「さてと、つぎは戸塚さんか、エアコンから風が来ないとか」
到着しインターホンを鳴らすと出て来たのはジャージを着た年頃の女の子
「こんにちは!よろしくお願いします!」
元気があって大変よろしいんだけど、またまたご両親はいないのか?
みんな自分らの息子娘に信頼置きすぎだろう。
「父も母も出掛けてるので僕一人です、こっちです、僕の部屋なんですけど」
ってか僕?ボクっ娘なんて初めて見たな。
しかしお金の話もあるが年頃の女の子が知らん人を家に上げるとか抵抗無いのかね?
なんか普通に対応されたんだが、比企谷君がまたいるんじゃないだろうかと思ってたが今日は一人って言ってたしな。
部屋に入ると年頃の女の子にしてはやけに男子的な部屋である。
壁に賞状があったりトロフィーがあったりとスポーツでもやってんのかね?
海賊の恰好をした女の子のフィギュアやサソリ型のゾイド、あんま見慣れないタイプのガンプラもあるな。
最近の流行りはよく知らんが、ボクっ娘だから趣味も男子的なんだろうか?
あんまりじろじろ見るのは失礼なので問題のエアコンを探す。
「こちらのエアコンですねー」
動かしてみると確かに風が異常に弱い、中を見るとファンにホコリがみっちり詰まってた。
「あーこれ、多分ホコリが原因ですねー」
フィルターを見るとフィルターもホコリで完全に詰まってた。
「あーここも掃除必要ですね」
と外したフィルターを見せる
「うわ!ごめんなさい、僕あんまり詳しくなくて・・・掃除とか一回もしたことないんです、フィルターは僕がやります!」
そう言うと女の子はフィルターを受け取ると外に出ていった。
「さてファンの掃除やるか」
この場合、歯ブラシの頭を曲げたものを使うとファンを外さずに掃除ができるのでとてもやりやすい。
歯ブラシの頭をライター等であぶり45度ぐらいに曲げるのがコツである、これでゴシゴシとやると大体のゴミは簡単に取れる、この時ゴミが散らばるので掃除機をかけて散らばったごみは回収である。
動かしてみると風もちゃんと出るようになった。
ふとエアコンの隣に部活の集合写真が飾っているのが見えた。
あの女の子も真ん中に写っているようだが写真に書いてる部活名がなんかおかしい
「ん?総部高校男子テニス部?え?」
マネージャーなのか?とも思ったがユニフォームを着ているしラケットも持っている、部屋を見渡すと確かにラケットが置いてある、他に飾ってある賞状を見ると男子テニス大会準優勝だの何とか賞に入選だの書いてある。
名前は全部『戸塚彩加』
少々混乱していると、学習机の上に写真たてが置いてある、本当はこういうのをじろじろ見るのはよくないのだが興味がわいたので見てみると、
「おいマジかよ」
そこには比企谷君とこの間行ったお宅の太ったクレーマーが一緒に写っている、確か名前はざ、ざいつ?だっけ?
「彼?も比企谷君の関係者なのか?奴はいったい何者なんだろう」
ボーッとしていると
「すみません、掃除終わったので取り付けお願いします」
戸塚君?がフィルターをもってやってきた。
男の子なの?どう見て女の子にしか見えないんだけど?
「あのーどうしました?」
いかんいかん、ちょっと取り乱してしまったようだ。
掃除の仕方とフィルターの取り付け取り外しを簡単にレクチャーして今回はこれで終わり。
「料金は出張費と掃除代でこんぐらいですね」
「ありがとうございます!とっても助かりました!」
笑顔が素敵とはこのことを言うんだろうな、テレビで見るアイドルよりよっぽどである、今まで遭遇した年頃の女の子よりもよっぽど女の子っぽい、だが男だ。
「あの戸塚君が女の子だった世界線もあるんだろうか」
車に戻り至極どうでもいいことを考えてつつ恐らく比企谷君がいるであろう次のお客の元へ出発するのだった。