死神幻想奇譚   作:16

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裏・第三話 地底 下

「う、うぅ...........ここは一体、どこですか...........」

「あっ!目覚めました!?すみません!勇儀さーん!」

 

意識の朦朧とする中、鈴仙の声が聞こえた。そのまま勇儀という者を呼びに行くが、何をしたかよく覚えていない。何かをやったというのは薄らと覚えているのだが。

ハザマが目を開けて最初に視界に捉えたのは木目の目立つ天井。頭を起こすと、胸にハザマ愛用の帽子が置かれており、それを手に取って被る。

 

「うーわ、ズボンがボロボロ......やっちゃいましたか......」

「よう、蛇男」

 

ズボンが破けているのを見て顔を顰めていると、不意に向こう側から声がした。聞き覚えがあった。

 

「...うげっ!そ、その声は...........」

 

襖が勢いよく開かれ、奥から『鬼女』が姿を見せた。

その立ち振る舞いに思わず身構えてしまい、それを鼻で笑われる。そのまま鬼女......星熊勇儀は畳の上に座り込み、持っていた巨大なさかずきに酒を注ぎ、一口で飲み込む。何ですか?と、おっかないという振りをしながら尋ねるが、別に余裕を見せつける類の脅し等ではない、普通の酒盛りだった。

 

「で、何しに来ました?私、戦闘は専門外ですけど」

「「あんた(貴方)が言うな」」

「これは手厳しい」

 

ハザマが苦虫を噛み潰したような表情を見せ、それを目にした鈴仙と勇儀は笑った。

 

「いやあ、あんたも中々面白いやつだな。是非ともその『身体』の造りを聞いてみたいもんだよ」

「あんまり聞かない方が良い事もあるものですよ」

「ハザマ、って言うんだろう?あんた。私はここら一帯を仕切るモンでさ、ほら、『地獄の街にさかずき有り』って聞いた事ないかい?飲み屋じゃあ有名な話なんだけど」

「はて、私お酒は嗜みませんから。わかりませんね」

 

「ちぇっ」と勇儀が舌打ちする。ただ、名を知られていない事が悔しいといった様子ではなく、おちゃらけるようにひょいっと口に出す感じだった。そこに先程までの強者さは微塵も感じられない。きっと、普段からリミッターを課しているのだろう。

 

「あー。私、そろそろ行きたい場所があるんですけれど」

「それ、私もついて行きますけど、いいですか?」

「なんでです?あまり付きまとわれたくないんですが」

「さっきみたいにやらかすでしょう、貴方!」

「あっはっは!信用ないねぇ、ハザマ」

「はは......笑えませんね」

 

ハザマと鈴仙のやり取りを見て豪快に笑う勇儀。そして酒を注ぎ、また一口でさかずきの中全てを飲み干す。そしてハザマに向き直って真剣な面持ちで訊ねた。

 

「さて、ハザマ。お前、地霊殿に用があるのか?少なくとも、それ以外の理由でここに来た人間を知らんのよ」

「まあ、そんな所です」

 

そう返事すると勇儀は少し顰めた表情を見せた。

 

「あそこのお嬢さんは少し厄介でなぁ......さとりって言うんだが、これが中々恐ろしい奴でさ」

「へぇ。どんな風に恐ろしいんです?」

「あれはな、人の心を読むのよ。それも、目に見えない程離れててもな。近くの妖怪らはあれを怖がって近付かんでさ、見たら一目でわかるだろうよ」

 

そう言って勇儀は更に酒を呷る。ぶはあ、と一息着いた所で、話を締め括ろうと続きを話し始めた。

 

「ま、そんなこんなでさとりは怖がられてんのよ。地霊殿に用があるってんなら確実に会うだろうけど、会っても怖がってやんなよ。あれもあれで、なんだかんだ寂しがり屋なのさ」

「はあ。まあ善処しますよ......っと」

「あれ?ハザマさん、行くんですか?」

 

布団を捲って起き上がり、外への襖に手をかけたのを見て、鈴仙がハザマに訊ねる。ついて来る気なのだろうし、適当にあしらう事にした。

 

「いいや、祭りの観光ですよ。どうせ一緒に行く事になりますし、何よりゆで卵が食べたいので」

「そうですか?じゃあ、待ってますね」

「はーい!では、また」

「おう、じゃあなハザマ」

 

そう言って引き戸を開き、勇儀の居た場所を後にする。

やれやれ、簡単に騙せちゃいましたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、どちらに行きましょうかと独り言ちる。

前方には地下を流れる川のようなものが見える。恐らく地下水だろう。川を境目に、祭りの行われている場所とそうでない場所があり、極端に明かりの少なくなる向こう側は、きっと居住区なのだろう。対するこちら側は、住む家というよりかは店だったり集い場だったりと、商業区の様な印象を受けた。

 

「あ、勇儀さんに地霊殿の場所を聞くのを忘れました......まあ、いいでしょう。変に兎に怪しまれるよりはマシです」

 

そう言ってハザマは歩き出した。その向かう先は祭り会場。地霊殿の場所を誰かに訊ねるのと同時に、ゆで卵をもっと食べたい為である。

 

「しっかし、本当に人だかりの多い事。ごちゃごちゃしていて、見るだけでも煩いですねぇ」

 

辺りは人、人、人。とにかく人が多い。いや、妖怪と言うべきだろう。たくさんの人だかりがハザマの周りを行き交っている。半ばその勢いに押されながらも先程ゆで卵を購入した出店に辿り着いた。

 

「すみません、まだ売ってます?」

「おお、さっきの兄ちゃん!まだまだあるぜ!なにせ、ゆで卵よりも焼き鳥なんかを買ってく奴が多くてなぁ。在庫が有り余っちまってんだよ!また買ってってくれや!」

「おー!こんなに沢山!ここは天国でしょうか!?」

 

そう言ってまた金を取り出し、店主に渡す。十個分になる金額を渡したはずが、なんと五つも多く手渡された。サービスだと店主が笑うので、ハザマはそれにあやかって三つ四つと平らげていく。

 

やがて完食した所で、ハザマは店主に訊ねた。

 

「ちょっといいですか?『地霊殿』へ向かおうと思っているんですけどぉ、道を知ってたりします?」

「地霊殿!?やめとけやめとけ、あそこの主人は人付き合いがめっぽう悪ぃんだよ。名前は知らんが、なんでも心を読むとか。悪い事は言わん、会うのはやめた方が──」

「いいですから、そういうの。心配してくれるのは嬉しいですが、どうでもいいので。何せ私の身体ですから」

「そうか.............なら、この通りを真っ直ぐ行った先に大きな庭園があるんだよ。伸びた蔦に遮られて見えにくいが、その先に道があるらしい。その奥が地霊殿なんだとよ。気を付けな、兄ちゃん」

「なるほど、ご協力ありがとうございます。まあ、心を読む程度の方に私をどうこうする力があるなら是非とも拝見してみたいものです。では、また──」

「おう。またな、兄ちゃん」

 

卵の立ち食いと少しの会話が行われていた間に随分と人混みが無くなってきた様に見える。大通りは依然として大勢の人々で賑わっているが、そこを一本外れた所はもうまばらにしか歩いている客を見かけなかった。きっと、人の多い大通りを避けて目的地へ向かいたい者たちだろう。ハザマもその一人であることに違いはない。

 

暫く歩き続けていると、店から出た煙も晴れていき、その先には鬱蒼と蔦の茂る巨大庭園がハザマを待っていた。

 

「なるほど。近くに来ればより大きく見える。子供だましの様な物ですが、こんな危なっかしい蔦を()()()()()()()程の施設ではあるようですね」

 

そう言って背後から迫り来る何者かを察知し、ハザマはそれを慣れた手つきで切り裂いた。振り向いてみればそれは一本の巨大な、刺々しい蔦だった。蔦は庭園からハザマの背後まで伸びていたようで、成功はしなかったものの不意打ちの形になっていた。

 

「ま、こんな雑草ごとき、大した事もありませんね」

 

ハザマが迫り来る蔦達をどんどんと切り裂きながらのんびり歩いていく。前、上、左右に後ろと襲いかかる方向に不自由はしない筈だが、やはり全て見切られている。やがて蔦達の()が、無意味だと判断したのだろう。蔦は襲ってくる事も無くなった。

 

「あー、やっと終わりましたか?面倒な相手でしたねぇ。こんな相手し甲斐のない蔦なんかを相手取るのは疲れていた所ですから、こいつらも諦めたって所でしょうね」

「ええ、聡い子達です。私の自慢の子ですよ」

「......!?」

「はい。地霊殿の主の、『古明地さとり』です。ああいえ、わかっています。ええ、わかっていますとも。ハザマさん、こちらへどうぞ。地霊殿へ案内しますよ」

 

あまりにも一方的すぎる会話は、もはや会話とも呼べなかった。言おうと思った事の答えをすぐに言われて、次の事を考えればすぐに次の答えが彼女の口からするりと出てくる。

 

「あ──」

「相手しにくい、ですか。まあ、仕方ありませんよ。私だって能力に歯止めがかからないのですし」

「それ───」

「確かに不便です。でも、それを上回る強みを持っているんですよ。対人戦においても非常に優位に立てますし、何より私という存在に誇りを持っているものでして。無論、この能力にしてもです」

「...........考えを読むというのは──」

「──あんまり楽しくはないですね。これのせいで昔から敵対関係を生み出してしまう事が多かったので」

 

ハザマが内面で、少し私にも話させてください。とイメージした甲斐あってか少し被せ気味ではあるものの、言葉を発する機会を得た。

 

「それで......館はどこでしょう?」

「こちらです。少し歩きますよ」

 

彼女について行く。庭園の蔦達がさとりとハザマの歩く場所を避け、地面は立派な赤レンガの敷き詰められた道路となった。怪しい色の花弁を咲かせた花々が蔦に絡まってアーチ状になっており、ここを手入れしている人物は庭師としての造詣が深いのだろうなと考える。

 

「私の自慢のペット達がここを手入れしているのですよ。手先の器用な、可愛い子達です」

「ペットですか......話せるんですか?」

「二人は。それ以外は私が心を読む事でコミュニケーションを図っています。皆良い子ですよ。会ってはどうですか?ここには様々な子達が住んでいますし、貴方の好みも見つかると踏んでいま──ああ。そういうのに興味が無いんですか。それもいいでしょう」

「変わらず、一方的ですね」

「それが私の能力なものですから」

 

そう会話していると、大きな庭園を抜け、いよいよ館の全貌が明らかとなった。三階建ての地霊殿には、大きなステンドグラスの窓が縦に二つ、横にずらりと並んでおり、それぞれが地底特有の薄ら暗い光源と合わさり、怪しくも奇麗な光を発していた。

 

「あれが私の今の家ですね。さ、行きましょうか」

「随分と大きいですね。明かりも綺麗だ」

「ふふ、お世辞ですか。ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

さとりは突如現れた考えの読めない男に困惑していた。いや、心や考えている事は読めるのだが、それはあくまでも表面的なものだけ。例えば、口に出した事と反対の言葉を考えていればそれを読む事はできる。しかし、心の奥深くに根ざしたもの、例えば彼の『目的』などがそれに該当し、決まってそういうのは漠然としか読めないのだ。

 

ハザマという男は知りたがっている。

何を知りたいかはわからない。ただ、普通の人間とは思えない程の知識への執念を感じていた。

 

「ハザマさん。今日は地霊殿にどのような用があったのですか?私で良ければ応対してやれますが」

 

───そうですね、この方に案内を頼むのも良いでしょうか。旧地獄跡地へ案内して欲しいものです。

 

「そうですね。では───」

「許可できませんね、そこはダメです。地獄跡地へ通す事は出来ません。立ち入りを禁止していますから」

 

───ええ、ちょっと冗談じゃありませんよ。

 

「はい、冗談ではありません。あそこは地獄の方々から私が直に管理を任されている場所なのです。無闇矢鱈に人を侵入させる訳にもいかないのですよ察してください」

 

───仕方ない、ここは引き下がるとしますか。

 

「ご理解頂けて嬉しいです。地底には管理者以外通さないようにとのお達しでしたので。お詫びに何か見たいものがあるならば、それを見せてやる事もできるかもしれません」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それを見せてやる事もできるかもしれません」

 

それを聞いてハザマはほくそ笑む。彼の考えている事を読み取って、さとりは面白いやら面倒やら、踏ん切りのつかない様な表情を見せた。

 

「貴方も随分と酔狂な方ですね。そこまでして私と───いえ、私の力を()()()()()()のですか。面白い」

「どうも。私にも知りたい事の一つや二つあります」

 

そう言ってナイフを一本取り出す。最早やり慣れたナイフアクションを見せ、ハザマの考えている事を見せてさとりに今やりたい事を知覚させた。

 

「じゃあ、しましょうか。広い場所がいいですか?狭い方がいいですか?場所は選んでもらってもいいですよ」

「ふむ、では広い方でお願いします。その方が気兼ねなく遊べますので」

 

そう言うとさとりはハザマに手をかざす。そうするとハザマの視界は一瞬だけ暗転し、目を開けるとそこは自分の見知った光景───統制機構支部の戦闘訓練施設だった。

 

「おや、ここは.......見た事が無いものがいっぱいです」

「あらぁ、随分と懐かしい場所に出ましたね」

 

扉や訓練器具の配置、窓の位置に至るまで全てが記憶通りだった。かつて古い体から新しい体になる時に、少しばかり肉体を慣らす為に戦闘訓練を行なっていた記憶がある。

 

「これは貴方の記憶を模倣したものです」

「いやはや素晴らしい。こんな事も出来ちゃうんですねぇ」

「では、私は少し離れています。どうぞ思うがまま、戦ってください。しっかり見ていますから」

「え?じゃあ私、誰と戦うんです?」

 

ハザマの疑問に答えないまま、さとりは両手をハザマに向けて『言葉』を発した。

 

「想起『テリブルスーブニール』」

 

「なっ......これはッ!?」

『よう、ハザマちゃんよぉ』

 

さとりの言葉の後、ハザマはえもいえぬ不快感に見舞われる。視界が傾き、揺らぎ、珍しく吐き気を催す。同時に聞こえてきた声には聞き覚えが......なんてレベルじゃない。殆ど一緒に活動していた時の『器の中身』である。

 

「テ......テルミさん?......どうしてこんな所に?」

『さあなぁ。この感じ......具現化とかって訳じゃ無さそうだぜ?......まあ、なんだろうと俺様ぁ戦ってぶっ壊せりゃなんだっていいんだよ。だって今、むしゃくしゃしてっからよォ!』

 

「それが、貴方のトラウマですね」

「勘弁してくださいぃ!あの時のテルミさん、むちゃくちゃ強かったんですからぁ!!」

『さっきからごちゃごちゃ抜かしてんじゃねェ!行くぞハザマちゃんよぉぉお!!』

 

青い塗料で塗られた木の床の上で、双蛇は刃を打ち鳴らし、激しくぶつかりあった。激戦、死闘。そんな言葉で片付けられるほど甘いものでは無い、見るものを畏怖させる程の力のぶつかり合いである。

 

「蛇刃牙『蛇刃牙!』!」

 

ハザマとテルミのフォースイーターが激しい瘴気を吹き出して互いを攻撃し、打ち消し合う。続けてテルミが三度、ナイフを両手に持って切りつけ、ハザマもナイフを両手に、その場で三回とも相殺した。

 

「相変わらずお強い!」

『ったり前だろうがっ!』

 

蹴りと蹴りがぶつかり、互いの足にダメージを与える。そのまますぐに飛び退き、ウロボロスを打つ。

 

『おっと危ねぇ』

「今のを防ぎますか!?」

 

しかし、鎖の先端はテルミのナイフで叩き落とされてしまった。そのまま地面に解けるように消え、それを見計らってテルミが走り寄ってくる。あの突進を食らうのは拙いと考え、ウロボロスをテルミの上に打ち込み逃げようとする。が、それは悪手だった。それをも見越して、テルミは高く蹴りあげた。

 

『豪牙双天刃!』

「あわわわわ!?」

 

テルミの蹴りが炸裂し、ハザマは彼の放つ二振りの瘴気に当てられてしまった。そのまま吹き飛び、床に激突した所で受け身を取って、最小限の被害に留めることが出来た。それでも彼の好戦的な行動は変わらず、テルミはハザマの方に向かってくる。

 

「ちょっと待ってくださいよぉ!」

『待つかよボケが!もっと戦えや、ハザマちゃん!』

「くっ!これはいけません!」

 

テルミのナイフ連撃に堪らず高く跳躍し、ウロボロスを駆使して逃げる。

 

「うろちょろ逃げてんなよハザマちゃんよ!俺様を楽しませてくれや、おい!」

「貴方を楽しませられるのはラグナ君くらいなものでしょうに、私にそんな無茶ぶりしないでくださいよ!」

 

「あ、ハザマさん」

 

テルミと一進二退くらいの分の悪い戦いを強いられていた時、さとりから声がかかった。「なんです!?」聞けば、どうやら何か言いたいことがあったらしいが、テルミと戦っているハザマにとってはそれどころではない。

 

「今お話どころじゃないんですよ!後にして──」

「なら消しますよ───ほら」

「────あら?」

 

ハザマがテルミからの攻撃を防ごうと身構えた時には、既にテルミの姿は無かった。文字通り消えていたのだ。さとりの見せるものだったのだから、ある意味当然の事象だろう。

 

「ふうー........あれが、私のトラウマですか?」

「そうなんじゃないんですか?私の力は相手の表層心理しか読み取れない、つまり心を読む事しか出来ません。でも、私の取っておき......言わば必殺技ってやつを使えば、間接的にではありますが、深層心理を......平たく言えば、相手の心の奥底に棲む嫌な事だったりを呼び起こす事ができるんです。少し使い勝手は悪いのですが、これを使って客人を揶揄うこともしますね。何より人の驚く姿を見るのは妖怪の本分ではありませんか。最近、地上には私の妹が良く遊びに行ってるんですが───」

「ちょ、ちょっとー?話が逸れてますがー......あれが私のトラウマだと言うのでしたら、ラグナ君はどうなるんでしょう?彼、最後に戦ったテルミさんより強かったんですけど......」

 

ハザマは帽子を取って、指で回しながら続けた。

 

「ああ、ラグナ君というのは私の......」

「まあラグナさんとの間に何があったかは読めていますので。私がハザマさんを呼び止めたのは、そのラグナさんに関してです」

「はあ......一体何を───」

 

 

 

「彼、幻想郷に......()()()()()()()()に来ていますよ」

 

「......ッ!?」

 

 

その時、私の時間はまるで止まったかのように錯覚しました。なにせ、あの時テルミさんの力を手に入れて神に等しい存在となった私を潰し、窯に身を投ずるまで追い詰めた筈のラグナ君が、ここに居るというのだから。

 

 

 

 

 

 

ハザマ編 第一部 終演。

 

 





次回は再びラグナに視点を合わせます。
なお、この時ラグナは幻想郷に来てから九日目。丁度妖怪の山で他の天狗たちの酒盛りに付き合わされていた。

ラグナ=ザ=ブラッドエッジ編 第二部 お楽しみに。
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