だが、そこにちょっとした事件が起きた。それはしずくとのデート、そして、せつ菜引退ライブの日まであと数日をきったある日のことだった。放課後、いつもの通り、奈々としずくは生徒会室で奈々が隠していたラノベを読んでいた。そのとき、しずくはラノベを読み終えたのか、奈々に対しこんなことを言ってきた。
「奈々さん、新しいラノベを読みたいので書庫から新しいラノベを出していいですか?」
普通ならしずくがこう言うと奈々がラノベを隠している書庫から新しいラノベを取り出してしずくに渡すのだが、このときは、奈々、
(うぅ、どういった風に振付をすれば・・・)
と、引退ライブのことだけを考えていたため、しずくからの突然にお願いに、ただたんに、
「あっ、しずくさん、それならいいですよ」
と言っては書庫を開けた・・・まではよかったが、ここで、奈々、
(え~と、ここはこうして・・・)
と、新しいラノベを取らずにまた引退ライブのことだけを考え始めてしまう。そう、いつもの、新しいラノベを取り出してはしずくに渡す、といった行動をとらなかったのだ。
そして、ついに事件が起きる。奈々、
(こうして、ああして・・・)
まだ引退ライブの振付のことを考え込んでいると、突然、
「なぜ、ここにスクールアイドルたちのDVDがあるのですか!?」
というしずくの声が聞こえてきた。これには、奈々、
「えっ、しずくさん!?)
と驚くとともに、
「しずくさん、どうかしましたか?」
という声をあげ、しずくの方を見る。すると・・・、
「えっ、なぜ、しずくさんがこのDVDを見つけたのですか?」
という同様に満ちた声をあげてしまった。このとき、奈々、
(まさか、まさか、私のスクールアイドルのDVDがしずくさんに見つかってしまうなんて、私、どうしたらいいのでしょうか・・・)
と激しく動揺してしまう。そう、実は、奈々、ラノベを隠している書庫のそのラノベの奥にスクールアイドルのDVDを大量に隠していたのだ。このDVDも奈々が秘密の時間のときにこのDVを見ては自分の「好き」のフラストレーションをなだめるため、そして、ライブの参考資料(奈々談)として隠していたものだった。それがしずくにみつかった・・・ということで、奈々、
(しまったです・・・、このDVDが見つかった、ということは、私がせつ菜であることがバレてしまいます・・・)
と、しずくに自分の正体がバレてしまうことを危惧し始めてしまう。そのためか、奈々、
(う~、どうすれば~、どうすれば~)
と、さらに動揺しまくってしまう。
そんななか、しずく、
「奈々さん、まさか・・・」
とう言葉を発すると、奈々、
「ごくん・・・」
と、つばを飲み込む・・・、そのときだった。しずく、こう叫んだ。
「まさか、奈々さん、ラノベ・アニメ以外にスクールアイドルのも好きというわけですね!!」
これには、奈々、
(え~、そこなの~)
と唖然となったのか、
「は、はい・・・」
と、しずくの言葉に同意した。そのためか、しずく、
「でも、奈々さんがスクールアイドル好きだなんてびっくりです」
と言うと、奈々、
(え~と、どう反応すれば・・・)
とどう対応すればいいのかわからず、
「「はは・・・、ははは・・・」
と笑ってごまかしていた。
まぁ、そんなこともあったのか、このやり取りのあとは、奈々、しずくとスクールアイドル談義で完全下校時間まで2人で楽しんだ・・・のだが、それも終わって自分の家に帰る最中、奈々、
(ふ~、一時は私の正体がバレるかと思いましたが、その聞きななんとか去りました。一安心、一安心、です・・・)
と、安心しきっていた。
だが、これがきっかけとなり、しずくはある疑いを奈々にもつのだが、このときの奈々はそれを知る由もなかった。
そして、ついに、運命の日、しずくとのデートの日、そして、せつ菜引退ライブの日を迎えることとなった・・・。