ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第44話 ありふれた危機

 

 

 

 

【三人称】

 

 

 

 

 

オストラント号の甲板では、ベルフェモンXの攻撃を目撃した者達が恐れ戦いていた。

 

「な………んだ………今のは…………何が起こったのだ…………?」

 

呆然としたウェールズが、吹き飛んだ水平線の向こうを見つつ、呟いた。

 

「あ………あ…………! あれ程恐ろしく感じた『火石』の爆発が、ただのファイヤーボールに思えてきました…………」

 

アンリエッタも現実感無く呟く。

 

「「「……………………………」」」

 

ヴィットーリオやジュリオ、ジョゼットは言葉を失っている。

 

「あ、悪魔だわ………! あれこそ本当の悪魔よ!」

 

ルイズが震えながら叫んだ。

 

「た、確かに…………今のが我々の大地に撃ち込まれていたら、都市が1つ2つ無くなるどころではない…………大陸全てが吹き飛ばされておった……………」

 

テュリュークも戦慄を覚えながら呟いた。

 

「あ、あんなの倒せっこないわ…………!」

 

いつも気丈なキュルケも震えている。

 

「世界の終わり…………………」

 

誰かが諦めた様に呟いた時、

 

「…………まだです!」

 

絶望に染まっていない、凛とした声が響いた。

それは、真っ直ぐに前を見つめるカトレア。

 

「旦那様達は、まだ諦めていません」

 

カトレアはそう言いながら指を差す。

カトレアの言葉を肯定するように、シャイングレイモン、ジエスモン、オウリュウモンとその背に乗るアルファモンが、ベルフェモンXに向かって行く。

 

「グロリアスバースト!!」

 

シャイングレイモンが巨大な火球を生み出し、それを放つ。

 

「轍剣成敗!!」

 

ジエスモンが一閃した斬撃が飛び、

 

「デジタライズ・オブ・ソウル!!」

 

オウリュウモンの背に乗ったアルファモンが光弾を連続で放ち、

 

「永世竜王刃!!」

 

オウリュウモンが大刀から斬撃を飛ばす。

4体の究極体から放たれた攻撃は、ベルフェモンXに向かって一直線に向かい、

 

「………………………!」

 

着弾と共に大爆発を起こした。

その際の衝撃を、シルフィードやオストラント号も受け、大きく揺れる。

甲板に乗っている者達も、その衝撃に目を瞑りながら耐え、漸く衝撃が収まって来た頃にゆっくりと目を開けた。

その視線の先には、ベルフェモンXが居た所が爆煙に包まれている。

 

「やったの………?」

 

シルフィードに乗っていたルイズが思わず呟く。

 

「それはフラグと言う奴………」

 

一緒に乗っていたシャルロットがツッコんだ。

次の瞬間、

 

「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

咆哮と共にベルフェモンXの姿を覆い隠していた爆煙が吹き飛ばされた。

 

「この桃色おちび! どうしてこうお約束が好きなのね!?」

 

「わ、私の所為じゃないわよ!?」

 

シルフィードのツッコミにルイズは思わず言い返した。

そんなルイズ達とは別に、アルファモン達は落ち着いていた。

 

「…………流石にこの程度じゃダメージは無いか………」

 

ベルフェモンは七大魔王デジモンの1体。

更にX抗体により強化されている。

元々通常のベルフェモンでさえ、シャイングレイモンの渾身のグロリアスバーストを無傷で耐えきる耐久力を誇るのだ。

生半可な攻撃が効かないのは想定済みだ。

 

『…………小手調べはここまでだ! 全力で行くぞ! 皆!』

 

「「「おおっ/承知/うむっ!!」」」

 

大士の声に全員が応える。

 

――BLAST

  EVOLUTION――

 

「アルファモン!」

 

「オウリュウモン!」

 

「「ブラストエボリューション!!」」

 

アルファモンとオウリュウモンが光に包まれ、螺旋を描きながら1つになる。

 

「アルファモン王竜剣!!」

 

究極戦刃王竜剣を持ち、金の翼で羽搏く姿となってその場に現れた。

更に、

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ジエスモンが咆哮を上げながら光に包まれる。

全身が赤色に染まり、アト、ルネ、ポルが集まって翼状に変化した『タクティカルアームズ』を背中に背負った姿。

 

「ジエスモンGX!!」

 

ジエスモンGXが姿を現す。

そして、

 

――BURST

  EVOLUTION――

 

「チャージ………! デジソウル………バースト!!」

 

マサルがデジヴァイスバーストに手を翳し、更なる光がシャイングレイモンを包む。

シャイングレイモンの身体が真紅に染まり、右手に炎の剣。

左手に炎の盾。

そして背中には炎の翼。

シャイングレイモンが限界を突破した姿。

 

「シャイングレイモン バーストモード!!」

 

シャイングレイモンBMがその場に現れた。

 

『ついに現れましたね、シャイングレイモン バーストモード………!』

 

ベルフェモンXから倉田の声が聞こえる。

まるで、積年の恨みを晴らせる時が来たと言わんばかりに歓喜が混じった声だった。

 

『やはり過去の雪辱を果たしてこそ、私の野望はより完全なものとなるのです! 大門 マサル! そしてシャイングレイモン! 世界のトップに立つという我が野望の前に消え去りなさい!!』

 

倉田がそう叫ぶと、

 

「ごちゃごちゃうるせえんだよ………! 相変わらずテメーはそんな『ちっぽけ』な理由でこんな事しやがるんだな………」

 

『ちっぽけ?』

 

マサルの言葉に倉田が素っ頓狂な声を漏らす。

 

『マサルの言う通りだな。お前は自分の上に立つ者を邪魔としか思わず、力で排除する事でしか頂点に立とうとしなかった。そんな方法でしか頂点に立てない男は、『ちっぽけ』以外の何者でもない』

 

『なんですと?』

 

大士の言葉にも倉田は声を漏らす。

 

『本当のトップっていうのは、自分の上に立つ者を目標とし、切磋琢磨してその目標を超えてこそ立てるものだ。自分の上に立つ者を邪魔者扱いするだけで、自分を磨こうとしなかったお前がトップに立った所で、そんなのは猿山の大将と変わりがない』

 

『ぐぬぬ………! あなた達は、何処まで人をコケにすれば気が済むのですか………!?』

 

『これ以上無い正当な評価だと思うわよ?』

 

大士の言葉に猛る倉田に、優花が追い打ちをかけるようにそう言った。

 

『許しません! 許しませんよぉ!!』

 

倉田の言葉と共に、ベルフェモンXが咆哮を上げ、黒い炎を纏った鎖を何本も伸ばしてくる。

ベルフェモンXの必殺技の1つ、『ランプランツス』。

並のデジモンなら、究極体ですらあっという間に焼き尽くされる炎だ。

だが、この場にいる3体のデジモン達は並ではない。

 

「はぁあああああああっ!!」

 

シャイングレイモンBMが炎の剣の二刀流で鎖を斬り払いながら接近する。

 

「おりゃぁああああああああっ!!」

 

そのままベルフェモンの両肩に斬りかかった。

斬りつけた場所に傷ができる。

 

『くぅぅっ………!? 流石はベルフェモンを一度は倒したシャイングレイモン バーストモード………! ですがこの程度、かすり傷です!!』

 

「ッ!?」

 

「何ッ!?」

 

だが、傷は浅く、ベルフェモンXはシャイングレイモンBMを引き裂こうと右手の真紅の爪を振り被る。

 

「なっ!?」

 

その爪が振り下ろされようとした時、

 

「俺達を忘れるな!」

 

アルファモンが振り被った爪の上空で、王竜剣を振り被っていた。

 

「はぁああああああああっ!!」

 

王竜剣の一閃により、右手の真紅の爪が5本とも斬り落とされた。

 

『なんですとぉっ!?』

 

これには倉田も驚愕の声を漏らす。

 

『究極戦刃王竜剣…………! オウリュウモンと言う究極体の能力全てを攻撃力に振り切った剣だ。どうやらお前の爪よりかは上の様だな?』

 

『くっ! こんな事、許しませんよぉっ!!』

 

倉田がベルフェモンXをアルファモンに向かわせようとした。

しかし、

 

「フッ………」

 

アルファモンは余裕の笑みを浮かべた。

何故なら、ベルフェモンXの懐には、ジエスモンGXが潜り込んでいたからだ。

 

『なっ………!?』

 

倉田は思わず驚愕の声を漏らす。

その瞬間、ジエスモンGXの翼状になっていたタクティカルアームズが腕状になり、握り拳を作る。

直後、

 

「聖拳滅破!!」

 

拳の乱撃がベルフェモンXの腹部に叩き込まれた。

 

『な、何ですかこれはぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?』

 

ベルフェモンXはその威力に吹き飛ばされ、海面に激突。

大きな水飛沫を上げて海中に沈む。

その様子を見ていたオストラント号の面々は、嬉しそうに歓声を上げていたが、アルファモン達は微塵も油断を見せていなかった。

この程度でベルフェモンXが斃れるとは思っていないからだ。

次の瞬間、海面を突き破る様に無数の鎖が飛び出してきた。

アルファモン達は身構えたが、その鎖はアルファモン達には向かわず、エネルギーを吸い尽くされたはずの精霊石に、雁字搦めに絡みついた。

 

「何だ………?」

 

アルファモンが怪訝な声を漏らす。

すると、鎖の根元からベルフェモンXが浮かび上がってくる。

 

『許しません………絶対に許しませんよぉ………!』

 

怨みの籠った呪詛のように、繰り返し呟く倉田。

すると、鎖が巻き付いた精霊石の周りに設置されていた機械が再び動き出した。

 

「何をする気だ!? 倉田!」

 

マサルが叫ぶ。

 

『フフフ…………!』

 

倉田は怪しい笑みを浮かべるだけだ。

 

『どういうつもりだ………? 精霊石や風石の鉱脈には、もうエネルギーは残っていない筈………』

 

大士も怪訝そうに呟く。

だがその時、

 

『イッツショータイム!!!』

 

倉田が叫んだ瞬間、エネルギーが尽きた筈の精霊石に再び力が集まり始め、それをベルフェモンXが鎖を通じて吸収し始めた。

先程、王竜剣によって切断された爪も再生する。

 

「馬鹿な!? 何処からエネルギーを!?」

 

ジエスモンGXが思わず叫んだ。

すると、

 

『……………ッ!? いけない!』

 

アルファモン王竜剣と融合している葵が切羽詰まったように叫んだ。

 

『どうした!? 葵!』

 

大士が聞き返すと、

 

『精霊石と風石の鉱脈を媒体にして、この『星』そのもののエネルギーを吸収し始めてる!』

 

『何だと!?』

 

大士もその言葉には驚愕の声を漏らす。

 

『早く止めないと、この星自体に影響が出ちゃう!』

 

葵の言葉に、

 

「よくわからねえが、要は倉田を止めねえと大変なことになるって事だな!?」

 

マサルは自分なりに結論を出す。

 

『その通りだ!』

 

大士が叫ぶ。

 

「だったら、行くぞ! シャイングレイモン!!」

 

「おおっ!!」

 

マサルの言葉に応え、シャイングレイモンBMは炎の翼を広げる。

 

「俺達も行くぞ!」

 

アルファモンとジエスモンGXもベルフェモンXに向かおうとした。

だが、

 

『邪魔はさせません!!』

 

ベルフェモンXの冠状の角に、エネルギーが集中する。

 

「あの技は!」

 

先程も見た攻撃、ベルフェモンXの最大攻撃、『セブンス・ペネトレイト』を放とうとしていた。

ベルフェモンXは爪を向ける。

だがそれは、アルファモン達の方を向いてはいなかった。

その爪が向いていたのは、

 

「ッ!? オストラント号に!」

 

その矛先は、オストラント号に向いていた。

しかも近くにはシルフィードと風竜もいる。

 

『アルファモン!!』

 

「おおっ!」

 

大士が呼びかけた瞬間、アルファモンは咄嗟に向きを変え、ベルフェモンXとオストラント号の直線状に割り込む。

 

『セブンス・ペネトレイトォッ!!』

 

真紅のエネルギー波がオストラント号に向かって放たれた。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

アルファモンは全力で防御用の魔法陣を張る。

真紅のエネルギー波が魔法陣に衝突し、凄まじい負荷がアルファモンに掛かる。

 

「ぐっ………ぐうぅ………!」

 

アルファモンは苦しそうな声を漏らす。

いくらアルファモンでも、ベルフェモンXの最大攻撃をまともに受ければ唯では済まない。

その時、

 

「アルファモン!!」

 

『大士! 葵!』

 

ジエスモンGXが両腕の『アンリミティヴガントレット』をシールドモードにして魔法陣とアルファモンの間に割り込み、アルファモンを護る。

 

「ジエスモン!?」

 

『『優花!?』』

 

アルファモンと大士、葵が声を上げる。

 

「私達は大丈夫だ! オストラント号を護ることに集中しろ!」

 

「ッ……!」

 

ジエスモンGXの諭すような言葉に、アルファモンは言葉を飲み込み、魔法陣に全力を注ぐ。

 

「シャイングレイモン!!」

 

「おう!」

 

遅れてシャイングレイモンBMも到着し、全力で炎の盾を展開した。

 

「「「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」

 

3体の全力の防御により、『セブンス・ペネトレイト』は完全に防がれ、やがてエネルギー波が途切れる。

オストラント号やシルフィードも健在だ。

だが、

 

『フッフッフ……………』

 

ベルフェモンXから倉田の怪しい笑い声が聞こえた。

 

『甘い! 甘すぎますねぇ!』

 

嘲笑う様な言葉と共に、ベルフェモンXの体が巨大化を始めた。

 

『ッ………この『星』のエネルギーを吸収してパワーアップしてるのか…………!』

 

既にベルフェモンXの大きさは倍以上になっている。

 

「これ以上時間を与えると拙い! ジエスモン!!」

 

アルファモンがジエスモンGXに呼びかける。

 

「うむ!」

 

ジエスモンGXが頷くと、アルファモンと共にベルフェモンXに向かって行く。

アルファモンが王竜剣を振り被り、ジエスモンGXがその姿を剣と化す。

 

「究極戦刃王竜剣!!」

 

「ナイツ・イントルーダー!!」

 

2つの究極戦刃がベルフェモンXに向かって振り下ろされた。

だが、

 

――ガギィィィィィィィン!!

 

甲高い音を立てて、2つの究極戦刃は、ベルフェモンXの両腕の手甲の様な部分で止められた。

 

「「なっ!?」」

 

傷は付いているが、そのダメージは明らかに低い。

 

『そんなもの…………効きませんよぉっ!!』

 

ベルフェモンXが思い切り両腕を開いた事でアルファモンとジエスモンGXは吹き飛ばされる。

 

「うわぁっ!?」

 

「くうっ!?」

 

ジエスモンGXは通常状態に戻り、アルファモンは翼を羽搏かせて持ち直す。

 

『漲ります! 漲りますよぉ!!』

 

益々エネルギーを吸収していくベルフェモンX。

だが、

 

「ファイナルシャイニングバースト!!」

 

大爆発と共に、精霊石が粉々に吹き飛ばされた。

それによってエネルギーの吸収も止まる。

 

『何事です!?』

 

倉田が叫んだ。

そこには、シャイングレイモンBMが居た。

 

「へへっ!」

 

シャイングレイモンBMの肩で、マサルがやってやったぜと言わんばかりの笑みを浮かべている。

 

『くっ……! 今の攻撃は囮でしたか…………まあいいでしょう。既にエネルギーは十分に吸収しています。あなた達を倒せるぐらいにはねぇ!』

 

ベルフェモンXが咆哮を上げる。

それだけで空間が震えるほどの衝撃が走った。

 

「くっ………!」

 

アルファモンは思わず声を漏らす。

 

『大士、こうなったらバーストモードで………!』

 

融合している葵がそう言うが、

 

『いや、アルファモンのバーストモードはエネルギー消費が激し過ぎる。既にアルファインフォースも使っているし、さっきの攻撃を防いだ時にも相当のエネルギーを消費した。バーストモードでいられる時間は1分が限界だ…………それだとベルフェモンXを倒し切れなかった時点で詰む』

 

大士は今バーストモードを使っても、リスクが大きすぎる事を指摘する。

 

『だけど、このままじゃジリ貧よ』

 

近くに来たジエスモンGXと融合している優花がそういう。

 

『それは分かってる………奴に勝てる可能性があるのはバーストモードしかない。だが、今のままじゃ倒し切れない可能性の方がデカい………!』

 

大士もバーストモードの可能性には賭けたいが、現状では分が悪すぎる事も分かっている。

 

『……………………………………………ッ!』

 

暫く黙っていた大士だが、何かを思いついたように僅かに声を漏らした。

 

『ジエスモン! シャイングレイモン! マサル! 悪いが少しの間2人で堪えてくれ!』

 

「はっ!?」

 

大士の声にマサルは思わず素っ頓狂な声を漏らしたが、

 

「承知した!」

 

『了解よ!』

 

ジエスモンと優花は迷うことなく頷く。

すると、アルファモンは背を向けてその場を離脱する。

 

『おや? 逃げるのですか? 確かに賢い選択ですが………逃がしませんよぉ!!』

 

ベルフェモンXは、背を向けたアルファモンに向かって黒い炎を纏った鎖を伸ばす。

だが、

 

「させん!!」

 

ジエスモンGXが『アンリミティヴガントレット』をソードモードにして鎖を切り裂く。

 

「うぉおおおおおおっ!!」

 

同じようにシャイングレイモンBMも、炎の剣で鎖を断ち切った。

 

『ぬうっ!?』

 

「よくわからねえが、あいつ程の漢が唯逃げるなんて事があるわけねえ。何か理由があんだろ」

 

マサルがそう言うと、シャイングレイモンBMはベルフェモンXに向かって構えた。

 

 

 

 

一方、戦場を離脱したアルファモンは、シルフィードに乗るシャルロットに近付いた。

 

『シャルロット! 頼みがある!』

 

シャルロットにそう呼びかけると、大士は内容を話し始めた。

 

 

 

 

「うぉおおおおおおおおおっ!!」

 

シャイングレイモンBMが炎の剣でベルフェモンXの肩に斬りつける。

先程は深くないとはいえ、それなりの傷を負わせたが、今度は殆ど傷は付かなかった。

 

『効きませんよぉ!』

 

倉田は叫ぶと、ベルフェモンX顔がシャイングレイモンBMの方を向いて攻撃しようとする。

その時、

 

「はぁあああああっ!!」

 

反対側からジエスモンGXが、『アンリミティヴガントレット』をナックルモードにして、ベルフェモンXの顔を殴りつけた。

 

『ぬうっ? 鬱陶しいですね………! いい加減諦めたら如何ですか!?』

 

ベルフェモンXは咆哮を上げて、ジエスモンGXとシャイングレイモンBMを吹き飛ばす。

その時、

 

『悪いが、諦めるなんて言葉は嫌いでね』

 

ベルフェモンXの真上から、アルファモンが王竜剣を振り被って急降下してきた。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

そのままベルフェモンXの顔面に王竜剣を叩き込む。

 

『うぐあぁっ!?』

 

流石にこれは効いたようで、倉田は呻き声を上げた。

 

『おのれ………こんな事、許しませんよぉ!!』

 

ベルフェモンXが両腕を振り回す。

 

「おっと………!」

 

アルファモンは飛び退いてその場を離れる。

 

「へっ! もういいのかよ?」

 

マサルが余裕ぶってそう問いかける。

 

『ああ。あとは信じるだけだ』

 

大士はそう答えを返す。

 

『信じる? 何を信じるというのですか!?』

 

倉田が叫ぶと、黒い炎を纏った鎖が全方位に放たれる。

 

「ふっ!」

 

「はっ!」

 

「でやぁぁぁぁっ!」

 

その鎖をそれぞれが斬り払う。

 

『まさか、今でも勝利を信じているとでも!? いい加減認めたら如何です!? この私に勝てるはずが無いと!』

 

倉田は気に食わないと言わんばかりに叫ぶ。

 

『さっきも言ったが諦めるって言葉は嫌いなんだ』

 

大士はそう言うと、再びベルフェモンXが攻撃を仕掛ける。

そのまましばらく、ベルフェモンXが攻撃を仕掛け、アルファモン達が凌ぐというパターンを繰り返していると、

 

『ええい! いい加減鬱陶しいですね! 先程から消極的な攻撃ばかり! 潔く諦めたら如何です!? しつこいを通り越して見苦しいですよ!!』

 

業を煮やした倉田が喚き散らす。

 

『何度も言うが、俺達は諦める気は無いし、何よりも俺は信じている』

 

『だから何を信じるというのです!? 以前の大門 マサルのように、奇跡が起きるとでも信じているのですか!?』

 

倉田の言葉に、

 

『奇跡なんざ信じちゃいないさ。奇跡っていうのは起きるのを待つんじゃなく、自分で起こすものだからな。俺が信じているのは奇跡なんかじゃない…………』

 

大士は落ち着いた様子でそう返す。

 

『ならば何を――――!?』

 

倉田が叫ぼうとしたその瞬間、海面を突き破って海中から強烈なプラズマ砲が放たれ、ベルフェモンXに直撃。

その言葉を遮った。

それを見た大士は、静かに笑みを浮かべる。

 

『俺が信じているのは…………』

 

プラズマ砲の衝撃で海の水が吹き飛ばされ、そこに居る者達の姿を露にする。

それは、アルファモンとは別の黒き聖騎士…………

オメガモン Alter-Bを始めとした聖騎士達の姿。

そして大士は言い放った。

 

『……………仲間だ!』

 

 

 

 






ゼロ魔クロス第44話です。
さて、ベルフェモンXとはいえそのまんまではアルファモン達には敵わないと思ったので、星の力を吸収してパワーアップです。
ぶっちゃけ公式設定で考えると、インペリアルドラモン ファイターモードで惑星破壊レベルの力を持ってるらしいんで、星の力を吸収した所でどんだけって話になるんですが、まあ、それは置いといてください。
そしてアルファモン達の危機に現れたのはやはり…………
おそらく次回でゼロ魔クロス編の最終話になる予定…………のはず。
お楽しみに。


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