ラブライブ!アラカルト   作:la55

3 / 37
この小説は「なれそめ・・・(仮)Main Story」のサイドストーリーです。できれば、「Main Story」を読んでからこのサイドストーリーを読んでもらたらもっと楽しんでもらえると考えております。なので、「Main Story」を読んでない方はそちらから読んでからこのサイドストーリーを読んでみてください。




なれそめ・・・(仮)Side Story Huggu side(「ははは・・・」 by 果南)

「よし、ゴール!!ふ~、疲れた~!!」

そういうと、果南は息を整えつつもほかのAqoursメンバーたちの方を見ていた。ここは、静岡県沼津市の内浦海岸。その内浦にある小さな女子高、浦の星女学院の3年生で、浦の星のスクールアイドルAqoursの一員である、松浦果南、であるが、今日は自分が考案した練習メニュー、「地獄のトライアスロン」、それを初めて実施することになったのだ。そして、今、その「地獄のトライアスロン」をAqours全員でやっている最中であった。その「地獄のトライアスロン」、スイム1キロ、ラン5キロという、普通の女子高生がこなすことができない、と思われるくらい過酷な練習メニュー、なのだが、果南がこの練習メニューをみんなに提案したところ、Aqoursのためになるから、ということで、Aqoursのリーダーである千歌がなにも考えずに実施することを決めたため、今日はこの過酷な練習メニューになったのだが・・・、「家業(スキューバダイビング)を手伝っているうちに鍛えられた泳力と筋力」(果南談)のおかげで体力が無尽蔵の果南にとってみればこんな過酷な練習メニューなんて朝飯前・・・、ということで、果南、無事にゴールに着いたとしても息1つ切れていない・・・のだが、それは果南だけが当てはまることであり、ほかのAqoursメンバーはというと・・・、

「う~、もうダメずら~」(花丸)

「う、ウォーター・・・、ぷ、プリーズ・・・」(鞠莉)

と、体力の限界をすでに超えていた。そんなほかのAqoursメンバーのの様子をゴールのところから見ていた果南、これには、

「ハハハ・・・」

と、苦笑いするしかなかった。このAqoursメンバーの姿、この過酷な練習メニューを考案した果南からしたら、予想外の出来事、だった。

 そして、果南がゴールしてから少しして、

「もうダメですわ・・・」(ダイヤ)

「もうダメ・・・、だれか、ヘルプミー、で~す・・・」(鞠莉)

と、言ってはほかのAqoursメンバーも次々とゴール・・・したものの、事前に用意していあシートの上に次々と倒れこんでいった。その様子はまるで地獄絵図・・・だった。これにはさすがの果南も、

(こりゃちょっとやりすぎた・・・かな・・・)

と、地獄ともいえる練習メニューを考案したことを少し悔やんでいた。

 その後、Aqoursメンバーに少し悪いことをしてしまった、と後悔したのか、果南、地面に敷いたシートに倒れこんでいるほかのAqoursメンバーに対してスポーツドリンクを渡していく。そのなかで、梨子に果南がスポーツドリンクを渡すと、梨子、

「あ、ありがとう・・・」

と、果南に対してなにか言いたそうに言うも、それがなにかわからず、果南、

「?」

と、首をかしげてしまった。

 

 そんなわけで、果南がほかのAqoursメンバーにスポーツドリンクを渡し終えると、そのメンバーたちは体力回復に努めているなか、果南だけは次の練習に向けてクールダウンを行っていた。

 そんなとき、

「こんにちは!!」

という男の声が内浦海岸に響き渡る。これに果南がすぐに対応、その男のそばに行く。すると、そこには、自分の知らない男たちが数人いた。その男たち、見た目からしてとてもガタイがいい体つきをしている。それに、果南、気になったのか、その男たちへの挨拶のあと、

「ところで、なんでこんなところに来たのですか?」

と、男たちにここに来た理由を尋ねてみる。

 すると、その男たちのリーダーらしき男から、

「この近くのホテルに合宿に来ているのですよ!!」

と、元気よく答えてくれた。そのリーダーの話によると、この男たちは東京のある大学のライフセービング部の者たちであり、今からここでライフセービングの練習をしに来たとのことだった。

 その後、その男たちこと大学生たちはウォーミングアップのあと、小さなフラグを砂浜にさしてはビーチフラッグの練習を始めていた。これには、果南、

(まだ(スクールアイドルの)練習が残っているけど、それでも、あの大学生たちと一緒に練習したい、汗を一緒に流したい!!)

と、大学生たちと一緒に練習をしたい、そんな気持ちになっていた。しかし、果南、まだAqoursのみんなとスクールアイドルの練習が残っていることを気にしていた。だが、そんなとき、突然、ダイヤが、

「果南さん、なんか、あの大学生たちと一緒に練習をしたそうに見えますけど・・・」

と、果南の今の気持ちを指摘する。これには果南もびっくりするも、そのダイヤが思わぬことを言いだしてきた。

「果南さん考案の「地獄のトライアスロン」の影響で、私を含めて、果南さん以外のメンバーはは練習を続けるほどの体力がもう残っておりません。なので、今日はここで私たち(Aqoursの)練習はお開き、ですわ」

 このダイヤの言葉に、果南、

(ダイヤ・・・)

と、目をキラキラさせてダイヤを見つめると、ダイヤ、そんな果南に対し、、

「あの大学生たちの練習に参加していいですよ!!」

と、大学生たちの練習に参加してもよい、というお許しを出す。これには、果南、

「ダイヤ、ありがとうね!!」

と、ダイヤにお礼を言うと、そのまま大学生たちの中に入り、大学生たちと一緒にライフセービングの練習を行うことになった。

 一方、ダイヤを含めた果南以外のAqoursメンバーはこれ以上練習を続けるための体力がない、ということで、ここで今日の練習はお開き、となり、それぞれ自分の家へと帰っていった、たった一人を除いては・・・。

 

ピッ ダー!! バシッ!!

と、リーダーのホイッスルがなると寝そべっていた果南はすぐに立ち上がり全力で砂浜にささったフラッグめがけてダッシュ、そのままフラッグを奪取した。そして、フラッグを奪取した果南に対し、リーダー、

「こりゃ、すごいじゃないか!!ここにいるみんな(大学生たち)は〇〇大学のライフセービング部のなかでもトップクラスの選手たちだ。それを、果南殿、練習とはいえ、ここにいる選手たちを打ち負かすとは、こりゃ、将来、すごい選手になれるぞ!!」

と、果南のことを褒めちぎる。さらには、リーダー、

「どうだ、僕たちの大学に入学して本格的にライフセービングをやってみないか!!果南殿の泳力と体力、そして、根性があればきっとすごい選手になれるぞ!!それに、(海水浴場に来た)みんなを守る立派なライフセーバーにもなれるぞ!!」

と、果南をうちの大学へと勧誘してきた。

 しかし、とうの果南はというと・・・、

(でも、私には立派な夢がすでにあるんだよね・・・)

と、リーダーの勧誘には消極的だった。そんな果南の夢とは・・・、海外でスキューバダイビングのための資格を取り、ここ沼津に戻ってきてはスキューバダイビングの仕事を行うことだった。果南の実家はスキューバダイビングを家業としていた。果南は、将来、その家業を引き継ぐつもりであった。そして、果南が好きな沼津の自然をより多くの人に見てもらいたい、そう果南は常日頃思っていた。そのためにも、浦の星卒業後は海外にわたってスキューバダイビングのための資格を取りにいきたい、果南はそう思っていた。なので、せっかくのリーダーのお誘いであるが、それはできない、ということで、果南、そのリーダーに対して、

「リーダー、ごめんなさい。私には小さいときから夢があって、それを叶えるためにもリーダーのお誘いを断らないといけないの。お誘いいただき光栄だと思いますが、本当にすみません、リーダー」

と、お断りの言葉を述べると、リーダーも、

「それは仕方がないな・・・」

と、がっかりしつつも、その果南に対し、

「なら、その夢を叶えるためにも今をもっと頑張ってくれ、果南殿!!」

と、果南にエールを送った。

 そんな果南であったが、リーダーから褒めららたことに関しては、

(でも、リーダーから褒められた・・・)

と、果南、顔をにやにやすると、さらには、

(でもって・・・、あの子と一緒になれたらいいな・・・、今はその子とはそんな仲じゃないけどね・・・)

と、何を想像しているのかわからない、そんな危険な妄想?をしていた。ただ1つだけ言えるのは、果南には気になる子がいる、ということだった。

 そんな果南だったが、フラッグが突き刺していたところからスタート位置に戻るとき、ふと内浦海岸の石階段のところに視線を移すと、その瞬間、

ドキッ

という音が果南の心臓から聞こえてきた。その果南の視線の先にいたのは・・・、

(り、梨子ちゃん!!)

そう、果南の想い人である梨子だった。実は果南、千歌と曜、梨子がAqoursを結成する前の春のある日、千歌、当時ピアノに対する過去のトラウマを抱えていた梨子の願い、「海の音を聴きたい」、それを叶えるために梨子と曜を連れてスキューバダイビングをしに果南の実家を訪れたとき、梨子が果南に相談を持ち掛けた、そのときから梨子のことが気になっていたのである。なぜなら、果南にないものを梨子はたくさん持っているから。果南は石階段にいる梨子を見てはこう思っていた。

(私はどちらかというと、みんなから、男的な存在、よく言っても、姉御的存在、だと見られることが多いんだよな・・・)

そうである。果南は家業であるスキューバダイビングによって鍛えられた泳力と筋力により、「Aqoursメンバー随一のプロモーションの持ち主」(ダイヤ談)なのだが、そんな果南の性格はというと・・・「大人っぽくサバサバした性格、短気であるがあまり物事にこだわらない」と、まるで理想の男性・・・、宝塚歌劇団でいうところの「男役」にぴったり・・・、ともほかの人からは言われていた。そのためか、まわりのみんなから、男的存在、よく言っても、姉御的存在、としか見らえていなかった。まっ、果南はとてもフレンドリーな性格でもあるため、ダイヤ、鞠莉以外の果南の友達からは、なにか困ったことがあるとまずは果南に相談する、というのがその友達のなかでのお約束、であったことも果南を姉御的存在にしてしまった原因の一つなのだが・・・。

 そんな自分のことを考えつつも、今度は、果南、自分の想い人である梨子のことを考えていた。

(そんな私に対して、梨子ちゃんはAqoursのなかでも1,2位を争うくらいの女子力のも持ち主だし、ときにはみせる乙女チックなところがあるのも好きなんだけどな・・・。やっぱ、千歌ちゃん、女性としてはとても魅力があるよ・・・)

と、梨子のことを褒める。果南が持つ梨子のイメージ像、それはとても女性的、であった。学校の昼休みや放課後、音楽室から聞こえてくる梨子のピアノの音色は果南にとってとても心安らぐものだった。さらには、梨子がときたま差し入れとしてクッキーなどを作ってはスクールアイドルの練習のときに持ってくることもあり、その女子力の高さも果南が梨子を女性的とみる理由の一つだった。あと、なぜかときどきみせる梨子の乙女チックなところも果南は好きだった。と、いうわけで、果南の身・心・胃袋、ともにしっかりがっちり掴んでいた梨子、であったが、そんな女性として魅力を感じていた梨子のことを果南はずっと憧れていた。みんなから男的な立ち位置でみられており、それが説明できるくらい男っぽい性格の持ち主である果南、対して、女性っぽい性格?の持ち主で女子力も高い梨子、果南はそんな梨子と付き合うことで梨子の女っぽいところを吸収して少しでも女としてみられたい、そんな切なる願いが果南にはあった。

 そんな、自分にとっての想い人である梨子が自分のことを見つめている、そう思ってしまった果南、

(なんか梨子ちゃんが私のことを見つめているとわかると、なんか恥ずかしいよ~)

と、梨子の自分への視線に少し照れてしまっていた。

 が、梨子の視線で照れてしまっていた果南に対し、リーダー、げきを飛ばす

「果南殿、なに照れっとしている!!僕が褒めたからっていい気になるな!!ほら、もう一回行くぞ!!」

このリーダーのげきに、果南、

(あっ、そうだった!!まだ練習中だった!!しっかりしないと!!)

と、にやけていた表情から一転引き締まった表情になるとそのままスタート位置に戻ってはビーチフラッグの練習を続けた。

 

 こうして大学生たちと一緒に練習に明け暮れていた果南、気が付くとすでに夕方になっていた。と、いうわけで、大学生のリーダーからは、

「よし、今日はここまで!!」

と、今日の練習を終えることを宣言すると、その仲間たち、果南、ともに、

「ありがとうございました!!」

と、大きな声で返事をした。

 そんなわけで、大学生たちと果南のライフセービングの練習は無事に終了、過酷ともいえるライフセービングの練習についてこれたことを大学生の仲間たちから褒め称えられた果南は近くの海の家(浦の星の自治会運営)で制服に着替えると急いで汗を流しに千歌の家である旅館へと向かっていた。

 その道の途中、果南はある商店の前でたむろしている男性の集団を発見する。その集団を見つけた果南、

(あれっ、なんかまったく知らない男たちがいるね!!でも、よく見てみたら、男たち、なんか、女の子を囲んでいるね!!)

と、まったく知らない男たちが女の子を囲んでいることに気づく。果南、その囲まれている女の子が気になり、それが誰なのか目を凝らしてみてみると、それがだれかすぐにわかった。

(あっ、あれって、梨子ちゃん、じゃない!!梨子ちゃんがまったく知らない男たちに囲まれている!!)

自分の想い人である梨子が男たちに囲まれている、それに気づいた果南、その梨子の様子をよく見てみると、

(梨子ちゃん、とてもいやがっている!!あんなに梨子ちゃん怯えているのに、男たち、そんなこと無視して梨子ちゃんに襲い掛かろうとしている!!)

と、今にも梨子が男たちに襲われそうになっていることに気づく。

 こうなると、考えるより体が先に出ちゃう果南の性格なのか、果南、

(梨子ちゃんを助けないと!!)

と思うより前に梨子のところに駆け寄ると、梨子を取り囲んでいる男たちに向かって、開口一番、

「お前たち、これ以上梨子ちゃんに近づくな!!」

と、大きな声で威嚇した。

 と、同時に、突然の果南の登場で唖然とする男たちを尻目に、果南、その男たちのなかをかき分け、

(梨子ちゃんは私が絶対に守る!!たとえ私が犠牲になっても最後まで梨子ちゃんを守るよ!!)

と、梨子を絶対に守る、そんな強い決意を示すかのように完全な仁王立ちの姿で梨子の前に降臨したのである。それはまるで、梨子の守護神、のようだった。

 であるが、男たち、彼女(梨子)を助けにきた女性(果南)も所詮はただの女子高生・・・としか思っていなかったらしく、

「はっ、ただの女子高生じゃないか!!こんなもの、怖くもかゆくもないわ!!」

と、果南のことをかなりなめていた。これには、果南、

(私のことをなめているなんて、男たち、なにを考えているのやら・・・)

と、男たちの態度にうんざりしつつ、

「だからってそれがどうした!!」

と、果南、男たちに向かって威勢を張る。

 ところが、そこから男たちの反撃が始まる。

「威勢を張るのだけはいっちょまえだな!!」「いつまで王子様気取りをしているつもりでちゅかね!!」

と、果南のことを小ばかにする男たち。これにはいつもは我慢強い果南からしても、

(うう、私のこと、バカにして・・・)

と、悔しい思いになるも、それを言い返すことができない自分を恥じているのか、果南、

「うぅ」

とうなっては悔し顔になってしまった。

 が、男たち、調子に乗りすぎて言ってはいけないことまで言ってしまう。なんと、梨子に向かって、男たち、

「おい、そこの威勢だけはいっちょまえの王子様(果南)に守られているだけのかわいそうな子(梨子)よ、いつまでもそんな王子様に守られないといけないのでちゅかね~。本当にかわいそうでちゅね~」

と、梨子のことまで小ばかにしてきたではないか!!これには、自分のことだけならともかく、自分の想い人である梨子のことまで小ばかにしてきたこと、そのことに、果南、

(ゆ、許せない!!この私を小ばかにするだけだったらいいよ。でも、私にとって大切な存在である梨子ちゃんのことまで小ばかにするなんて、絶対に許せない!!)

と、怒りMAXの状態になると、ついに果南の我慢の限界を超えてしまった。そして、その限界を迎えた瞬間、

プチッ

という果南の堪忍袋の緒が切れる、その音が果南の体中に響き渡った。これにより、果南、鬼の形相の表情で男たちに向かって怒声を浴びせる。

「私のことだけならまたしも、梨子ちゃんのことをバカにするなんて、もう許せない!!」

ついに果南がキレた。こうなるとだれも果南を止めることができない。果南、男たちに向かって手をあげて張り手をぶちかます態勢をとる。これには男たちも、

「ヒッ!!」

と、言っては身を構えてしまった。

 そして、果南、男たちに向かってついに張り手をぶちかます・・・わけでもなかった。果南、なぜか、果南、男たちに向かって張り手をぶちかます素振りをして、そのまま回れ右、そのまま梨子の後ろにある自販機に向かってなぜか張り手をぶちかましたのだった。これには、男たち、唖然になるも、すぐに、

「なんで自販機に、張り手、いや、壁ドン、しているんだよ!!」

と、自販機に張り手をぶちかました果南のことをバカにする。

 が、果南、いたって真面目であった。果南、自販機に張り手をぶちかましたのに、男たちはビビるどころか果南のことを小ばかにしてきたことに、

「あれっ?たしか、昔見ていた特撮番組・・・、たしか、「シャゼリア☆キッス」で、「シャゼキス☆エメラルド」が壁ドンしたら敵はみんな戦意喪失しちゃうんじゃなかったの?私、それを真似して、今、やったのに、なんで、男たち、ひるまないの・・・)

と、少し困ってしまう。そう、果南、実はとても純粋な心の持ち主、だったりする。果南はもともとまっすぐな性格であったため、人の言ったことをなにも疑わずに信じてしまう、そんな純粋な心の持ち主であった。そして、それがこの場面でも発揮された。果南が小さいときに見ていた特撮番組「シャゼリア☆キッス」で、その特撮番組の主人公たち「沼津戦隊シャゼリア☆キッス」のメンバーの1人、エメラルドが敵に襲われているその戦隊のメンバーの一人であった桜を助けるためによく桜に対して壁ドンをしていたのだ。で、その壁ドンに敵は戦意喪失、そのまま逃げていく、というのが番組のお約束、だったが、それを、小さいときの果南、そのお約束をそのまま鵜呑みにしてしまった。こうして、そのお約束ごとは、果南にとって、「壁ドンをすれば敵は逃げていく」、そんな認識に変わってしまい、今の今まで生きてきたのである。で、それをここで初めて実践してみせた・・・のだが、いわずもがな、そんなことをしても男たちが戦意喪失する・・・はずもなく、それどころか、その壁ドンをした果南のことをバカにする始末。まっ、果南の純粋な心、果南がときどきみせる「天然」にもつながるのですが・・・。

 しかし、このとき果南の自販機への張り手、意外にもある少女には効果絶大だった。その少女の名は、梨子。梨子、自分の顔の近くで果南が突然張り手をぶちかます・・・、いや、壁ドン、をしたことで梨子の心がオーバーヒート、いつ梨子の心臓が破裂するかわからない、いや、本当の意味で機能不全に陥ってしまった・・・。

 あっ、ちなみに、これは果南の名誉のために言っておくが、果南が自販機に向かって張り手・・・、もとい、壁ドンをした理由はもう一つあって、壁ドンをすることでちょうど果南が梨子を覆う形になるので、もし、男たちが梨子を襲ってきたとしても果南自ら壁となって梨子を助ける、そんあ意味合いもあった・・・、たぶん・・・。

 

 と、いった具合に、(男たちにとって)無駄とも思えた果南の壁ドン・・・であったが、このあと、意外な結末を迎える。男たちは今なお果南と梨子のことをバカにして笑っていたのだが、突然、

コトンッ

という音が聞こえてきた。それに気づいた男たちのうちの1人が自分の足元を見ると、そこにはなぜか未開封の缶ジュースが1つころがっていた。

 そして、その缶ジュースを拾い上げたそのとき、男たちに悲劇が起きる。なんと、果南が張り手をした自販機から変な音が聞こえてくると、その自販機の取り出し口の扉が突然「コトンッ」と自販機の下に落ちてきた。と、同時に、

グワンッ!! グワンッ!!

と、その自販機の取り出し口から大量の缶ジュースたちが飛び出してきたではないか!!

 その自販機の取り出し口から飛び出してきた大量の缶ジュースたちだが、果南と梨子に・・・じゃなく、果南と梨子をなぜか避けつつも、男たちに向かって山なりに飛んでくると、そのまま男たちに次々とクリーンヒットしていく。それはまるで節分の豆まきみたいだった。それでも大量の缶ジュースたちは面白いように男たちのいろんなところにヒットしていく。男たちの膝、おなか、さらには、弁慶の泣き所、しまいには、

キーン

と、男たちの急所にもヒットしてしまう。これには、男たち、悲鳴をあげるしかなかった。

 で、これには、果南、ちょっと体をそらして男たちの方を見ると、面白いように男たちに缶ジュースが次々とヒットする様子を見て、

(な、なにが起きているの・・・?もしかして、「シャゼリア☆キッス」の再現?)

と、ちょっとびっくりしてしまう。「シャゼリア☆キッス」のエメラルドの壁ドンシーンであるが、もっと詳しくいうと、エメラルドが壁ドンをしたものの、あまりに勢い過ぎて壁そのものを破壊、もしくは、壁に手がめり込んでしまうというオチがついていた。で、それを見た敵はエメラルドのあまりのパワーのすごさに戦意喪失して逃げてしまうのである。が、今回の場合、それに近いことが起きてしまった。果南の壁ドンのパワーがすさまじく、運悪く?自販機そのものを壊してしまったのだ。これにはその自販機を壊してしまった果南すら、

「ハハ、ハハハ・・・」

と、苦笑いするしかなかった。

 

 そして、この男たちの悲鳴はある人物にも聞こえていた。その人物は内浦海岸での練習を終え、軽めのランニングをその人物の仲間たちと一緒にしつつ合宿先のホテルへと戻ろうとした、その道の途中で、突然、

「痛い!!」「痛い、痛い!!」

という悲鳴を耳にすると、その仲間の一人が、

「おい、誰か悲鳴をあげているぞ!!」

と、悲鳴のする方を指さして言うと、その人物も、

「これはなにかが起きているぞ!!俺たちはライフセーバーだ!!悲鳴をあげている人を助けるのが信条だ!!みんな、行くぞ!!」

と、言って、悲鳴をあげた人物、つまり、(梨子を取り囲んでいた)男たちのもとに急行する。

 が、その男たちに近づくなり、その人物は悲鳴をあげた男たちの正体を知る。その人物はその男たちに近づくと、こんなことを言いだした。

「おい、悲鳴をあげている人って、僕たちの後輩、じゃないか!!たしか、今日は用事があるって練習を休んでいたはずじゃ・・・」

そう、梨子を取り囲んでいた男たちの正体はこの人物の後輩たちだった。今日は用事で練習を休んでいたのに、なぜここにいるのか不思議に思ったその人物はすぐに男たちこと後輩たちの方をよく観察する。すると、そこには、女子高生2人、がいるではないか!!後輩たち、なんと、女子高生2人を取り囲んでいたのだ。

「おい、もしかして、後輩たち、女子高生たちに迫って悪いことをしようとしているのではないか!!」

と、その人物は後輩たちが女子高生たちに対してなにか悪いことをしようとしている、と判断する。そして、その後輩たちから取り囲まれている女子高生2人のうちの1人がその人物がよく知る子だったことに気づき、

「おい、後輩たちが取り囲まれている子のうちの一人は果南殿だぞ!!あの果南殿が後輩たちに襲われているぞ!!」

と、今さっきまで一緒に練習していた(後輩たちに取り囲まれている女子高生のうちの1人こと)果南が自分の後輩たちに襲われているとも判断してしまう。

 そして、ついには、その人物、

「後輩たちめ~、この○○大学ライフセービング部に泥を塗りつけるつもりだな!!おい、お前ら、果南殿をお助けするぞ!!」

と叫ぶと、その仲間たちも、

「オー!!」

と威勢をあげ、その人物は仲間たちと一緒に後輩たちのところまで駆け足で駆け寄ってきた。そして、その人物が開口一番、後輩たちに向かって、

「おい、お前ら、なんでそこにいるんだ!!」

と、怒鳴り込んできてしまった。これには(梨子を取り囲んでいた)男たちことその人物の後輩たちも、その人物を見てびびったのか、なぜか「気をつけ」の姿勢をとってしまう。これにはパニックを起こしていた梨子もその声がするほうを向いてしまった。

 むろん、果南もいきなり怒鳴り込んできたその人物とその仲間たちを見てはこう叫んでしまった。

「あっ、今さっきまで私と一緒にライフセービングの練習をしていた大学生のみなさん!!」

そう、その人物たちこそ、果南と今さっきまで一緒にライフセービングの練習をしていた大学生のみなさん、だった。その人物こと大学生たちのリーダーは果南に対し今度は後輩たちが果南のお世話になっていることを言うと、果南、

(ふ~ん、こりゃ、この男たち(大学生の後輩たち)にきついお仕置きをする絶好の機会ですね~)

と、なにか悪だくみが浮かんだのか、その大学生のリーダーに向かってこんなことを言ってしまう。

「あなたの後輩さんには本当にお世話になりました!!特に、私の後輩(梨子)がかなりお世話になったみたいです、悪い意味でね・・・」

この果南の言葉を聞いた大学生たちのリーダー、後輩たちをにらむと、ついに後輩たちに怒りの鉄槌を下した!!

「お前ら、なにをしているんだ!!か弱い女子高生に向かって無理やり迫るなんて、なんてことをしてくれたんだ!!それでも男の端くれか!!」

このリーダーの怒りの言葉を聞いた後輩たち、いろいろと言い訳をするも、リーダー、聞く耳持たず、すぐにバスを手配、そのバスが来ると後輩たちをバスの中に放り投げ、果南と梨子に対し、後輩たちが2人に迷惑をかけたことへの謝罪と(果南が壊した)自販機の弁償の約束をすると、そのままバスに乗ってどっかに行ってしまった。

 この一連の流れに、果南、梨子、ともに、

「「・・・」」

と、無言になるしかなかった。ただ、果南にしてみれば、

(私の愛しい存在である梨子ちゃんに迷惑をかけた、そんな男たち(大学生たちの後輩たち)に天罰が下ったんだもの、ちょっと嬉しいかな)

と、ちょっと嬉しい気持ちになっていた。

 ちなみに、梨子を取り囲んでいた男たちこと○○大学ライフセービング部の後輩たちであるが、そのまま東京へと強制送還となり、ライフセービング部を強制退部させられ、さらには、大学の方から、退学、とまではいかないまでも、相当厳しい罰が下されたそうな。さらに、果南が壊した自販機の弁償のために日夜そのリーダーの監視のもと、バイトに明け暮れていたそうな。ご愁傷様です・・・。

 

 そんなわけで、大学生たちが帰った今、その場には果南と梨子しかいなかった。が、果南、あることに気づく。

(よくよく考えたら、私、(Aqoursのなかで一番愛しい存在である)梨子ちゃんに、壁ドン、しちゃったんだよね・・・。私、男たちから梨子ちゃんを守るためにおまわず、壁ドン、しちゃったけど、今、それを思うと、なんだかとっても恥ずかしいよう~!!)

果南にとって一番愛しい存在であった梨子に壁ドンをした事実、それは、いつもはクールを装っている果南にとってみれば、そのクールさすら忘れるほどとても恥ずかしいこと、だと、今になってようやく認識したみたいだった。

 そんな恥ずかしい思いになってしまった果南、さらには、

(そんな梨子ちゃんに壁ドン・・・、それってどこかのゲーム、マンガ、アニメにでてくるあれだよね!!それを、今、私がしたんだよね!!もしかして、私、どこかのアニメの男役!!そう考えると、私、もっと恥ずかしくなってしまったよ~!!)

と、梨子に壁ドン、それがどこかのゲーム・マンガ・ゲームの男の人がヒロインに壁ドンをする、そんな行為に似ていることに、果南、さらに恥ずかしい思いになる。こうして、果南、パニックを引き起こしてしまい、まるで慌てふためいているみたいになってしまう。 

 そんな果南だったが、ふと梨子の方を見ると、梨子もなんか慌てふためいていた。まっ、梨子も梨子で果南から壁ドンされたことで果南と同じくパニック状態に陥っているのだがね・・・。

 が、この梨子の様子に、果南、

(やばいよ~!!梨子ちゃん、私に壁ドンされたこと、まんざらでもない様子だよ~!!私、もっともっと恥ずかしくなったよ~)

と、果南が壁ドンされてことに、梨子、まんざらでもない、と、勝手に誤解、さらに恥ずかしい思いをしてしまった。

 で、果南、すっごく恥ずかしい状態なので、いつもはクールをみせる果南の顔が真っ赤になってしまう。これには、果南、

(こんな顔、梨子ちゃんには見せたくないよ~!!はやく逃げたいよ~!!)

と、思ったのか、突然、自分の手を引っ込めて壁ドン状態を解除、そらには、その手で自分の顔を隠してしまった。

 そして、顔を隠した果南、

(梨子ちゃん、ごめん!!私、帰るね!!梨子ちゃん、勝手に壁ドンしてしまって本当にごめんなさい!!)

と、勝手に壁ドンしたことを心の中で梨子に謝ると、そのまま千歌の家である旅館へと走りさっていってしまった。

 

 その日の夜・・・。

「う~、眠れないよ・・・」

と、果南はそう言うと、自分のベッドから起きてしまった。どうやら、果南、興奮しすぎて眠れずにいたみたいだった。

 ベッドから起き上がった果南はそのまま部屋の外に出る。そして、果南、夜空を見上げてこう思った。

(今でも、あのときの思い出、愛しい存在である梨子ちゃんに壁ドンしたこと、それをすぐにでも思い出しちゃうよ~!!そんなこと、思い出しちゃうだけで、私、胸のドキドキ、止まらなくなっちゃうよ~!!)

どうやら、梨子に壁ドンしたことを、果南、すぐに思い出しては、そのときの恥ずかしさがこみあげてくる、みたいだった。これにはさすがの果南も参っているようだ。

 そして、果南、キレイな夜空に向かってこう叫んでしまった。

「私、明日からどう梨子ちゃんと接していけばいいのですか~!!誰か教えてください!!」

 

 ここからは余談ではあるが、この果南の壁ドン事件(千歌命名)のあった翌日から数日間は、果南、梨子、ともにちょっと気まずい雰囲気になるのだが、千歌、この2人の様子を見て、勝手に「恋の悩み」が原因であると解釈(まっ、間違いではないのですがね・・・)、2人をくっつけようといろいろと裏で画策しては暗躍するのだが、それによって2人の関係はさらにこんがらってしまうのであるが、それはまた別の話である・・・。 (了)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。