ある電気屋の記録   作:もよぶ

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海老名家の両親はオリジナル設定ですがこの両親のせいで被害者が出てしまいます・・・


CASE10 海老名家のエコキュート

午後になり次の客へと向かう

 

「海老名さんね、お風呂に湯はりできないっと、さて比企谷君はいるかな?」

こういうのは大体電磁バルブが壊れている、だが希に違うところが壊れていたりするので注意が必要だ。

 

インターホンを鳴らすと出てきたのはメガネの女の子である。

「すみません、うちの両親締め切り間際で忙しくて、出てこれないんです」

 

締め切り?ようわからんが家にはいるのかね?

どうやら比企谷君はまだ来てないようだ、ともかくエコキュートのリモコンが有るところに案内してもらい状態をチェックする、最近のエコキュートはエラーの時に出るエラーコードはもちろん、使用したお湯の量や沸かしたお湯の温度、外気温など細かいデータが記録されるのだ。

それを見て故障箇所の特定に活用するのだが

 

「・・・これ、結構前からお風呂使えてないんですか?」

履歴を見るとお風呂にお湯を全く入れていないようだ。

エコキュート等の貯水タンクがある温水器のシステムはシャワーや蛇口のラインとお風呂のラインが別になっていることが多いのだ、なので片方のバルブが壊れてももう片方は機能するのである、たまに一方しかないものもあるが

 

「はい、まあうちは締め切り間際になるとお風呂に入らないって普通ですし、シャワーは使えますしね、私は外に入りに行くので問題なかったんですけど、流石にそろそろ直した方がいいってことになって」

「そうでしたか、まあ直した方がいいですね」

え?締め切り?作家か何かなのか?両親とも?

流石に年頃の女の子がこの環境はあんまよろしくないのでは?と思っていると

 

「こんにちはー」

お?だれか来たようだが比企谷君かな?

女の子はバタバタと玄関の方へいってしまった。

 

「あ!ヒキタニ君いらっしゃい!」

「ああ来たぞ、ってか俺立ち会う必要ある?海老名さんのとこ親いるだろ、車あるじゃねぇか」

「うん、そうだけど、そこじゃないんだよね・・・お父さん!お母さん!ヒキタニ君がきたよ!」

バタバタと足音が聞こえる

「君がヒキタニ君!写真の通りだ!さあ上がって!こっちだ!」

 

「え?海老名さん?これ何?何が始まるの?」

「ごめんなさい、次のイベントまでの締め切りが短くて、ほら私、いやうちの家族腐っているから」

「しらねぇよ!」

 

ヒキタニ?彼のあだ名かな?そう思って廊下の方に顔を出すと、やはり比企谷君、女の子のご両親に連行され奥の部屋に連れていかれているところだった。

因みに両親もメガネである。

 

「修理終わったら声をかけてくださいね?」

くるっと振り向いた女の子からそう言われるが彼女の口元は裂けんばかりに口角が上がっている。

あ!これホラーの漫画とかで見た奴だ!

 

ともかく点検を続行だ

データを見ていくとやはりバルブが壊れている模様、部品の交換が必要だな。

 

エコキュートの機械はほとんどの場合家の外に設置されている、この家もそうなっているので家の裏手に回り機械をばらしていると家の中から声がする

 

「ちょっ!なんで脱がないといけないんですか?俺なにされるんですか!?」

 

「大丈夫よヒキタニ君、私腐ってるから何にもしないし資料に使うだけだから、ちゃんとお礼するよ?ね!お父さん?」

「そうだね、うちの家族全員腐っていてね?俺なんかほら腐男子って奴?安心してくれバイト代はちゃんとだすから、それより姫菜、葉山くんは無理だったのか?」

「ごめんなさい、今日練習試合があるとかで無理だった」

 

「それならもっと沢山写真とってくるんだ、出来ればこういうポーズをだな、なあ母さん?」

「やっぱりハチハヤよねぇ、写真を見たときビビッと来たわ、流石姫菜ね、素晴らしいカップリングだわ」

なんかヤバい声が聞こえてくる、俺はなにも聞いてないからな。

 

しばらくするとワイワイ騒いでいる声は落ち着き静かになる。

 

修理ももうすぐ終わる頃

「スンマセン、ちょっとここにいていいっすか?」

比企谷君がやって来て地面に体育座りをする、手には1000円札を何枚か握っているようだ、アレか『少ないがとっておきたまえ』というムスカ大佐的な奴か?中で何が行われたかはしらんがかなり心にダメージがきてるな、でもこっちももう終わるんだがね

 

なんか声でもかけてやらないと可哀想だと思い

「君も大変だね」

と言うとヒキタニ君顔を上げる、と顔をあげたヒキタニ君そのまま固まる。

 

視線は俺の後方を向いている、もしやヤバい虫でもいたのか?

こういうところは家の裏手なのでスズメバチやムカデがいたりするので大変危険なのだ。

余談だがそういう虫やカエルが中にはいって基板をスパークさせることもある。

その際虫は砕けカエルは干物になっていることがほとんどだ。

 

恐る恐る後ろを振り向くと虫は居なかった、虫はいなかったのだが窓が少し開いておりそこから先ほどのメガネの女の子が顔を半分出してこちらを凝視している。

口は割けんばかりにニヤっとしていた。

「デンパチ、ハチデン?」

なんだこれこえーよ、デンパチってなんだよ、電気屋のデン?比企谷君の名前はしらんけどハチって彼の名前か?

俺はさっさと片付けを済ますと、固まってる比企谷君をそのままにサインをもらって早々に家から退散しよう、保証内だから料金はもらわなくていいしな、一刻も早くここから離れたい。

 

「ではここにサインを」

と玄関に出てきた奥さんにサインをしてもらう

「電気屋さんは腐った趣味はお好きですか?」

いつの間にかそばに立ってた旦那さん

 

「い、いえ、そういうのはよくわからないもので、では次があるので失礼します」

 

と逃げ出すように玄関を出るが、後ろの方で

「電気屋さん!バイ!」

「バイ!」

旦那と奥さんが挨拶をしてきた、軽く会釈をすると早足でサービスカーへともどる。

 

「ある意味恐怖の館だったな、比企谷君は無事帰れただろうか」

サインをもらったときの奥さんの目付きもヤバかったことを思い出した。

無性にお尻がムズムズする感じがあったな。

「そういや最後にバイって挨拶されたな、なんなんだ?、もしかしてバイって」

 

バイバイではなく両刀のバイなのか?

 

俺はちょっと身震いをして次の客のところへと急ぐのだった。

 

~~~~~~~~~~~~

 

「俺もうお嫁にいけない」

「ヒッキーどうしたの?今日一日中変だったよ?」

 

奉仕部にて、比企谷は先日のことを話すこともなく一人震えていた。

「そうだ!優美子も姫菜も助かったってお礼いっといてって言ってたよ!あたしからも二人を助けてくれてありがとうヒッキー!」

無邪気に笑う由比ヶ浜だったが比企谷は本も開かずうつむいたままだ。

「大丈夫?・・・そうだ!姫菜がねぇ、また来てくれると嬉しいって、なんか隼人君も一緒に?とか?せっかくだからみんなで行こうよ!」

と由比ヶ浜が暗いままの比企谷を元気づけようとしているのか遊びに行く提案するが地雷を踏んでしまったようだ

 

「・・・由比ヶ浜!・・・海老名さんはヤバイ・・・やばすぎる・・・奴の家に行ったらメガネに囲まれて・・・連れ込まれて・・・メガネの家族が俺の尻を・・・尻を凝視して・・・これは入るとか入らないだとか・・・無理だよ!そんなのはいらないよ!奴らあいつと俺の絡みの絵の感想を求めてこないでくれ!性感帯はどことか知らねぇよ!それにあいつの親父なんかは『これは心ばかりのお礼だ』とかいって札をパンツにねじこんできたんだぞ!そして『君は毛深いな』とか『本当に入れてくれたら倍出すよ』とか耳元で囁いてきて!金より大事なものが無くなってしまうところだったんだ!」

比企谷は頭を抱えてしまう

 

「・・・ヒッキーごめんね、あたしがお願いしたばっかりに・・・あとで姫菜に言っておくから」

「やめるんだ由比ヶ浜、『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている』という言葉を知らんのか、お前も取り込まれるから深入りしないでくれ」

 

「由比ヶ浜さん、何があったのかあまり詳しく聞かない方がよさそうね・・・でも比企谷くん、これだけは聞かせて、お尻は大丈夫だった?」

 

「貞操は守りきった、でも八幡もう安請け合いしない、自粛します・・・」

比企谷はかなり憔悴しきっているようだった。

 

「そう・・・そうね、ホイホイ人の家に上がるのは感心しないものね・・・それでは疲れてる比企谷くんの為にお茶を入れてあげようかしら?実はいい茶葉を手に入れたのよ?特別に淹れてあげるわ」

「ゆきのんなんか機嫌いいね?あと手は大丈夫だったの?」

 

「そうね、もう大丈夫、でもまた怪我するかもしれないのだけれど」

「なんで???でもゆきのんが元気ならいいや!」

 

「でも一度は雪ノ下になってほしいのだけれど・・・」

上機嫌で紅茶を淹れにいくがボソッと独り言をつぶやく雪ノ下だった。

 




八幡の自粛宣言は速攻破られます、しかたないね
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