俺、天龍!フフフ、怖いか?ってそんなに怖がらなくても…   作:きつね。

5 / 5
い、一年行ってないからセーフ(震え声)


5.めんどくさいって言ってんだよ!?

あれから1時間ぐらい経って、俺は出撃ドッグへ集合していた。

そこには、長門から聞いた艦娘達が既に集合していた。

 

「よし、全員揃ったな。今回、旗艦を努める日向だ。では、今回の作戦を発表しよう」

 

日向は、今回の作戦を発表し始め、皆目は死んでいるものの、しっかりと聞いているようだった。

 

「それで、那珂と白雪は…いつも通りに…頼むぞ」

 

「…了解」

 

日向は少し苦しそうに告げる。了承する2人も、少し間を開けて返事をした。その様子は、まさに絶望、諦め、そして虚無。特に諦めの感情が強そうだと感じた。

 

「それで新入りの天龍は…お前はなんだか特異な艦娘だと聞いてる。

なんでも、一対一の演習で長門に勝ったんだってな」

 

日向がそう言った途端、他の艦娘全員が此方に目線を向けてくる。

しかしその表情は何も変わらず、無表情のままだった。

食堂で見たのと同じだな。

 

「ん、そうだが?そんで提督との賭けに勝ったから海域攻略組になった、それだけだ。別に変な扱いしてくれなくて結構だぜ?」

 

「そうか。では、私の指示通り動いてもらおう。まあ殆ど司令部からの指示だがな…」

 

『総員、所定の位置に着いてください。出撃です』

 

大淀からの出撃指示が入り、全員が位置につく。気を引き締めよう。

 

『総員、出撃!』

 

さあ見せてやろうか、俺の戦闘センス。

 

ーーー

 

 

出撃してから少しして、海面を進む俺たちは日向の索敵により敵を見つけた。

 

「司令部に報告。前方に深海棲艦の姿見ゆ。繰り返す、前方に深海棲艦の姿見ゆ」

 

『了解。数と艦種を報告せよ』

 

「戦艦級1軽巡級2残りは駆逐艦級の6隻編成。繰り返す、戦艦1、軽巡2、残りは駆逐艦の6隻」

 

『了解。戦闘開始を許可する』

 

「了解」

 

司令部への報告を終えた日向は、通信機から顔を上げ、声を張り上げる。

 

「総員!戦闘準備!前方の6隻を撃沈せよ!」

 

「「「了解!」」」

 

そして、戦闘が始まる。

 

「攻撃だぁ!オラオラ!」

 

俺は目の前の軽巡級に、砲撃をする。口調は荒いかもしれんが、最小限の弾で済むように、角度、タイミングを考えて撃っているため、ゲームのように倒しきれないことなんてない。

すぐに深海棲艦を全滅させ、俺たちは先は進む。

意外なほどすんなり進み、直ぐに最深部に到達した。

だが、何かがおかしい。

俺は艦これの世界観はゲームでしか知らないが、余りにも戦闘が少なすぎる気がしてならない。

まだ一戦だぞ?ボスに辿り着くまでには、もっとー

俺が思案をしていると、索敵をしていた日向が大きな声を上げる。

 

「前方!大量の敵影あり!総員!戦闘用意!」

 

ぞわりと。

俺の背筋に悪寒が走る。この感覚の優れた体には分かる。

この先にいるのは、ヤバい奴だ。

瞬間。

上空を黒い影が通り過ぎた。

そして同時に声を俺は上げていた。

 

「避けろ!」

 

俺は声を上げると同時に付近に居た駆逐艦2人を引っ張り、回避行動を取った。

数瞬遅れて他の艦も回避行動を取るが、爆発を避けきれず、ダメージを負ってしまった。

 

「おい!みんな無事か!?」

 

煙が上がり、隠れてしまった味方の方へ声を掛ける。

その返答は砲弾の音で帰って来た。

ドン!ドン!ドン!

3発の砲の音で上空を通り過ぎた艦載機は墜落した。

見事な対空射撃の腕だ。

 

「全く。舐めてもらっては困るな。あの程度の攻撃で我々がやられる筈がないだろう」

 

そう言い、堂々とした立ち姿でこちらを見据える那智。その瞳には、曇りなき自信と誇りの色が見て取れた。食堂の死んだ目をしていた姿とえらい違いだ。

 

「ああ。お前はこの艦隊を舐めすぎているようだな」

 

そして日向も続ける。那智と同じように、その瞳には生気が宿っている。

 

「いや、那珂ちゃんは当たったんだけど…」

 

そして衣装に若干焦げ目がついているものの、損傷はない那珂。

やはり、不意打ちでの空襲をノーダメージで凌ぐあたり、この艦隊の練度は相当なもんだ。

 

「ほお…いや、すまなかった。たしかに俺はお前らを侮っていたよ」

 

「ふん。まあ鎮守府での我々の様子を見ていたら仕方ないのかも知れんな」

 

俺は素直に謝罪を入れると、那智は少し怒ったように言葉を続けた。

 

「それよりさっさと深部へ進むぞ。また私が瑞雲を飛ばそう。索敵が完了次第進軍だ」

 

「「了解」」

 

そして瑞雲を発艦させてすぐ、日向が声を上げた。

 

「まずい…この先、敵影確認!艦種は、ヲ級elite二隻!ナ級elite二隻!

リ級が一隻!そして…」

 

日向は唾を飲み込み、告げる。

 

「せ…戦艦棲姫が一隻…だ…」

 

「「「戦艦悽姫!?」」」

 

は?マジかよ!?

初陣にしては重すぎるわぁ!!

 

「くっ、それでも行くしかない。陣形は単縦陣!最大限に警戒をして、まずは厄介な空母から仕留めるぞ!」

 

「「「了解!」」」

 

まあでも、ちょうどいいな。

この身体で本当に姫を倒せんのか、試してやろーじゃないの。

そしてすぐに敵艦隊との距離は近づき、俺の初陣の火蓋は切られた。




本当に皆さんお久しぶりです…
メリークリスマス&あけましておめでとうございます&はっぴーバレンタイン。
間隔空いた割に短くてごめんなさい。
本当にそろそろ投稿しないと不味いなと思って短く切り上げた次第です…
やべえ…本当にプロットの前半も終えてねえ…
だからもっと頑張ります。他のも。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。