ある幻想郷の日常   作:魅衹

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博麗神社での一幕

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーーい霊夢ーーー!!」

 

早朝、日が出て少したった頃。箒に跨り一人の少女が神社の境内に舞い降りた。

黒と白を基調とした魔法使いのような格好の少女が、目を引くウェーブのかかった金髪をゆさゆさと揺らしながら、箒を片手に駆ける。口元にはなにかの食べかすがついていて、余程急いでいたのが分かる。

社の裏手にある少しばかり古びた小屋にドタドタと入ると、箒をこじんまりとした玄関に投げ捨て靴を脱ぎ、奥にある一室の襖をスパーンと開けた。

 

「おい霊夢!弾幕ごっこやろうぜ!」

 

キラキラと目を光らせながら、部屋の真ん中に敷かれた地味だが質の良さげな布団にくるまる艶やかな黒髪の少女に大声をあびせる。

黒髪の少女はその声から逃げるように寝返りをうつ。

 

「ぅるさいわね……なによ魔理沙、昨日話した妙ちくりんなキノコなら勝手に採っていきなさい……」

 

「あぁ、もう採ってきたぜ!ほんとに虹色に光ってたな! っとそうじゃなくて、弾幕ごっこだよ弾幕ごっこ!私は早く練習したいんだ、二度寝なんかしないで起きろ!」

 

「朝からテンション高いわねぇ……」

 

霊夢は眠さからか半目になっている目を擦りつつ、のそのそと起き上がる。

魔理沙はそんな悠長な動きがもどかしくなったのか、脇に手を入れて「よいしょ」と持ち上げ霊夢を立たせた。まだ寝ぼけていてなすがままになっている霊夢にいつもの紅白の巫女服を着せ、せっせと井戸まで押していく。

 

「ほら、さっさと顔洗って目を覚まして、朝飯食べて弾幕ごっこだ!」

 

「うるさい……」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー少女準備中ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「で、なによ藪から棒に、弾幕ごっこなんて。そこら辺の妖怪でもとっ捕まえてやればいいじゃない」

 

「それじゃダメなんだ!妖怪共をぶちのめすための練習なんだから、あいつらに対策されたら元も子もないだろ?」

 

「カチコミにでも行くつもり?…まず理由を説明しなさいよ」

 

早く弾幕ごっこの練習をしたくてうずうずしている魔理沙を後目に、霊夢は机を人差し指でトントンと叩く。

魔理沙はその発言を受けて思い出したのか、乗り出して霊夢に捲し立てる。

 

「実は、紫が特別な弾幕ごっこ大会を開くってそこら中の妖怪達に声掛けてるんだよ!で、その内容は『たまには霊夢やら魔理沙やらを盛大にやっつける会』なんてふざけたもの!まぁいつもなら練習なんてどうでもいいんだが、今回はかなりの数があっち側に回ってるからさすがにちょっとは連携とか作戦とか必要だと思うんだ!だから弾幕ごっこやろうぜ!」

 

「一気に喋らないでよ、こっちは昨晩萃香に騒がれて寝不足だから頭が痛いのよ……しかも連携やら作戦なら急に弾幕ごっこする必要はないでしょ」

 

「案ずるより産むが易しって言うだろ!しかも最近異変とかなんも起こってないから、腕が鈍って仕方ないんだ!」

 

「結局、連携はまだしも作戦は関係ないじゃn「作戦は『とにかく勝つ』だ!」、なに言ってるのよ……まぁいいわ、しょうがないわねぇ」

 

気だるそうにしつつも、割と脳筋な霊夢は特に断る理由がないので渋々承諾する。

 

「さ、やろうぜ。妖怪共をぶっとばすぞー!!」

 

「おー」

 

 

 

 

 

「……なぁ、その前にさっき霊夢が作ってたおにぎり2、3個くれないか?」

 

「え?……お腹減ってるなら先に言いなさいよ!もう、魔理沙の事だからどうせ朝ごはんも適当だったんでしょう?」

 

「いやぁ、あはは……」

 

困ったように笑う魔理沙をジロっと睨む霊夢。

 

「で、何食べたの?」

 

「あー、実は……朝、食べるの忘れてたら、例の虹色キノコが美味しそうに見えて……」

 

「食べたの!?」

 

「一応食べれる一部の種類に近いキノコだったし、虹色なだけでそんなに違いはないんじゃないかな〜って……急いでて、ちょっとというかかなり判断力が下がってた気がしないでもないし、かなりもったいないことした気もするけど……」

 

「ほんとに大丈夫なんでしょうね……とりあえず簡単に作るから待ってなさい。ったく、お腹減ってるなら先に言いなさいよね!もう全部片付けちゃったじゃないの!」

 

「こんなに言われるなら、聞かずにおにぎりとか盗んどくんだった……」

 

「ごちゃごちゃ言わない!盗んじゃダメ!」

 

「へーい」

 

 

弾幕ごっこの練習が始まるまで、まだかかりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー少女食事中?ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、やるかぁ!」

 

「なんだかんだでもう昼過ぎじゃない……いいんだけども」

 

雑談に花を咲かせてしまった自分も自分なので、強く言えない霊夢だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー少女修行中ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜疲れた〜」

 

「ふうぅ、ここまで出来れば大丈夫だろ」

 

神社の傍にある森の奥には、雑草の生い茂る少し大きな空き地があった。……が、2人の弾幕で草はほとんど吹き飛び、地形は凸凹に。周りの木も十数本折れている。

 

「ここの地面均すの面倒臭いのよね……」

 

「放置でいいんじゃないか?どうせ滅多に使わないだろ」

 

「でもそれはそれでモヤモヤするし……あぁもう考えるのは後にするわ!」

 

「それがいいんじゃないか」

 

 

空き地真ん中の少し高い土の山に並んで寝っ転がり、他愛のない話をして休む。

 

「風は気持ちいいし、空はもうすぐ夏だ〜って感じがするし……風情があるわねぇ」

 

「いつもなら興味ないけど、たまにはこういうのもいいもんだ」

 

「魔理沙は普段からもうちょっと情緒ってもんを理解するべきなのよ」

 

「そんなの、分かった上で興味がないだけだ」

 

「そういうのはちゃんと分かってるって言わないと思うわ」

 

 

そよ風が2人の間を通り過ぎる。

 

 

「……なんか久しぶりね、2人だけでこんな風にゆっくり話すのって」

 

「そうだなぁ、昔は色々やってたもんな……霊夢が博麗神社を継いでからは妖怪退治やら異変やらで忙しくて、それが落ち着いても神社には色んなやつが集まるようになって……」

 

「そうね……おかげで毎日毎日大変よ」

 

「ははは、そりゃあんだけ居れば騒がしさには困らないだろうなぁ」

 

「笑い事じゃないわ!まったく……」

 

 

森のざわめきや鳥の鳴き声、風が運んでくる湿った土の匂いが2人を包む。

 

 

 

 

「でもさ、そのおかげで、もうあの時ほど寂しくはないんじゃないか?」

 

「……魔理沙、変なものでも食べた?あぁそういえばあの変なキノコ食べたって言ってたわね」

 

「ごまかすなって」

 

そっぽを向いた霊夢の顔を、両頬に手を添えて自分に向ける魔理沙。目をじーっと見つめられ、観念したのかブツブツと呟く。霊夢は嫌そうにしながらも手を振り払うことはなく、2人の目はしっかりと合っていた。

 

 

「……そうね、あんたがそう思うんならそうなんじゃないの?」

 

「ふふ、久々に安心した」

 

「……」

 

 

嬉しそうに微笑む魔理沙と反対に、霊夢はちょっと機嫌が悪そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあさ、昔と今、どっちが好き?」

 

「はぁ……なんでまたそんなことを」

 

「いいからいいから」

 

「うーん……それはもちろん、今の方が、その……好きよ」

 

「そっか」

 

 

空高くをトンビが飛んでいる。

 

 

「私も好きだぜ?」

 

 

「……そーなのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーやめましょこんな雰囲気で話すの。恥ずかしいったらありゃしないわ」

 

「はは、そうだな!」

 

 

 

「疲れたし、ちょうどいいから寝るわ。誰かさんに無理やり起こされたし、ね?」

 

「無理やりではないと思うけど……まぁ自分でもかなりハイテンションだったとは思うが」

 

「はぁ、とにかく一緒に寝るわよ。虫除けの(まじな)いでもかけときなさい」

 

「へいへい」

 

 

 

目を閉じる。2人は片手に互いの温もりを感じながら、微睡みに落ちた────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







なんとなく描きたくなったので書きました。何気にハーメルンではこれが処女作……変なところとか誤字とかあったらすみませぬ……というかほぼ徹夜みたいな時にこれを書いてるので……(察して)

続きあるっぽい文章になってますが仕様です。多分書きたくなったら書きます(´・ω・`)
(必ず書くとは言ってない)
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