ありふれのデジモンクロスを書きたいという衝動が抑えきれずに書いてしまいました。
どのくらい需要があるか分かりませんが、生暖かい眼で見ていただけるとありがたいです。
それではどうぞ。
「初めまして。突然ですが、あなたはお亡くなりになられました」
気付かない内にいた白い空間で、目の前に現れた美しい銀髪と背中の大きな白い翼を持つ女性にいきなりそう言われた。
なんか、これって創作小説でよくある………
「はい、その認識で結構です。ここは生と死の境。本来であれば死後の世界に行き、生前の行いによってその後の行き先が決まるのですが、あなたは少々問題が起こってしまい、こうしてお呼びしたわけです」
おおう。
ナチュラルに心読まれた。
ってことは、この人は女神か、もしくはそれに類する天使とかそういうお方なのかね?
「はあ…………因みに死因は何ですか? どこぞのオリ主君みたく、誰かを助けて凶刃に倒れたわけでもなければ、暴走するトラックに轢かれたわけでもない。それから過労死するほど働いても居ませんし……………」
死んだと聞かされても俺は意外と冷静だった。
いや、現実感無さすぎて実感していないだけかもしれないが。
「死因としては寝ている間の心臓麻痺です。意識が無かったので苦しみは無かったと思いますが…………」
心臓麻痺って結構痛そうなイメージあるんだけどね。
それでも目覚めなかった俺は鈍感なんだろうか?
「そうですか…………それで俺をここにお呼びした理由は? 先ほど言っていた問題というのが関係してると思いますが…………」
俺が尋ねると、女神らしき人は深々と頭を下げ、
「申し訳ありません。あなたの死は定められたものではなく、私の部下である下級神の過失によって引き起こされた想定外の出来事なのです」
なんと清々しいほどのテンプレ。
「そうですか…………それで俺の今後の行く末はどうなるんですか?」
すると、彼女は驚いたように顔を上げ、
「怒らないのですか?」
「怒っても生き返るわけでは無いんでしょう? 死んでしまった事は仕方ありません。生んでくれた親には失礼ですが、元々人生に存在意義を感じていませんでしたから。死んだと聞かされても、『あ、そうなの』程度にしか思いませんでした。嫁や恋人も居ませんし、親しい人も家族以外には居ません。親より先に死んだのは心残りと言えば心残りかもしれませんが」
それを聞くと女神様は少し悲しそうな顔をする。
「そのような事を言ってはいけません。どのような生にも必ず存在意義があります。本来の定めならならあなたは…………」
「ストップ! 失われた未来の話をしても仕方ないです。それよりも、俺はこれからどうなるのかが聞きたいのですが?」
女神様は出掛かった言葉を飲み込み、改めて口を開く。
「…………あなたには平行世界への転生を行っていただきます」
「転生とはこれまたテンプレな…………」
「そして転生に際して、お詫びとして少しだけならあなたの要望を聞き入れましょう」
「要はチートが貰えるって事ですか?」
「ええ。あなたの要望が可能かどうかはこちらで判断いたします」
「そうですか…………それなら………」
俺は昔から妄想していた夢を口にすることにした。
「デジモンのテイマーになりたいです」
「デジモンの………テイマーですか………?」
「はい。携帯ゲーム機じゃない。本当のデジモンと心を通わせられるテイマーになりたい!」
この場に誰かがいたら大笑いされる願いだろうとは分かっている。
それでも幾度も夢想していた夢に一途の望みを賭けた。
「デジモン………というのは、あなたの世界では空想の産物であるデジタルモンスターと呼ばれる電子生命体の事で宜しいですか?」
「はい。そうです」
「ふむ…………………宜しいでしょう」
「よっしゃぁっ!!」
女神様の答えに俺は思わずガッツポーズを取った。
「他に要望はありますか? 容姿や才能なども多少は上乗せ出来ますが?」
「容姿については特別不細工じゃ無ければ何でもいいです。才能は特に弄らなくても構いません…………………あ、あと一つ………」
「何でしょうか?」
「今回、ミスして俺を死なせてしまった神なんですけど……………」
「彼女については然るべき厳正な処罰を受けさせますのでご心配なさらず」
『彼女』という事はその神も女神様なのか?
「因みにその処罰の内容は?」
「人の運命を狂わせる事など本来あってはならない事です。 音も光も無い暗黒空間に最低でも数万年の幽閉、が妥当でしょう」
「ブッ!?」
俺は思わず吹き出してしまった。
なんなんだその気が狂いそうな罰は!?
「いやいやいや! 俺は気にしてませんのでそんな重い罰は止めてください!!」
「ですが過失とは言え罪を犯した者には罰を与えなければなりません」
ああ、もう!
ミスで俺如きを殺した位でそんなクソ重い罰を受ける女神が居ると思うとのうのうと生きていられないじゃないか!
「女神様! 先程の要望を変更します! 俺を死なせてしまった女神様の可能な限りの減刑でお願いします!!」
人生長くても100年前後。
その人生の3分の2を駄目にした程度で数万年の幽閉とはどう考えても割に合わん!
「……………それは偽善ですよ」
「んなことは分かってます! これは偽善です! 自己満足です! 単なるカッコつけです! 一時の感情から来る言葉でしょう! 後から大いに後悔するかもしれません! でも、ほっとけないって思ってしまったんですから仕方ないでしょう!?」
俺は感情のままに叫ぶ。
すると、女神様は静かに口を開く。
「先程も言った通り、彼女はあなたの未来を………人生を奪いました。それに対する罰は必要です」
「罰を受けるのは仕方ないと思いますが、俺如きの人生奪った程度で数万年の幽閉はやり過ぎだと言ってるんです!」
「そうでしょうか? あなたはここで死ななければ、気まぐれで買った宝くじの一等を当てたのを皮切りに、あらゆる幸福が舞い込み、何人もの美女を侍らせ、最後には世界屈指の大富豪になるはずだったんですよ」
「何でそれをここで言いますかね!? ものすっごく惜しく思えてしまうんですけど!?」
「ええ、そんな貴方の人生を奪ってしまったのが彼女なのです。厳罰は必要だと思いますが?」
「別に物凄く惜しくて残念とは思いますけど、俺の願いは変わりません。可能な限りの減刑をお願いします」
そう言って俺は頭を下げる。
「…………………ふう。どうやら本気のようですね?」
女神様は溜息を吐く。
「わかりました。あなたの願いに免じて可能な限りの減刑をお約束いたしましょう」
「ありがとうございます!」
「それから、あなたの最初の要望も受け入れます」
「いいんですか?」
「先程のあなたの未来は嘘なので。あなたが本気か試させていただきました」
「…………左様ですか。ま、例え生きてたとしても、そんなうまい話があるわけないわな」
俺は若干脱力する。
「ええ、あなたの来世に幸があらんことを………」
「女神様…………」
その言葉と共に、俺の意識は遠くなっていった。
【Side ???】
私は姿を消しながら上級神様と私が死なせてしまった人の話を聞いて呆然としていた。
その理由は先程の言葉。
『女神様! 先程の要望を変更します! 俺を死なせてしまった女神様の可能な限りの減刑でお願いします!!』
如何して?
私はそう思った。
本来なら罵詈雑言を浴びせかけられても文句は言えない。
ううん。
それが当然の筈なのに…………
上級神様が言った彼の未来は嘘と伝えたけど、あれは本当の事だ。
本来なら、彼はこれから幸福な人生を歩むはずだった。
それを私が台無しにしてしまった。
それなのに、
『別に物凄く惜しくて残念とは思いますけど、俺の願いは変わりません。可能な限りの減刑をお願いします』
彼自身それが偽善だと分かっている。
自己満足だと理解している。
それでも尚私の減刑を願い出た彼の魂を私はとても強いと感じていた。
やがて上級神様が彼を転生させた後、
「出てきなさい」
そう言われて私は姿を見せる。
「あなたも知っての通り、1人の運命を狂わせるという事は、その者の子、孫、その後の子孫達の運命全てを狂わせてしまったという事です」
「はい……………」
私は俯く。
彼は、自分1人だけの人生に対する罰が数万年の幽閉という事に不公平さを感じていたようだけど、それはその人の子孫全てを殺すに等しい。
数万年の幽閉でもまだ生温いぐらいの罪だ。
「何より、彼は普通より多くの子を残す筈でした。その彼を死なせたことはそれだけ多くの命を失わせたという事です」
「はい、理解しています…………」
「本来であれば、幽閉どころかあなたの存在の消滅すら視野に入れなければいけないほどの大罪です」
その言葉に私は俯く。
その言葉に反論は出来ない。
私はそれだけの罪を犯してしまったのだから。
私は覚悟を決める。
「はい………この度の罪はこの身を以って…………」
償います。
私がそう発言しようとした時、
「…………ですが」
上級神様の言葉が私の言葉を遮った。
「彼の願いを無為にするわけにもいきません」
「えっ…………?」
上級神様は私を見る。
「下級神アルオイス」
「は、はい!」
声色の変わった上級神様に名を呼ばれ、私は思わず背筋を伸ばす。
「あなたに罰を言い渡します。あなたはこれより人間に転生し、下界で暮らしなさい」
「えっ?」
罪を犯した神を人間に転生させる罰はあるけど、それはもっと軽い罪に対する罰の筈。
「もちろんそれだけではありません。転生させた彼は、言わばその世界にとってはイレギュラー。運命は彼を誰とも結ばれることを許さないでしょう。故に、あなたが彼と共に歩み、彼を支えなさい。それがあなたに対する罰であり、あなたが彼にしてあげられる償いです」
「は、はい!」
「転生の際に女神としての力と記憶は封印されますが、運命は必ずやあなた達を引き合わせるでしょう」
上級神様はそう言って私の足元に魔法陣を発生させる。
「さあ行きなさい。あなたの人生に幸あらん事を」
私はそのまま光に包まれ、ある世界の1人の女の子として転生した。
園部 優花はどちらのヒロイン?
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オリ主
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ハジメ