ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第20話 ありふれた帰郷 後編

 

 

 

 

 

 

思い掛けない所から葵が女神だと見抜かれ、何故かカトレアが葵の巫女になった後。

俺達はカトレアが乗っていた大型の馬車に乗り換え、ルイズの実家へ向かっていた。

その馬車の中は、さながら動物園だ。

虎が寝そべり、熊が座り、数々の犬や猫が思い思いに過ごしている。

天井からは蛇がぶら下がり、シエスタの目の前に現れたのでシエスタは気絶した。

 

「……………こうなるとドルモン達もあんまり目立たないよなぁ………」

 

「あはは………」

 

無数の動物がいる馬車は、普通なら違和感抜群のドルモン達がいても、あまり気にならない。

ドルモンは獣型デジモンなので特に違和感が少なかったりする。

因みにリュウダモンも獣型だが、鎧を着ているのでそれなりに浮いていた。

 

「………っていうか、よく考えると、アンタ女神様に膝枕して貰ってるのよね?」

 

ルイズが呆れた様な視線で俺を見てくる。

相変わらず馬車に酔っている俺は、葵の膝枕で横になっている。

 

「仕方ないだろ? 乗り物に弱いのは体質なんだから………」

 

自分で車を運転するのは大丈夫だが、ただ乗るだけだと割と酔うのだ。

 

「相変わらず乗り物には弱ぇんだなもんな。相棒は」

 

なんか久しぶりにデルフの声を聞いた気がする。

 

「いや、そうじゃなくて………バチあたりって言うか何と言うか………」

 

「女神だろうが人間だろうが、葵は葵で俺の恋人。それ以外の何者でもない」

 

ルイズの言葉に俺はそう言い切る。

 

「はぁ………アオイが女神様だったなんて………どうりで水の精霊がアオイに跪いたわけだわ………」

 

すると、

 

「まあ! あなた、アオイちゃんの恋人なの?」

 

カトレアが笑顔で驚く。

 

「はい、そうなんです」

 

肯定したのは葵だ。

 

「………っていうか、ユウカとシャルロットも恋人じゃない…………女神公認のハーレムって、改めて考えてみると凄いわね…………」

 

ルイズは更に呆れた声で呟く。

ルイズは既に驚きを通り越して呆れてしまったようだ。

因みにエレオノールは未だ口からエクトプラズムを吐き出しながら白くなっているままだ。

 

「俺だって信じられねえよ………」

 

本当なら、『女性から異性として好かれない運命』を背負って生まれてきたはずなんだからな。

 

「あらあら、罪作りな男の子なのね。その内ルイズも恋人にしちゃうのかしら?」

 

ニコニコと笑みを浮かべながらカトレアは言う。

 

「なっ………!?」

 

ルイズは驚愕の声を上げるが、

 

「それは無い」

 

俺はキッパリとそう言った。

 

「……………私もその気はないけど、こうもきっぱり言われると何とも言えない気分になるわね………」

 

ルイズは微妙な表情をする。

更に俺は、馬車酔いしていて気分が若干やさぐれていた為か、余計な一言を付け加えてしまった。

 

「それに、外見的な印象なら、俺的にはルイズよりもあなたの方が好みなんですけどね」

 

「あらまあ?」

 

カトレアは俺の言葉に、頬に手を当てて困った様に首を傾けた。

 

「大変。私、口説かれてしまいましたわ」

 

「…………何でそうなる?」

 

カトレアの反応に、俺は思わずそう返した。

 

「お気持ちは嬉しいのですが、私はもう神に仕える身。その想いには応えられませんわ」

 

ニコニコしながら言うから、本気か冗談か判断がつかんな。

まあ、どっちでも関係無いが。

すると、

 

「あ、言い忘れましたけど、私はそういうの気にしませんから」

 

葵がそう発言した。

 

「私の巫女になったからと言って、カトレアさんの恋や情愛を制限するつもりはありません。普通に恋愛をして、結婚して、子供を産んでください」

 

葵はニッコリと笑みを浮かべてそう言う。

 

「あらあら? 宜しいのですか?」

 

「勿論です。私自身、こうして大士を好きになって愛し合ってるんですから。恋や愛がどれだけ素晴らしいものかを身を以って知っているんです。それを制限する事なんて出来ませんよ」

 

「そうですか」

 

葵の言葉にカトレアもニコニコしたまま答える。

 

「……………大士、また増やす気?」

 

優花が若干のジト目を俺に向けてくる。

 

「そ、そんなつもりは無いぞ………!」

 

俺は不用意な発言を控えようと誓った。

 

 

 

 

 

 

日が暮れた頃、馬車はラ・ヴァリエールの城に到着した。

『城』である。

普通に『城』だった。

その大きさに、なんとまあと思いながら城内に案内される。

案内されたのはきちんとした客室で、原作の才人の様に納戸の様なスペースには押し込まれなかった。

カトレアが手を回してくれたのだろうか?

流石に女神様とそのご一行を物置に押し込める訳にはいかんだろうが。

この夜は、特に原作の様な騒動が起こる訳でもなく、静かな夜が過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

翌日。

朝食は日当たりのいいこぢんまりとしたバルコニーでとるのが、ラ・ヴァリエール家の常である。

早朝に戻ってきたラ・ヴァリエール公爵がテーブルの上座に腰掛け、その隣にカリーヌが並ぶ。

そして、珍しく勢ぞろいした三姉妹が、歳の順番にテーブルに座った。

公爵はかなり機嫌が悪い様子であった。

 

「まったくあの鳥の骨め!」

 

開口一番、公爵は枢機卿をこき下ろした。

 

「どうかなさいましたか?」

 

カリーヌが表情を変えずに、夫に問うた。

ルイズなどはもう、父のその一言に気が気ではない。

 

「このわしをわざわざトリスタニアに呼びつけて、何を言うかと思えば『一個軍団編成されたし』だと! ふざけおって!」

 

「承諾なさったのですか?」

 

「するわけがなかろう! すでにわしはもう軍務を退いたのだ! わしに代わって兵を率いる世継ぎも家にはおらぬ。なにより、わしはこの戦に反対だ!」

 

「でしたね。でもよいのですか? 祖国は今、一丸となって仇敵を滅すべし、との枢機卿のおふれが出たばかりじゃございませんか。ラ・ヴァリエールに逆心ありなどと噂されては、社交もしにくくなりますわ」

 

そうは言いながらも、カリーヌは随分と涼しい顔である。

 

「あのような鳥の骨を“枢機卿”などと呼んではいかん。骨は骨で十分だ。まったく、お若い陛下をたらしこみおって」

 

ルイズはぶほっ!と食べていたパンを噴出した。

エレオノールがそんなルイズを睨み付ける。

 

「おお怖い。宮廷のすずめたちに聞かれたら、ただじゃすみませんわよ」

 

「ぜひとも聞かせてやりたいものだ」

 

それまで黙っていたルイズが、わななきながら口を開いた。

 

「と、父さまに伺いたいことがございます」

 

公爵はルイズを見つめた。

 

「いいとも、だがその前に、久しぶりに会った父親に接吻してはくれんかね。ルイズ」

 

ルイズは立ち上がると、父に近寄り、頬にキスした。

それから真っ直ぐに父を見つめ、尋ねた。

 

「どうして父さまは戦に反対なさるのですか?」

 

「この戦は間違った戦だからだ」

 

「戦争を仕掛けてきたのはアルビオンですわ。迎え撃つことのどこがいけないのですか?」

 

「こちらから攻める事は『迎え撃つ』とは言わんのだよ。いいか?」

 

公爵は皿と料理を使って、ルイズに説明を始めた。

 

「『攻める』ということは、圧倒的な兵力が会って初めて成功するものだ。敵軍は5万。我が軍はゲルマニアと合わせて6万」

 

かちゃかちゃとフォークとナイフを動かし、公爵は肉の欠片で軍を作った。

 

「我が軍の方が1万も多いじゃありませんか」

 

「攻める軍は、守る側に比べて3倍の数があってこそ確実に勝利できるのだ。拠点を得て、空を制して尚、この数では苦しい戦いになるだろう」

 

「でも…………」

 

公爵はルイズの顔を覗き込んだ。

 

「我々は包囲をすべきなのだ。空からあの忌々しい大陸を封鎖して、日干しになるのを待てばよい。そうすれば、向こうから和平を言い出してくるわ。戦の決着を、白と黒でつけようとするからこういうことになる。もし攻めて失敗したらなんとする? その可能性は低くはないのだ」

 

ルイズは黙ってしまった。

父のいう事は正論である。

実際、ウェールズもそのことは認めていた。

 

「タルブの村でたまたま勝ったからって、慢心が過ぎる。驕りは油断を生む。おまけに魔法学院の生徒を士官として連れて行く? バカを言っちゃいかん。子供に何が出来る。戦はな、足りぬからといって、数だけそろえればよいというものではない。攻めるという行為は、絶対に勝利できる自信があって初めて行なえるのだ。そんな戦に、娘を行かせるわけにはいかん」

 

「父さま………」

 

公爵はそこまで言うと立ち上がった。

 

「さて、朝食は終わりだ」

 

ルイズはぎゅっと唇をかみ締めて、佇んだ。

 

「ルイズ。お前には謹慎を命ずる。戦が終わるまで、この城から出る事は許さん」

 

「待って!」

 

ルイズが父親を呼び止める。

 

「何だ? 話は終わりだと言っている」

 

「姫様……いえ、陛下は私を必要としているの」

 

「お前の何を必要としているというのだ。魔法の才能が…………」

 

公爵がそう言い返すと、ルイズは一旦深呼吸する。

 

「……………父さま。私は自分の系統に目覚めました」

 

ルイズはそう口にする。

アンリエッタから許可を受けているとはいえ、その事を言うのは覚悟が必要だった。

 

「………お前、得意な系統に目覚めたのかね?」

 

ルイズの言葉に公爵は驚いた声を漏らす。

ルイズは頷いた。

その事実には、カリーヌやエレオノール、カトレアも驚いた表情をしていた。

 

「四系統のどれだね?」

 

公爵は更に訊ねた。

だが、ルイズはその問いに首を横に振る。

 

「いいえ。私の系統は、四系統のどれでもありません」

 

「なんだと…………? ッ! まさか…………!」

 

公爵は一瞬怪訝な表情をしたが、直後に察したのか、驚愕で目を見開いた。

 

「…………私が目覚めたのは、『虚無』の系統です」

 

ルイズの言葉に、公爵は更に目を見開く。

 

「虚無………だと………? 馬鹿な………!」

 

「嘘ではありません。タルブの戦いの時に艦隊を吹き飛ばしたあの光…………あれは、私の虚無魔法によるものです」

 

「ッ………! お前が………あれを…………?」

 

「はい。もちろん陛下もご存知です。そして、陛下はその時に言いました。『その力を使ってはならない。一刻も早く忘れ、二度と使ってはならない』と。ですが、私が自分の意志で申し上げたのです。この『力』を、陛下の為に捧げたいって………!」

 

「ルイズ………」

 

「だからお願い! 父さま! 私の従軍を許して!」

 

ルイズは懇願する様に叫ぶ。

 

「…………………………お前の従軍を許可する事は出来ん」

 

「父さま!?」

 

ルイズは驚愕する。

虚無に目覚めたと言えば、許可は貰えると思っていたのだ。

 

「虚無………あの始祖ブリミルと同じ系統。確かに誇らしい事だ。伝説の通りなら、確かに陛下がお前の力を必要だという事も分かる………」

 

「ならどうして!?」

 

「ルイズ………私は貴族云々の前に、父としてお前には戦場に行って欲しくないのだよ………戦場はお前が考えているほど甘い所では無い。如何に『力』を持っていようと、一瞬の油断が命取りになる………そのような場所だ」

 

「それは………」

 

「例えば万の軍隊に囲まれてしまった場合、お前は生き残ることが出来るかね?」

 

「……………………」

 

ルイズは俯く。

 

「それが答えだよ。私はお前を………」

 

公爵が更に続けようとした時だった。

 

「私1人では無理です…………ですが………」

 

ルイズは顔を上げ、

 

「私には、頼もしい護衛が付いておりますので」

 

「護衛だと?」

 

「はい。頼もしい使い魔達です」

 

「使い魔………その使い魔は、万の軍勢でもお前を守り切れると?」

 

「はい。その気になれば5万の軍勢にも勝てると申しておりました」

 

「流石にそれは信じられんな。ならば、その使い魔達だけでこの戦争を勝つことが出来るでは無いか」

 

「確かにその通りです。しかし、私が呼び出したのは、この世界とは異なる世界の者達なのです」

 

「異なる世界………だと?」

 

「そうです。それ故に、こちらの世界の事柄には極力関わらず、積極的に争いには介入しない立場をとっているのです」

 

その時、

 

「お父さま、ルイズの言葉は本当ですわ」

 

カトレアがそう言い出した。

 

「カトレア……?」

 

公爵が怪訝な声を漏らすと、カトレアは立ち上がって少しテーブルから離れると、軽くステップを踏み始め、回転しながら舞い踊った。

 

「か、カトレア!? 何をしておる!? そのような激しい動きをすればお前は……!?」

 

公爵は慌てて立ち上がると、カトレアに駆け寄る。

すぐに咳き込むと思ったのだろう。

しかし、

 

「お父さま、大丈夫ですわ………」

 

体力が無いために多少息が切れているが、全く咳き込む様子を見せないカトレアは笑って見せた。

 

「カトレア………お前…………」

 

「私の病は、もう治っております」

 

「なんだと………!? 一体どうやって………?」

 

「ルイズの………ルイズが連れて来た使い魔さん………『女神』様たちのお陰ですわ」

 

「女神………?」

 

公爵が呟くと、紅茶を飲んでいたエレオノールがダラダラと冷や汗を流し始めた。

 

「その事を説明する為に、まずはルイズの使い魔さん達をこの場にお呼びする事をお許しください」

 

「う、うむ………? 一先ず、ルイズの使い魔がカトレアの病を治したのは事実なのだな? ならば親として礼を言わねばなるまい。ジェローム」

 

公爵は執事であるジェロームに呼びかける。

 

「かしこまりました」

 

公爵に指示を受けたジェロームは、大士達を呼びに行くためにその場を離れたのだった。

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

朝起きてしばらくすると、執事さんが俺達を呼びに来た。

何でも、ラ・ヴァリエール公爵が俺達を呼んでいるそうだ。

ルイズの従軍に対する説得はどうなったのか。

俺達が執事さんに連れられてとあるテラスに出てくると、テーブル周りに居るヴァリエール一家が見えた。

執事さんが横に控え、俺達を先に進む様に促す。

公爵らしい金髪の男性の前に来ると、

 

「お前達がルイズの使い魔か?」

 

「(仮)ですけど」

 

「だから(仮)は余計よ!」

 

「う、うむ? とにかく、カトレアの病を治してくれたそうだな。あの子の父親として礼を言おう」

 

本気で感謝しているのだろうが、どことなく上から目線が感じられる。

ふと視線をズラすと、エレオノールが慌てた表情でわたわたしていた。

 

「いえ……事の成り行きで…………」

 

葵が応える。

すると、カトレアが公爵の横から前に出ると、葵の前に跪いた。

 

「アルオイス様。大変申し訳ないのですが、『あの姿』をお見せになって頂けませんか?」

 

跪いたカトレアに公爵は目を見開いている。

葵は如何しようと目で訴えかけてくるが、公爵の娘を公爵本人の前で跪かせたとなれば、面倒なことになるのは一目瞭然だ。

俺は咄嗟に頷いた。

葵は光に包まれ、女神の姿となる。

 

「ッ…………!?」

 

その『神力』を直に感じたのか、公爵は声を失った。

カリーヌも表情を引き締め、エレオノールの冷や汗は既に滝の様だ。

カトレアは静かに跪き続けている。

ルイズもある程度慣れたとはいえ、その顔には緊張が伺える。

 

「お父さま。この御方が運命の女神、アルオイス様です」

 

カトレアの言葉と『魂の格』の差に公爵は自然と跪き、カリーヌや他の従者たちも慌てて跪く。

そんな彼らに、葵は事の顛末を説明した。

 

「な、なるほど………娘のカトレアは、元々巫女の素質を持っており、その所為で邪気を体内に貯め込んでしまい、体調を崩していたと………」

 

「『はい。ですがご安心ください。カトレアは私の巫女になった事で、私の恩恵をより強く受け取ることが出来るようになりました。これからは取り込まれる邪気も自然と浄化される事でしょう』」

 

「ははっ………! 感謝の言葉もありません………!」

 

「『いいえ。自分の『運命』を掴み取ったのはカトレア自身です。私に礼は不要です』」

 

一通り説明が終わると、葵は人間の姿に戻った。

『神力』により、張り詰めていた空気が四散する。

 

「お父さま、ルイズの言葉、信じていただけたでしょうか?」

 

「う、うむ………異世界や女神という事は信じよう」

 

「それでは………!」

 

公爵の言葉に、ルイズは嬉しそうな顔をした。

しかし、

 

「だが、お前の従軍を認めるかどうかは話は別だ。先程も言った通り、父としてお前を戦場に行かせるのは反対だ」

 

「そんな…………!」

 

ルイズは悲観の表情をするが、

 

「まあ、まともな親ならそう言うだろう」

 

俺は公爵の言葉には納得している。

公爵の言葉は親としては当然だ。

 

「最悪は俺達だけで行くけど?」

 

俺がそう言うと、

 

「使い魔だけを行かせるのはメイジのすることじゃないわ!」

 

ルイズはそう言って頑として譲らない。

俺はやっぱり、と息を吐く。

 

「って言ってますけどどうします? 一応、戦争中はルイズの護衛としてルイズの身の安全は保障しますけど?」

 

俺は公爵に訊ねる。

 

「ぬぬぬ……………!」

 

公爵は唸りまくって悩んでいた。

おそらく、ルイズの意を汲みたい気持ちと、父として娘の身を守りたいという思いの間で葛藤しているんだろう。

え~っと、原作では確か何だかんだで脱走する様にヴァリエール領から逃げて、そのまま従軍したんだっけか?

追手も何も掛からなかったみたいだったし、結局は認めたんだろう。

だったら…………

俺はふと思いついた事を口にした。

 

「ではこういうのは如何でしょう。俺達はルイズの使い魔(仮)として、ルイズの意を汲みます。ですので、ルイズを連れてこの家から脱出します。公爵は父親として全力で止めてください。もし俺達が捕まったらルイズは公爵の言う通り従軍は諦めてもらう。ただし、俺達が脱出に成功したら、そのままルイズの従軍を認める。と言うのは?」

 

「……………なるほど、敵地で孤立した場合、無事に脱出できるかのテストと言う訳か………」

 

「それでもまだ甘い想定だと思いますけどね………っと、そうだ。今城の中にはシエスタ………学院から連れて来た、メイドがいますが、彼女を捕虜に見立てて、彼女の救出も視野に入れましょう」

 

「ほう………そこまで言うからには、自信があるのだろうな?」

 

「ええ。この位余裕でクリア出来ないと、公爵も安心できないでしょう?」

 

「なるほど、それは確かに! 良かろう! その賭けに乗ろうでは無いか!」

 

「では準備を。俺達はこの場からスタートします。時間は………」

 

俺は太陽を見つめる。

今は大体10時ごろだろうか?

 

「太陽が天辺に登った正午でどうでしょう?」

 

「うむ、構わん」

 

すると、ヴァリエール公爵は踵を返して私兵を呼びに行った。

テラスから眺めていると、この城の敷地内に次々と兵士が集まってくる。

 

「おお~、流石公爵家。私兵の人数もすげーな………」

 

パッと見ただけで100人は居るだろうか。

序に私兵だけでなく、使用人も箒や鍬や鎌や刀で武装している。

いや、前半3つはともかく、何で刀なんて持ってるんだよ?

内心思わず突っ込んだ。

 

 

 

そして待つ事約2時間。

太陽が頂点に来た時、俺達は動き出した。

俺は、烈風カリンこと公爵夫人であるカリーヌが動かないか心配だったが、今は優雅にお茶を飲んでいる。

どうやら今回は参戦しない様だ。

まあ、動いたとしても負ける気は無いが。

 

「じゃあ優花、シエスタの救出は頼んだ」

 

「OKよ」

 

優花は迷いなく頷くと、タンッと軽い音を立てて跳び、空力の足場を使ってシエスタの居る部屋へ向かった。

 

「じゃ、俺達は正面から堂々と行くぞ!」

 

俺と葵はカードを取り出す。

 

「「カードスラッシュ! 超進化プラグインS!!」」

 

ドルモン達を進化させるカードをスラッシュした。

ドルモンとリュウダモンが光に包まれる。

 

「ドルモン進化!」

 

「リュウダモン進化!」

 

「ドルガモン!!」

 

「ギンリュウモン!!」

 

ドルモン達が成長期から成熟期に進化する。

そのままテラスの外に滞空し、俺達はその背に飛び乗った。

 

「行くぞ!」

 

ドルガモンが翼を羽搏かせ、ギンリュウモンが空中を泳ぐ。

その姿に、私兵や使用人たちは唖然としていた。

そして俺達に視線が向いている隙に、

 

「ハックモン進化! バオハックモン!!」

 

速攻でシエスタを連れ出してきた優花がバオハックモンに乗って私兵達の頭上を飛び越えた。

そのまま城壁を飛び越え、敷地の外へと出る。

 

「じゃ、約束通り連れて行きますね」

 

俺はそう言い残してそのまま飛び去る。

そんな俺達を見送る公爵の眼は、何処か嬉しそうに見えた。

 

 

 

 

 

 





ゼロ魔クロス第20話です。
何だかんだでこうなった。
相変わらず過去作のコピペで作業効率UPです。
ちょっと強引に原作の流れに乗せた感じです。
さて、カトレアヒロインの投票率ですが、まだ1日だけですが、予想以上にアリが多いです。
まあ、ストーリー上まだ分かりませんが、前向きに検討する形になりそうです。
そうなると…………
次回もお楽しみに。

カトレアがヒロインなのはアリ?

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