今回は短いかもしれませんが、楽しんでくれると嬉しいです。
それではどうぞ。
「今日の夜食は、はい♪ ひじきサンド~」
「今日は僕も一緒に作ってみた……」
今まで調子が悪かった映写機を直した次の日の夜。
その記念……といか、夜食を作ったフィナと悠里。
「「「「わあ~♪」」」」
夜食がひじきサンドと聞いて早速集まり出す4人。
その光景を見て、そんなに慌てなくても……と悠里は思うのだった。
「あっ。マスタード味。これ大好き♪」
「フィナちゃんのは特別だ!」
「ユーリが作った野菜炒め風のも美味し~♪」
「はい♪ 食感が凄く堪りませんよねー♪」
ソナタ、セレナ、キャロ、カノンがそれぞれ口にする。
悠里もマスタード味を気に入っていた。てか、ひじきサンドってバリエーションが豊富なんだなと改めて作ってみて実感した……
「それじゃあ上映会について話し合おー!」
「「「「「おー」」」」」
そう。
実は映写機が無事に直った事で、村のみんなを招待して、映画の上映会をする事にしたのだ。
もちろん首長であるアルディの許可も貰っている。
「まずはみんな、どんな映画館を観てみたい? カノンはどう?」
ソナタがカノンに訊く。
「そうですね……私は歌が好きなので、今日観たミュージカル映画が……」
いいですね。とカノンが言おうとすると、ソナタ、フィナ、キャロの3人が目を輝かせながらカノンを見ていた。
「カノンちゃん、歌好きなんだ!?」
「ねぇ。ちょっと歌ってみてよ!」
「うん! 聴きたい!」
するとカノンは質問から逃げるように、キャロにどんな映画がいいかを訊いた。
「アタシ? アタシはね……なんていうかこう……バーンって! びっくりワクワク! そんなのが観たいなって!」
「キャロちゃんらしいね~♪」
「刺激的だ」
「そういうセレナは?」
曖昧な表現だが、キャロらしい答えが出た。悠里は、びっくりワクワク……というと、マジックショーみたいな感じだろうか?と考えた。
「私か? 勿論……「セレナ、5。以外でね?」うぅ……」
セレナが言おうとしてた事を先読みしてた悠里が、それ以外にしてねと割り込む。それを聞いてセレナはちょっとショック……
「そ、そうだな……バラバラのピースがはまっていくような……そんな映画は観てみたいな」
「…ミステリー系の映画ね。密室トリックとか、そういうの?」
「そういうやつだ!」
「フィナは?」
悠里が訊くと、フィナは近くに浮いていたクラゲに布を被せ……
「わたしはね~……こういうのかな~……」
「……ホラー系か。てか、フィナって何気にホラー耐性あるよね」
うらめしや~と言った感じで表現した。
しかも地味に怖い。
「ソナタはどうですか?」
「うーん、あたしは空を飛んだり、遠い国に行ったり、自分の知らない世界をもっと見てみたいなって!」
「…あーなるほど。じゃあソナタは、ファンタジー系と冒険する映画か」
「今だけでも5案か。ユーリは?」
セレナがノートに纏めながら、悠里に訊いてきた。
「…僕? そうだね……5人の案も好きなんだよね。カノンが言ってたミュージカル系も捨てがたいけど、ミュージカルを観るんだったら、自分で歌ってた方がいいし……ってなんでみんな僕を見るの? しかも目を輝かせて……」
その一言で悠里は余計な事を言ってしまったと思った。
だが、時すでに遅し。何故か5人の目が輝いていた……
「ユーリ、歌えるの!?」
「アタシ聴きたい~♪」
「あたしもユーリの歌、聴きたい♪」
「私も聴きたいぞ!」
「わ、私もユーリの歌……聴きたい」
この状況ではさすがの悠里も嫌だなんて言えないので、諦めて1曲だけ5人に歌ってあげる事にしたのであった。
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「なるほど。それでキネオーブを確認する道具が必要と……」
次の日。
悠里、セレナ、カノンの3人は、コーダの家に行ってキネオーブを確認できる道具の事について聞き込みをしていた。
何故そうなったかと言うと、カノンが昨夜、先にどんなキネオーブがあるか確認した方がいいと言ったので今に至る……
ちなみに他の3人は別行動中で、ここにはいない。
「はい。キネオーブの数が多いので、映写機だけだと時間がかかりそうで……」
「コーダ、君に作成可能だろうか?」
「…無茶苦茶なお願いでなんだけど、ちょっとでも時間短縮したいんだよ……」
悠里がそう言うと、コーダはふっふっふっ……と笑みを浮かべる。
「ぼくに不可能はないのだ! だが、対価は貰うぞ?」
「…可能な限りなら。現に無茶苦茶なお願いをしてる訳だし……」
「ふっふっふ。それはすなわち……上映会でのVIP席を所望する!」
「…オッケー。VIP席はちょうど作ろうと思ってたところだし、コーダにはVIP席に座る第一号になってもらうけど、それでいい?」
「よかろう。交渉成立なのだ」
悠里の一言で交渉成立。
それで上映会はいつなのだ?とコーダが訊かれ、悠里達は、あっ……と言う。
しまった、肝心な事を決めてなかったのを思い出したのである。
「ただいま戻りましたー……」
「みんないるー?」
……そして、その日の夜。
とりあえず図書館に行って、必要な本を借りてきて寮に戻った3人。
そこには色々と作業をしているソナタ、フィナ、キャロの姿が。
「なんだか大変そうですね……」
「…僕達3人が行ってる間に、何があったんだろう?」
「だってだってだって! やる事がいっぱーい!」
キャロが愚痴る。近くにいたフィナに悠里が理由を訊くと、上映会をする前にポスターのアイディア、チラシの作成等……
「ソナタちゃんはシェル放送の原稿を考え中なの……」
悠里がソナタを見ると、凄い考えこんだ表情をしてるソナタが宙を浮かんでいた。
「すまないが更に追加だ」
「……はい」
「私達3人で文献を漁って見たところ、受付、案内も必要なようだぞ」
「本当は他にもあるけど、大まかなところはこれくらいかな……ってか、上映会の日取りって、どうするの?」
悠里がそう言うとソナタが、次の新月の日はどうかな?と言った。
それって何?って訊くと、正式名称は『新月休みの日』と言い、その日は学校も仕事もお休みだと言う……
そういえば、似たような日が地球にもあったなと悠里は思い出した。
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「じゃじゃーん! 特殊工学機器、キネオーブスコープ第一号なのだ!」
『おおー!』
それからまた次の日。
コーダが例の装置を完成させてくれたようだ。
「名称の変更を求む!」
「むむっ。なんだと!」
「名称とは、端的で且つ……」
セレナが機械の名前が気に入らなかったのか、コーダにそう言うが、悠里が『キネスコープ』でいいじゃんと言ったら何故かそれに採用された……
「では、使い方を説明する。まず光が集まってる場所にキネオーブを置くのだ。その後、こいつを使って覗けば……」
使い方を説明した後、全員分作ってきたぞと言い、機械を悠里達に渡す。
そして説明された通りにキネオーブを覗いてみると、映像の中身が視えた。
まさにコーダ様、コーダ様である。
そしてある程度、自分達が観てみたいキネオーブを選んでいると……
「パ、パーレル村の皆さんー! 皆さん、元気ですかー?」
「…ソナタ?」
「えっ? あ……ごめん、うるさかった?」
「いや。そんな事ないけど……」
ソナタがシェル放送で使う原稿を読む練習をしていた。
ちょうどこれからなのである。
しかし彼女の表情が少し緊張気味だったので……
「ソナタ、ソナタ。ちょっとこっちに来て?」
「?」
悠里がソナタがおいでおいでと手招きをする。
頭に疑問を浮かべながらも、ソナタが悠里の元に行くと、彼女を抱きしめながら頭を撫でた。
「僕からおまじない。よしよし。ソナタは出来る子。よしよし……」
「へっ!? あ、あの……えっと……う、うん……」
突然の事に状況についていけないソナタ。
だが嫌な感じはしなかった。寧ろ逆で心地よい感じで、もう少しこのまま……って思ってたのだが……
「ソ、ソナタだけズルいぞ!! 私もユーリに所望する!!」
「ソナタちゃんズルイ~! わたしもしてもらう~!!」
「わ、私も……ユーリにしてほしいです」
「ソナタだけ、ユーリを独り占め禁止~~~!!」
他の4人がストップをかけてきた。
しかも次は自分だと騒ぎ始めた……
そんな4人を見て悠里は、映画館の名前も思いついたのだ。
……そうだ。
映画館の名前は『シネマ・カラフル』にしよう。
その前に、残りの4人をなんとかしなければと悠里は思うのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
今回のEDは『シャボン-キャロver.-』をイメージしてください。