ラブライブ!アラカルト   作:la55

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Brightest Melody~つながる心~ Selfish Princess & Kind Prince with Bad Mother ver

Brightest Melody~つながる心~

 

Selfish Princess & Kind Prince with Bad Mother ver

(わがまま姫と優しき王子with 悪い母 ver)

 

シンデレラ、白雪姫、ラプンツェル・・・、ヨーロッパの童話であるがヒロインである少女やお姫様が主人公の作品が多かったりする。そして、その多くが悪役である悪女・継母などによって主人公である少女やお姫様に危機的状況に陥ってしまうもののヒーロー役である王子様によってそのお姫様は救われては幸せになる展開だったりする。で、なかには、悪役である悪女・継母は最後、死に等しいくらいの制裁をくらわせる作品もあったりする。それくらい残酷な童話もあるのだが、現在、童話はいろんな人たちのいろんな解釈によって1つの巨大エンターテイメントとして遊園地のテーマの1つや娯楽アニメ映画になったり、アニメや漫画、小説などの題材になっていたりする。それくらいこの世界には童話が広く浸透しているのである。

 そして、今、1つの童話が新しく作られようとしていた。それはあるわがまま姫とその姫と永遠の誓いを結んだ王子様、それを快く思っていないために2人の仲を切り裂こうとする悪役である母親、この3人が繰り広げる新しい童話である。この童話も多くの童話と同様に姫を悪役である母親が危機的状況に陥れるも王子様がそれを救う、そんな展開になるのだろうか。それとも、まったく別の展開をみせるのだろうか。それはまだわからぬ。

 けれど、忘れてはいけない、結末は1つとは限らないのだから・・・。

 

 それでははじめよう、新しい童話を・・・。

 

「鞠莉、星が綺麗だね!!」

そう果南が隣にいる鞠莉にそう言うと、鞠莉も、

「うん、果南、まるで今のマリーたちを慰めているので~す!!」

と、果南に同意する。ここはイタリア・ローマのホテル。運命の日を明日に控えているなか、果南と鞠莉は自分たちが寝泊まりしている部屋のベランダに出ては一緒に星空を見上げていた。少し肌寒いものの、鞠莉と果南からすればお互いを温め合ういい機会ということで2人とも寄り添ってお互いを、体、心、ともに温めあっていた。

 そんな2人だったが、突然、鞠莉は果南にこう言いだした。

「ねぇ、果南、私のこと、LOVE、だよね?」

これには、果南、

「そうだよ!!鞠莉、私も鞠莉のこと、とても好きだよ!!」

と、チョコが溶け出すくらいの甘い声で応えると、鞠莉も、

「うん、私も果南のこと、LOVE、だよ!!」

と、甘く言い返してきた。そう、2人は本当にお互いのことを、LOVE、していた。Sweet heart(恋人)、いや、お互いのことをGirlfriendといってもいいだろう、それくらい、LOVE、しあっていた。

 そんな恋睦まじい仲の2人であったが、突然、鞠莉が果南にこんなことを尋ねてしまう。

「ねぇ、果南、私、いつ、果南のこと、好きになったのか、知っている?」

これには、果南、少し考えて元気よく答えた。

「え~と、中学卒業のときに鞠莉から告白してきたから、中学のときからかな?」

鞠莉が果南に告白したのは中学卒業のときだった、それから逆算すると中学のときから、そう判断した果南。

 が、これには、鞠莉、

「果南、ふざけないでよ!!果南、叩くよ!!」

と、果南に逆ギレ!!これには、果南、

「ごめん、ごめん!!でも、ほんと、鞠莉がいつごろから、私のこと、好きになったのか、知らないんだよね・・・」

と、鞠莉に真実を話す。これに、鞠莉、

「あ~、果南の鈍感ぶりはold(昔)からで~す!!」

と、がっかりするも、果南、

「それはすいませんですね~」

と、少々ご立腹の様子。これには、鞠莉、

「果南、ソ~リ~、ソ~リ~、で~す!!」

と、なぜか謝っていた。

 そして、鞠莉は果南からある真実を話す。

「マリーからしたら果南とのFirstContact(初めて会ったとき)からで~す!!」

これには、果南、

「えっ、あのときから・・・」

と、絶句。鞠莉、絶句したためか口がポカーンとなっている果南に対し、そのときのことを話す。

「果南、最初から、マリーとハグ、したでしょ!!あれ、マリーからすれば「愛しているぜ!!」のマークだったので~す!!」

これには、果南、

「鞠莉、それってただのハグ、だよね・・・」

と、唖然となるも、鞠莉、

「私、日本に来る前、いろんなこと、Study(勉強)していたので~す!!そのなかで、日本でいうハグ、「私、あなたのこと、愛しています」の意味だったと知ったので~す!!」

と、なんなわけのわからないことを言ってしまう。これには、果南、

「日本と世界でハグの意味が変わるわけないでしょうが!!」

と、まりにツッコんでしまった。

 しかし、鞠莉は果南のツッコミをかわしつつも果南にそのときの想いを伝えた。

「果南、たとえそうだったとしても、あのときの果南の行動、マリーからすれば「ひとめぼれ」だったので~す!!海外から引っ越したばかりのマリーにとってあのときは独りぼっちでした。でも、あのときの果南からのハグのおかげでマリーのworld(世界)は一瞬のうちに広がりました!!それくらいのことを果南はしたので~す!!そんなマリーにとって恩人である果南に、私、本当に一目ぼれ、したので~す!!」

鞠莉が小3のころ、世界中にホテルチェーンを展開している両親の仕事の関係でここ沼津に引っ越してきた鞠莉、イタリア系の血をひいていることもあり、当時から鞠莉の金髪と外国人譲りの美しい容姿はとても目立つものだった。そのためか、鞠莉は転校当初からクラスでは浮いた存在になっていた。が、それが珍しもの好きの果南の興味を注いだのだろう、果南とダイヤはこっそり鞠莉の実家であるホテルオハラ沼津淡島の忍び込み、1人庭で遊んでいた鞠莉と遭遇、突然のことで少しおびえてしまった鞠莉に対し果南は、果南の代名詞、ハグ、をしてきたのだ。で、このときの鞠莉、

(あっ、彼女(果南)、マリーと、ハグ、しようとしている。もしかして、マリーのこと、好きなのかな?)

と、つい思ってしまった。とはいえ、このときの果南は鞠莉に敵意はなく、ただ、

(あの子(鞠莉)と仲良くなりたいな~。だから、ハグ、しよう!!)

と、まるで鞠莉のことを誘っている様子、だったので、鞠莉、つい、果南とハグ、してしまったのだ。こうして、鞠莉は果南とハグしたことで、鞠莉と果南、そして、ダイヤは大親友になった、だけでなく、菅んとダイヤを通じて鞠莉の世界はどんどん広がりをみせていく。最初は鞠莉と果南、ダイヤ、3人だけの世界だった。それが、3人が一緒にいろん

ンを確立していく。と、同時に、自分の世界を広げてくれた果南のことをどんどん好きになったのである。そんな意味でも果南との最初のハグは鞠莉からすればまさに「一目ぼれ」だったのかもしれない。

 そんな鞠莉の言葉に、果南、

「それ、なんか、恥ずかしいよ・・・」

と、少し照れてしまった。そんな果南に対し、鞠莉、

「で、なんで果南は、マリーのこと、好きになったので~す?」

と、逆に訪ねてしまう。これには、果南、

「わ、私の場合は・・・」

と、ちょっと頬を染めつつも、

「私の場合はね、なんかいつも鞠莉がそばにいてくれるから、いつしか、鞠莉のこと、好きになっちゃった・・・」

と、応えた。これには、鞠莉、

「それ、Answer(答え)になっていないので~す!!」

と、少しふくめっつらになるも、果南、

「それでも小3のときからずっと鞠莉と一緒にいたら、いつしか、鞠莉のこと、この私が守らないと、と、思っていたんだよ!!」

と恥ずかしながらも答えた。果南にとって鞠莉はお姫様だったのかもしれない。最初、日本に来たときの鞠莉はとてもおとなしい存在だった。慣れない日本であることに加え自分の容姿などもあってクラスメイトからよく仲間外れにされてきた鞠莉、そのため、そんな鞠莉に逆に興味を抱いてしまった果南、であったが、FirstContactで果南と鞠莉がハグしたことで果南は鞠莉のなかにあるふさぎ込んでいた鞠莉の心のロックを外してしまった。それもあってか、その後、果南と鞠莉、ダイヤと一緒にいろんなことを経験していくなかで鞠莉は本来の自分の本当の姿?であるおてんば姫、わがまま姫へと成長しより磨きがかかることになった。それに対し、果南はというと、そんな鞠莉のわがままに付き合っていくうちに、鞠莉のためならなんでもやる、いや、全力で姫を守っていく、そんな王子様、そんな風に成長していった。それについては、果南、

(おてんば姫、わがまま姫である鞠莉のことを、私、一生懸命守っていくからね!!)

と、いつしか心のなかで決意するまでになった。しかし、それこそが果南にとって鞠莉への恋心、だったのかもしれない。鞠莉というわがまま姫を守る果南王子、そんな構図が少しずつであるが果南の心のなかに芽生えていった、それこそが鞠莉への恋心だった。

 そんな果南の声の心からの声を聞いた鞠莉、ちょっと顔が赤くなっている果南に対し、

「そして、私は中学卒業と同時に果南に告白したら、OK、だったんだよね・・・」

と、果南と同じく頬を真っ赤に染めて言うと、果南も、

「うん、そうだね。鞠莉の告白で、私、自分が隠していた鞠莉への恋心に気づいちゃったんだよね・・・」

と、恥ずかしながら答えた。鞠莉はわがままな姫である。それは恋とて同じことである。果南への恋心が押さえきれなくなった鞠莉は中学の卒業のときになんと果南に告白したのだった。これには、当時の果南、

(えっ、鞠莉、それ、うそでしょ・・・)

と、驚いてしまうも、すぐに、

(でも、鞠莉の告白、私、いやじゃないよ。むしろ、嬉しいよ!!なんで、なんで?)

と、自分の心すら鞠莉の告白を受け入れようとしている気持ちにしどろもどろしてしまう。たしかにそうである。これまで果南は鞠莉のことを守っていくことを決意していたものの、それが鞠莉への恋心であると今まで気づいていなかったのである。が、突然の鞠莉の告白に、果南、

(でも、これって、私、知らないうちに、鞠莉のこと、好きになっちゃった、かもしれないね。だって、私、あのわがまま姫である鞠莉を守る王子様、なんだから・・・)

と、これまで知らないうちに隠していた鞠莉への恋心にやっと気づいたのである。わがまま姫からのプロポーズ、それは、王子様である果南にとって自分の愛する姫を見つけた瞬間でもあった。

 こうして、果南も鞠莉に対し、

(私も鞠莉のことが好き!!わがまま姫の鞠莉を守る王子様、なんだから、一生、鞠莉のこと、守っていくからね!!)

と、思ったのか、

「うん、私もうれしい!!鞠莉のこと、私も好き、大好き!!」

と、鞠莉の告白を受け入れることとなった。

 そんなプロポーズのときのことを語り合っていた鞠莉、だったが、突然、暗い表情になってしまう。それは・・・、

「でも、私、プロポーズを受け入れたのに、私のわがままで果南と別れちゃったのね、一時期・・・」

これには果南も、

「でも、あのときの私の気持ちがわかるまで2年もかかちゃったもんね・・・」

と、少し笑いながら答えた。鞠莉と果南は浦の星に入学してから付き合うようになったのだが、ダイヤを含めた想い出作り、そして、浦の星の廃校阻止のため、鞠莉、果南、ダイヤはスクールアイドル「(初代)Aqours」を結成、果南のダイナミックな踊り、鞠莉の歌唱力、そして、そんな二人をまとめ上げるダイヤの統率力により人気が爆発、東京のスクールアイドルイベントに呼ばれるまでになった。が、このとき、鞠莉、

(今の人気じゃナッシングで~す!!もっと、私の好きな果南のために頑張らないとで~す!!)

と、これまでハードなトレーニングをさらにハードにしてしまい、結果、鞠莉はほんの不注意で足を捻挫してしまったのだ。これには、鞠莉、

(今がとても大事なときなので~す!!無理してでもいくので~す!!)

と、果南に捻挫のことを黙ったまま東京のスクールアイドルイベントに強行出場・・・しようとしたのだが、そのイベントで(初代)Aqoursの出番になったとき、果南から突然こんなことを言われたのだ。

「私、このイベント、降りるね!!」

この言葉、鞠莉からしてみれば、裏切り、とも思えるものだったが、とうの果南からすると、

(これ以上大事なお姫様である鞠莉を傷つけることなんてできないよ!!)

と、鞠莉のことを思っての行動だった。実は鞠莉は知らなかったが、果南はこのとき、鞠莉の捻挫のことを知っていたのである。そのため、自分にとって大事な姫である鞠莉をこれ以上傷つけたくない、と、思い、こんなことをあえてしたのである。

 が、そんな果南の思いなんて知らない鞠莉はこの果南の行動に激怒、2人はそのことがきっかけで別れてしまい、鞠莉は、「愛した果南から裏切られた」と、思ったまま、イタリアへと留学してしまったのだ。こうして、鞠莉はそれによりスクールアイドルを引退、果南もそれを負い目に感じたのか、

(もう、こんな思いはいやだよ!!もうスクールアイドルなんてやらないよ!!)

と、スクールアイドルをもう2度としないと心に誓ってしまった。

 が、浦の星の廃校問題はいつのまにか解決・・・するどころか1年生が1クラスだけというくらいに悪化してしまう。これには、鞠莉、

(このままだと私の好きな浦の星がなくなってしまいま~す!!これではいけないので~す!!)

と、危機感を持ったのか、3年になると、鞠莉、母親の反対を押しきって浦の星に帰還、浦の星の大スポンサーである自分の父親に頼み込み浦の星の理事長になると、1年の自分みたいにスクールアイドルを目指している千歌たちのことを全力でサポートしてしまう。で、ダイヤも別の形で千歌たちのことをサポートしていたのだが、そんな千歌たちも自分と同じく東京のスクールアイドルのイベントで傷ついてしまった。と、同時に、千歌たちも鞠莉が1年のときのことを知る。のだが、そのとき、鞠莉はダイヤから果南の1年のときにイベントを降りた時の思い、大事な鞠莉を守りたい、それを知ることになる。これには、鞠莉、自分の長年の勘違いを恥じてしまうと、雨の中、浦の星へと鞠莉は走ってしまった。

 そして、浦の星のスクールアイドル部の部室にいた果南を見つけては、

(果南、私、バカだったわ!!私、あのとき、果南から裏切られたと思ったの!!でも、本音は私のミステイク、だったわ!!私のことが好きだから、私のこれからのこと、心配してくれたからしたことだったのですね・・・)

と、心の中で果南に謝りつつも、

(そんな鞠莉から果南に送ります。なんて回りくどいことをしたの!!このわからずや!!)

と、鞠莉、果南に平手打ちをくらわしてしまう。だが、それでも、果南、

(鞠莉からすれば私は裏切り者かもしれない。けれど、こんな私を許してくれるなら、私、鞠莉とよりを戻したい!!)

と、鞠莉に対してハグを求めてしまった。これには、鞠莉、

(果南のわからずや!!だけど、私もわからずや、でしたね・・・。だって、果南の気持ちを、マリーのこと大事にしたい、そんな愛溢れる想いを私は2年間も気づきもしなかったのよね・・・。だから、私、失った2年間を埋めるため、果南のこと、許しちゃうもんね!!)

と、果南からのハグを受け入れてしまった。このとき、果南、

「おかえり、私のわがままお姫様・・・」

と、心優しく鞠莉に言うと、鞠莉からも、

「うん、ただいま、私の王子様!!」

と、優しく微笑み返した。

 こうして、よりをもどした鞠莉と果南はダイヤとともに、千歌たち、今のAqoursをスクールアイドルの先輩としてまとめ上げると、次に進む道を決めている千歌たちのことを全力でサポートしていった。そうしていくうちにAqoursは浦の星を、いや、沼津を代表するスクールアイドルへと成長、浦の星の廃校阻止という目標は達成できなかったものの、スクールアイドルの頂点、ラブライブ!を優勝することができた。1つの頂点を極めた鞠莉と果南、そのことは、鞠莉、

(私、愛する果南と一緒にスクールアイドルの頂点に立ったわ!!マリーたちの努力、無駄じゃなかったわ!!)

と、思えるくらいとても満足、いや、鞠莉、果南、ともに大きく成長したことを示すものとなった。

 

 だが、2人の仲を切り裂こうとする存在がついに出現してしまった・・・。鞠莉、突然、これまでの思い出話を切り裂くようにこんなことを言いだしてきた。

「でも、この私たちの仲を切り裂こうとする存在が現れたので~す!!」

これには果南も呼応する。

「たしかにそうだね。まさかあの人が出てくるとはね・・・」

 そして、鞠莉はそんな鞠莉たちの仲を切り裂こうとする存在の名を口にする。

「まさか、my mother・・・、鞠莉‘sママが私たちの仲をcutする(切り裂く)ことをしようとしているなんてね・・・」

そう、2人の仲を切り裂こうとしている存在、それは鞠莉の母親、鞠莉‘sママだった。この母親の存在をk対をした途端、果南から、

「あまりに固い考えの持ち主だと思うと、私、なんかむっとくるよ!!」

と、言うと、鞠莉も、

「たしかにそうです!!あんな親になりたくないです!!」

と、果南に同意してしまった。

 まぁ、それくらい2人が気嫌いするもの仕方がなかった。だって、ここイタリアに鞠莉たちが逃げてきたのも鞠莉‘sママのある一言がきっかけだった。

 ときは鞠莉たちがイタリアに来る前、つまり、浦の星を鞠莉たちが卒業したあとのときまで遡る・・・。

 

「いつも見ている人たちだけど、改めて付き合っていることの報告のために行くとなると、なんか緊張するな・・・」

浦の星の卒業式の翌日、鞠莉と果南は結婚を前提に付き合っていることの報告を、果南、鞠莉、その両親にするため、お互いの家を訪問しようとしていた。午前中は果南の家。ここでは幼馴染で鞠莉のことをよく言っていることもあり、猛烈に反対される・・・どころか思いっきり歓迎されてしまい、莉と果南、2人ともちょっと戸惑ってしまった。

 が、今度は鞠莉の家である。鞠莉の父親は世界でも有数のホテルチェーンの社長、なので、そのことがネックになるのでは・・・と鞠莉と果南は考えていた。そして、問題はもう一つ・・・、

「あの母親が一番ネックですね・・・」

と、鞠莉が1番心配していたことを口にしてしまう。鞠莉が果南との結婚のことで一番問題と思っている存在、それは、鞠莉の母親、鞠莉‘sママ、だった。では、なんで、鞠莉‘sママが1番問題なのか。それは・・・、

「マリーの行動に対して逐一突っかかってくるからで~す!!」

そう、鞠莉‘sママは鞠莉の日頃の行動をよく思っていなかったからだった。鞠莉‘sママは鞠莉が小さいときから母親の監視下でずっと家の中で育ってきた。それは大事な娘に悪い虫がつかないようにしていたからだった。が、鞠莉の父親の都合で沼津に引っ越したものの娘の鞠莉を地元の小学校に通うことに鞠莉‘sママはさきほどの理由で猛烈に反対するも結局はしぶしぶ了承、鞠莉は地元の小学校に通うことができたものの、鞠莉‘sママの監視の目もあってか、鞠莉は学校の中でも浮いた存在となっていた(むろん、金髪や外国人みたいな見た目など、まわりのみんなとは違う鞠莉の容姿も鞠莉が浮いた存在になった原因の一つになったのですがね・・・)。が、それが果南の興味を引く結果となってしまった。鞠莉の実家であるホテルオハラ沼津淡島に忍び込んだ果南とダイヤはたまたま庭で遊んでいた鞠莉と遭遇してしまう。こうして、運命の出会いを果たした鞠莉と果南はダイヤと一緒にことあるごとに鞠莉をホテルから脱走させてはいろんなところに連れまわったのである。こうして、鞠莉は(鞠莉‘sママ曰く)悪い虫である果南とダイヤに取りつかれてしまい、鞠莉の本性、つまり、自由奔放なわがまま姫へと成長してしまったのである。もちろん、鞠莉‘sママも果南・ダイヤ対策をずっとやってきた。もともと2階に住んでいた鞠莉を、3階へ、4階へと鞠莉が脱走するごとに住む部屋を変えていき、鞠莉が脱走するのを防ごうとしていた。が、鞠莉の方が1枚上手だった。たとえ住む部屋の階をあげていってもそれに対応した脱走方法を考案してはその都度脱走していったのだ。こうして、なんと最上階まで鞠莉を住む部屋をあげていったものの、鞠莉の脱走はやむことはなかった。こうして、自分の言うことを聞かずに脱走を繰り返す鞠莉の姿をみては、鞠莉‘sママ、

「あのハグ~(果南)とですわ~(ダイヤ)、絶対に許すまじ~!!」

と、果南とダイヤに対し恨み節をきかせることが多くなった。

 しかし、鞠莉が浦の星に入学してから状況は一変する。何度もイタリアに留学するように鞠莉に言うもいつも鞠莉から一蹴されてしまうのがオチだった。だが、初夏のころに突然鞠莉から、「留学の話を受け入れる」、という言葉を耳にしたからだった。これには鞠莉‘sママからすれば、

(ついに鞠莉は私の言うことを聞くことになったのですね~)

と、心より喜んでしまったほど嬉しいことだった。あの悪い虫である果南とダイヤから離れることができる、ようやく自分の言う通りに動いてくれる、そう思ったからだった。

 そんなわけですぐに鞠莉の留学の手続きを鞠莉‘sママ自ら行うと、そのまま、鞠莉と鞠莉‘sママは留学先であるイタリアへと飛んで行ってしまった・・・のだが、とうの鞠莉はというと・・・、

「うぅ、このままママの言う通りに生きるなんて嫌で~す!!マリーはマリーの進む道を行くだけで~す!!」

と、自分の母親の言う通り、イタリアの留学を続けるなんて嫌である、と、思うようになり、さらには・・・、

(マリーはマリーがしたいことをするので~す!!そうです、マリーは果南とダイヤと一緒にスクールアイドルをやって、今度こそ、マリーと果南、ダイヤの大切な場所である浦の星を廃校の危機から救うので~す!!)

と、かねてからもっていた自分の想いを爆発させようとしていた。

 とはいえ、今はそのときではない、そう思った鞠莉は鞠莉‘sママの言うことを聞いた振りをしてイタリアで勉学に励むとともに自分の野望を叶えるための下準備を陰で進めていた。

 そして、鞠莉がイタリアに留学してから2年後、ついに鞠莉は行動を起こすことになる。鞠莉、鞠莉‘sママの監視の目を盗んで日本に極秘裏に戻ってしまったのである。鞠莉曰く、

「マリーの好きな浦の星が廃校の危機なので~す!!だから、マリーはそれを救うので~す!!」

とのこと。まぁ、鞠莉からすれば自分の野望を叶えるために勝手に戻った・・・だけでなく、自由であることが好きであり自由奔放なわがまま姫である鞠莉が鞠莉‘sママという監獄の城から脱出した、といっても過言ではないかも・・・。とはいえ、実は、鞠莉が大好きな浦の星がついに廃校になってしまうくらいの危機的状況に陥っていることは小原家にも伝わっており、それに鞠莉が呼応した、というのが鞠莉が日本に戻った理由・・・、というか、鞠莉の言い訳、が成り立つわけでして・・・。

 そんなわけで、鞠莉、鞠莉‘sママの監視の目を盗んで日本の浦の星に舞い戻った・・・のだが、鞠莉‘sママ、そんな鞠莉をすぐにイタリアへと連れ帰しに日本に来る・・・わけでもなかった。いや、できなかった。なぜなら、鞠莉はそんなことすら予測して先手を打っていたのである。それは・・・、鞠莉自身が浦の星の理事長に就任したからだった。鞠莉の父親は浦の星の大スポンサーでもあった。なので、これまでは鞠莉の父親が浦の星の理事長・・・だったのだが、鞠莉の父親は世界的なホテルチェーンの社長でもある、なので、浦の星の理事長として働く時間がないくらい多忙であった。そこに浦の星の廃校問題が持ち上げってきたもんだから、鞠莉の父親、なんとかして浦の星を守ろうと思うも、あまりの多忙さゆえにそれに割く時間がない、さぁ、困った・・・といったところに鞠莉がそんな父親の代わりに自分が浦の星の理事長に就任する、と、言ってきたのである。それは鞠莉の父親からすれば、渡りに船、だった。そんなわけで、鞠莉の父親、鞠莉の願いを聞き入れることにしたのである。一方、鞠莉としても浦の星の理事長になるメリットはあった。一度理事長に就任してしまえばたとえ自分の母親であっても鞠莉をイタリアへと勝手に連れ戻すことができなくなるのだ。だって、浦の星の理事長になった鞠莉を勝手に連れ戻してしまうとまわりから無責任だと言われてしまうから。鞠莉は自ら進んで廃校問題に揺れる浦の星の理事長をかってでたのである。そんな鞠莉を鞠莉‘sママの勝手な理由でイタリアに連れ戻したとなれば「自分のわがままで浦の星の理事長である鞠莉を勝手に連れ戻した。それこそ、自分勝手な職場放棄を鞠莉にさせたことになる。それ、すなわち、小原家の顔に泥を塗ったことにつながる」、と、まわりから見られてしまうものなのである。そんなわけで、鞠莉‘sママ、鞠莉が浦の星の理事長であるあいだは鞠莉に手を出せずにいた。そして、鞠莉はそれをいいことに果南とよりを戻した、だけでなく、(浦の星の廃校を阻止したい、という自分の願望を叶えることはできなかったものの、)スクールアイドルの頂点(ラブライブ!優勝)に立つことができた、という、自分のスクールアイドルとしての夢を叶えることができた、というわけで、鞠莉としては十分に満足のいく結果を残した、のであった。

 が、そんな鞠莉にも日本に勝手に戻ったことで伴った大きな代償を抱えることにもなった。それは、海外での高校の卒業の資格を失ったことだった。たんなる海外の高校の卒業の資格ではない。ちゃんとした、世界に通用する、そんな高校の卒業資格であった。その資格の名を「国際バカロレア(IB)」という。このIBの資格を取るには国際バカロレア委員会から認められた高校(IB認定校)で指定の教育カリキュラムを履修する必要があり、高校卒業と同時にIBの資格を取得できれば世界中の多くの大学に入学志願することができるようになるのだ。(以下、「キャリア教育ラボHP「国際バカロレアとは」より)そんな資格を取得できたはずなのに鞠莉は自らそれを放棄してしまったのだ。これには、鞠莉‘sママ、

(自分勝手な考えのために自分の将来すら投げ捨てるなんて、本当に鞠莉はバカで~す!!)

と、自分の将来のことなんて投げ捨ててまで自分の進む道を進もうとしている鞠莉の姿に心底うんざりしていた・・・だけでなく、

(それに、あんな鞠莉にしてしまったハグーとですわ、絶対に許しませんからね!!)

と、果南とダイヤに恨み節をきかせていた。

 そんななか、鞠莉は浦の星を無事に卒業、そして、今、自分の愛すべき存在、果南と一緒に鞠莉の両親のもとへ挨拶にいく・・・、のだが、わがままな娘(鞠莉‘sママ談)に育ってしまったことに対して果南とダイヤのことを鞠莉‘sママは恨んでいることを知っている鞠莉からしたら、

(果南と付き合っていること、ママは本当に許してくれるのかな・・・)

と、心配になってしまった。

 

 鞠莉の家に着くなり、鞠莉と果南、すぐに鞠莉の両親の前で自分たちの仲を認めてくれるように説得する。まずは鞠莉の父親からだったが、少してこずるもすぐに2人の仲を認めてくれた・・・のだが、やっぱりこの人からは猛反対を食らってしまった。

「この私は許しませんからね!!」

そう、鞠莉‘sママである。

 その鞠莉‘sママであるが、なんと、果南と鞠莉に対してこれまでの恨みつらみをぶつけるがごとく怒りをぶつけてしまった。

「鞠莉とそこの子が付き合っている、なんの冗談なのですか~!!冗談もほどほどで~す!!だって、マリーの今の性格(自由奔放なわがまま姫)に育った原因はそこにいるその子が原因で~す!!鞠莉がこの子と一緒に私たちに黙って脱走してまで遊んでいたためにこんなわがままな性格になったので~す!!そして、その子と付き合っているですて~、それこそ、笑止百万、千万、億千万、で~す!!」

これには、鞠莉、

「マリーの性格はもともとこれなので~す!!」

と、鞠莉‘sママに反論する。

 しかし、鞠莉‘sママの言葉攻めは続いていた。

「シャラップ!!この私がもっと鞠莉のことを管理していればそんなFreedomな性格にならなかったので~す!!とてもおしとやかな性格になったので~す!!それもこれもそこにいるハグー(果南)とですわ(ダイヤ)のせいなので~す!!」

鞠莉‘sママの果南たちに対する恨み、相当根が深いようだ。まぁ、無理もない。本当であれば鞠莉‘sママが鞠莉のことを管理していれば鞠莉はとてもおしとやかな性格になった、と鞠莉‘sママは思っていたものの、果南とダイヤの誘いにのってホテルを脱走してはいろんなことに行ってしまったのである、そのおかげ?もあってか、鞠莉は親のいうことなんてきかない、そんなわがままな子(鞠莉‘sママ)になったのかもしれない、そう鞠莉‘sママはそう確信していたのである。むろん、これは鞠莉‘sママがそう確信しているのであって本当はそうであるかはわからないのですがね・・・。

 でも、鞠莉‘sママはこの確信をもとにどんどん鞠莉と果南を攻める。

「そして、その鞠莉のわがままな性格によって勝手に家を飛び出したあげく自分の人生を棒に振ったので~す!!」

これには、鞠莉、

「私、別に勝手に家を飛び出したわけじゃないもん!!ちゃんとパパの許しをとったので~す!!」

と、言い訳をする。まぁ、たしかに、鞠莉、自分を浦の星の理事長にするように進言したこともあり、鞠莉の両親に黙って家を飛び出した・・・ってことはしていないようである。が、鞠莉‘sママはというと・・・、

「鞠莉がそう言ったとしても、この私からすれば勝手に家から飛び出したといっても過言じゃないで~す!!」

と、自分の意見が鞠莉にたたきつけると、

「それに、鞠莉のわがままのせいで外国の高校の卒業資格をLost(失った)のですよ!!浦の星の卒業資格じゃ物足りないので~す!!」

と、鞠莉に事実を突きつける。これには、鞠莉、

「私にとってみればそれはナッシングで~す!!マリーはマリーのことを大事にしてくれる人たち(果南やダイヤ、Aqoursメンバー)と一緒にやってきたことが宝物なんで~す!!」

と、さらに反論。

 だが、鞠莉の反論は鞠莉‘sママには効かなかった。

「マリは私の言うことだけを聞いていればいいので~す!!イタリア人は本来家族を優先しま~す!!特にママである私が鞠莉にとってとても大切な存在となるので~す!!それを反故にするなんて、娘であっても許せないので~す!!」

と、とんだもないことを言いだす。イタリア人は「基本的に寛大でどんな人にも友好的で信頼感を抱く」と思われがちだが、本当のところ、他人に対して懐疑的、なのである。ほかの人たちよりも家族のことを優先するのがイタリア人だったりする。特に母親と子どもの関係性はとても強いものであり、母親は自分の子に常に無償の愛情を注ぐものである。そして、母親が子どもに対して一途な思いがあると同様にその子どもも何歳になっても母親離れできない、とみられてもしかたがなかった。「マンマこそすべて」、その言葉で片付くこともあったりする。(以下、あがるイタリアマガジン「マンマこそすべて」な感性はどうやってつくられるのか/ヤマザキマリさんのイタリアエッセー」より)そう考えると、鞠莉の性格はそれに相反するものかもしれない。いや、そうみられても仕方がなかった。だって、鞠莉‘sママの思いとは相反する行動ととっているから。

 とはいえ、そんな鞠莉‘sママの言葉に、鞠莉、

「そんなの、ママの勝手で~す!!マリーはマリーで自分の人生を決めるので~す!!マリーの人生に口をださないでほしいので~す!!」

と、逆に火に油を注ぐような発言が飛び出す。こうなってしまうと、

「果南と付き合うこと、認めてで~す!!」(鞠莉)

「そんなのいやで~す!!」(鞠莉‘sママ)

と、話は平行線に・・・。いや、それどころか、完全に炎上状態・・・となってしまった。

 そして、しまいには、

「マリ、あなたはイタリアの大学に行くまでこの実家にずっといるので~す!!誰とも会わないので~す!!この私がみっちりとゆがんだ性格を強制してみせるので~す!!あと、私が決めた男の人と結婚するので~す!!その男の人のもとで私が鞠莉をみっちりと監視するので~す!!これは決定事項で~す!!」

と、鞠莉‘sママ、鞠莉を自分の実家、もとい、ホテルのなかに閉じ込めること、いや、それどころか、勝手に鞠莉を結婚させようとさせようとしているのではないか。であるが、こうなってしまうと鞠莉‘sママの暴走を止めることなんてできない。これには鞠莉と果南は、

「・・・」

と、無言になるしかなかった。

 こうして、鞠莉と果南の付き合いは鞠莉の父親からは認められたものの鞠莉‘sママからは拒絶させるどころか、勝手に自分の決めた結婚相手と結婚させる、といった発言すらされてしまう結果を迎えてしまった。

 

 だが、鞠莉がここで引き下がることなんてなかった。その日の夜、鞠莉は果南とダイヤに電話をすると、いきなり、こんなことを言いだしてしまった。

「果南、ダイヤ、さっさと旅の準備をするので~す!!明日、予定がHurry up(早まった)ですが、イタリアに卒業旅行、いや、愛の逃避行をするので~す!!」

 これには果南とダイヤもいきなりのことだったのでびっくりするも、このままだと鞠莉は鞠莉‘sママにより監視されて鞠莉が知らない男の人と結婚させられてしまう、ということを鞠莉から聞かされると2人とも鞠莉の考えに同意、翌日、いつもの隠し通路で鞠莉はホテルを脱出するとそのまま果南とダイヤと合流、そのままイタリアへと卒業旅行・・・、もとい、愛の逃避行をすることとなった。

 

 しかし、鞠莉‘sママも手をこまねいていたわけではない。なんと、とある理由でスランプに陥っていた千歌たち1・2年6人を使って鞠莉たちを探させようとしたいたのだった。これにはあとでそのことを千歌たちから聞かされて鞠莉と果南は呆れかえってしまったのだが、それでも紆余曲折を経て鞠莉たちが隠れていたフィレンツェ郊外の別邸にて鞠莉たちは千歌たちとなんとか合流・・・したのだが、そのとき、、鞠莉‘sママが突然乱入してきてしまった。そんな鞠莉‘sママ、すぐに鞠莉の前に立ってはこれまで鞠莉に対する恨み節をぶつけしまう。このとき、鞠莉‘sママ、

(私は鞠莉をずっと束縛しようとしました。けれど、ハグー(果南)とですわ(ダイヤ)のせいでそれができなかった。だからこそ、これからは私が鞠莉のことを束縛していくので~す!!)

と、鞠莉と果南、対してけんか腰になってしまった。一方、対する鞠莉はというと、

(そんなママの脅し、マリーには効かないで~す!!どっかに行きやがれで~す!!)

と、こちらもけんか腰。

 ところが、鞠莉‘sママのある一言がこの状況に拍車をかけることに・・・。

「スクールアイドル、くだらない!!」

この言葉に、鞠莉、

(このままだとマリーたちのことを馬鹿にすることにつながりま~す!!いや、マリーと果南の仲すら馬鹿にされたといっても過言ではないで~す!!もう許せないで~す!!)

と、完全に怒りMAX!! むろん、その気持ちは果南とて同じだった。

 こうして、鞠莉たちは鞠莉‘sママをにらむとこう言いだしてしまった。

「もし、スクールアイドルがくだらなくない、それを証明させたら、私の好きにさせてくれる?」

このとき、鞠莉、こう思っていた。

(ママにスクールアイドルの素晴らしさを絶対に伝えてやる!!そして、私と果南の仲、絶対に認めさせてやる!!)

 そんなわけで、Sell Word(売り言葉)にBuy Word(買い言葉)という形で、鞠莉たちの未来を賭けた戦いを鞠莉‘sママに対して宣言しちゃったわけである・・・。

 

 そして、今、その戦いの前日の日を迎えることになったのだが、

「今思うと、マリーと果南のあいだに横たわるハードルはあのにっくきババァ(鞠莉‘sママ)onlyなのに、なんでそのことでマリーが苦しまないといけないわけ!!」

と、鞠莉、自分の母親に対して恨み節を利かせながら言うと、果南も、

「たしかに鞠莉の言う通りだね!!あんなやつ、絶対にギャフンと言わせてやる!!」

と、なぜか、ブラック果南・・・を見せるような仕草で言ってしまう。

 そして、2人は心をひとつにした。

「明日、絶対に、あのにっくきママに私たちのパワーを見せつけてやるんだから!!」(鞠莉)

「そして、私と鞠莉の仲を認めてもらうからね!!」(果南」

2人が口々に明日に向けた意気込みをみせると、鞠莉と果南、ともに手を高々にあげてこう鼓舞した。

「「明日のライブ、絶対に成功させよう!!エイエイオー!!」」

 

 しかし、このとき、果南は心の奥底でこんなことを考えていた。

(しかし、たしかに鞠莉‘sママのやったことは非難されるべきことだけど、これでも鞠莉とは血のつながった関係なんだよね・・・。もし、このライブで鞠莉と私の前から鞠莉‘sママが去ってしまったら、鞠莉、鞠莉‘sママのこと、どう思うのだろうか・・・。それがちょっと心配だよ・・・)

 

 こうして、ついに翌日・・・、鞠莉たちの未来を賭けた運命のライブの日が訪れてしまった。場所はローマ・スペイン広場、曲は「Hop?Step?Nonstop!!」。鞠莉たちAqoursは午前中に最終リハーサルをしたのち、本番を残すのみとなった。

 その本番直前、鞠莉と果南は2人で士気を高めあっていた。

「果南、ついにあのママをギャフンと言わせることができますね~」

と、鞠莉が元気よく言うと、果南も、

「たしかに鞠莉の言うとおりだね!!今の私たちは絶対無敵だもんね!!」

と、昨日心配したことなんて気にせずに元気よく答えていた。たしかに果南の言う通りであった。この数日、鞠莉、感を含めたAqoursメンバーはこの日のために一生懸命練習をしてきたのである。それは、「このライブこそAqours最後のライブ!!」という意気込みがあるかもしれない。もしくは、「スクールアイドルの素晴らしさを徹底的に教えたい」、そんな熱意があるからかもしれない。それとも、別のなにかがあるかもしれない。とはいえ、運命のライブにむけた練習は今まで以上に熱のこもったものとなった。そして、その練習をみる限り、絶対に素晴らしいライブになるにちがいない、そう言えるくらいのものになっていた。なので、鞠莉と果南、このライブは絶対に成功する、そう信じていた。

 そんなお互いを高めあっているなか、ついにライブを行う時間がきてしまった。そして、2人は、

「鞠莉、絶対にライブ、成功させようね!!」(果南)

「果南、当たり前で~す!!絶対に、ライブ、Success(成功)させるので~す!!」(鞠莉)

と、お互いのことを励ましあいながらライブの会場となるスペイン広場の方へと向かった。

 

 

  そして、ついにライブが始まった。

(私たちのこれまでのキセキ、ここで、みんなの前で、見せてやる!!私たちがやってきたこと、それこそ、私たちの輝き!!心の底からその輝きをみせてやる!!)

と、果南のこのライブにかける熱意は果南の体から周りに放たれている、と同時に、

(マリーたちはこれまでにこの9人でやってきたので~す!!この9人こそ、パーフェクトナイン、なので~す!!この9人がいるから、マリーは、マリーたちは、シャイニー、し続けるので~す!!そして、マリーは果南というベストパートナーがいるから、もっと、シャイニー、できるので~す!!)

と、鞠莉からもその熱意がどんどん放たれていった。

 その熱意はまわりにいるメンバーどころかスペイン広場にいる観客たちをどんどん笑顔にしていく。さらには、その観客たちは、このライブを心の底から楽しもう、そんな気持ちにもさせていった。

  この観客たちの姿に、鞠莉‘sママ、

(ま、まさか、これが鞠莉が言っていた、スクールアイドルの素晴らしさ、なんですか・・・)

と、唖然となってしまった。

 こうして、ライブは大成功に終わった・・・。

 

はずだった。だが、結果は残酷なものとなった。ライブ終了後、

「やり切ったで~す!!」(鞠莉)

「本当だね!!」(果南)

と、みんなでライブ成功を称えあったあと、鞠莉と果南の前に立った鞠莉‘sママに対し、鞠莉は自分の想いを伝えた。

「私はこの9人でやってきたことは私の一部になっているの!!それはこれまで私の父親や母親・・・」

 だが、この鞠莉の、自分の想いを伝えようとしているとき、それを遮るがごとく鞠莉‘sママはこんなことを言いだしてきた。

「たしかに鞠莉の言う通り、スクールアイドルは素晴らしいものだとわかりま~した!!それは鞠莉たちのことを知らない観客たちの姿からわかりました」

これには、鞠莉、

「ママ、ついにわかって・・・」

 が、その鞠莉の言葉すら遮るがごとく鞠莉‘sママは残酷なことを、鞠莉、そして、果南に言ってきた。

「でも、それはただの結果にすぎないので~す!!私は鞠莉とハグー(果南)の仲を認めたわけではないので~す!!」

これには、鞠莉、

「えっ、なんで、どうして!!」

と、鞠莉‘sママに食い下がる。

 けれど、鞠莉‘sママは、鞠莉、そして、果南、に辛い言葉を浴びせていく。

「たしかに観客たちはあなたたちの姿をEnjoy(楽しんで)していたので~す!!But、それはあなたたちだけの主観なので~す!!この私もEnjoyしている観客たちの姿という結果だけで見ていたら、「スクールアイドルは素晴らしい」と認めるしかないので~す!!でも、この私によれば、あなたたちの踊っている姿を見て、果たしてそれが鞠莉の将来に役に立つなんて思えないので~す!!スクールアイドルの頂点、それを極めたからといって、ライブをしてまわりを楽しませることができて、それが鞠莉の将来にどんな役に立つのですか?私からすればあのハグー(果南)との楽しいひと時を過ごしている、としか思えないので~す!!そんなことよりも、この私、この私がこれまで甘やかした分まで鞠莉をみっちりとしつけ、私の決めた許嫁と結婚して私たち両親のために役に立ってもらったほうがいいと決まっているので~す!!だからこそ、私は認めないので~す!!2人の仲を、あなたたちのことを、認めないので~す!!」

 あまりに一方的な意見。むろん、これには鞠莉の隣にいた果南から、

「なんで、そんなことを言うのですか?まわりの観客のみんなの表情、見ていたでしょ!!私たちの熱意、このライブにかける想いは私たちのことを知らない観客のみなさんたちを笑顔にした、このライブを心の底から楽しんでもらったんだよ!!それなのに、なんで、こんな判定をしたの?」

と、鞠莉‘sママに反論。

 だが、鞠莉‘sママはそんな果南すら相手にせず、逆に、

「このライブの判定はこの私が決めるので~す!!まわりの観客なんてunlated(関係ない)ので~す!!私はあなたと鞠莉が一緒にいるなんてとっても嫌なので~す!!あなたは鞠莉にとってただの悪影響を与える存在でしかないので~す!!それはこのライブでも証明されました~!!なので、はやく鞠莉を返してください!!」

と、一方的に鞠莉と離れるように命令してきた。むろん、鞠莉、果南、からは、

「あまりに横暴すぎだよ~!!」(果南)

「ママのLair(嘘つき)で~す!!」(鞠莉)

と、鞠莉‘sママのことを非難するも、鞠莉‘sママ、ついに強硬手段にでる。

「あなたたち、鞠莉を連れて行きなさい!!」

と、鞠莉‘sママの掛け声とともに黒服の男たちが登場、すぐさま鞠莉を囲むと強引に鞠莉の手を引っ張ろうとする。これには、鞠莉、

「痛い、痛いで~す!!」

と、悲鳴をあげて抵抗するも、男たち数人だと鞠莉の抵抗はただの子どもの駄々っ子みたいなもの、すぐに強引に鞠莉をその場から連れ去ってしまった。むろん、果南も、

「私の、大事な、姫を!!」

と、鞠莉を連れ戻そうとするも、

「邪魔だ、どけ!!」

と、男たちに簡単にはねのけられてしまった。

 こうして、鞠莉‘sママと男たち数人によって鞠莉は強引に連れ去らわれてしまった。これをただ見るだけしかできなかった果南、

「鞠莉~、鞠莉~」

と、鞠莉の名を叫び続けるしかできなかった。

目0るに

 鞠莉が鞠莉‘sママによって連れ去れたため、途方に暮れてしまう果南。

「鞠莉・・・、鞠莉・・・」

と、鞠莉の名を呼び続けては泣きまくっていた。

 が、そんなときだった。

「You Gut Mail,Mari!!」

突然のスマホからの呼び出し音。これには、果南、

「えっ、鞠莉から!?」

と、驚いてしまうも、すぐに自分のスマホを取り出しスマホ画面を確認する。すると、

「ま、鞠莉からメールだ・・・」

そう、鞠莉‘sママに捕まえっているはずの鞠莉から突然メールが送られてきたのだ。どうやら、鞠莉、この結果を予測していたらしく、この時間になるとあらかじめ入力していたメールが果南のスマホに届くように仕掛けていたみたいだった。

 そして、鞠莉からのメールが届いたことに、果南、このメールに鞠莉の想いが詰まっていると思っていたのか、

「鞠莉、わかったよ。このメール、私、読んで、鞠莉の想いを感じ取るね!!」

と、力強く言うと、このメールを、鞠莉の強い意志のこもったメールを果南は読んでみることにした。

 

「果南へ

 果南、Sorryで~す!!私、今頃、ママに捕まっているかもしれないね!!もし、そうなっていたら、果南、本当にSorryで~す!!あんな最初から分かり切っていたこと、私たちにとって最悪の結果しかこないこと、マリー、最初から分かっていたで~す!!それなのに、マリーのために一生懸命ママに立ち向かおうとしていた果南の姿、ほれぼれしたので~す!!本当に、果南、Sorryで~す!!」

 

メールの最初の文章を読んだとたん、果南、

「鞠莉、私こそごめん・・・。私がもう少し鞠莉‘sママに対して冷静な対応をしていればこんなことにならなかったよね・・・」

と、鞠莉の謝罪文を見て鞠莉に心から謝っていた。

 が、ここで鞠莉からのメールは終わっていなかった。そう、ここから鞠莉の本当の気持ちが書かれていたのである。それは・・・。

 

「でも、果南、忘れないでくださいで~す!!果南は絶対に助けに来るで~す!!だって、果南は、わがまま姫であるマリーのことを一番大事に想っている、そんなかっこいい王子様、なんですからね!!王子様はさらわれた姫を助けに来ては必ず救う、っていうのがCommon sense(常識)で~す!!」

 

これには、果南、

「それ、常識でもなんでもないじゃん!!」

と、鞠莉の文章にツッコミをいれると、すぐに、

「でも、たしかに鞠莉の言う通りだね!!王子様はお姫様を助ける、そうだって相場が決まっているもんね!!」

と、鞠莉のメールに元気をもらう。さらに、

「それなら、あとやることは一つだけ!!私、松浦果南は、わがまま姫こと鞠莉を救いに行くからね!!」

と、鞠莉に救いに行くことを決意した。このとき、果南、

(鞠莉、ありがとう。私、なんか自分のこと、見失っていたのかもしれないよ。あんな結果になることが決まっていた戦い、その決まっていた結果に、私、どうすればいいのか迷っていたよ。ずっと鞠莉の名前を呼び続けることしかできなかった・・・。けれど、鞠莉からのメールによって、私、立ち直ることができたよ!!私、鞠莉の王子様だって思いだすことができたよ!!だからね、鞠莉、私、絶対に鞠莉を救ってあげるからね!!)

と、鞠莉にお礼を言うとともに、鞠莉を救う、そんな強い決意をみせようとしていた。

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