月の少年と5人のマーメイド   作:ゆるポメラ

12 / 14
ゆるポメラです。
この作品もいよいよ終わりに近づいてきました。
…まだ終わりじゃないんですけどね……?
今回は、シリアス……というか、暗い要素とオリジナルが少し入ります。
最初リアルタイムで11話を視聴した時は驚きました……

それではどうぞ。


第11話 この曲は

「美味しかった~♪」

「500点満点だ……」

「ソースだけじゃなくて、生地にも練り込んであるのが特徴なのよ」

 

エスポワールにて。

悠里達はフェルマが作った新商品のひじきパスタを食べていた。

見た目は地球にもある、イカ墨パスタに近かったが、食べてみると全く別物なくらいの美味しさだった。

 

「あ。いい事考えた! ひじきパンにひじきパスタを挟んだらよくない?」

 

名付けて『ひじきひじきサンド』と付け足すキャロ。

それを聞いて名案です!と言うカノン。

あぁ……地球の食べ物で例えると『焼きそばパン』と同じ原理かと思う悠里。

 

「あなた達って、ほんとに仲良しね♪」

「だって小っちゃい時から、ずーっと一緒にいますから」

「カノンとユーリは違うぞ」

「えっ、あれ……?」

 

するとキャロがこんな事を口にした。

 

「寝相が悪くて、朝起きたら、天窓の近くまで浮かんでた事なかったっけ?」

「それは……私だ……」

「…けどセレナの寝顔は可愛かったよ?」

「か、かわっ……!? ちょっと待てユーリ。わ、私の寝顔を見ただと!?」

 

悠里の一言で頬を赤くしながら動揺するセレナ。

いったい何時見たんだ!?と悠里に詰め寄るが……

 

「…パーレルに来て少ししてからかな。セレナだけじゃなくて、ソナタ達の寝顔も見た事あるよって、悠里は悠里は呟いてみたり」

「「「「…へっ……? ~~~~っ!!?」」」」

 

どこぞの打ち止めのような口調で答える悠里。

その答えにセレナを除いた4人は次第に顔を真っ赤にしていたのは言うまでもない……

 

「あらあら~♪ って、あら。郵便屋さん」

「お手紙らよ~」

 

フェルマが照れてる5人をのほほんと見てると、アザラシ郵便がやって来た。

 

「私に?」

 

どうやらカノン宛に手紙が届いたようだ。

少し気になったので、悠里達も外に出てみる……

 

「え? 何々? 誰から……?」

「誰でしょう? …………っ!」

「どうしたの?」

「ヴェラータさんです。アトランティアで私の世話をしてくれてる人……」

 

送り主はヴェラータという、アトランティアの後見人からだった。

カノンに着替えや本等……色んな物を送ってくれた人で、アルディの貝殻姉妹だったという事を悠里は思い出した。

 

「…………」

「…1人で読ませてあげよう?」

「そうだな。個人情報だ」

 

ソナタとセレナの意見で、カノンに1人で手紙を読ませる事になった。

 

 

「もう一度オーディションを受けてみませんか? ────という訳だが……何か?」

「何か? じゃ、ありません!!」

「なんでこんな事をしたんですか! アルディさん!」

「こんな事って?」

 

悠里とカノンを除いた4人がアルディに詰め寄っていた。

普段あまり怒らないフィナさえである。

4人が怒ってる理由……それは手紙の内容にあった。

 

「勝手にカノンの様子を知らせたりして!」

「しかもソナタちゃんが撮影した映画じゃないですか!」

「パーレルの映画だろう? みんなもう観てるんだし……何か問題があるかな? ヴェラータにもカノンの様子を知らせてあげたら、喜ぶだろうって思って……」

 

問題大アリですよ!とキャロが言う。

 

「ソナタのオーケーも、カノンのオーケーも無しというのはいかがなものか!」

「そうですよ~!!」

 

セレナとフィナが抗議する。

そう。アルディは良かれと思って映画が保存された『クリスタルディスク』を送ったのだが、撮影者であるソナタとカノンの許可無しに送ってしまったのだ……

気持ちは分からなくもないが、今回ばかりはアルディが悪いなと悠里は口には出さないが思った。

 

そしてカノンが大丈夫ですと言って、この件は収まったのだった……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『本日は大潮の日です。明日は晴れ。しばらく良い天気が続くでしょう』

 

レジェによるパーレル村シェル放送が流れる中、6人は映画館で映写機の整備をしていた……

 

「カノンちゃんは心配しなくていいからね?」

「もしアトランティアに戻ってこいって言われたら、アタシ達が守ってあげる」

 

フィナとキャロが言う。

こういう事を言うという事は、さっきの件がよっぽどだったのだろう……

 

「それ何? キネオーブ?」

「あ。これは、この前お当番の時に掃除をしていた時に見つけて……」

 

カノンの手にはプリズムパールより少し大きいサイズのキネオーブが。

なんでも、この前の当番の時に入口付近にある花壇の横に落ちていたとの事……

 

「曇ってる……古い物みたいだね。もう映写機にはかけてみた?」

「はい……一度だけ……」

 

ソナタの言う通り、キネオーブは曇っていた。

とりあえず映写機の手入れが終わったので、試しにかけてみる事に。

 

────パキィィン……!

 

ところが始まろうとした瞬間、キネオーブが砕けてしまった。

 

「す、すまない……操作を間違えた?」

「…いや、操作は間違えてない筈だよ。もし間違えてたら、映写機自体がイカれちゃうし……」

 

慌てるセレナに悠里は違うと言う。

考えられる要因はただ一つ……

 

「とっても古い物だったから……きっとそのせいで……」

 

カノンがそう呟くと同時に、彼女から一筋の涙が流れる。

それを見た5人は驚き、大丈夫かと慌てるが……

 

「違うんです……悲しいけど……でもそうじゃなくて……()()()()()()()()()()()()()だけで……」

「…………」

 

その言葉を聞いた悠里は何か大事なメッセージのような気がした……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…………」

 

────次の日の朝。

いつも起きてる時間に起きたつもりの悠里だが、20分寝坊してしまった。

しかも何故か気分が悪い……気がした。

気のせいかもしれないが。

 

「おはよう。ユーリ」

「…うん。おはよ」

 

そんな事を思ってると、ソナタが部屋に入ってきた。

もしかしてわざわざ起こしに来てくれたのだろうか? だとした悪いなと思った悠里は、支度をして、ソナタと談話室に向かう。

 

なんでも今日は月に一度の『みんなで一緒に食べる日』らしい。

 

「…あれ? カノンは?」

「ユーリを起こしに行く前に、部屋をノックしたら返事がなくて……先に来てるかと思ったんだけど……」

 

談話室に着くと、カノンの姿がなかった。

悠里を起こしに行く前に寄ったのだが、部屋をノックしても返事がなかったので、先に談話室に行ったのではと思ったからだ……

 

ちょっと探しに行ってくるねと言うソナタ。

 

「もしかして、1人でひじきパスタを食べに行っちゃったとか?」

「お店がまだ開いてないでしょ~?」

「あっ。そっか。となるとー……」

「待て。出かけてるとは限らないだろう? 部屋を確認しよう……」

「…それもそだね」

 

セレナの意見に悠里も同意し、とりあえず4人はソナタの後を追って、カノンの部屋に向かうのであった……

 

「昨日のカノン、ちょっと変じゃなかった?」

「…変って……ヴェラータさんだっけ? その人……関連で?」

 

ソナタの疑問に考える悠里。

確かに、昨日のカノンはどこか思いつめた表情になってた気がする……

その原因を考えるとなると、手紙を送ってきたヴェラータという事になるが。

 

「でもあの後は普通にしていたし……」

「だよね……」

 

セレナの言う通り、実際にあの後カノンは普通通りだった。

もしかしたら心配をかけないように、表面上は何ともないようにしてただけなのかもしれないが……

そう考えてる内に、カノンの部屋に着いた。

 

「カノン? 入るよ……っ!?」

 

5人が目にしたのは、()()()()()したカノンの姿だった。

 

「カノン!! カノンどうしたの!?」

「カノンちゃん!?」

「大丈夫か!?」

「目を覚まして!! 返事して!」

 

4人が必死にカノンに声をかけるが返事がない。

 

「カノン! 返事し…………っ!!?」

 

悠里が声をかけた瞬間、強烈なめまいが襲ってきた。

周囲がぐるぐると感じるだけじゃなく、視界が上手く定まらない……

何かに掴まろうとするが……

 

「「「「っ!! ユーリ!?」」」」

 

ソナタ達が気づいた時、既に悠里はその場で倒れてしまった……

 

 

 

────薄っすらと目を開く……

 

 

視界は暗くて真っ青だった。まるで海の底……いや、もっと深い……そんな気がした。

 

 

例えるなら……そう……()()の果て……というべきだろうか?

 

 

……カノンはどうなってしまったんだろう?

 

 

結晶現象は、マーメイドの心や身体に無理がかかると起こると……

 

 

だったら自分は? ダメだ。考えても思いつかない……

 

 

心なしか凄く眠い……

 

 

一度何も考えずに目を閉じよう……

 

 

もしかしたら、ふとしたきっかけで思い出すかもしれないから。

 

 




読んでいただきありがとうございます。      
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


今回のEDは『シャボン-カノンver.-』をイメージしてください。


※次回予告

悠里が目を覚ましたのは、精神世界。

そこには悠里が幼き頃に苦楽を共にしたバミューダ△のユニット達。

そこで明かされる自分の使命とは?

次に目を覚ました時……パーレルでは10年の時が経過していた。

自分の使命を果たす為、彼はメガラニカにあるアトランティアに赴く……


────次回、第12話『小さな光となって輝いて』





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。