「鞠莉・・・、鞠莉・・・」
鞠莉‘sママたちが去っていったあと、果南は泣きながら鞠莉の名を叫び続けた。そんなときだった。
「あっ、果南さん、どうかしたのですか?」
と、泣いている果南をみつけたダイヤはいそいで果南のところまで駆け寄ってきた。そのダイヤの存在に気づいた果南、近づいてきたダイヤを抱きしめると、そのまま、
「ダイヤ~、鞠莉が、鞠莉が、連れ去れた~!!私の大事なお姫様が連れていかれた~!!私、何もできなかった~!!エ~ン!!」
と、泣きじゃくってしまった。普段の艦からみることができない弱弱しい果南、それを、ダイヤ、
「果南さん、みっともないですよ。まずはこのハンカチで自分の涙を拭きとってください」
と、自分のハンカチを果南に渡し涙をぬぐい取るように言った。これには、果南、
「うん、わかった・・・」
と、ダイヤのいうまま受け取ったハンカチで自分の涙をぬぐいとる。これをみていた、ダイヤ、すぐに果南にあることを話す。
「やっぱり鞠莉‘sママさんは私たちとの約束を反故にしましたか」
これには、果南、
「えっ、ダイヤ、最初からこの結果がわかっていたの?」
と、ダイヤに尋ねると、まるで当たり前かのようのダイヤは果南にこう話した。
「最初からわかっていたか、というよりも、そうなるだろうと思っておりました。なぜなら、このライブの判定をするのはスクールアイドルのことをくだらないと評する、そして、鞠莉さんと果南さんの仲をよく思っていない、鞠莉‘sママさん本人ですから。最初から私たちに不利な状況でした。けれど、私たちがライブを行ってまわりの観客たちを楽しませることができた、笑顔にすることができた、こうなると、スクールアイドルの影響力については認めざるを得ません。なので、その点については認めるしかないでしょう」
これには、果南、
「あ、当たっている・・・」
と、ダイヤのいうことが当たっていることに驚いてしまう。が、ダイヤはある事実を果南に伝えた。
「けれど、鞠莉のことを束縛したい、わがままな性格の鞠莉を強制的に自分の言うとおりに動く人形にしたい、そう思っている鞠莉‘sママさんは最初から鞠莉さんと果南さんの仲を切り裂こうとしていたのです。ですから、この戦い、最初から結果がわかっていたのかもしれません、私たちにとって悲劇的な結果になるように、ですね・・・」
このダイヤの言葉に、果南、
「そ、それって、私たちがやったことはただの骨折り損、っていうわけ!!それってないよ・・・」
と、鞠莉‘sママに対して怒りを通り越してただ呆れるしかなかった。最初から分かっていた結果、それなら、自分たちがやってきたことは無駄である、そう思えたからこそだった。
が、ダイアやそんな果南にある真実を伝えた。
「でも、私たちの戦いは無駄ではありませんでした。私たちがみなさんの前で見せた全力全開のライブは、今、ここイタリアで大きなうねりを起こすかもしれませんですわ。それに、もうすぐ果南さんのところにあるメッセージが届くはずです!!」
このダイヤの言葉に、果南、
「えっ、私宛に誰からかのメッセージ?」
と、一瞬驚くも、すぐに果南のスマホから、
「You Gut Mial for girl friend!!」
という音が聞こえてくる。これには、果南、
「えっ、まさか・・・」
と、驚いた表情をみせると自分のスマホ画面を確認する。
すると、突然、
「えっ、鞠莉から!?なんで?今、鞠莉は鞠莉‘sママたちに連れ去られたんだよ!!それなのに・・・」
と、さらに驚いてしまう。そう、果南のスマホに届いたのは鞠莉‘sママに連れ去れたはずの鞠莉からのメールだった。これには、ダイヤ、
「鞠莉さん、絶対にこうなるかと思ってあらかじめこの時間になったら果南さんのスマホに自分のメールが届くように仕込んでいたのですわ!!」
と、このメールのからくりを言うと、果南に向かってこう叫んだ。
「果南さん、このメールは鞠莉さんの力がこもったメールです!!鞠莉さんの想い、意思をこのメールから受け取ってください!!」
これを受けて、果南、
「わかった!!このメール、私、よく読んで、鞠莉の想い、意思を感じ取るよ!!」
と、力強く宣言すると、このメールを、鞠莉の強い意志がこもったメールをよく読んでみることにした。
「果南へ
果南、Sorryで~す!!私、今頃、ママに捕まっているかもしれないね!!もし、そうなっていたら、果南、本当にSorryで~す!!あんな最初から分かり切っていたこと、私たちにとって最悪の結果しかこないこと、マリー、最初から分かっていたで~す!!それなのに、マリーのために一生懸命ママに立ち向かおうとしていた果南の姿、ほれぼれしたので~す!!本当に、果南、Sorryで~す!!」
メールの最初の文章を読んだとたん、果南、
「鞠莉、私こそごめん・・・。私がもう少し鞠莉‘sママに対して冷静な対応をしていればこんなことにならなかったよね・・・」
と、鞠莉の謝罪文を見て鞠莉に心から謝っていた。
が、ここで鞠莉からのメールは終わっていなかった。そう、ここから鞠莉の本当の気持ちが書かれていたのである。それは・・・。
「でも、果南、忘れないでくださいで~す!!果南は絶対に助けに来るで~す!!だって、果南は、わがまま姫であるマリーのことを一番大事に想っている、そんなかっこいい王子様、なんですからね!!王子様はさらわれた姫を助けに来ては必ず救う、っていうのがCommon sense(常識)で~す!!」
これには、果南、
「それ、常識でもなんでもないじゃん!!」
と、鞠莉の文章にツッコミをいれると、すぐに、
「でも、たしかに鞠莉の言う通りだね!!王子様はお姫様を助ける、そうだって相場が決まっているもんね!!」
と、鞠莉のメールに元気をもらう。さらに、
「それなら、あとやることは一つだけ!!私、松浦果南は、わがまま姫こと鞠莉を救いに行くからね!!」
と、鞠莉に救いに行くことを決意した。このとき、果南、
(鞠莉、ありがとう。私、なんか自分のこと、見失っていたのかもしれないよ。あんな結果になることが決まっていた戦い、その決まっていた結果に、私、どうすればいいのか迷っていたよ。ずっと鞠莉の名前を呼び続けることしかできなかった・・・。けれど、鞠莉からのメールによって、私、立ち直ることができたよ!!私、鞠莉の王子様だって思いだすことができたよ!!だからね、鞠莉、私、絶対に鞠莉を救ってあげるからね!!)
と、鞠莉にお礼を言うとともに、鞠莉を救う、そんな強い決意をみせようとしていた。
「それじゃ鞠莉を助けに・・・」
と、意気揚々と鞠莉の捕まっている場所に急ごうとする果南・・・なのだが、これに、ダイヤ、
「果南さん、どこに行くつもりですの?」
と、果南にどこに向かうのか尋ねてきた。これには、果南、
「それは決まっているでしょ!!鞠莉の捕まっている場所だよ!!」
と、元気よく答えるも、ダイヤ、そんな果南に対し大事なことを尋ねてきた。
「ところで、鞠莉さんはどこにつかまっているのですか?」
これには、果南、
「それは決まって・・・、あっ!!」
そう、果南、ダイヤの言いたいことを理解したようだった。
で、ダイヤ、あることを言う。
「果南さん、落ち着いてください!!鞠莉さんがどこに捕まっているのか、それを調べることが先決ですわ!!」
そう、ダイヤが言いたいこと、それは、鞠莉が捕まっている場所、だった。鞠莉が捕まっている場所を見つけないといくらいろんなところに行っても時間と労力の無駄である。考えるより先に行動する、そんな果南の性格があだになるところだった。
が、果南、それについてある心配を口にする。
「でも、鞠莉の捕まっている場所をみつける方法なんてないよ!!すぐに見つかったらいいんだけどね・・・」
そう、鞠莉の捕まっている場所なんてすぐに見つかるわけではなかった。果南たちにとってイタリアという見知らぬ土地で行方不明になった鞠莉を探すのは至難の業だった。しかもここイタリアの言語であるイタリア語を話すことなんてできない。唯一ガイド役の月がイタリア語を話せるがガイド役の子にそこまで負担させることなんてできない。八方ふさがりとはこのことである、と、果南は実感していた。
が、ダイヤには余裕があった。ダイヤ、果南にあることを伝える。
「果南さん、鞠莉さんのメールにはまだ続きがあります。それを読んでみてください」
このダイヤの言葉に、果南、
「あっ、わかった・・・」
と、一言言うと鞠莉のメールの続きを読んでみた。
「果南、絶対に、この私、マリー姫を救いに来て、で~す!!
小原 鞠莉
追伸 でもね、マリーの居場所なんてわからないかもしれないで~す!!なので、そんな果南に、プレゼント、で~す!!このアプリでマリーを探して、で~す!!」
この文章のあとに1つのファイルが添付されていた。果南、それをインストールする。すると、いきなり果南のスマホ画面にこんな文字が表示された。
「Mari’s Serch System maked by Mari Ohara」
そして、その文字が消えると1枚の地図が表示された。その中心点に赤い点が点滅するように光り輝いていた。これには、果南、
「ま、鞠莉・・・、これってなんなの?」
と、頭の上にハテナマークが浮かぶくらいこれがなんなのか困惑してしまった。
だが、この果南のスマホ画面をダイヤが見ると、ダイヤ、これについて果南に説明した。
「鞠莉さんはこのことを、自分に有利な判定を鞠莉‘sママさんがして鞠莉さんを連れ去ること、それを見越してこのアプリを、鞠莉さんの居場所を追跡できる追跡アプリを開発していたのです!!今、鞠莉さんの服には発信装置が仕込まれております。そして、今、地図の中央部分に点滅している赤い点こそ鞠莉さんが今いる場所なのですわ!!」
このダイヤの説明に、果南、
「ってことは、ここに、鞠莉が、いる・・・」
とつぶやく。そう、地図上に光る赤い点こそ鞠莉が捕まっている場所だった。
そして、果南は地図の方をよく見る。そこにはイタリア語である文字が書かれていた。イタリア語が読めない果南はちんぷんかんぷんになる。だが、すぐにその文字は日本語へと切り替わった。どうやらこの追跡アプリには地図上の文字を日本語に翻訳してくれる、そんな便利なシステムが組み込まれているようだ。鞠莉、ある意味すごいアプリを作ったものである。
とはいえ、地図上に表示された日本語を果南は言ってみる。
「え~と、小原家ローマ別荘」
そう、鞠莉が連れていかれた場所、それは、ローマの小原家の別荘、だった。その名を聞いた瞬間、ガイド役でここにいるメンバーのなかで唯一イタリア語が話せる月がこんなことを言いだしてきた。
「あっ、たしか、今夜、ここで小原家の一人娘の婚約披露宴を行われる、ってニュースがテレビで流れていたよ!!」
これを聞いて、ダイヤ、果南、はっとする。
「まっ、まさか、鞠莉‘sママさん、今日のライブの結果を見越して鞠莉さんを強引に誘拐しては既成事実を作る算段ですね!!」(ダイヤ)
「なんていう意地汚いやつなんだ!!」(果南)
両者とも鞠莉‘sママに対する怒りは振り切れるところまできてしまった。
そして、ついに果南の堪忍袋の緒が切れた!!
「私、もう我慢できない!!鞠莉を、助けに行く!!」
まわりに対しこう宣言すると今にも鞠莉のもとへと向かおうとする。
が、ダイヤ、そんな果南に対し、
「待ってください、果南さん!!ここは落ち着いて・・・」
と、今にも飛び出そうとする果南を止める。これには、果南、
「ダイヤ、行かせて!!鞠莉が、鞠莉姫が、私を待っている!!」
と、止めるダイヤをはねのけようとするも、ダイヤ、そんな果南に、
「果南さん、1人で鞠莉‘sママさんのところに行っても追い返されるのが関の山です!!」
と、少し落ち着くように言うと果南も、
「そ、それはそうだけど・・・」
と、ダイヤの言うことを聞いたのか、その場に座り込んでしまった。
そんな果南に対し、ダイヤはあることを言った。
「果南さん、たとえたった一人で鞠莉‘sママさんのところに行っても追い返されるだけです、たった一人では・・・」
これには、果南、
「たった一人で・・・」
と、ダイヤの言葉を反芻すると、ダイヤ、とても大事なことを言った。
「でも、果南さんには仲間がいます!!」
このダイヤの言葉に、果南、
「仲間・・・」
という言葉をつぶやくと、果南のまわりには・・・、
「私たちだって果南ちゃんの仲間なんだよ!!」
「鞠莉ちゃんの一大事ずら!!鞠莉ちゃんを救うずら!!」
「ギラン!!リトルデーモンを救うのは主であるヨハネの務め!!ならば、いざ行かん!!」
と、千歌をはじめとする(鞠莉を除いた)Aqoursメンバー、それにガイド役の月が集まってきてくれた。これには、果南、
「千歌、みんな、ありがとう!!」
と、お礼を言うと、それを見てか、ダイヤはこう言いだした。
「果南さん、私にいい考えがあります。これは私たちの総力戦になるでしょう。でも、私たちの助けがあれば絶対に鞠莉さんを救うことができます!!私たちの作戦にのりませんか、果南さん?」
個性的なAqoursメンバーのまとめ役であり名伯楽のダイヤ、その言葉にはとても力強いものを感じ取ることができた。これには、果南、
「わかった、ダイヤのその作戦、のった!!」
と、ダイヤの作戦にのることにした。
こうして、果南はダイヤたちを連れて鞠莉が捕まっている場所、ローマの小原家別荘に向かうことにした。
一方、そのころ、鞠莉はというと・・・。
「果南・・・、私からのメール、read(読んで)くれているかな・・・。早くRescue(救って)してほしいで~す!!」
と、果南が自分のメールを読んで果南が助けにきてくれるのを今か今かと待っていた。ここは小原家のローマの別荘、そこで鞠莉は純白のドレスを着てバルコニーに出ていた。あと1時間で婚約披露宴が始まろうとしていた。ところが、鞠莉はその婚約相手が誰なのかまだ知らなかった。鞠莉が逃げ出さないように鞠莉‘sママが鞠莉を別荘の一室に閉じ込めてしまっていたのだ。そして、鞠莉が逃げ出さないように別荘のまわりには小原家直属のSPたちが鞠莉の監視と外からの襲撃に備えていた。なので、おてんばわがまま姫である鞠莉が外に逃げるなんて不可能だった。ただ鞠莉にとって唯一助かっていたことがあった。それは鞠莉が閉じ込められた部屋がバルコニー付きの部屋であったことだった。バルコニーや窓がない部屋に閉じ込めれてはさすがの鞠莉も精神的に参ってしまう、そのことを危惧した鞠莉‘sママの判断からのものだった。そのかわり、バルコニーのまわりには監視カメラが鞠莉を見張っていた。
とはいえ、さすがの鞠莉もあと1時間で鞠莉‘sママの敷いたレールを鞠莉‘sママの言う通りに進まないといけない、そんな鞠莉にとって一番いやな結末を迎えないといけない、そんなことなので、鞠莉、
「果南、早く来て~!!じゃないと、マリーのLife(人生)、The End、で~す!!」
と、果南に早く来るように催促?してしまう。
そんなときだった。
「こんにちは、鞠莉さん」
突然鞠莉を呼ぶ男の声がする。これには、鞠莉、突然のことなのか、
「Who?」
と、驚いてしまう。
すると、バルコニーの手すり部分に男の手が出現すると、鞠莉、
「だ、誰ですか?不審者ですか?」
と、騒ぎ立てようとする。これには、男の声で、
「鞠莉さん、少し落ち着いてください!!怪しいものではありません!!」
と言うと、バルコニーの外から男の人が昇ってきたではないか!!これには、鞠莉、
「Beautiful Girlなマリーのところに突然現れるなんて、絶対に不審者に見えるので~す!!」
と叫ぶと、男の人はこんなことを言いだしてきた。
「あの~、私、あなたの婚約者、なのですが・・・」
これには、鞠莉、
「What!?」
と、男の方を不思議そうに見ると、男は鞠莉に自分の名刺を渡し自分の名を言った。
「私、オノホテルグループを統括する、オノ、といいます。こう見えてもまだ25歳くらいなんですよ!!」
あまりもの高青年、そして、オノの名を聞いて、鞠莉、あることを思い出す。
「オノホテルグループ・・・、今、ホテル業界を席巻しているホテルチェーン・・・、そのYoung Leader・・・」
そう、鞠莉の前にいる若い男性、その人こそ世界のホテル業界において急成長を続けていることで注目を浴びているホテルチェーン、オノホテルグループ、その若き総帥、オノ、であった。なので、鞠莉、
「まさか、あなたがマリーの婚約者?」
と、もう一度オノに尋ねると、オノも、
「はい、そうです!!」
と、元気よく返事をした。
オノは鞠莉の目の前に立つとこんなことを言いだしてきて、
「鞠莉さん、あなたはなにか悩み事があるのですか?」
このオノの言葉に、鞠莉、
(たしかに悩み事はありま~す!!でも、ママが勝手に決めたとはいえ、マリーのフィアンセで~す!!本当のことを言うべきでしょうか・・・)
と、つい悩んでしまう。
が、オノ、なんと鞠莉もびっくりするようなことを言いだしてきた。
「たしか、果南という想い人がいるのではありませんか?」
このオノの言葉に、鞠莉、
「What!!なんでわかるのですか~!?」
と、オノに尋ねてみる。これには、オノ、
「それは簡単です。私がバルコニーに昇るとき、あなたの声を聞きました。「果南、早く来て~!!じゃないと、マリーのLife(人生)、The End、で~す!!」と・・・」
と、あっさり答えてしまった。たしかにそうである。まさか、オノがバルコニーを昇っていることなんて思っていなかったから、そんなことなんて気づかずに、鞠莉、つい本音を言ってしまったのである。これには、鞠莉、
「うぅ~、hole(穴)があったらin (入り)したいで~す!!」
と、恥ずかしそうに言うと、オノも、
「別にそんなこと恥ずかしいと思わなくてもいいのですよ、鞠莉さん」
と、鞠莉を慰めるように言う。これには、鞠莉、
「うぅ、それならいいのですけど・・・」
と、なんかほっとした表情をみせて言った。
とはいえ、鞠莉の本音を聞かれた、ということもあり、鞠莉、
「マリーのフィアンセということもあり、ママ、なんか中年の人を連れてくると思っていたので~す。でも、まさかのYoungManだなんて、あまりに意外過ぎ、と思いま~す!!」
と、ついオノに対する本音を言うと、オノも、
「鞠莉‘sママさんとしては将来を見据えてのことでしょう。中年の男性に嫁ぐよりも急成長を続けるホテルチェーンの若きリーダーである私に嫁がせることでオハラホテルグループの礎石を盤石のものにしたい、一大ホテルチェーンを統括する社長の奥さんとしては当り前のことをした、と思っております」
と、自分の意見を述べるとすぐに、
「でも、私としては仕組まれた結婚だなんてなんか乗り気ではありません」
と、鞠莉に対してつい本音を言ってしまった。これには、鞠莉、
「WHAT!?マリーみたいな世界と代表するホテルチェーンの娘とEngage(結婚)できるのだら、ある意味Goodじゃないの?」
と、オノに真意を尋ねると、オノ、すぐに自分の今日の婚約に対する意見を述べた。
「仕組まれた結婚というのはお互いにとって自分の意志とは関係なく仕組んだ側の自分たちの利益のことだけを考えてやることが多いものです。なので、鞠莉さんの思いなんて考えていない、鞠莉‘sママさんの願望だけで物事が動いている、そう考えると、結婚する側、この私としては鞠莉さんの本当の想いを踏みにじむことはしたくない、そう思っております」
これには、鞠莉、
「えっ、なんでそんなことをいうのですか~!!ママがせっかく決めたEngage(結婚)をやめるのですか~??」
と、オノの本音にびっくりしてしまう。けれど、オノの目は真剣だった。本当の本当のオノの本音だった。
そして、オノは鞠莉に向かってこう伝えた。
「鞠莉さん、諦めないでください。きっとあなたの王子さまはあなたを迎えにきてくれるはずです!!」
まさか鞠莉‘sママが勝手に決めたフィアンセからの応援の言葉、これには、鞠莉、
「でも、Mr。オノからすればそれはママに対するbetrayal(裏切り)で~す!!それでいいのですか?」
と、逆に尋ねてしまう。で、オノ、
「私は別にいいです。だって、そのほうが鞠莉さんの美しい笑顔を保つことができるのですから」
と、鞠莉に微笑みながら言うと、オノ、ぼそっと、
「あのスペイン広場で見せた鞠莉さんのまんべんの笑顔、あの笑顔がいいのです」
と言った。しかし、オノがぼそっと言ったところは鞠莉には聞こえていなかったらしく、
「?」
と、鞠莉、オノの意外な答えに首をかしげてしまった。
そして、ついに婚約披露宴が始まろうとしていた。
(果南、ヘルプ、ヘルプ、はやくマリーを助けて!!お願い!!)
と、鞠莉は白いドレスを身に着けながら果南に助けを求めようとしていた。
が、果南が助けにくる気配すらなかった。いや、それは無理である、と、鞠莉は思っていた。なぜなら、婚約披露宴がもうすぐ始まる、ということで、鞠莉のまわり、そして、会場となるローマの小原家別荘のまわりには小原家直属や今回のために手配したSPたちが100人以上警戒していたのだ。それは鞠莉を取り返しにくるはずの果南たちから鞠莉を守る・・・、いや、鞠莉を自分のパペットにしたい鞠莉‘sママの考えによるものだった。鞠莉はそれを鞠莉‘sママから聞いていたため、
(でも、こんなにマリーを監視ししているpeople(人々)が多いと、果南、マリーをRescueできないよね・・・)
と、半場諦め気味になってしまった。
そんななか、
「え~、会場にお集まりのみなさん、もうすぐ式が始まります。お席についてください」
と、司会役のスタッフが披露宴が始まることを伝える言葉が聞こえてくる。これには、鞠莉、
(あっ、間に合わなかった・・・。私、もう、ママのパペット・・・、ラプンツェルみたいに・・・、一生・・・、ママの・・・パペットに・・・なるんだね・・・)
と、まるで人生が終わったかのような表情になってしまった。
そして、5分後、式がついに・・・、いや、始まる気配がなかった。それにはこの披露宴の招待客から、
「あれ、式、始まらないね・・・」「なにかあったのかな?」
と、ざわめき始めていた。
一方、そのころ、披露宴、いや、鞠莉を監視するためにいるSPたち、そのSP本部では・・・、
「おい、どうした?A地区でなにかあったのか?」
と、SPをまとめる司令官が慌てるかのようにA地区を担当している連絡役に尋ねると、その連絡役、
「大変です!!一部のSPが暴れ始めました!!」
と、慌てたかのように司令官に報告した。いや、その連絡役だけではない。ほかの地区を担当している連絡役たちからも、
「B地区でも起きております!!」
「屋内Z地区ではなんか呪文のようなものが聞こえてきます!!」
と、暴動が起きている、そんな慌てたかのような報告が次々と入ってくる。これには、司令官、
「おい、各地区の監視カメラをモニターに映せ!!音声もな!!」
と、部屋の壁にかけていた巨大モニターに監視カメラの映像を音声付きで表示するように指示する。
そして、監視カメラの操作役は巨大モニターに監視カメラの映像を表示すると、そこには・・・、
「キャハハ、全力前進、ヨ~ソロ~!!」
「暴れるずれ、暴れるずら、めちゃくちゃにするずら!!」
「みなのもの、よく聞け!!私の名はヨハネ、堕天使ヨハネなり!!」
と、どこかで聞いたことがあるような声が聞こえてくる。と、同時に、
「おいっ、そっちに言ったぞ!!」「ヨハネ様が降臨された・・・」
「おいっ、慌てるな!!少しは落ち着け!!」
と、阿鼻叫喚、みたいなSPたちの声が聞こえてきた。
これには、司令官、
「おいっ、各地区に増援を送れ!!」
と、指示を出すも、その司令官の補佐役は、
「でも、この別荘、広すぎてそちらにまわす人員が足りません・・・」
と、司令官に泣きながら報告。そう、イタリア出身である小原家にとってここローマはイタリア各地にある小原家別荘とは違いかなり広かったりする。そのため、今いるSPの人員でも少なかったりする。それなのにこれ以上その地区に人員を割くのであればどこかの地区からその人員をまわすしかない。が、どの地区もかつかつなので一時的にどこかの地区の人員を少なくしないといけない。で、現状、披露宴を行っている部屋以外の地区で暴動が起きている。と、なると、ほかの地区に人員をまわすなら・・・、
「おいっ、披露宴を行っている部屋の人員をほかの地区にまわせ!!」
と、司令官、ついに披露宴を行っている部屋にいるSPたちを他地区にまわすことを指示する。が、ここでも補佐役、
「でも、そうなると、鞠莉様を守るものが・・・」
と言うと、司令官、
「そんなの、すぐに暴動を抑えればいい話だ!!はやく人員をまわせ!!」
と、再度指令!!仕方なく補佐役も司令官の指示に従うことになった。
一方、披露宴を行っている部屋では、
「おい、まだ式は始まっていないのか!!私とて忙しい身なんだぞ!!余計な時間を使わせるな!!」
と、鞠莉のフィアンセ(鞠莉‘sママが勝手に決めた)のオノが司会に怒鳴るように言う。これには、鞠莉‘sママ、
(うぅ、これでは私の計画が・・・、ホテル業界の風雲児であるオノ様と鞠莉を結婚させてオハラホテルグループの礎石を固めると共に鞠莉を縛る計画が・・・)
と、自分の計画が崩れることを懸念していた。そのため、
(うぅ~、外でSPたちが騒いでいるみたいだけど、オノ様の機嫌を損なうのもよくない。ここは仕方がない。式を始めよう)
ということで、鞠莉‘sママ、強行的に披露宴を始めることにした。
「う~、お集りのみなさん、お待たせしました・・・」
ついに婚約披露宴が始まった。まず、鞠莉‘sママが壇上に立ち招待客に対して式に参加したことへのお礼の言葉を伝えるとすぐに鞠莉‘sママが勝手に決めたフィアンセであるオノと鞠莉の紹介が始まった。
「え~、この方は・・・」
まずはフィアンセのオノ、そして、
「そして、小原鞠莉様は・・・」
と、鞠莉の紹介が行われた。が、このとき、鞠莉、
(あぁ、間に合わなかった・・・。マリーのLIFE(人生)、THE END、ですね・・・)
と、完全に諦め状態・・・。鞠莉‘sママの操り人形、パペット、鞠莉、完成、と嘆きそうになっていた。そのためか、司会から、
「あれ、鞠莉様、なんか元気がないみたいですね・・・」
と、心配そうに言われると、鞠莉、
「いや、大丈夫、ですよ・・・」
と、空元気だけだして答えた。
そして、鞠莉は天を仰ぎながらこう思った。
(バイバイ、果南。この10年間、果南と一緒に過ごすことができて本当に楽しかったよ。でも、これでそんな楽しい生活とはTHE END。だからね、バイバイ、私の王子様・・・)
それはまるでこれから地獄に向かおうとしている人たちの諦めの思いと同じ思いをしているようだった。
が、突然、フィアンセであるオノが、
「ちょっと式の途中ですがいいですか!!」
と言っては立ち上がった。そして招待客に向かって、オノ、こんなことを言いだしてしまう。
「私の相手となる小原鞠莉さんですが、日本ではスクールアイドルとして大活躍をしておりました。今の鞠莉さんはなにかの理由でふさぎ込んでおりますが、本当は元気いっぱいの、ほかの人のことを思いやる、そんないい女性です。それを証明するような映像をご覧ください!!」
すると、すぐに映写機がセットされ、鞠莉とオノの真後ろにある壁にある映像が映し出された。それは・・・、
「トゥトゥトゥ トゥトゥ トゥトゥトゥ」
なんと、今日のお昼に鞠莉を含めたAqoursが行った、あのスペイン広場でのライブの映像の様子ではないか!!これに、招待客たち、
「なんてすごいものなんだ・・・」「とてもすご過ぎだぞ・・・」
「Very Good!!」
と、驚きと感嘆の声がだしていた。この招待客の様子を見た鞠莉は、
「えっ!!なにに驚いているの!!」
と、嘆くのをやめて少し驚いたような表情になってしまう。
そんな鞠莉の表情を見てか、オノ、そんな鞠莉に対しこんなことを言いだしてきた。
「鞠莉さん、私はあなたの王子様にはなれません。でも、あなたの本当の王子様の引き立て役にはなれます。だから、ね、鞠莉さん、そんなに暗い表情にならないでください」
これには、鞠莉、
「えっ!!」
と、一瞬驚くも、オノからこんな予告が飛び出してしまう。
「さて、鞠莉さん、もうすぐあなたの王子様が登場しますよ!!」
すると、一瞬、会場が暗くなってしまう。騒ぎだす招待客。しかし、そんな真っ暗な中、
「鞠莉姫、助けに来たよ!!」
と、鞠莉が一番会いたい少女の声が聞こえてきた。これには、鞠莉、
「えっ、うそっ!!」
と、びっくりした声をあげてしまう。
この鞠莉の声とともに、
パシャ
と、一筋のスポットライトがある少女を照らす。その少女の姿を見て、鞠莉、感嘆な声をあげる。
「果南、果南王子!!」
そう、そこに立っていたのはここにいないはずの鞠莉の王子様、果南、だった。
その果南、、スポットライトを浴びながら鞠莉のところに向かう。すると、鞠莉‘sママ、鞠莉を守るSPたちに、
「おいっ、はやく、あの部外者をつまみ出すので~す!!Hurry up!!」
と、命令を出すも、誰も動くことができず。そのSP曰く、
「すみませんが、部外者からあなた(鞠莉‘sママ)を守るためにそれはできません!!」
とのこと。いや、それどころか、鞠莉‘sママを守るSP以外にこの披露宴会場にはほかのSPがいなかった。これには、鞠莉‘sママ、
「おいっ、ほかのSPたちはどうしたので~すか?なんでいないのですか?」
と、自分を守るSPに尋ねると、そのSP、
「実は外で一部のSPたちが暴動を起こしていおりまして、そちらのほうに人員を割いております」
と言うと、鞠莉‘sママ、
「うそ・・・ですよね・・・。外が騒がしいことは知っておりましたが、まさか、そこまで大きいとは知らなかったです・・・」
と、ことの重大さに気づいてしまう。外の騒ぎのことは、鞠莉‘sママ、知っていたが、披露宴会場のSPの人員を割くくらい大きかったとは思ってもいなかったみたいだった。なので、今、動けるのは自分ひとり・・・そんなわけで、
「Ms果南、待つので~す!!ここは通さないので~す!!」
と、鞠莉‘sママが果南の行く手を阻もうとする・・・も、果南、
「おばさん、そこをどかないと危ないよ!!」
と、大声で言うと、鞠莉‘sママ、
「おば・・・さん・・・」
と、口をあんぐりとしてしまった。
そんな鞠莉‘sママに対して、果南、
「ほっ!!」
と、一息つくと、自分の行く手を阻む鞠莉‘sママめがけて突進!!これには、鞠莉‘sママ、
「ヒッ!!」
と、一瞬体を丸めてしまう。これに、果南、
「ふっ!!」
と、丸まった鞠莉‘sママを跳び箱のように手をついて前に飛ぶとそのまま体を一回転しながら鞠莉がいる机の前まで飛んでいった。Aqoursのなかで一番身体能力がある果南、跳馬の宙返りなんてお手の物だった。
そして、果南、鞠莉のもとに近づくと、
「鞠莉姫、助けに来たよ!!」
と、優しそうな声で言うと、鞠莉も、
「果南、遅いじゃない!!待ち疲れたので~す!!」
と、果南に文句を言う。しかし、このとき、鞠莉、
(でも、果南、助けに来てくれてthank youで~す。やっぱり、マリーのPrince(王子様)で~す!!)
と、心の底から果南にお礼を言っていた。
そんな鞠莉に対し、果南、
「さてと、鞠莉姫、そんな冗談なんて言っている暇なんてないよ!!さっさとここからずらかるよ!!」
と、鞠莉に言って自分の手を差し出すと、鞠莉も、
「そうだね、果南王子!!こんな狭苦しいところからバイバイするで~す!!」
と言って果南の手をぐっと握っては席を立った。
そして、果南は鞠莉に対して一言。
「さてと、鞠莉姫、行くよ!!」
これには、鞠莉、
「果南王子、わかったで~す!!」
と、なんと、着ていたドレスのすそをビリっと破いてしまうと2人とも窓めがけて走り始めた。
しかし、果南の踏み台になってしまった鞠莉‘sママ、ここにきて、
「鞠莉、待ちなさい!!逃げさせないので~す!!」
と、言っては鞠莉と果南のところに迫ろうとする・・・も、
「ママ、バイバイなので~す!!」
と、逃げる鞠莉、今さっき鞠莉が破いたドレスのすそ部分を鞠莉‘sママめがけて投げるとそれが鞠莉‘sママの顔面にクリーンヒット!!
「あれあれで~す!!」
と、自分に当たったやぶいたドレスのすそ部分をどかそうとする鞠莉‘sママをしり目に、鞠莉、
「みなさま、こんな茶番に付き合わせてしまいSorryで~す!!でも、マリーはこの果南王子と共にHappyなLife(人生)を過ごすので~す!!」
と言ってなぜか窓に設置されていた避難用チューブで果南と一緒に外へと逃げていってしまった。
そして、ようやく絡まったドレスのすそ部分を払いのけた鞠莉‘sママ、
「鞠莉~、私の大事な鞠莉が・・・」
と、名残惜しそうに鞠莉のことを言っていた。
鞠莉と果南はその後、
「脱走、大成功で~す!!ヤッターで~す!!」
と、上機嫌の鞠莉、そのまわりには・・・、
「どう、私たちがSPのみんなをかく乱させていたんだよ!!」
と、曜、それに、
「ふふふ、私のリトルデーモンたちを増やすことができたぞ!!マリーよ、お手柄だぞ!!」
と、自分の信者を増やすことに成功したヨハネ、がいた。いや、月を含めたAqoursメンバー全員がそこにいた。これには、果南、
「こんな大胆な計画、立てたのはダイヤでしょう。本当にすごい計画だったよ!!」
と、鞠莉救出計画の立案者であり司令官役であるダイヤに言うと、ダイヤ、
「まぁ、私にかかればこんなの造作でもないことですわ!!」
と、誇らしげに言った。
このダイヤの立てた鞠莉救出計画、具体的にいうと、果南を除いた(月を含めた)AqoursメンバーがSPとして小原家の別荘に潜入、式が始まると同時に各地区で各メンバーがそれぞれ暴れだし、披露宴会場のSPの人員を割くような事態に陥った隙に果南が鞠莉を救い出す、そんな作戦だった。これはローマの小原家別荘がかなり広いにも関わらずそれに対応するくらいのSPの人員を用意できなかった、そのことをダイヤが知っていたことではじめてできた作戦だった。
そんなわけで、ダイヤ、
「でも、この作戦はある協力者がいて初めてできた作戦でした。私、その協力者に感謝しております」
と、ダイヤが言うと、鞠莉、
「?」
と、ハテナを思い浮かぶような表情をみせた。
こうして、鞠莉と果南は月を含めたAqoursメンバーと一緒に小原家の別荘を脱出、日本へと逃げ帰ることに成功した。
果南が鞠莉を連れて別荘から脱出してから1時間後・・・、
「鞠莉・・・、鞠莉・・・、私の大事な鞠莉が・・・」
と、ただ茫然と立ち尽くしたままの鞠莉‘sママ、そこに、
「鞠莉‘sママさん、ちょっとお話があります」
と、鞠莉のフィアンセ、もとい、元フィアンセのオノが鞠莉‘sママに近づくと、すぐに、
「鞠莉‘sママさん、あなたは鞠莉さんとよく話し合ったことがありますか?」
と、鞠莉‘sママを問い詰めるのように尋ねた。これには、鞠莉‘sママ、
「えっ、Mr.オノ、それは・・・、それは・・・」
と、言葉に窮してしまう。
オノ、そんな鞠莉‘sママに対し、
「鞠莉‘sママさん、鞠莉さん、ずっと暗い表情をしておりました。ここに鞠莉さんが来たときから、ううん、あのローマ・スペイン広場でのライブのあと、鞠莉さんにとって大事な存在だった果南さんから鞠莉さんをあなたが奪ったときからね!!」
と、怒りながら言うと、鞠莉‘sママ、
「えっ、Mr.オノ、今なんて・・・」
と、驚きの表情をみせる。オノ、そんな鞠莉‘sママに対しある真実を話した。
「鞠莉‘sママさん、実はね、私、スペイン広場での鞠莉さんたちのライブ、見に行っていたんですよ。あなたが勝手に決めた私の婚約の相手、鞠莉さんがどんなふうなのか見にいきたくてね。そしたら、あんな元気いっぱいの笑顔を振りまきながらまわりを明るく楽しくしていっている鞠莉さんの姿に、私、太陽みたいな輝きを感じていたのですよ」
これには、鞠莉‘sママ、
「そうでしょ、そうでしょ。鞠莉はそれくらい明るい子なんですよ。あなたにぴったりなんですよ」
と言うと、オノ、これには対して反論。
「でもね、あの輝きの源は何なのか、私、少し考えました。そして、ライブが終わって気がつきました。鞠莉さん、あのグループ(Aqours)のメンバーとこのライブをやりきった、そのことを称えあっていました。その姿をみて、私、こう思いました、鞠莉さんの輝きはこのグループの仲間たちが引き出しているんだって!!そして、その中で一番親しかった果南さんに、鞠莉さん、恋しているのではないかと思いました。それをあなたは強引に引き離してしまった。そのあとからです、鞠莉さんからその輝きがみられなくなったのは・・・」
これには、鞠莉‘sママ、
「えっ、もしかして、スペイン広場のライブ終了後の私の行動もすべてみられていたのですか・・・」
と、唖然となると、オノ、
「はい、そうです。あのときの姿を見て、鞠莉‘sママさん、あなたの本性に疑問を感じました。いや、なにか私に下心があるのでないか、鞠莉さんという子にとってこれからの未来、あなたに束縛されるのではないか、と。そう思うと、私、鞠莉さんがとても不憫だと思うようになりました」
と、鞠莉について心配したことを口にした。
すると、鞠莉‘sママ、
「まさか、あの大騒ぎ(SPたちの暴走)もあなたの仕業じゃ・・・」
と、オノに言うと、オノ、
「いや、私はあの暴走の首謀者ではありません。あの暴走の、鞠莉さんの脱走計画を立案・実行したのは鞠莉さんが所属していたグループ(Aqours)のまとめ役、ダイヤ・クロサワ、でした。私はそれを手助けしただけです。あなたの魔の手から鞠莉さんを救うためのね!!」
そう、鞠莉脱走計画の計画立案、および、首謀者はダイヤであったが、そのダイヤたちに手を貸していたのはオノだった。オノは鞠莉のことを不憫だと思い、なぜかダイヤと手を組んでAqoursメンバーたちを偽物のSPとして会場に潜入させるなどの手助けをしていたのである。これには、鞠莉‘sママ、
「えっ、まさか・・・、あのですわ(ダイヤ)、なんてことをしでかしたのです~(怒)」
と、ダイヤに対し怒りMAX!!
だが、そんな鞠莉‘sママに対し、オノ、一喝!!
「鞠莉‘sママさん、あなたは鞠莉さんに対して自分の考えだけを押し付けてようとしているのではありませんか!!あなたは鞠莉さんの気持ちを考えずに自分の考えだけを押し付けようとした!!それに、私、嫌気が差したのです!!まだ独身である私にあの子(鞠莉)を結婚させることでオハラ家のホテルチェーンとしての礎石を盤石にするだけでなく、鞠莉さんを自分のパペット(操り人形)として縛り付けようとした、それは今の世の中にとって単なる押し付け、いや、やってはいけないこと、世間から非難を受けることにつながります!!もちろん、私もそう考えてしまいます!!」
さらにオノの言葉は続く。
「なので、私はあのスペイン広場でのライブが終わってあなたが鞠莉さんを連れ去ったあと、この鞠莉さん脱出計画を立案していたダイヤ・クロサワとコンタクトをとり2人で話し合った結果、私がダイヤ・クロサワの計画の手助けをすることを決めました。こうして、私は偽物のSPとしてダイヤ・クロサワたちをこの別荘に潜入させて暴走した次第です・・・」
このオノの言葉に、鞠莉‘sママ、
「ま、まさか、鞠莉の(元)フィアンセでああるMr.オノに裏切られるなんて・・・」
と、ただ茫然になるも、オノ、そんな鞠莉‘sママに対しある言葉を送った。
「鞠莉‘sママさん、一度、鞠莉さんと本音を語り合ったほうがいいですよ。あなたの考えを鞠莉さんに押し付けるのではなく、1対1のお互いの本音をぶつけさう、そんな話し合いをするべきです。それこそ、あなたにとって鞠莉さんとの関係を修復するための一番いい方法だと思います」
これには、鞠莉‘sママ、
「鞠莉の本音・・・」
と、オノの言った言葉を反芻していた。
で、オノ、最後にこんなことをこそっと言った。
「それにね、私は、今、独身ですが、今回のことで私にふさわしい女性を見つけることができました。まさに、大和なでしこ、なんだけど、自分の考えをしっかりと持っているあの子にね・・・」