ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第14話 ありふれた強化

 

 

 

 

 

結局タバサに押し切られ、タバサを強化することになった訳だが…………

 

「で? タバサを強くするって一体どうするの?」

 

キュルケがそう問いかけてくる。

 

「まあ、簡単に言えば、異世界の魔物の肉を食べてもらう」

 

「魔物の………肉?」

 

ルイズがそれだけと言わんばかりに首を傾げる。

 

「勿論唯の肉じゃない。普通に食べれば身体がバラバラになって死ぬという代物だ」

 

「ちょ!? そんなものをタバサに食べさせようっていうの!?」

 

ルイズが反応する。

 

「ああ。そこでコイツの出番だ」

 

俺は宝物庫から神水の入った試験管を取り出す。

 

「こいつは『神水』と言って、さっき言っていたとても貴重な薬だ。どんな怪我や毒なんかも、たちどころに治癒する回復力を持つ。こいつを魔物肉を食べると同時に飲んでもらう」

 

「そ、そうなんだ………なら安心ね」

 

ルイズはホッとするが、

 

「ところがそう簡単な話じゃない。魔物肉は身体を破壊し、『神水』は身体を治癒する。そんなものを2つ同時に摂取したらどうなると思う?」

 

俺がそう言うと、ルイズ達の顔がさっと青くなる。

 

「魔物肉によって体が破壊され、『神水』によって治癒される。そこで再び身体が破壊され、再び治癒される。それが延々と繰り返されるんだ。それに『神水』は身体を治してくれても痛みを消してくれるわけじゃない。身体を砕かれる痛みを繰り返し味わうことになる」

 

それを聞いて、更にゾッとしたのか、彼女達の顔面が蒼白になった。

俺はタバサに視線を向け、

 

「今の話を聞いて、やめたくなったのなら言ってくれ。俺はその状態を間近で見た事がある。正直、見てるだけでもその思いを味わうのは御免被りたいと思ったぐらいだからな」

 

タバサへの脅しも含めてそう言うが、タバサは首を横に振り、

 

「…………食べる」

 

迷わずにそう言い切った。

俺は一度溜息を吐く。

 

「そこまで決意しているのなら、これ以上は何も言わない。ただ、皆は外に出ていた方が良い」

 

「どうして!? タバサが苦しい思いをするのならせめて傍で………!」

 

キュルケはタバサの傍に居ようとするが、

 

「今言った通り、タバサはこれから凄惨な目に合う。正直、その状況はお前達にとっては見るのはキツイ。ぶっ倒れるのがオチだ。公爵夫人も病み上がりにはキツイだろうし、ペルスランは冗談抜きで心臓が止まっても不思議じゃないからな」

 

俺は皆を部屋の外に出るように促した。

 

「タバサは………本当に大丈夫なの………?」

 

「最悪は再生魔法と魂魄魔法で元に戻す。命の心配はしなくてもいい」

 

「そう…………」

 

ルイズは少し気落ちした表情で部屋を出て行く。

 

「タバサは私の親友よ。何かあったら承知しないからね」

 

キュルケもそう言って部屋を出る。

 

「シャルロットを、お願いします」

 

タバサの母親はそれだけ言って頭を下げ、ペルスランも頭を下げて部屋を出た。

 

「さて…………」

 

俺はタバサに向き直ると、宝物庫からとあるものを取り出す。

 

「オルクス特産魔物の合挽ハンバーグ~♪」

 

場の雰囲気を和ますために、少しふざけた調子で言ってみる。

 

「………………………」

 

タバサは無反応だったが。

少し悲しい。

因みにこれは、オルクスの主だった魔物を挽肉にして合わせ、ハンバーグにした物だ。

おそらくこれを食べれば、ステータスの平均が、1000から2000位は上昇し、複数の技能も覚えられる筈だ。

序にこんなものを持っている理由は、いざという時の為の保険。

俺が孤立し、どうしようもなくなった時の為に、生き延びる術として、『神水』と一緒に保管してあった物だ。

まあデジソウルに目覚めた事で無用なものになったが、ずっと保管しっぱなしだったものだ。

因みに何故腐らないのかは謎である。

すると、優花が火魔法を使ってその魔物ハンバーグに火を通していく。

その際に臭いが立ち昇るが、お世辞にも良い臭いとは言えない。

 

「魔物肉は本来不味いからね。これでもかなりマシになった方よ」

 

優花が説明する様にそう言った。

魔物ハンバーグに火を通し終えると、

 

「少しきついだろうけど、このハンバーグをなるべく全部食べて。出来れば10秒以内で。それで食べ終わったらすぐに『神水』を飲むの。でないと、死ぬわよ」

 

念を押すようにそう言った。

タバサは頷くと、序に出したナイフとフォークを手に持ち……………

 

「いただきます」

 

行儀良くそう言ったかと思うと、

 

「……………ご馳走様」

 

あっという間に魔物ハンバーグを平らげた。

ぶっちゃけ10秒もかかっていない。

それに目を丸くする優花と葵だったが、俺は、そう言えば、タバサは大食いキャラだったなと今更な事を思い出した。

タバサはその後、すぐに試験管に入った『神水』を飲む。

 

「…………………?」

 

タバサは少しの間変化が無い事に首を傾げていたが、

 

「…………………ッ!?」

 

その変化はすぐに訪れた。

 

「あ゛っ………!? ぐっ…………!? あ゛あ゛っ………!?」

 

ベキッ、ゴキッと、身体中の骨が砕ける音が響いたかと思うと、身体中の毛細血管が破裂したようで、身体の所々から血が吹き出る。

タバサは堪らず床に倒れた。

そして、同時に『神水』の効果でそれらが強引に治癒されていくが、その直後に再び破壊される。

 

「ぎあっ!? がっ………!? ゔあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 

普段なら絶対に上げないであろうタバサの絶叫。

その声が、タバサの苦しみをありありと伝えてくる。

 

「いぎっ!? うあ゛っ!? あ゛あ゛あ゛っ!?!?」

 

タバサは身体を丸めて痛みに耐えようとするが、そんな事では痛みは治まらない。

 

「ゔあ゛あ゛っ!? あ゛っ!? ぐぅぅぅっ………!?」

 

タバサは苦しそうに身を捩ることしか出来ない。

 

「あ゛っ!? あ゛あ゛っ!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ!?!?」

 

タバサは優花の時の様に助けは求めない。

だが、その手は何かを求めて彷徨っているように思えた。

 

「…………………はあ、ほっとけないな………」

 

俺は一度溜息を吐くと、タバサのすぐ横に座り込んで、右手でその手を握る。

 

「大丈夫だ………お前なら乗り越えられる………!」

 

俺はそう語りかける。

 

「っ………ぐぅぅ…………!」

 

すると、タバサはもう片方の手も俺の右手に重ねると、縋る様に握りしめた。

俺は、優花の時の様に握り潰されない為に、右手にデジソウルを宿す。

 

「気の済むまで握っていればいい…………俺がここに居てやる」

 

タバサの気が少しでも紛れればいいと、俺はそう声を掛けた。

 

「っ………………!」

 

心無し、タバサの表情が和らいだ気がした。

その時だった。

俺の右手に宿る金色のデジソウルの輝きが、右手を握るタバサの手を伝ってタバサの身体全体を覆ったのだ。

 

「何だ………?」

 

思い掛けない現象に俺は思わず声を漏らす。

 

「………………あったかい」

 

タバサは相変わらず苦しそうだったが、笑みを浮かべてそう口にする。

 

「タバサ………いや、シャルロット………」

 

その笑みに、俺は思わず目を奪われた。

 

「ッ…………!?」

 

その時、彼女の身体に変化が起こる。

彼女の腕や脚………そして体が大きく伸び始めたのだ。

元々140cmちょいしか無かった彼女の身長は、160cmを超えるほどになり、肉付きも良くなっている。

言っては悪いが、ルイズ以下だった胸の大きさも今の優花に迫るほどに大きくなっていた。

髪は以前の優花やハジメ、白崎さんの時の様に白く染まるが、同時に首の上辺りで切り揃えられていた髪が伸び、背中に掛かるほどの長さになる。

 

「………………すぅ、はぁ…………」

 

痛みが治まってきたのか、彼女の呼吸も落ち着いてくる。

それでも、俺の手は未だにしっかりと握られていた。

 

「……………………………」

 

彼女がゆっくりと眼を開く。

その瞳は、やはり赤くなっており、その真紅の瞳が俺を見つめた。

 

 

 

 

 

【Side タバサ】

 

 

 

 

 

 

力を得る為に地獄の苦しみを味わう。

自分では十二分に覚悟しているつもりだった。

今まで味わって来た苦しみに比べれば、身体の痛みに伴う苦しみなんて、いくらでも耐えられる。

そう思っていた。

だけど、そんな私の覚悟は、あっさりと打ち砕かれた。

 

「ぎあっ!? がっ………!? ゔあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 

私の口からは、決して漏らすまいと思っていた悲鳴が絶え間なく響く。

自分でもこんなに大きな悲鳴が出せるとは知らなかったと思えるぐらいに。

 

「いぎっ!? うあ゛っ!? あ゛あ゛あ゛っ!?!?」

 

痛みを堪えようと身体を丸めても、そんな事は気休めにもならなかった。

 

「ゔあ゛あ゛っ!? あ゛っ!? ぐぅぅぅっ………!?」

 

身を捩っても、歯を食いしばっても、その痛みと苦しみは私の心を容赦なく削り取る。

 

「あ゛っ!? あ゛あ゛っ!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ!?!?」

 

今まで持ち続けてきた復讐心も、私達を苦しめてきた『運命』への憎しみも、何もかもが身体と一緒に砕かれていく。

そして、自分で凍てつかせた筈の『心』にすらも罅が入り始めるのを感じていた。

もう目も見えない…………

何も聞こえない…………

とても寒い……………

痛みを通り越して、何も感じなくなってすらいる…………

ただ、苦しみだけが続く…………

こんな苦しみが続くなら、もう…………

砕かれそうな程に凍てついた『心』の罅が大きくなる。

私の意識は闇に落ちる。

真っ暗な………

そして無音の闇へ…………

このまま意識を閉ざしてしまえば、きっと私は二度と目覚める事は出来ない。

でも、それでも良いのかもしれない。

母様を助けるという最低限の目的は果たせた。

だから、私はこのまま1人で消えてしまった方が、余計な軋轢を生まなくて済むのかもしれない。

そう…………私は1人。

 

―――嫌…………

 

私は………1人だ。

 

―――………りは嫌………

 

今までも………そして、最期も………

 

―――……1人は嫌………!

 

私は…………ひと………り………………

 

―――1人は嫌だ!

 

…………嫌だ………1人は嫌だ…………1人ぼっちで消えたくない………!

凍てついた『心』が砕ける寸前、その中に閉じ込めていた私自身の本当の思いが溢れ出す。

 

―――助けて…………誰か助けて………! 私をここから救い出して!!

 

それは、

 

―――私の…………私の勇者(イーヴァルディ)………!

 

囚われのお姫様(わたし)』を救い出す『勇者(だれか)』を求める声だった。

私は闇の中必死に手を伸ばす。

助けを求めようとするけど、声が出ない。

嫌……!

こんな気持ちで消えたくない!

独りぼっちなんかで消えたくない!

手を伸ばそうとするけど、私の意識はそれに反して闇に沈んでいく。

何も見えない…………

何も聞こえない………

何も感じない………

ただ、とても寒く、冷たい闇に包まれていくのが分かる。

だから私は……………

 

 

 

 

 

 

 

―――誰か………………たすけて………………

 

 

 

 

 

 

 

…………諦め…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大丈夫だ………お前なら乗り越えられる………!』

 

 

 

 

 

 

 

 

突然聞こえたその声と共に、伸ばしたその手に温もりを感じる。

 

―――ッ!!!

 

何が起こったのかは分からない。

ただ私はその温もりにしがみ付いた。

独りぼっちの闇の中、その温もりを手放したくは無かった。

 

『気の済むまで握っていればいい…………俺がここに居てやる』

 

その声は聞き覚えのある声だった。

この声は…………

その時、手だけに感じていた温もりに、身体全体が包まれるのを感じた。

 

―――………………あったかい

 

とても暖かい温もり。

それは、私の凍てついた『心』をも溶かしていく。

そして同時に、その温かさの中に秘められた想いを感じた。

彼は言っていた。

『自分の大切の為なら、何処までも残酷になれる』と。

それは逆に言えば、『大切』の為ならなんだってする覚悟があるという事。

例え、世界が、運命が、神が相手だろうと、『大切』の為になら戦う事を躊躇わないという事。

私が求めていたのは、『世界を救う勇者』じゃない。

私が求めているのは、『私を救ってくれる勇者』。

そして、彼の『大切』になることが出来れば、きっと私の事も…………

 

『タバサ………いや、シャルロット………』

 

私の本当の名を呼ばれた瞬間、心臓が一度、強く脈打った。

この温もりに、ずっと包まれていたいと思ってしまう。

いつの間にか闇は晴れていた。

痛みも苦しみも消え去っている。

だけど、この手に感じる温もりだけは未だに手放したくないと思い、しっかりと握っていた。

その温もりを感じながら、私はゆっくりと眼を開ける。

黒い瞳の優しい眼差しが、私を見つめていた。

 

「大丈夫か?」

 

彼の口からは、私を心配する言葉が出てくる。

 

「……………………」

 

先程までの苦しみが嘘の様に、何事も無いように………

いや、それどころか、前よりも身体の調子が良いぐらい。

私は横倒しになっていた身体を起こす。

手は握ったままだから、丁度彼を下から見上げる様な形になった。

その時、

 

「ッ………………!?」

 

彼は突然顔を赤くして顔を逸らした。

どうしたんだろう?

今の反応は、まるで男性が女性のあられもない姿を見てしまった時の様な反応だ。

正直、私は自分に女としての魅力が無い事は自覚している。

15歳にもなって、身長は142サントしかなく、女性の象徴でもある胸のふくらみも無い。

彼の一応の主人でもある、ルイズよりも貧相な体なのだ。

逆に、彼の恋人である2人は、女性として羨ましくなるほどの見事な体をしている。

その2人に比べれば、幼児体型とも呼べる、自分の貧相な体など見た所で欲情などするはずが無いのに…………

そう言えば、さっきから胸が何故か苦しい。

私はそう思いながら、視線を下に下げた。

そうすれば、平らな胸と、床が見える筈だった。

それなのに、視界の半分ほどを何かが遮った。

 

「……………?」

 

私は首を傾げた。

これは一体何なんだろう?

私は彼に視線を向けるけど、相変わらず彼は顔を背けたままだ。

すると、

 

「タバサ、ちょっと立ち上がってみて」

 

アオイにそう言われ、私は立ち上がってみる。

その際に彼も一緒に立ち上がり、彼との30サント程もある身長差が明確に…………ならなかった。

何故なら、頭一つ分は差があったはずの彼との目線の高さの差は、ずっと近い所にあったからだ。

 

「うわぁ、ある意味南雲以上の変わりようね…………」

 

優花が驚いた声を漏らす。

ナグモって聞き覚えの無い名前も出てきたけど、漸く私は自分の身に何が起きたのか理解し始めていた。

まず、身長が伸びた事。

142サントしか無かった私の身長は、160サントを超えるほどになっている。

それに伴い、身体中の肉付きも良くなってるし、その………胸も信じられない程大きくなっている。

その所為で今まで着ていた服が小さくなり、特に上半身は胸も大きくなったことでブラウスの上の方のボタンが千切れ飛んでいた。

その為、胸を強調する様な形になっており、今にもはち切れんばかりだ。

あと、序に髪も白くなっていた。

私はもう一度彼を見る。

彼は相変わらず顔を赤くしたまま顔を背けていた。

だけど、こういう反応をするという事は、彼は私に魅力を感じてくれているという事なんだろうか?

そう思うと、私は自分が喜びを感じている事に気付いた。

彼に『女』として見てもらっている。

それを意識する度、私の心は喜びで満ち溢れる。

彼の顔を見るたび、彼を愛しいと感じる。

この気持ちはきっと…………

すると、

 

「あ、あのさ、シャルロット………その、手を………」

 

その言葉で気付いたけど、私は彼の手を握ったままだった。

だけど、その手を放したくは無かった。

私はより強く彼の手を握る。

 

「シャ、シャルロット!?」

 

彼が驚いた声を上げる。

その反応が面白くて、私はより近付こうと、

 

「は~い! そこまで!!」

 

した瞬間に、間にアオイが現れ。私達を引き離した。

 

「あっ………」

 

彼の手が離れる瞬間、私は寂しさを感じた。

すると、

 

「タバサ、あなたとは後でゆっくりお話しするとして、今は先に確かめないといけない事があるでしょ?」

 

アオイは話を変えるようにそう言い出す。

 

「はい、これ!」

 

アオイが差し出したのは、前にも使った事のあるステータスプレート。

ナイフも一緒に渡される。

私はナイフで指先を切ると、その血をステータスプレートに付ける。

そして文字が浮かび上がった。

言語理解のメガネを受け取ると、それを掛けてステータスプレートに視線を向けた。

そこには、

 

 

 

 

 

 

シャルロット・エレーヌ・オルレアン 15歳 女 レベル:60

 

天職:氷術師

 

筋力:1600

 

体力:1600

 

耐性:1000

 

敏捷:2000

 

魔力:3000

 

魔耐:2500

 

技能:風属性適性[+消費魔力減少][+発動速度上昇][+効果上昇] [+属性付加][+連続発動] [+複数同時発動]・水属性適性[+消費魔力減少][+発動速度上昇] [+効果上昇][+属性付加][+連続発動] [+複数同時発動]・魔法融合[+2重][+3重][+4重][+5重][+6重]・魔力変換[+精神変換]・魔力操作[+魔力放射]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・先読・威圧・念話・高速魔力回復

 

 

 

 

 

以前とは比較にならない数値が表示されていた。

 

「おお~、すげえ上昇率だな………」

 

私の後ろから覗き込む様に彼が顔を近付けていた。

その事に、私は顔が熱くなる。

 

「どうやら無事に魔物の固有技能も習得できたみたいね」

 

「固有技能?」

 

ユウカの言葉に聞き返す。

 

「ええ。例えばこれね」

 

ユウカは手に意識を集中すると、その手にバチバチと紫電が発生する。

 

「これが〝纏雷〟。雷を纏う技能よ。基本的に固有技能は術者のイメージで発動するわ」

 

ユウカの言われた通りに、ユウカの纏う紫電をイメージして右手に意識を集中する。

すると、私の手にもバチバチと雷が発生した。

 

「これが………」

 

不思議な感覚………杖も詠唱も無く魔法を使ってる。

 

「……………………」

 

そこで私はふと気付いた。

ユウカの纏う雷と比べると、私の雷は細く、弱々しい事に。

 

「ユウカのより弱い………?」

 

私は呟く。

 

「それは仕方ないわよ。慣れもあるだろうし、あとは純粋にステータスの差よ」

 

「ユウカのステータスはいくつ位?」

 

私は興味本位でそう聞くと、

 

「基本的に全部10000は超えてるわね」

 

「ッ!?」

 

私は絶句した。

ユウカのステータスは全部10000超え。

そう言えば、強くなれるのはユウカの1割から2割って言ってたのを思い出す。

あれは冗談でも何でもなかったという事。

仕方無いとはいえ、悔しさもある。

だから私は少しでもユウカの雷に近付けようと、更に意識を集中させる。

その時、胸の奥で何かが燃え上がる感覚があった。

 

「えっ?」

 

その燃え上がる何かが右手の先に伝わったかと思うと、右手から四角い青色の光る粒子が溢れ出し、右手を包んだ。

 

「デジソウル!?」

 

彼が驚愕の声を上げる。

その瞬間、バチィッ!と比較にならない電撃が奔り、私は驚いて〝纏雷〟を中断してしまった。

 

「うおっ!?」

 

「くっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

彼らも驚いた声を上げていた。

私は自分の右手を見る。

そこには先程の四角い粒子が集まった光が宿り続けていた。

 

「う~ん………間違いなくデジソウルだな………」

 

彼がこの光をまじまじと見つめてそう言う。

そう言えば、色こそ違うけど、彼がこの光と同種のモノを発生させていたのを何度か見た事がある事を思い出した。

 

「シャルロットがデジソウルを発現させた原因は………もしかしてさっきのか?」

 

彼は不思議そうに私の光を見つめる。

すると、

 

「まあ、今考えてもどうしようもない。一先ず皆を安心させるために顔を見せに行こう」

 

その言葉に私は頷くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

 

俺は今までいた部屋の扉を開けた。

その瞬間、

 

「タバサは大丈夫なの!?」

 

キュルケが叫びながら問い詰めて来た。

 

「凄い悲鳴だったわよ! ホントに大丈夫なの!?」

 

ルイズもそう言って詰め寄る。

 

「あ、ああ。心配するな。無事成功したよ」

 

俺はそう言いながら扉の前から退くと、

 

「「タバサ!!」」

 

キュルケとルイズが叫びながら部屋の中に雪崩れ込む。

 

「「タバサ! ぶ………じ…………?」」

 

勢い良く部屋に入って来た2人だが、目の前に居る人物を見て、尻すぼみになりながら声を失う。

そこでオルレアン公爵夫人とペルスランも部屋の中に入って来た。

因みにシャルロットはマントで体を隠して貰っている。

 

「………私は平気」

 

シャルロットはそう答えるが、

 

「ど、ど、どちら様かしら…………?」

 

ルイズが顔をヒクつかせながら訪ねる。

だが、

 

「……………………タバサ………よね?」

 

「………………シャルロット」

 

キュルケとオルレアン公爵夫人は流石と言うべきか、一目で見破ったようだ。

まあ、消去法かもしれないが。

キュルケの言葉にシャルロットは頷く。

 

「「ええええええええぇ~~~~~~~~~っ!?!?」」

 

ルイズとキュルケは思わず大絶叫を上げた。

それも仕方ないだろう。

ちょっと目を離したと思ったら、身長が伸びて髪と瞳の色も変わっているのだから。

因みにペルスランは口を開いたまま固まっている。

 

「どういう事!? 一体何があったの!?」

 

キュルケが詰め寄る。

 

「あ~、言い忘れたが、これは魔物肉を食べたことによる副次効果みたいなものだ」

 

「副次効果?」

 

「魔物肉と『神水』を使うと、破壊と再生を繰り返すうちに、身体が最適化されるって言うのか………? その人物にとって、もっとも適した体に変化するみたいなんだよ。詳しい事は分からないが…………」

 

「じゃあ、今の姿がタバサにとって最も適した姿って事?」

 

「多分な」

 

キュルケの質問にそう答える。

 

「タバサに悪影響は無いのね?」

 

「少なくとも、同じように魔物肉を食べた優花が今日まで問題なく生きている事は確かだが?」

 

「そう………」

 

キュルケはシャルロットに向き直ると、

 

「いきなり姿が変わっていたことにはびっくりしたけど、無事でよかったわ」

 

キュルケがシャルロットを軽く抱きしめる。

 

「ん、心配かけた」

 

シャルロットは謝る。

 

「そう言えば、髪と眼の色は〝再生魔法〟で戻せるけど、如何する?」

 

葵がそう言うと、シャルロットは少し考える仕草をして、

 

「暫くはこのままでいい。この姿は、正体を偽るのにも丁度いい」

 

そう言った。

まあ確かにな。

だが、

 

「無事を喜ぶのはいいんだが先に着替えて来てくれると助かる。目のやりどころに困るから」

 

俺はマントで体を隠したままのシャルロットにそう言う。

シャルロットは顔を赤くしながらもどことなく嬉しそうな顔をした。

何でだよ?

つーか、その顔がホント可愛すぎるんだが………って俺は何を思ってるんだ!?

その時、キュルケが何かに気付いたように面白そうな笑みを浮かべていた。

シャルロットはペルスランに数言呟くと、ペルスランは礼をしてシャルロットを先導する様に歩き出した。

すると、部屋を出る時、偶々マントがズレて、ルイズの目に隠されていた巨乳が見せつけられた。

 

「ッ…………………!?!?!?」

 

その瞬間、ビシッと固まるルイズ。

それに気付かぬまま2人が部屋を出て行くと、

 

「どぅぉぉぉぉぉぉぉいうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅことぅぉぉぉぉぉよぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

ルイズの絶叫が響くのだった。

 

 

 

 








はい、ゼロ魔クロス第14話です。
今回はタバサ改めシャルロットの魔改造が完了しました。
魔物肉は皆さん予想した通りでしたがデジソウルを予想してた人は居るでしょうか!?
自分は予想して無かったです(爆)
執筆中に唐突に思い付き、思わずぶっ込んでしまった次第です。
魔法とデジソウルのハイブリットは、魔法とデジタル物質は相性が頗る悪いという自分の設定に反するんじゃないかと言う人もいるかもしれませんが、まあ、デジソウルは正確にはデジタル物質じゃなく、人の秘められた力の1つなので、自分の設定にもギリ抵触しないという事で(強引)
深淵卿もデジソウル使ってるし!
でもって作者と大士君の趣味でシャルロットも巨乳化。
因みに胸の大きさの比率は、

タバサ(魔改造前)【Aカップ】<ルイズ【Bカップ】<【越えられない壁】<シャルロット(魔改造後タバサ)【Fカップ】<キュルケ【Gカップ】<優花【Gカップ】<葵【Hカップ】<ティファニア【Iカップ?】

こんな感じで魔改造によって越えられない壁を越えたシャルロットでした。
正直ティアニアは正確なデータが無いのでよくわからないんですけどね。
あとシャルロットが大士に惚れました。
チョロくない?と思われるかもしれませんが、原作でもぶっちゃけチョロかったと思うので問題無いかと。
では、次をお楽しみに。
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