ただ、そんなしずくにもあちょっとした事件が起こってしまう。それは奈々とのデートの日まであと数日をきったある平日の放課後に起こった。しずくはいつもの通り、生徒会の役員たちが帰ったあと、奈々と一緒に2人だけの秘密の時間を過ごしていた。そのとき、しずくはそれまで読んでいたラノベを読み終えたため、奈々に対し、
「奈々さん、新しいラノベを読みたいので書庫から新しいラノベを出していいですか?」
とお願いすると、奈々、ただたんに、
「あっ、しずくさん、それならいいですよ」
と言っては書庫の扉を開けてくれた。普段ならしずくが新しいラノベを読みたいときには奈々が書庫からラノベを取り出すのだが、このときは奈々はなにか考えている様子なのか書庫の扉を開けるも前々ラノベを取り出すことなんてなかった。そのため、しずく、
(奈々さん、なにか考え込んでします。なら、私が勝手にラノベを取り出すことにしましょう)
と思い、勝手に書庫から新しいラノベを取り出してしまった。
だが、そのとき、その新しいラノベを取り出したあと、その隙間からあんいか派手なカラーリングのものが見え隠れしているのに、しずく、
(あれっ、ラノベの奥になにかあるみたいですね)
と思ったのか、奈々にはなにもいわずに勝手に書庫の棚に並んでいたラノベたちを書庫から取り出してしまった。
すると、その奥から出てきたのは・・・、
「えっ、これって、伝説のでんでんでん、「伝説のアイドル伝説」ではありませんか!!」
そう、書庫の奥から出てきたのは、ラブライブ!を知る者ならご存じ、「伝説のアイドル伝説」である。これは各プロダクション、事務所、学校などが限定生産を条件に歩み寄り、古今東西の素晴らしいと思われるアイドルたちを集めたDVD-BOXであった。ただ、あまりの希少性もあり、通称「でんでんでん」と言われていた。で、しずくはスクールアイドル同好会に所属していたことがあるため、同じ同好会の1年からこのDVD-BOXの存在を聞かされていたためにその存在を知っていたのである。ただ、現物を見るのはしずくは初めてだった。ただ、これには、しずく、
(でも、なんでここに希少性のあるDVD-BOXがあるのですか?)
と、つい思ってしまったため、書庫のすべてをラノベを取り出すとその奥からスクールアイドルのDVDなどがずらりとならんでいた。なかには優木せつ菜のワンマンライブが収められていたDVDも発見した。これには、しずく、
「なぜ、ここにスクールアイドルたちのDVDがあるのですか!?」
と、驚きの声をあげてしまう。
と、ここで、しずくの声にびっくりしたのか、しずくのもとに、
「しずくさん、どうかしましたか?」
と、奈々が駆け寄ってくるも、書庫の奥に眠るスクールアイドルのDVDたちを見て、奈々、
「えっ、なぜ、しずくさんがこのDVDを見つけたのですか?」
と、びっくりしてしまう。どうやら、奈々、スクールアイドルののDVDが見つかったことで少し動揺している様子。
そんな奈々を見てか、しずく、
「あれっ、奈々さん、なんか動揺しています。あっ、まさか・・・)
と思ったのか、奈々に対しあることを聞いてみた。
「奈々さん、まさか・・・」
このしずくの溜めに、奈々、
「ごくん・・・」
とつばを飲み込むと、しずく、次の言葉を出した。
「まさか、奈々さん、ラノベ・アニメ以外にスクールアイドルのも好きというわけですね!!」
これには、奈々、
「は、はい・・・」
となぜか動揺したまま答えていた。
まぁ、そんなこともあり、このあとは・・・、
「でも、奈々さんがスクールアイドル好きだなんてびっくりです」(しずく)
「はは・・・、ははは・・・」(奈々)
と、しずくと奈々はスクールアイドル談義をしていたのだが、完全下校時間となったのでその日はお開きに。
そして、しずくが家に帰っている最中、しずくはあることを考えていた。それは・・・、
(でも、奈々さんがスクールアイドル好きとは思いませんでした。しかし、よく考えればせつ菜先輩も奈々さんと同じ、ラノベ・アニメ・スクールアイドル好きでした。また、奈々さんもせつ菜先輩も自分の「好き」を大々的に言おうとしています。そう考えると、奈々さんとせつ菜先輩、似ているにはたんなる偶然なのでしょうか?)
そう、奈々とせつ菜、2人とも「好きなもの」と性格も似ているとしずくは気づいたのである。そのためか、しずく、こんなことも考えてしまった。
(とすると、奈々さんとせつ菜さんは同一人物・・・とも考えなくもありません・・・。もし、同一人物であるなら、私の気持ち・・・、奈々sンに惚れてしまった自分、せつ菜先輩に惚れてしまった自分、その気持ちに説明がつきます・・・)
そう、しずくはこれまで奈々とせつ菜の2人に惚れた、いや、心を振り回されてしまった。しかし、2人が同一人物であれば、しずくが2人に心を奪われたことに説明がつくかもしれない、としずくは考えたのである。だって、しずくは奈々とせつ菜を別々の人物として認識していたため、2人同時に、それも、2人の同じところに心惹かれた、としずくは当初思っていたのだが、この2人が同一人物であるなら、しずくはもともと同じ人物1人に心惹かれたのを間違えて別々の2人に心惹かれていたと誤認していたことになるのだから。
そのためか、しずく、次の奈々のデートのときにあることをしようと思っていた。それは・・・、
(もし、奈々さんとせつ菜さんが同一人物であるなら、それを今度のデートのときにそれがわかるかもしれません・・・。ならば、そのデートのときにそれを確かめてみましょう)