騎士となり少女は戻る   作:雪の日の猫鍋

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騎士となり少女は戻る

「お姉ちゃん…もう5年…だね」

 

一人の少女がある病室のベッドの前で花束を片手に立っている

ベッドの上には少女によく似た年齢も同じくらいの少女が眠っている

 

「私はもう高校2年生だよ

学校も仲の良い友達と過ごせているかな…」

 

その後も学校であったことや妹との生活など

楽しいことを話している

 

その少女の表情は決して明るいものではなく

まだ少女の姉が目覚めないことを引きずっていることが分かる

 

〜2時間経ち…

 

「あっ…お姉ちゃん…私はこれで今日は帰るね

……また来るから待っててね」

 

そう言うと手に持った花を病室の窓際にある花瓶に入れて病室から出ていく

 

ベッドに眠っている少女は規則正しく呼吸している

今にも目覚めそうだが一度も目覚めることなく5年間眠っている…

 

病室に眠っている少女の名は五河 優姫 (いつか ゆうき)

病室を訪れていた少女五河士織の姉である

 

 

 

 

〜5年前side???〜

 

体を熱が襲う

 

熱い熱い熱い…!

 

それでも歩みは止まらず今にも逃げてしまいそうになりながら妹を救うために前に進む

 

"…〜〜〜!!"

 

妹が何か話しているが聞こえていない

 

あと少し…あと少しで…!

 

必死に手を伸ばす

 

だがあと一歩のところでその歩みは止まり体からは力が抜けその場に倒れてしまう

 

…動いて…!立ち上がらないと…!

 

必死に体に力を入れようとしても手を伸ばそうとしても体は一切動かない

 

何で…!…何で!

 

朦朧とする意識の中優姫が最後に見たのは泣く妹の表情だった…

 

〜優姫sideout〜

 

その後その妹は意識をもう一人の姉に助けられ

落ち着き、妹はそのまま気を失った

 

妹ともう一人の姉は無事ではあった

だが姉─優姫は体を熱に焼かれ意識を失って…その後目を覚ますことはなく病室で眠り続けている…

 

〜回想終了〜

 

〜side???〜

 

「がっ…はっ…」

 

…何故だ…ここまでなのか…?

……違う…まだ…まだ私は…!

…祖国を救わなければ…!

……王の選定をやり直さなければ…

 

騎士は必死に胸に刺さった槍を掴み抜こうとしているが体に力が入らずその槍を抜くことが出来ない

この戦争─聖杯戦争は崩壊し

イレギュラー"アヴェンジャー"の出現により一つを除く全てのクラス─ ランサー アーチャー ライダー キャスター アサシン バーサーカー ─の主従が既に倒れた

そして最後のクラス─ セイバー ─も今にも倒れてしまいそうになっている

 

"令呪を持って命ずる…アヴェンジャーをお前の全てをもって倒してくれ…!"

 

セイバーのマスターが2画の令呪を使いセイバーに膨大な魔力を与える

 

セイバーはその魔力をもって今にも消えそうな体に

最後の力を入れ宝具を放つ

 

"束ねるは星の息吹…輝く命の奔流…受けるがいい…!

【 約束された勝利の剣】! "

 

セイバーの持つ聖剣に光が、正に輝く命の光が収束し

聖剣の輝きが増す

それは夜の闇を払う聖なる炎のようで

その一振はアヴェンジャーの体を焼き…そしてアヴェンジャーは光に呑まれ消えた

 

天に昇った光の柱は消え

元の夜の闇が戻った

 

それと同時に己の全てを酷使したセイバーの体も光に包まれ今にも消えようとしている

 

…これで……いや…まだ…聖杯を…

 

消えようとしているがその体は己のマスターの元へと

歩みを進め最後にマスターに己の願いを託して

その体を光へと変え消え去った

 

"…聖杯よ…セイバーを…アルトリア・ペンドラゴンの

…願いを叶えよ…!"

 

そしてセイバー─アルトリア・ペンドラゴン─の願いは叶ったが選定はやり直され…アルトリア・ペンドラゴンが聖剣に選ばれることは無かった…

だが…その姉…アルセリア・ペンドラゴンが選定に選ばれることになる

 

 

 

 

 

 

 

 

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