「結衣ーちょっとー」
由比ヶ浜家、母から呼ばれた結衣は洗面所へ
「ママどうしたの?」
「洗濯機がピーピーってなったと思ったら蓋があかなくなっちゃったの・・・まだ洗濯物が入っているのに、困ったわ・・・」
結衣も見てみるが確かに洗濯機の蓋があかない
「ヒッキーが詳しいんだ!聞いてみるね!」
とウキウキで比企谷へ電話する由比ヶ浜、結局なんだかんだで翌日比企谷がコールセンターへ電話をすることになってしまった。
次の日の奉仕部
「全然つながらないね」
「しょうがないだろ、こういうのはつながらないもんだ」
「あら?一度しか電話したことないのにまるでベテランみたいな発言ね」
「ふん、やったことあるやつとやったことない奴との差は天と地ぐらいの差があるからな」
「比企谷君?それはどういう意「お!つながったぞ、あーもしもし?」」
話をさえぎられて若干悔しそうにしている雪ノ下を尻目に比企谷は電話をする
「えーっと自宅の電話番号は・・・おい由比ヶ浜!番号教えろ・・・えー番号は〇〇〇の~」
と、ここで問題が起きる
「え?こちらの名前ですか?比企が・・・じゃなかった、由比ヶ浜です、えーこちら由比ヶ浜ですね、ええ、そうです由比ヶ浜、はい・・・」
由比ヶ浜を名乗る比企谷を見て当の由比ヶ浜は猛烈にうれしそうな顔をしていた。
「ねぇねぇゆきのん、ヒッキーが由比ヶ浜だって!」
「・・・・・・」
それを更に悔しそうな顔で見る雪ノ下、完全にしてやられたといった風である。
「ええ、はいそれでは・・・おい由比ヶ浜、折り返ししてくれるってよ、いつならお前の家は都合がいいんだ?」
「え?・・・都合・・・?ヒッキーとならいつでも・・・あわわわわ違うし!ヒッキー!キモイ!」
「え?なんで俺キモがられてんの?ちょっと雪ノ下なんなのこれ?」
と雪ノ下に助け舟を求めるが
「しらないわ、由比ヶ浜くん」
とプイっと横を向いてしまった。
「なんなんだよこれ・・・」
ともかく土曜日に調整してもらったが、何故か比企谷も立ち会うことになった。
当日
「俺はいったい何をやっているんだ・・・」
何故か立ち会うことになった比企谷、朝から由比ヶ浜宅へお邪魔することになったわけだが
「ヒッキー君、うちの子になってくれるって本当?歓迎するわ!」
由比ヶ浜のママ、通称由比ヶ浜マから妙な誤解と歓待を受けることになってしまった。
「いやそうではなくてですね、電話の都合上・・・」
「ふふふ、冗談よ、でも今日だけはうちの子ね?ねぇ結衣?」
「ヒッキーと一緒の生活かぁ・・・」
すでに由比ヶ浜は話を聞いていないようである
ピンポーン
「あー来たみたいっすよ?おばさん」
「ハーイ今行きまーす!あとおばさんなんてやめてよヒッキー君、お義母さんって呼んでいいんだからね?ねぇ結衣?」
とウィンクして玄関に行く由比ヶ浜マ
そして猛烈に顔を赤くして黙り込んでしまう由比ヶ浜であった。
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「さて、今日の一発目はこのマンションだな、えーこのマンションの・・・ここか、由比ヶ浜さんっと」
一階で名札を確認し上に上がる、マンションだと駐車場からの距離を含め歩く距離は結構長い、工具を持って歩くので体力を使うんだよね。
目当ての部屋の前に来て呼び鈴を鳴らすと
「ハーイ今行きまーす」
としばらくすると奥さんと思われる人が玄関を開けてくれる。
なかなかの美人である。
「どうも、洗濯機の件でお伺いしました」
「待ってましたわ、さあ上がってください、ヒッキー君!修理の人が来てくれたわよ~」
ヒッキー君?外人か何かなのかね?
「・・・あれ?」
「・・・どもっす」
なんかこの人どっかで見たことあるな、どこだっけ?
「あーこんにちわヒッキーさん?」
「え、ええヒッキーです」
お互いに頭を下げる、この腐った感じの目と頭から飛び出てるアホ毛、先週行ったとこにいなかったっけ?
確か激しい妹がいる比企谷とか言う名字のとこだ。
とにかく洗濯機のある所まで案内してもらいさっそく点検であるが色々物があって点検がやりにくい状態だ。
「すみません、この辺の物移動してもいいですか?」
というと
「おい、由比ヶ浜、この辺の物どこに持っていけばいいんだ?」
と件のヒッキー君は率先して手伝ってくれる
「そこは結衣って呼んでくれなきゃね?でもやっぱりヒッキー君がいてくれてほんと助かるわ、本当にうちの子にならない?結衣を上げるから」
「んもーママ!余計な事言わないでよ!」
なんか母親と娘が男子に向かってうちの子だのなんだのってなんだこれ?
親公認でラブコメかよ!リア充なんて爆発してしまえばいいのに!
と思っていても表情には出さないこれがプロである。
顔を真っ赤にしているヒッキー君に物を移動してもらいどうにか点検を再開、蓋のロックが解除できなくなっている模様、軽く分解して裏側から蓋を強制解除した。
「蓋をロックするところが壊れてるようですね、部品交換すれば直りますよ、費用は・・・保証に入っているので大丈夫ですね」
家電量販店によくある10年保証とかそういうのである、入っていれば修理にかかる費用は割引か無償になる、入っていて損はない。
「では直す前に中身を出していただけると助かるのですが・・・」
そう、蓋があかないため洗濯物は入りっぱなしの状態だったのだ。
「汚れるでしょうから俺やりますよ、洗濯は家でやってますし」
「んーんじゃあお願いしようかしら?ウフフフ」
不敵な笑みを浮かべる母親、比企谷君は洗濯物を取り出すのだが
「あ・・・これ・・・」
取り出したものを見て比企谷君固まってしまう。
女ものの下着である、さらに言うとブラジャーである
「ち、ちちちょっとヒッキーそれあ、ああたしの!」
女の子が大慌てで下着を奪う。
「お、おう、すまん」
そう言うと比企谷君また洗濯物を出すが
「そ、それもあたしんだから!」
どうやらショーツの模様、しかし派手だな。
「あらあら、結衣?下着までヒッキー君にみられちゃったわね?ねぇヒッキー君、今日の結衣の下着はもっとすごいのよ?」
母親だけがうれしそうだ。
結局洗濯物は女の子が全部やっていた。
女の子が一生懸命洗濯物を取り出している後ろでは
「結衣のもすごいけどお義母さんの下着もすごいのよ?後で見せてあげようか?」
「ちょっとママ!」
比企谷君真っ赤になって固まってるな、しかしそういうのは俺が帰ってからにしてくれませんかね・・・
なんだかんだでようやく作業ができる状態になった。
蓋のロックを交換にかかるのだが、作業中後ろの方では
「ねぇヒッキー君は結衣のことどう思ってるの?」
「ちょっとママ!ヒッキー困ってるじゃん!」
「えーいいじゃない、ママもヒッキー君のこと好きよ?」
「ちょっ、近いですよ?」
「んもーママ!ヒッキーから離れてよ!ヒッキーはあたしのなんだから・・・って違うし!ヒッキーキモイ!」
「あらあら、うふふ、あたしのだなんて、でもキモイ何て言ったらヒッキー君可哀想じゃない?こんなひどい結衣より、ママがもらっちゃおうかな?ねえ、ヒッキー君?」
「ちょっ抱きつかないでくださいよ・・・」
「んもーママったら!ダメだったら!ヒッキーごめんね」
「お前まで抱きつくなよ・・・困るだろうが・・・」
何だこれ?
と思いつつそんなこんなで作業終了である
「ではここにサインください・・・ありがとうございます」
これでこの件は終了である、玄関を出ようとすると
「あ、修理終わったんなら俺も帰ります」
と先ほどのヒッキー君も帰ろうとするが
「ヒッキーもう帰っちゃうの・・・?」
「そうよ、もう少しいなさい、実はうちのパパねぇ、今日会社に泊まりで寂しいの、そうだ!クッキー焼いてあげる!結衣も結構上達したのよ!食べ比べしてくれるとお義母さんうれしいな♪あとお昼も一緒にどうかしら?」
なんかめんどくさそうな事態に発展しそうなので俺は早々に退散することにした。
「では失礼しまーす」
最後に比企谷君の助けてといった表情が印象的だったがそれは仕事ではないからな、所で食べ比べって別な意味の奴じゃないだろうな、がんばれ少年、目指せ親子丼、今日が童貞卒業記念日か?爆発しろよ!
サービスカーに戻ると
「あなたに下着を見られてしまったから、〇月×日は童貞卒業記念日」
と俵万智から助走をつけて殴られそうなパクリ短歌をつぶやきながら次の客へと急ぐのだった。
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「というわけで由比ヶ浜の家の洗濯機は無事元通りになったわけだ」
次の日奉仕部にて比企谷が事の顛末を雪ノ下に話していた。
下着の件や由比ヶ浜マにやたらと絡まれたことは伝えてない模様。
「それで由比ヶ浜八幡くんはいつから由比ヶ浜さんと暮らすのかしら?ああそうだ、由比ヶ浜さんは犬を飼ってらしたわね?猫とは相性が悪いでしょうからカマクラさんは私が引き取るわ」
「いやだからそれは電話の都合上仕方なくだな、それに飯食ったらすぐ帰ったからなんもねぇよ」
「そうだよ、ヒッキーにクッキー作ってあげて、お昼ご飯食べて、その後3人でリビングで映画を見たりゲームをやったり、あたしのアルバムみたりして最後に一緒に晩御飯作って一緒に食べただけだよ!晩御飯食べたらすぐ帰っちゃって、ママも寂しいって言ってた・・・」
「やっぱり一日中一緒にいたんじゃない・・・由比ヶ浜ヒッキーくん?」
「なんか名字だけだぞそれ、名前どこ行った」
「ゆきのんなんか辛辣だ!」
「あら由比ヶ浜さん?辛辣なんて言葉知っていたのね?偉いわ」
「でへへー、ってそのぐらい知ってるよ!んもうゆきのーんどうしたのー?」
ぷいっと横を向いてご機嫌斜めな雪ノ下に絡みつく由比ヶ浜、それをまた百合百合してんなぁと眺める比企谷、いつもの?奉仕部の光景であるがこの後また問題が起きるのであった。