ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第40話 ありふれた再召喚

 

 

 

 

 

 

テファが攫われてしまった後、俺達は学院へ戻っていた。

テファを助けるにしても、攫われた行き先が分からなければどうしようもならない。

因みにロマリアの2人は無視だ。

あいつらに構う時間も勿体ない。

 

「くそっ!!」

 

俺は壁に拳を叩きつける。

壁が陥没し、円形の窪みが幾つも出来ていた。

 

「大士………落ち着いて」

 

ドルモンが俺を宥めようとする。

 

「わかってる………! わかってるけど………!」

 

頭では落ち着くべきだと分かっている。

だけど、感情だけは如何しようもならない。

 

「こんな時に〝導越の羅針盤〟があれば、テファの行方なんて一発なのに………!」

 

〝導越の羅針盤〟は、〝解放者〟達が力を合わせて生み出した〝概念魔法〟のアーティファクトだ。

〝概念魔法〟を習得している優花でも、今までのアーティファクトの様にホイホイ生み出せるものではない。

 

「ごめんなさい………」

 

優花が申し訳なさそうに謝る。

 

「ッ!? いや、優花が謝る事じゃない」

 

俺はハッとなって優花の言葉を否定する。

 

「一先ず、優花はルイズと一緒に『大隆起』の事を女王サマとウェールズに伝えて来てくれ。少なくとも、あの2人は知っておくべきだと思う」

 

「ええ、分かったわ」

 

優花は頷くと、空間ゲートを作り出してルイズと一緒にその場から消える。

 

「………………テファ」

 

俺はテファの無事を祈りながら、空を見上げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side ティファニア】

 

 

 

 

 

 

「ん…………あれ…………?」

 

私はふと目が覚めた。

私はどうやらベッドに寝かされていたようだ。

身体を起こすと、何処かの部屋の中みたい。

部屋を見回すと、何て言うか………『変』だった。

帽子掛けにバケツが掛けられていたり、箒に帽子が掛けられていたり。

傘は天井にぶら下げられて、ドレスがカーテンの様に窓に掛かっている。

 

「ここは………一体…………?」

 

そこで私はハッとなった。

確か私は、タイシに大事な事を伝えようとして、それでいきなり衝撃が来て意識を失ったんだ。

私は慌てて誰かいないか部屋を見回すけど、誰の姿も見えない。

 

「ッ………………」

 

私1人しかここに居ないことに気付くと、酷く不安を感じた。

その時、自分の身に纏っている服に気付いた。

いつもの草色のワンピースじゃなく、ゆったりとしてヒラヒラが沢山付いたローブを身に纏っていた。

 

「…………これってもしかして、エルフの服?」

 

多分間違いない。

母さんの形見のローブとそっくりだから。

そう思った時、部屋の扉が開いて1人の女性が入って来た。

 

「はうっ………!?」

 

私は思わず顔を赤くしてしまう。

何故なら、その人は首からタオルを下げただけで、何一つ身に着けていなかったから。

それから、一番大事なことに気付いた。

その女性の、私と同じくらい長い金髪の隙間から見えたのは、長く尖った耳。

 

「あら? 目が覚めた?」

 

何故ここにエルフがいるのか分からず、身体が強張る。

そのエルフの女性は何でもないようにタオルで身体を拭きながら移動すると、引っかけてあった服を手に取り、それを身に纏う。

 

「…………あの、エルフ………ですよね?」

 

私は思い切って問いかける。

 

「そうよ。名前はルクシャナっていうの。よろしくね」

 

エルフの女性、ルクシャナさんは、笑みを浮かべながら答える。

 

「……………ここは何処なんですか?」

 

「ここ? ここは私達の国、『ネフテス』よ」

 

カーテンの様に掛けられていたドレスを退かしながら、窓の外を私にも見せる。

そこには、広大な砂漠が広がっていた。

 

「ッ………………」

 

その光景に、私は思わず息を呑む。

 

「で、ここは私のオアシス」

 

よく見れば、この建物はオアシスの畔に建てられていた。

 

「どうして私………こんな所に………?」

 

私は思わずそう漏らす。

 

「あら、決まってるじゃない。攫ったのよ、あなたを。フフッ」

 

言葉とは裏腹に、楽しそうな笑みを浮かべるルクシャナさん。

 

「まあ正確には、私達に協力したいって蛮人の学者がいて、その条件に悪魔の力を持つ者………蛮人の言い方だと、『虚無の担い手』か、その守り手を連れて来いって言ったら、あなたを連れて来た訳よ」

 

「ッ………!」

 

「だけど、私も学者だけど、あの蛮人の学者は好きになれそうにないわね。確かに持ってる知識は私達以上かもしれないけど、何て言うか………生理的に無理なのよね………お偉いさんは、利用価値があるからある程度は好きにさせとくって言ってるみたいだけど………」

 

ルクシャナさんは何処か心配げに呟いた。

 

「………どうして、私を攫ったんですか?」

 

「悪魔の力の使い手が4人揃う事を、この国のお偉いさんは恐れてるの。その力で攻め込まれるかもしれないってね」

 

「………………………」

 

何となく理解は出来る。

実際にあの教皇様は聖地を取り戻すと言っていた。

すると、ルクシャナさんは、態度をコロッと変え、

 

「じゃあ次は私が質問する番ね。あなた達、どんなものを食べてるの?」

 

「どうしてあのブリミルとか言う悪魔を信じてるの?」

 

「どうやったらそんな胸になるの!?」

 

ルクシャナさんは次から次に質問してくるけど、世間知らずの私には答えにくい質問ばかりだ。

最後の質問に力が籠ってたのは、何でか知らないけど………

その時、バサッバサッと羽音が聞こえてきた。

 

「あら、あれは……!」

 

ルクシャナさんは嬉しそうに立ち上がると、オアシスの桟橋の方に駆け出す。

空からは、2匹の竜が降りてきた所だった。

その竜の背には、それぞれ1人ずつ乗っている人影が見える。

 

「叔父様!」

 

ルクシャナさんが呼びかけると、降りてきた竜の背から、1人の男性のエルフが飛び降りた。

あれがルクシャナさんの叔父様だろうか?

 

「ルクシャナ、変わりは無いか?」

 

「ええ。ほら、例のハーフエルフよ」

 

そう言ってルクシャナさんがこちらを見る。

 

「ッ………」

 

こちらを見つめるエルフの男性に、私は気遅れしてしまう。

 

「…………ルクシャナ、手抜かりは無いか、屋敷を検めさせてもらうぞ」

 

「どうぞ、叔父様。どうせ完璧ですけどね」

 

ルクシャナさんの言葉を聞きながら、そのエルフの男性はこちらに歩み寄ってくる。

私は身構えてしまうけど、

 

「………………お前は黒髪の少年と少女を知っているか?」

 

私の傍を通り過ぎる時に一度立ち止まり、そう聞いてきた。

黒髪の少年と聞いて、思い出すのは1人しかいない。

 

「タイシを知っているの!?」

 

私は思わず問いかけてしまう。

 

「そうか、分かった」

 

私の反応を見て察したのか、再び家の中に歩き出した。

 

「そんな! 話が違うわ!」

 

突然ルクシャナさんの声が聞こえた。

 

「彼女は私が預かる約束で………!」

 

「仕方ないだろ、命令なんだ………」

 

もう1人のエルフの男性がルクシャナさんと言い合っている。

 

「彼女の処遇を評議会で改めて検討することになったんだ。明日の朝、彼女を連れて行く」

 

「ッ!?」

 

その言葉を聞いて、私は絶句する。

その時、

 

「おい」

 

後ろから声を掛けられた。

 

「ひゃっ!?」

 

すると、先程家の中を見回っていたエルフの男性が私に話しかけて来ていた。

 

「お前にこれを渡しておく」

 

そう言って差し出されたのは、私の杖だった。

 

「どうして………!?」

 

私の問いかけに、

 

「友人を失う事など、あの御方も望むまい」

 

エルフでも高位と思われるこの人が、あの『御方』なんていう人は…………

 

「………もしかして、アオイの事………?」

 

「………何とかして、今夜中にここを脱出しろ」

 

私の言葉には答えずそう言って竜の方へ歩き出していった。

 

 

 

 

エルフの男性達が去った後、

 

「ゴメンね、こんなことになっちゃって」

 

ルクシャナさんが突然謝って来た。

 

「少なくとも、不自由しない程度には面倒を見るつもりだったんだけど………」

 

そう言って気落ちした仕草を見せる。

 

「それで、どうするの?」

 

「えっ?」

 

「叔父様から杖を返してもらったんでしょ?」

 

ルクシャナさんの言葉に、私は渡された自分の杖を取り出す。

 

「でも………私が知っている魔法には、こんな砂漠を越えられるものなんて…………」

 

「そうなの? 悪魔の力って言う位だから、砂漠を越える位簡単に出来そうなんだけど?」

 

その言葉に私は首を振る。

 

「私が知っている虚無の魔法は、記憶を消す魔法だけ。それ以外は知らないの」

 

「記憶を? それはそれで凄いけど、今の状況じゃあんまり役に立ちそうにない力ね」

 

ルクシャナさんの言葉に、私は顔を俯かせる。

 

「…………そうだ! あんた、守り手を呼び出しなさいよ!」

 

突然ルクシャナさんが叫んだ。

 

「えっ?」

 

「守り手………使い魔って言うんだっけ? それを呼び出すのよ!」

 

使い魔と聞いてミキの顔が思い浮かんだが、そういえば攫われる直前にミキとの契約は破棄されている。

 

「でも………私が使い魔を呼んでも………」

 

召喚されるのはやっぱりミキなんじゃないかと思った。

それだけは駄目。

唯でさえミキを召喚してタイシに迷惑をかけてるのに、これ以上迷惑を掛けられないと顔を伏せる。

だけどその時、とある言葉を思い出した。

 

『『虚無(ゼロ)』の使い魔は2つの理由から召喚される。1つは『運命』』

 

『そして、もう1つが『愛』だ』

 

別れ際に言われたジュリオの言葉。

それはきっと、私を利用するための言葉。

だけど、知らない場所に連れて来られて、周りに頼れる人が居ない状況に、私の心は限界を迎えようとしていた。

私は自然と立ち上がって、オアシスの前で杖を振りかざす。

 

「我が名はティファニア・ウエストウッド………」

 

私の口が呪文を紡ぐ。

 

「五つの力を司るペンタゴン………」

 

そして、その呪文を紡ぐ私の心は、たった1人の男性で占められていた。

 

「我の……」

 

タイシ………!

 

「『運命(さだめ)』に……」

 

タイシ!!

 

「従いし…………」

 

ッ! 違う!

『運命』に従ってるだけじゃ、あの人は来てくれない!

だって、あの人はいつも、自分の『運命』は自分で掴み取って来たから!

だから私もっ……!

私は唱えかけた呪文をキャンセルし、もう一度呪文を唱えだす。

 

「我が名はティファニア・ウエストウッド! 五つの力を司るペンタゴン!」

 

今度は確かな『覚悟』を以って!

 

「我が望む『運命』の〝使い魔(あの人)〟を、召喚せよ!!」

 

万感の思いを込めて杖を振り下ろした。

そして目の前に開く召喚のゲート。

そして、そのゲートから飛び出してきたのは………………

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

 

 

テファが攫われて居ても立っても居られない俺は、魔法学院の中庭でイラついていた。

 

「くそっ………!」

 

何度目かも分からない悔しさに満ちた言葉を吐く。

すると、

 

「おい、大士………」

 

後ろからマサルの声が聞こえたので振り向こうとして、

 

「なん………」

 

「オラァッ!」

 

そのまま拳の一撃を受けた。

 

「ぐっ!?」

 

俺は吹き飛ばされて地面に倒れる。

俺はすぐに立ち上がり、

 

「何しやがる!?」

 

咄嗟に言い返した。

すると、

 

「いつまでウジウジしてやがる!?」

 

マサルが怒りを見せながら叫んだ。

 

「ッ!? 俺はウジウジなんて………!」

 

「してるから言ってんだ!」

 

再び殴りかかってくるマサル。

 

「ぐぅっ!?」

 

俺は仰け反るが、転倒は避ける。

 

「ッ! うるせぇっ!!」

 

俺は拳を握って殴り返すが、マサルは真正面から顔面で受け止める。

 

「ッ!?」

 

俺が怯んだ瞬間、

 

「そんな拳が効くかよぉっ!!」

 

マサルが全く怯まずに殴り返してきたので、俺はその拳を受けて吹き飛ばされる。

 

「ぐあっ!?」

 

地面に倒れる俺。

 

「ハッキリ言ってやるぜ! 今のテメェは『漢』じゃねえっ!!」

 

「ッ!?」

 

その言葉が俺の胸に突き刺さる。

 

「今のテメエは唯の根性無しだ!」

 

「何をっ!」

 

その言葉を否定したくて俺は立ち上がり、マサルに殴りかかる。

 

「そうだろ!? 惚れた女を攫われて、どうしていいか分からず喚いているだけの意気地なしにしか見えねえよ!!」

 

「ッ! 取り消せ!」

 

「取り消して欲しかったら、それだけの『漢』を見せてみろってんだ!!」

 

マサルと言い合いながら殴り合う。

悔しかった俺は、もう何も考えずにマサルと殴り合った。

 

 

 

 

どれだけそうしていただろう。

いつの間にか日が傾き、辺りをオレンジ色に染めている。

お互いの顔が腫れ上がり、唇を切って血を流しながらも、俺達は殴り合っていた。

そして、

 

「はぁ……はぁ………ちったぁ気は晴れたかよ………?」

 

「ッ!?」

 

マサルの言葉に俺はハッとなる。

 

「ごちゃごちゃ考え過ぎるのも良くねえだろ? 頭空っぽにして喧嘩すりゃ、気は晴れるってもんだぜ」

 

「マサル…………」

 

気が付けば、先程まで悲壮感は随分と薄れている。

 

「…………………マサル、ありがとな」

 

「へっ!」

 

マサルが笑う。

その時だった。

俺の目の前に、キラキラと光る鏡の様な物が出現した。

 

「これは、使い魔の召喚ゲート!?」

 

このゲートは、俺達がハルケギニアに召喚された時の物と同じものだ。

という事は、

 

「まさか………テファ!?」

 

テファが俺を呼んでいるというのか?

 

「ドル………!」

 

俺はドルモンを呼ぼうとして、やめた。

テファは俺を呼んでいる。

俺自身を求めている。

そんな気がしたからだ。

だから俺は、俺だけでテファの下へと行く。

 

「…………マサル。行ってくる!」

 

「おう! 行ってこい!」

 

サムズアップするマサルに後押しされるように、俺はその召喚ゲートを潜った。

 

 

 

 

そして、次に広がった視界には、求めていたテファの姿があった。

 

「テファ!」

 

「タイシ!」

 

俺が叫ぶと同時にテファも飛び込んでくる。

俺はしっかりとテファを抱きしめた。

 

「テファ………良かった………無事で………!」

 

「タイシ………来てくれた…………本当に来てくれた………!」

 

テファは涙を流しながらそう口にする。

暫くそうしていたが、

 

「………そろそろ良いかしら?」

 

別の女性の声が聞こえた。

ふと見れば、金髪のエルフの女性が居た。

 

「………あんたは?」

 

「私はルクシャナ。学者をしているわ」

 

その名前には、何となく覚えがあった。

 

「そうか………」

 

「で、突然だけど、その子は明日評議会で処遇を改められることになったの。最低でも、今より碌な事にはならないわ」

 

「………………それで?」

 

「簡単に言えば、その子を連れて、今夜中に逃げて欲しいの」

 

「いいのか……?」

 

「叔父様もそれを望んでるみたいだしね」

 

「ビダーシャルか………」

 

「知ってるの?」

 

「まあな」

 

「そう。で、あなたにはこの砂漠を越える術はある?」

 

「ああ、問題無い」

 

「それなら安心ね。日が暮れたら出発して頂戴」

 

「そうさせてもらう」

 

ルクシャナの言葉に頷くと、俺はテファに向き直る。

 

「テファ………」

 

「タイシ………私、嬉しい………『召喚』を唱えたら、タイシが来てくれた………」

 

「言っただろ? 俺はこれからもテファを護ると………」

 

「うん………」

 

テファは嬉しそうに俺の胸に顔を埋めた。

 

 

 

 

 

やがて日が暮れ、辺りが暗くなると、

 

「ルクシャナさん、お世話になりました」

 

オアシスの端で、テファがルクシャナにお礼を言っていた。

 

「お世話って言うか………攫った側なんだけどね」

 

「あっ……! そうでしたね」

 

テファもハッとなる。

お互いに笑みを浮かべるのを横目に見ながら、俺は〝宝物庫〟から魔力駆動四輪を出した。

 

「なっ、何これ!?」

 

ルクシャナが目をキラキラさせながら、問いかけてくる。

 

「俺のダチが作った自走する馬車の様なもんだ。詳しい説明をしてると時間が無くなるから省略する」

 

俺は助手席の扉を開けてテファに乗るように促す。

俺も運転席に乗ると、

 

「じゃあ、テファを手荒に扱わなかった事には礼を言っておく」

 

開けた窓からルクシャナにそう言う。

 

「そっちも気を付けなさいよ」

 

俺はアクセルを踏んで、魔力駆動四輪を発進させた。

因みに魔力駆動四輪は、過去のトータスでグリューエン大砂漠を越えた実績があるので問題無い。

行き先は、例の婚約指輪の付与されているお互いの位置が分かる機能により、光で指し示される。

少なくとも、方角を間違える心配はない。

俺は魔力駆動四輪を運転しながらテファに情報を聞いていた。

やはり倉田はエルフと協力関係になったらしい。

お互いに利用し合う関係だとは思うが。

そのまま指輪の光を頼りに延々と続く砂漠の中を走らせ続け、空が白んできた頃、俺は魔力駆動四輪を止めた。

 

「タイシ?」

 

「今日はここまでにしよう。大分離れたとはいえ、真昼間にこいつを走らせていれば、見つかる可能性は高いからな。昼間は休むことにしよう」

 

俺は魔力駆動四輪から降りると、〝宝物庫〟からテントを取り出す。

このテントは認識阻害の効果もあるから、コイツに入っていればまず見つからない。

更に空間魔法で内部空間も広げてあるので、当然ながらテファはその広さに驚いていた。

備え付けられている風呂に入った後、俺達はベッドに座っていた。

テファから話があると言われたのだ。

 

「それで、話っていうのは………?」

 

大体予想出来ているが、俺はテファにそう問いかける。

 

「うん………あのね。あの時言いそびれちゃったことなんだけど………」

 

テファは俺の横で座った状態で、俺の顔を見上げ、

 

「私は…………タイシが好き………!」

 

その言葉を口にした。

そして、その答えも決まっている。

 

「俺も、テファの事が好きだ」

 

俺の答えに、テファは目を見開く。

そして、その直後に涙を流し始めた。

 

「………嬉しい………!」

 

感極まった表情で、そう口にする。

 

「……………その、告白を受けておいて何だが、テファはいいのか? 俺は恋人を既に4人も持っている、ある意味女誑しだ。そんな男が相手でも、テファは平気なのか?」

 

「………私の母も、大公のお妾さんだったわ」

 

「そう言えばそうだったな」

 

「それに子供の頃、母に聞いた事があるの。昔のエルフの王様も、後宮にお妾さんをいっぱい囲ってたって………」

 

「俺は王様でも何でもないんだが…………」

 

「だから、私はタイシが他に恋人が居たって気にしない。一番大事なのは、私がタイシの傍に居られることだから………」

 

「テファ………」

 

テファは本当に良い娘だと思う。

健気で、優しくて、気立てが良くて………

本当に愛しく思える。

俺は、俺を見上げるテファの頬に手を添える。

 

「あ…………」

 

俺はテファの唇にゆっくりと口付ける。

そしてそのまま、彼女をベッドへと押し倒した。

胸に痛みが走ったが、そんな物気にならない。

結局俺達が寝たのは、太陽が真上に来る頃だった。

 

 

 

 

 

 







ゼロ魔クロス第40話です。
さて、今回はテファに召喚されるお話でした。
まあ、この流れは予想してた人はそれなりに居ると思います。
ビダーシャルは既に葵の信徒?
さて、倉田はエルフと手を結んだようですが果たして………?
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