの学校生活の誕生だ‼︎AV見れないのは残念だけれどね‼︎

 

 

 

 HRが終わると、雄二と美波が話しかけてきた。

 

「善逸、ちょっと屋上行くぞ。伊之助、秀吉、ムッツリーニ、炭治郎もついてこい。」

「なんで?」

「瑞希と吉井の告白、見たくないの?」

「あ、そういえばそうだった‼︎ありがとう美波、雄二‼︎」

「バカひさのか!オレも行く‼︎」

「ワシも行こうかのぅ♪」

「………もちろん!」

「ついていくよ‼︎」

 

 ということで7人で仰々しく明久と瑞希ちゃんの告白を覗き見ることにした。そういえば告白で思い出したけど、雄二が戦争後に翔子ちゃんと何か話していたような……。

 

「雄二って翔子ちゃんと何を話していたの?」

「ああ、昔の勘違いを解いてあげただけだ。お前がこんなことにとらわれ続けるのは間違っているってな。」

「そしたらどうなったの?」

「それでもいい。私は雄二が助けてくれたことが嬉しかった、って言われちまったよ。それで今まで通りの生活だ。」

「な〜んだ、せっかくなら雄二も告れば良かったのに‼︎」

「うるせえ‼︎そんなことできるか‼︎」

「あ〜あ。今のも録音すれば良かったな〜。」

「………録音した。」

「おいムッツリーニ、何やってるんだ‼︎盗撮盗聴はやめたんじゃないのか!」

「………授業用!」

「よろしくね、ムッツリーニ‼︎」

 

 そういえば……

 

「ムッツリーニは愛子ちゃんとどうなったの?」

「………今まで通り。」

「な〜んだ、つまんな。」

「………いつかその日が来たら。」

「そんなこと言ってると後悔しちゃうよ〜?」

「………それは分かってる。」

 

 まあ保体コンビはあの2人のペースを見ているだけでいっか。なんか独特だしね〜。

 そんなことを思っていると、遂に瑞希ちゃんの告白が始まった!

 

「あの、明久君!私は小学生の頃からずっと明久君のことが好きでした‼︎付き合ってください‼︎」

 

 さあて、明久はどう答えるかな〜?

 

「え?瑞希って利光のことが好きなんじゃないの?」

 

 馬鹿野郎が。本当に気づいてなかったのかよ。

 

「え?ち、違いますよ!私はずっと明久君のことが好きでしたよ!」

「ああ、そうだったんだ。じゃあ僕も言うね、僕も瑞希のことがずっと好きだったよ‼︎だからこれからもよろしくね!」

「ほ、本当ですか⁉︎ありがとうございます‼︎これからもよろしくお願いします‼︎」

 

 おめでとう〜‼︎マジここの2人両片想い期間が長すぎなんだよ‼︎これでやっと両想いだと分かったね‼︎さて、やることといえば……

 

『須川会長、異端者吉井明久と姫路瑞希の告白を目撃しました。至急、異端審問会の準備をお願いします!』

『報告感謝する、我妻会員。』

 

 そしてあの2人が教室の前に差し掛かったタイミングで……!

 

「あっきひっさく〜ん!とうとうこの時が来たようだね‼︎」

「なに善逸?突然どうしたの?気持ち悪いよ?」

「須川会長、異端者吉井明久と姫路瑞希を発見しました!」

「ちょっと待てやコラ‼︎僕の告白を聞いてたのかよ‼︎」

「そのと〜り♪」

「明久君、よろしくお願いします♪」

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「これより、異端審問会を開催する。」

 

 ということで、明久と瑞希ちゃんの異端審問でこの日は幕を閉じ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ善逸、試召戦争が終わったときに島田さんに抱きつかれてたよね?」

「何言ってるの明久?そんなことは……」

「証拠もあるからね♪」

「クソがぁぁぁぁ‼︎」

「これより、異端審問会を開催する。」

 

 ると思ってたらまさかの明久にハメられて俺の異端審問会で幕を閉じた……。今度瑞希ちゃんに抱きつかれたら絶対に仕返ししてやるぞ……。

 

 

 

 

 そしてその日から数ヶ月後、ついに新教室が完成した‼︎中にはAクラスにもあったようなシステムデスクやリクライニングシート、その他冷蔵庫などの様々な設備があるぞ〜!これでちゃぶ台とはおさらばだ!そんなことを思っていると、美波から声をかけられた。

 

「善逸、ついにこの設備をウチらが使えるんだね‼︎」

「そうだね美波!これから学校生活がさらに楽しくなるぞ〜♪」

「あの、教室は変わるけど、これからもずっとよろしくね!」

「こちらこそよろしく……ってずっと⁉︎」

「まあアンタがウチに飽きたりしなければいいかな〜って思って……。」

「な、なるほどね〜。じゃあ俺からも言うね。これからもずっと、よろしくね‼︎」

「うん‼︎」

 

 今回は教室が変わっただけだけれども、これからは色んなことが変わるかもしれない。大学や会社とかでね。それでも俺と美波の関係だけは変わらずに続けていこう。そう思った日であった。




 ということで本編終了です!ここまで読んでくださりありがとうございました‼︎最後の展開にはかなり悩みました。そう簡単に勝っていいものか。でも負けて終わったら後味が悪いのではないか。そう考えてこうなりました。ご容赦ください。

 あと姫路は久保に断りを入れて告白しました。久保は後日する予定だったのですが、この通り残念な結果に終わりました。


 そして次からは適当に思いついたネタを番外編って形で不定期に挙げていこうと思います。よろしくお願いします。

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