ここか、住所はあってるな?
夕方になり川崎家へと到着、玄関前まで来ると幼女が一人で遊んでいた
「こんにちはー」
「あ!でんきやさん?ちょっとまって、さーちゃんとはーちゃんよんでくる!」
女の子は一目散に家の中に入っていく
「さーちゃん、はーちゃん、でんきやさんがー」
「京華!大声出さないの!あーもう泥だらけで、悪い比企谷、代わりに出てよ」
比企谷?今比企谷と言ったか?まさか奴か!午前中会ったばかりだぞ?
とドキドキしてたらやっぱりそうだった
「・・・こんにちは・・・」
「・・・どもっす・・・こっちっす・・・」
なんか無性に気まずいなこれ、こいつ何股しているんだろうか?
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比企谷が相模の家に行くことになったことを雪ノ下と由比ヶ浜に伝えた後のこと。
多少不機嫌になった二人だったがいつもの奉仕部の時間が流れていた。
しかしノックの音でその静寂は破られる
「どうぞ・・・」
雪ノ下が答えドアを開けて入ってきたのは川崎沙希
「あら?川崎さん依頼かしら?」
「いや、悪いけどちょっとこいつ借りるよ」
と比企谷を顎で指す川崎
「ええどうぞ、きちんと返してくれれば問題ないわ」
「だとさ、ちょっと面貸しな」
「ちょっとマテ、なんか俺物扱いされてんですけど、しかも面貸せとかどこのヤンキーだよおい」
「そうかしら・・・顔が付いてる備品があってもおかしくはないのではなくて?」
「いやそういうことじゃなくてだな?ってか俺は備品で決定かよ!由比ヶ浜はどうなるんだ?」
「由比ヶ浜さんは私の大切な友達よ「ゆきのーん」由比ヶ浜さん近いわ・・・あなたは・・・そう、泥?」
「とうとう生き物認定すらされなくなったか・・・ってか泥が備品ってなんだよ、わけわからん」
「仕方ないじゃない、あなたの顔に二つも泥沼が・・・ごめんなさい、それあなたの目だったわね・・・」
「結局俺自体が備品じゃねぇか、そういうお前は・・・クソ!なんも思い浮かばねぇ!これが格差社会という奴か!」
「ちょっといいかな、あんたら一度話始めたら止まらないからあたしの用事終わってからやってよ、ほら比企谷ちょっと来て」
川崎は強引に比企谷を廊下に連れ出す
「んでなんだよ?」
「あ、あのさ、う、家の洗濯機から最近へんな音がするようになって、買い替えようと思ってたけど、最近の洗濯機って結構するでしょ?だから修理の人呼んで安く済んだら・・・」
「ちょっとマテよ、お前の家の洗濯機と俺と何の関係が?」
「だ、だからさ、今度の土曜日の夕方来てくれることになったんだけど両親とも仕事でいなくて、京華もあんたに会いたがってたからさ、由比ヶ浜の話聞くと比企谷は結構詳しいとか言ってたから・・・」
「わーった、みなまで言うな、由比ヶ浜の奴あとでしゃべらんように言っておかないとな」
「・・・んで比企谷は家に来てくれるの・・・?」
なんだこれ?さっきみたいなヤンキーって感じが無くなってるんだが?
なに顔を赤らめてもじもじしてるの?
これマジ勘違いするって
「あ、ああ、仕方ねぇから行ってやる、俺も京華に会いたいしな、ただ午前中はだめだ、用事があるからな」
「ほ、本当!わかった!午後ね!」
ぱっと明る表情になる川崎
「ん、んじゃご飯作って待ってるから!」
そう言うと走り去っていった。
「というわけであいつのとこにも行くことになったようだ」
その言葉に二人ともあきれ顔
「ねぇヒッキー!また絶対家に来てね!ママもヒッキーが遊びに来るのとっても楽しみにしてるんだから!」
いえ今度由比ヶ浜マに捕まったら二度と離してくれなさそうなので遠慮しときます。
「一日で二回も名字を変えるなんて斬新な人生ね、ねぇ相模川崎ヒキガエルくん」
雪ノ下さんなんかむちゃくちゃ言ってますよ?
そしてなんで毎回プイっと横を向くんですかね
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「あのー君さっきの家にもいなかったっけ?」
ものすごく気になったので聞いてみることにした
「気のせいです」
なんか即答された
「え?比企谷?さっきの家ってどういうこと?」
ありゃ?やっぱ言っちゃまずかったのか?
青みがかかったロングヘアーの女の子が比企谷君に向かって睨みつけるような視線を送っている
「ああ、ごめん、気のせいだったね、気を悪くしないでくれ」
やばいやばい、これが元でトラブルになったら目も当てられん、トラブルは回避しなくては
さて問題の洗濯機である、音がするらしいのだが・・・
「脱水で動いているときにかしゃかしゃ音がするそうです」
と比企谷君、ふむ、今回は状況を把握しているみたいだね、だと考えられるのは・・・。
試しに動かしてみると水槽が動いたときにカシャカシャ音がする
「あーこれはなんか挟まってますねー」
洗濯機の回るところは下の羽と水槽そのものである、洗濯の時は羽が、脱水の時は水槽が回転する仕様だ、これはどのメーカーも同じなんだよね。
なので問題の水槽を外すのだがこれ結構でかいから外すの実は大変、なんとか外してみたら案の定、水槽に円形に曲がっている針金みたいなのが引っかかってた
「これが引っかかってたから回転したときに音がしたんですね」
女性の下着や水着にはこういった針金状のワイヤーが入っていることが多い、洗濯の時にとれることもたまにある現象だ、よって女性であれば針金の形状を見ただけで察してくれる、だからこの場合も女の子に渡すとすぐ察してくれた。
だが男性には知られていないことが多いためトラブルになることもある
「ちょっと待ってください、これ洗濯機の部品じゃないんですか?」
こういわれることもよくあるのだが、大概奥さんとかに話してもらうとすぐに納得してくれる、だが今回は思春期の男女だからちょっとね
「いえ、そういうのじゃないですね」
「洗濯物に針金はいってるなんてことあんのか?なあ川崎、おまえなら気が付くだろ?ありえないだろ」
比企谷君納得しない模様、でも川崎さん顔真っ赤にして何もしゃべれない、思春期の女の子が『これブラのワイヤーだから』なんて言えるわけねぇ、無論俺も言えねぇ
「もう少し詳しく点検してもらえませんか?」
「いえ、ですから大丈夫なんですが」
「そそそ、そうだよ比企谷、大丈夫だから、これ大丈夫な奴だから!」
「??川崎がそういうならいいけどよ??」
いまいち納得していないようだがこれ以上辱めてやるな、家に帰って妹とかに聞けよ、んでまたゴミ扱いされろ
「今回は故障ではないので料金はこんぐらいですね」
「あーよかった、安く済んだ、お金持ってくるのでちょっと待っててください」
女の子が奥に引っ込んでいった、俺が撤収準備をしていると先ほど玄関前で見た幼女がトテテとやってきた。
「おわったのー?」
「そうだよ、けーちゃん、この電気屋さんが直してくれたんだよ」
お、比企谷君、子供の扱いがうまいみたいだな、さすが妹持ち
「でんきやさーん、けーちゃんはさーちゃんとはーちゃんがだいすきなのー」
はっはっは、可愛いのう、でも俺にそう言うこと言われても困るな、さーちゃんとかはーちゃんって誰のことだかわからんし
「んでねーさーちゃんもはーちゃんのこと、とーってもだいす「ちょっと京華!」」
奥から女の子がすっ飛んできて幼女を小脇に抱えるとまた奥に引っ込んでいった。
「昨日もさーちゃんは寝言であいしてゆーって・・・」
まだ何か言い続けていたがドップラー効果で最後はよく聞こえなかった。
「何だったんだ?」
比企谷君を見ると下を向い固まっているようだ。
なんか勘違いしてはだめだとかブツブツ言っているようだが?
「んじゃ、終わったみたいだし俺帰るわ」
その後俺が顔を真っ赤にした女の子から料金を貰ってる最中に比企谷君が帰ろうとする
「あ・・・比企谷・・・晩御飯一緒にどう・・・かな・・・?ね!京華!」
「あたしもーはーちゃんとばんごはんたべるー」
「たくさん作ったんだけど・・・大志は今日部活でいなくて・・・余っちゃうから・・・」
おいまたこの流れか、ああ、はーちゃんって比企谷君のことか、んだとさーちゃんはこの女の子のことだな、なるほどこいつなかなかのやり手だな、学校にいくとこいつの回りはきっとハーレムみたいなんだろう、リア充爆発しろ。
「・・・そういうことならしゃーねーな・・・」
「やった!んじゃ準備してくるね!」
「あー、けーちゃんもーてつだうー」
飛び跳ねて喜ぶというのはああいうのを言うんだろうか
見た目ちょっと強面な感じだったけどやっぱ女の子なんだな
比企谷君は頭をぼりぼりとして下を向いている。
まああとは若い二人にお任せして俺はお邪魔なので退散するかね
「では失礼します」
一言そう言って返事も待たず玄関を閉めた。
あの女の子からすると散々な時間だったのかもしれんが最終的に一緒に飯食える口実ができたから結果オーライなんだろうかね?
「はー、しかしなんだ、アレだ、むかつくからさっさと帰ってストロングゼロ飲んで今日はもう寝よう」
この世のリア充に対して恨み言を吐きつつ俺は事務所へとサービスカーを走らせるのだった。