テレビの故障ということで来たのだが、まず出てきたのはどう見てもヤンキー、うわこれちょっとやべーなと思ってたら
「あー電気屋さんっすか!オヤジー電気屋さんきたー、電気屋さん!上がって上がって!」
なんかいい奴そう、そして初っ端からやけにテンションが高い
「は、はい、失礼します・・・」
「どうもよろしくお願いします!こっちです!さあどうぞ!」
旦那さんの方もやけにテンションが高い
「作業の前に一服いかがですか?」
奥さんもやたらと元気にお茶を勧めてくる
「ま、まずは点検してから・・・」
とやんわり断ると
「ごめんなさい!そうね!ほら!翔!テレビの前片づけて!」
そういいつつ家族総出でテレビの前を片付け始める
「えーっとリモコンが不調だとか?」
「そうなんだよね、ボタン押しても反応が悪くって!ほら!リモコンが壊れてるのかなんなのかわからなくて!んで保証もあったから来てもらった方がいいってことになってさ!」
と旦那さんにリモコンを渡される、確かに反応が悪いが・・・?
テスト用のリモコンを持ってくると普通にテレビを操作できる、まさかと思って電池の電圧を計ると・・・
「これリモコンの電池無いだけですね・・・」
「えー!ほらやっぱりそうじゃん!オヤジ!だから故障じゃないって言ったじゃん!」
「お前だって電気屋さん呼ぶの賛成だっただろ!」
なんか揉め始めた
「ちょっと二人ともやめなさい!んもーほんとごめんなさい、うちのバカ達は人の言うことほんと聞かなくて大変なんですよ、二人とも!わざわざ来ていただいたのに!失礼でしょ!」
奥さんが旦那と息子に一喝している
「いやほんとすみません!ほら翔も謝れ!」
「マジすんませんでした!」
え?なんでこれ俺謝られてるの?ってかこの一家テンション高すぎだろ
「ま、まあ今回のは故障ではないので出張費点検費は実費になるのですが・・・」
「そりゃ当然だな、おい!翔!今手持ちの金が無いからお前貸せ!」
「オヤジ!そうやってこの間も貸したべ!この間の金返してもらってないべ!」
また揉め始めた
「ちょっと二人とも!んもーほんとごめんなさい、お金探してきますのでちょっと待っててくださいね、ほら!あなた!あと翔も!お茶とお菓子お出しして!」
また奥さんに一喝されてる
騒がしい中、料金を受け取りそのまま退散することにする、このテンション俺は耐えられそうにない。
「あーもう帰られるんですか?」
「電気屋さんも忙しいんだよ!いやほんとにありがとうございました!」
なんか家族総出で玄関に出てきて見送られることになった
バックミラーを見るとまだ手を振っている
「やれやれクレーマーも大変だがああいう一家の相手も大変くたびれる」
車の中で愚痴りながら俺は次の客のところへと急ぐのだった。