月の少年と5人のマーメイド   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回は短いかもしれませんが、楽しんでくれると嬉しいです。

それではどうぞ。


第5話 びっくりワクワク

「今日の夜食は、はい♪ ひじきサンド~」

「今日は僕も一緒に作ってみた……」

 

今まで調子が悪かった映写機を直した次の日の夜。

その記念……といか、夜食を作ったフィナと悠里。

 

「「「「わあ~♪」」」」

 

夜食がひじきサンドと聞いて早速集まり出す4人。

その光景を見て、そんなに慌てなくても……と悠里は思うのだった。

 

「あっ。マスタード味。これ大好き♪」

「フィナちゃんのは特別だ!」

「ユーリが作った野菜炒め風のも美味し~♪」

「はい♪ 食感が凄く堪りませんよねー♪」

 

ソナタ、セレナ、キャロ、カノンがそれぞれ口にする。

悠里もマスタード味を気に入っていた。てか、ひじきサンドってバリエーションが豊富なんだなと改めて作ってみて実感した……

 

「それじゃあ上映会について話し合おー!」

「「「「「おー」」」」」

 

そう。

実は映写機が無事に直った事で、村のみんなを招待して、映画の上映会をする事にしたのだ。

もちろん首長であるアルディの許可も貰っている。

 

「まずはみんな、どんな映画館を観てみたい? カノンはどう?」

 

ソナタがカノンに訊く。

 

「そうですね……私は歌が好きなので、今日観たミュージカル映画が……」

 

いいですね。とカノンが言おうとすると、ソナタ、フィナ、キャロの3人が目を輝かせながらカノンを見ていた。

 

「カノンちゃん、歌好きなんだ!?」

「ねぇ。ちょっと歌ってみてよ!」

「うん! 聴きたい!」

 

するとカノンは質問から逃げるように、キャロにどんな映画がいいかを訊いた。

 

「アタシ? アタシはね……なんていうかこう……バーンって! びっくりワクワク! そんなのが観たいなって!」

「キャロちゃんらしいね~♪」

「刺激的だ」

「そういうセレナは?」

 

曖昧な表現だが、キャロらしい答えが出た。悠里は、びっくりワクワク……というと、マジックショーみたいな感じだろうか?と考えた。

 

「私か? 勿論……「セレナ、5。以外でね?」うぅ……」

 

セレナが言おうとしてた事を先読みしてた悠里が、それ以外にしてねと割り込む。それを聞いてセレナはちょっとショック……

 

「そ、そうだな……バラバラのピースがはまっていくような……そんな映画は観てみたいな」

「…ミステリー系の映画ね。密室トリックとか、そういうの?」

「そういうやつだ!」

「フィナは?」

 

悠里が訊くと、フィナは近くに浮いていたクラゲに布を被せ……

 

「わたしはね~……こういうのかな~……」

「……ホラー系か。てか、フィナって何気にホラー耐性あるよね」

 

うらめしや~と言った感じで表現した。

しかも地味に怖い。

 

「ソナタはどうですか?」

「うーん、あたしは空を飛んだり、遠い国に行ったり、自分の知らない世界をもっと見てみたいなって!」

「…あーなるほど。じゃあソナタは、ファンタジー系と冒険する映画か」

「今だけでも5案か。ユーリは?」

 

セレナがノートに纏めながら、悠里に訊いてきた。

 

「…僕? そうだね……5人の案も好きなんだよね。カノンが言ってたミュージカル系も捨てがたいけど、ミュージカルを観るんだったら、自分で歌ってた方がいいし……ってなんでみんな僕を見るの? しかも目を輝かせて……」

 

その一言で悠里は余計な事を言ってしまったと思った。

だが、時すでに遅し。何故か5人の目が輝いていた……

 

「ユーリ、歌えるの!?」

「アタシ聴きたい~♪」

「あたしもユーリの歌、聴きたい♪」

「私も聴きたいぞ!」

「わ、私もユーリの歌……聴きたい」

 

この状況ではさすがの悠里も嫌だなんて言えないので、諦めて1曲だけ5人に歌ってあげる事にしたのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なるほど。それでキネオーブを確認する道具が必要と……」

 

次の日。

悠里、セレナ、カノンの3人は、コーダの家に行ってキネオーブを確認できる道具の事について聞き込みをしていた。

何故そうなったかと言うと、カノンが昨夜、先にどんなキネオーブがあるか確認した方がいいと言ったので今に至る……

ちなみに他の3人は別行動中で、ここにはいない。

 

「はい。キネオーブの数が多いので、映写機だけだと時間がかかりそうで……」

「コーダ、君に作成可能だろうか?」

「…無茶苦茶なお願いでなんだけど、ちょっとでも時間短縮したいんだよ……」

 

悠里がそう言うと、コーダはふっふっふっ……と笑みを浮かべる。

 

「ぼくに不可能はないのだ! だが、対価は貰うぞ?」

「…可能な限りなら。現に無茶苦茶なお願いをしてる訳だし……」

「ふっふっふ。それはすなわち……上映会でのVIP席を所望する!」

「…オッケー。VIP席はちょうど作ろうと思ってたところだし、コーダにはVIP席に座る第一号になってもらうけど、それでいい?」

「よかろう。交渉成立なのだ」

 

悠里の一言で交渉成立。

それで上映会はいつなのだ?とコーダが訊かれ、悠里達は、あっ……と言う。

しまった、肝心な事を決めてなかったのを思い出したのである。

 

 

「ただいま戻りましたー……」

「みんないるー?」

 

……そして、その日の夜。

とりあえず図書館に行って、必要な本を借りてきて寮に戻った3人。

そこには色々と作業をしているソナタ、フィナ、キャロの姿が。

 

「なんだか大変そうですね……」

「…僕達3人が行ってる間に、何があったんだろう?」

「だってだってだって! やる事がいっぱーい!」

 

キャロが愚痴る。近くにいたフィナに悠里が理由を訊くと、上映会をする前にポスターのアイディア、チラシの作成等……

 

「ソナタちゃんはシェル放送の原稿を考え中なの……」

 

悠里がソナタを見ると、凄い考えこんだ表情をしてるソナタが宙を浮かんでいた。

 

「すまないが更に追加だ」

「……はい」

「私達3人で文献を漁って見たところ、受付、案内も必要なようだぞ」

「本当は他にもあるけど、大まかなところはこれくらいかな……ってか、上映会の日取りって、どうするの?」

 

悠里がそう言うとソナタが、次の新月の日はどうかな?と言った。

それって何?って訊くと、正式名称は『新月休みの日』と言い、その日は学校も仕事もお休みだと言う……

そういえば、似たような日が地球にもあったなと悠里は思い出した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「じゃじゃーん! 特殊工学機器、キネオーブスコープ第一号なのだ!」

『おおー!』

 

それからまた次の日。

コーダが例の装置を完成させてくれたようだ。

 

「名称の変更を求む!」

「むむっ。なんだと!」

「名称とは、端的で且つ……」

 

セレナが機械の名前が気に入らなかったのか、コーダにそう言うが、悠里が『キネスコープ』でいいじゃんと言ったら何故かそれに採用された……

 

「では、使い方を説明する。まず光が集まってる場所にキネオーブを置くのだ。その後、こいつを使って覗けば……」

 

使い方を説明した後、全員分作ってきたぞと言い、機械を悠里達に渡す。

そして説明された通りにキネオーブを覗いてみると、映像の中身が視えた。

まさにコーダ様、コーダ様である。

 

そしてある程度、自分達が観てみたいキネオーブを選んでいると……

 

「パ、パーレル村の皆さんー! 皆さん、元気ですかー?」

「…ソナタ?」

「えっ? あ……ごめん、うるさかった?」

「いや。そんな事ないけど……」

 

ソナタがシェル放送で使う原稿を読む練習をしていた。

ちょうどこれからなのである。

しかし彼女の表情が少し緊張気味だったので……

 

「ソナタ、ソナタ。ちょっとこっちに来て?」

「?」

 

悠里がソナタがおいでおいでと手招きをする。

頭に疑問を浮かべながらも、ソナタが悠里の元に行くと、彼女を抱きしめながら頭を撫でた。

 

「僕からおまじない。よしよし。ソナタは出来る子。よしよし……」

「へっ!? あ、あの……えっと……う、うん……

 

突然の事に状況についていけないソナタ。

だが嫌な感じはしなかった。寧ろ逆で心地よい感じで、もう少しこのまま……って思ってたのだが……

 

「ソ、ソナタだけズルいぞ!! 私もユーリに所望する!!」

「ソナタちゃんズルイ~! わたしもしてもらう~!!」

「わ、私も……ユーリにしてほしいです」

「ソナタだけ、ユーリを独り占め禁止~~~!!」

 

他の4人がストップをかけてきた。

しかも次は自分だと騒ぎ始めた……

そんな4人を見て悠里は、映画館の名前も思いついたのだ。

 

……そうだ。

映画館の名前は『シネマ・カラフル』にしよう。

その前に、残りの4人をなんとかしなければと悠里は思うのであった。




読んでいただきありがとうございます。      
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。


今回のEDは『シャボン-キャロver.-』をイメージしてください。
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