ある電気屋の記録   作:もよぶ

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材木座は今回クレーマーとして登場させました。
ちなみに他の男性陣もバンバン出します。


CASE04 材木座家のTV

全くさっきは大変な目にあった

テレビの映りがおかしいということで来たのだが、案内された部屋にいたのはどうやらこの家の息子、太っていて眼鏡、典型的なオタクといった格好、しかも部屋はなんかのアニメのポスターでいっぱい、ちらっと見た本棚はカラフルな背表紙でいっぱい、あれたぶん全部ラノベだな。

そしてテレビの方はものの見事に液晶パネルが割れていた。

 

「我は何もしておらぬ!勝手に割れたのだ!このテレビが欠陥なのだ!まだ保証期間内であろうからただで直せるのだろう?」

 

やけに尊大な物言いだが、液晶パネルが突然割れるわけはない。

ふと棚を見るとエアーガン、そして床にはBB弾がいくつか転がっている。

こいつ確信犯か

 

「あのーすみません、うちの息子がこれは保証で直せるからと言ってたんで私が修理依頼をしたんですが・・・」

と父親が出てきた。

 

「液晶パネルの割れは対象外です、保証の規約にもそのように記載がされてます」

割れたとか欠けたとかそういうのは対象外になる、ゴムパッキンやバネ等へたる物も対象外なのだ、暇な人は保証の規約を読んでみよう、意外と制限が多いのがわかる。

 

「嘘だ!直せるであろう!ネットにそう書いてある!」

でたよネットの情報、こういうのってごく特殊な事例をさも一般的に書いているから始末が悪い

「現在の状況ですと申し訳ありませんができないんですよね、お客様負担となります、修理の費用はおおよそ9万から10万はかかりますね」

どう見てもこいつが室内でエアーガンで遊んでた結果だろ、自業自得だ。

 

「嘘だ!嘘だ!それじゃ新しいのが買えるではないか!我のお年玉とバイトで買ったんだ!ただで直してもらわないと・・・」

 

しつこく食い下がってくる、しかしこっちとしてもどうしようもない、かといってそっちが勝手に壊したんでしょうと言って無理だからと簡単に帰るわけにもいかない、こういう聞き分けのない客にもちゃんと説明して説得させないといけないのよね、サービス業のつらいところではある。

 

なんと言えばいいか思案していると

 

「いい加減にしろ!!!!」

 

駄々をこねる息子にさっきから傍観していた父親が一喝

「お金がかかるとおっしゃってるだろ!子供じゃないんだから駄々をこねるな!」

一気にしゅんとなる息子

「ご迷惑をかけてすみません、修理は取り消していただけますか?」

「わかりました。ただ、大変申し訳ありませんが取り消しになった場合、保証は効かないので出張費は実費になります。ですので〇千円いただきます」

 

「ええ、結構ですよ、おい!義輝!電気屋さんに払う出張費、お前の小遣いから引いておくからな!」

その声で今度は床にばったり倒れこむ義輝君

「あのー大丈夫なんですか?」

「大丈夫です、ほおっておいてください」

 

あとは家族の問題だなと出張費を受け取って早々に退散してきたのだ。

 

「まったくご両親がまともな人で助かったぜ」

たまに家族総出でしらを切りとおす人もいるからたちが悪い、そういう場合はメーカーにどうにかならんかと連絡するのだが大概どうにもならん、ごねてもお互い労力の無駄である。

サービスマンもさっさと案件片づけたいからできるものは終わらせたいんだよね

 

「さてと残り三件、最後は川崎さんか・・・洗濯機から変な音がするねぇ」

 

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