ある電気屋の記録   作:もよぶ

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この子は鶴見先生の子供だろうと思っていたのですが結局そういう設定は出てきませんでしたね、出てもだからなんだ程度でしょうけど。
ってか最終巻ストーリー的に彼女出しにくいのはわかるけど出てこなかったのはちょっと解せんな。


CASE16 鶴見家のTV

「ちょっと失礼するわ」

珍しく鶴見先生が奉仕部を訪れる

 

「鶴見先生、どうされました?」

雪ノ下が応対をする

「実はちょっと困った事になって、比企谷君の力を借りたいの」

 

鶴見先生の話とはこうだった。

テレビ番組を録画していたのだが、突然録画用のハードディスクが認識しなくなったとのこと、子供が毎週アニメを録画したものが見れなくなって大変悲しんでいる。

駄目かもしれないけど修理の人を呼んでおり今日来る予定になったが、肝心の自分は急遽外せない用事ができてしまったそうだ。

 

「うちの留美は私がいなくても大丈夫なんて言ってるけど小学生に電気屋さんの対応できるわけ無いでしょう?そしたら生徒たちの間で比企谷君がそういうのに詳しいって噂になってるの耳にして、教師の私が言うのも変だけどお願いできないかしら?」

 

「噂って・・・くそっ一色か?でも留美って林間学校とクリスマス会の時の?先生の娘さんだったんですね、どのみち先生に頭下げられちゃ行くしかないでしょう」

と比企谷はあっさり折れる

 

「私も行くわ、留美さんと久しぶりに会ってみたいし」

「あたしも行く!」

雪ノ下と由比ヶ浜も名乗りを上げる

 

「そうなの!留美は比企谷君の事すっごく気に入ってるみたい、本当にゴメンナサイね、電気屋さん夕方来てくれるそうだから」

と、娘に電話する鶴見先生だったが、何やら電話でもめている、最後にため息をついて電話を切ると

 

「うちの留美、比企谷君だけ来てって、せっかく雪ノ下さんと由比ヶ浜さんも来てくれると言って頂いてるのに」

 

それを聞くと雪ノ下は深いため息をついて

「仕方ないわね、鶴見さんとはメル友だし、またいつか機会もあるでしょう・・・比企谷君?二人っきりだからと言って手を出しちゃだめよ?」

「そうだよヒッキー、小学生は犯罪だよ?」

 

「お前ら俺を何だと思ってやがる・・・いいか?千葉の兄は年下や妹には優しくしなければいけないと相場が決まっているんだぞ」

「比企谷くんは妹さんや一色さんにとても甘いですものね、そんなに年下が好きなら鶴見さんの家の子になればいいんだわ、その代わり小町さんは私がもらうから!ロリ谷君!」

またもやプイっと横を向く雪ノ下

なんで雪ノ下さんはそんなに怒り心頭なんですかね・・・あと小町はやらん絶対にだ

 

ただぼそっとつぶやいた一言は比企谷の耳には届かなかった模様

「私も一応妹なのだけれど・・・」

 

~~~~~~~

「さて本日最後のお客、鶴見さんのお宅へ到着だ、ハードディスクが再生できなくなったか」

こういう場合9割ぐらいの確率で録画しているデータの復旧は不可能である。

テレビに原因があってもどのみちハードディスクはフォーマットが必要だ。

 

ハードディスクは延長保証はつかない、消耗品扱いなのだ、しかも仮にメーカー保証中期間内だったとしても、基板交換とかはせず丸ごと新品に交換になるので無論データは消滅である。

 

「こんにちはー」

開きっぱなしのドアから挨拶をすると

「ああ、どうも・・・」

 

またもや比企谷君である、しかも今回は制服姿だ。

確か総武高校だっけ?

しかしいったいどういうことになって彼はここにいるんだろうか?

 

「八幡?誰か来たの?」

と奥から小学生っぽい女の子が現れた。

「ルミルミ、電気屋さんが来てくれたぞ」

 

「だからルミルミいうな、電気屋さんこんにちは」

ほう、今どきの子供にしては珍しいな、子供がいる家庭にお邪魔することはあるが挨拶をされることはなかなかない、幼稚園児レベルだと逆にされることが増える、物心がつくと照れ臭いのかもしれんな

 

といろいろ思いつつお邪魔させてもらいさっそく点検だが、ハードディスクが見事なまでにテレビ側に認識されない、テスト用のテレビにつないでも同様だ、というかそもそもカツカツと音がしている。

 

「これハードディスクが壊れてますね・・・残念ながら録画したものは消えてしまいましたね」

それを聞くと女の子はとてもがっかりしたようで

「そっかー毎週録画してたのに・・・もう見れないのか・・・」

 

と大変残念そうだ

「ルミルミ、なんの番組録画してたんだ?」

おおそうだ比企谷君、そうやって聞き出してレンタルすればいいんだ!君の金でな!

 

「プリキュア録画してたんだ・・・先週の分見たかったな・・・」

プリキュアか、成程この年頃の子はやっぱそういうのが好きか、無論大きいお友達にも大人気、俺は白と黒のが敵を物理的にボコボコにするのしか知らんが今は戦隊ものよろしく5人で戦い敵をビーム的なもので凪ぎ払うんだとかなんとか?

と色々考えてたら

 

「お前は見所がある、いいかルミルミ、プリキュアは人生の教科書だ」

比企谷君どうしたんだろ?頭がとうとうやられてしまったのだろうか?

「八幡どうしたの?なんかキモイよ?」

嬢ちゃん、君は正しい俺もそう思う

 

「もし俺が欠かさずプリキュアを録画しているとしたらどうだ?」

ニヤっと笑う比企谷君

「本当?」

女の子めっちゃいい笑顔してるな

「本当だ、始まって以来ずっと録画している、すべてDVDに保存済みだ!きちんとシリーズ分けしてラベルも自作して整理している!小町に気持ち悪がられているがそんなの関係ねぇ!」

「八幡!とても気持ち悪いけど今最高にかっこいい!」

ほめてるのか?貶してるのか?なんなんだ?

 

「よし!ルミルミ!今から俺の家で鑑賞会だ!」

「わかった八幡!どこまでもついていく!」

盛り上がりが最高潮に達しており、比企谷君は女の子を抱きかかえ今にも家から飛び出しそうである。

俺もつい『ここは俺に任せてお前たちは先に行け!』とか言いそうになるが

 

「いやーすみませんが出られるのは出張費いただいてからにしていただくと大変助かるのですが・・・」

来たからには貰うものもらわんとな、俺は仕事で来ているのだ

 

「あ・・・すんません」

比企谷君一気に冷静になったのか抱きかかえてた女の子を下すとお金を支払おうとするが

「あれ?ルミルミ、鶴見先生からお金貰ってないのか?」

「貰ってない・・・だって急遽これなくなって八幡が来たんでしょ?八幡貰ってないの?」

「・・・貰ってない・・・俺の金で払おうにも全然足りない・・・・」

「八幡、最高にかっこ悪いよ・・・」

 

テンションダダ下がりである、かといって金を貰わんことには色々まずい、女の子はタンスの引き出しを開けたりしているがお金は見つからないみたいだ。

後で請求書送ることもできるがこの際いいか、俺も人間だし多少の人情は持ち合わせているからな、しかも比企谷君はお客という立場だが知らん仲ではないしね

 

「・・・お金がないなら結構です、こちらでどうにかしておきますんで・・・」

しょうがない、大人で駄々こねて払わん奴なら無理にでも払わせるがここは俺が持ってやるか

「いいんですか?いや良くないですよね?」

比企谷君きみいい奴だなぁ

「大丈夫にしとくんで、ここは私に任せてください」

とサインを貰う、これでこの件は終了だ。

 

サービスカーに戻るとウキウキで手をつないだ比企谷君と女の子が外に出ているのが見えた。

「これからプリキュアの鑑賞会か?でももう夕方なんだが・・・」

 

そういや図らずも、ここは俺に任せて・・・みたいなことを言ってしまったなと思いつつ

「比企谷君は小学生にもモテモテだなぁ、いろんなジャンル制覇しまくってんな、ここまで来ると嫉妬とかそういうレベルではないな」

そんな独り言をつぶやきながら立て替えた出張費を今日の売り上げから引くと、儲けいくらになるのか、ストロングゼロのつまみは控えないといけないのかとぼーっと暗算しながら事務所への道を急ぐのだった。

 

~~~~~~~~~

「そういうわけで昨日は充実した時間を過ごせた、ルミルミがあんなにプリキュアに詳しいとはな、電気屋さんにも感謝だな」

次の日奉仕部にて事の顛末を二人に話していた。

 

「比企谷くん、そのことなのだけれどこれは何かしら?」

雪ノ下が見せた携帯には留美から送られた写真が写っているのだが

「ヒッキー?小学生は犯罪だって言ったよね?」

由比ヶ浜もそれを見て目からハイライトが消える

 

携帯には比企谷の膝の上に座っていわゆる『あすなろ抱き』をされた留美の自撮り写真が写っていた

『八幡は私のものだから』

というメッセージと一緒に

 

「い、いや違う!これは一緒にプリキュアを見ていたらルミルミが眠そうにしてて倒れそうだったからな?ほら、ソファーじゃなくて床に座っているだろ?だから倒れるとまずいだろ?だから倒れないように支えようとしてプリキュアを見ながら一番いい体位を模索してたらルミルミがここがいいといってきたもんで俺もこれは具合がいいと思ってだな・・・」

 

「体位?具合がいい?あなた何を言っているのかわかっているのかしら?」

「ヒッキー駄目だよ?自首しよ?あたし待っているから・・・」

「お前らマテ、違うからちょっとこっちくんな!」

 

その日奉仕部から比企谷の悲鳴が聞こえたが何があったのかは推して知るべしである。

 

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