ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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最終話 ありふれた大団円

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

時は大士がシャルロットに頼みごとをした時まで遡る。

 

『シャルロット! 頼みがある!』

 

大士の言葉に、シャルロットは躊躇うことなくコクッと頷き、

 

「何をすればいい?」

 

そう問い返す。

 

『今すぐ教皇サマを『聖地』………『場違いの工芸品』と呼ばれる地球の兵器が流れ着く場所に連れて行け! 場所は海母………さっきの水韻竜が知っている筈だ! そこで教皇サマに『約束の地』………地球へのゲートを開かせろ! それだけでいい!』

 

「ちょ、どうしてそんな事………!?」

 

ルイズは思わず問い返そうとしたが、

 

「ん、わかった!」

 

シャルロットは頷いて、すぐにシルフィードを促そうとした。

だが、

 

『あ、ちょっと待て! 教皇サマを連れて行くときに、一緒に美姫も連れて行ってくれ! その方が話が通りやすい! それと教皇サマが渋ったら今までの行いを全部チャラにしてやるとでも言え! それでも無理だったら引き摺ってでも連れてけ! あと、海母に話を通す時はルクシャナに頼れ!』

 

「だからその理由を…………!」

 

ルイズがそう言いかけたが、シャルロットは頷いてすぐにシルフィードをオストラント号に向かわせた。

 

「シャルロット! ちゃんと理由を聞かないと………!」

 

ルイズは思わずそう言うが、

 

「タイシはこんな時に無意味な事は言わない。説明する暇があったらちゃんと説明してくれる。それが無いという事は、一刻も早く行動してほしいという事」

 

シャルロットはそう言って反論を封じる。

そのままオストラント号の甲板に辿り着くと、そこでは、祈るように手を組みながら、信じた瞳で戦いを見つめるカトレアとティファニア、そして美姫。

冷や汗を流しながらも、ぐっと堪えて戦いを見ているアンリエッタやウェールズ達。

最後に諦めた様に膝を着いている、ヴィットーリオ、ジュリオ、ジョゼットの3人。

シャルロットは甲板に降り立つと、構わずにヴィットーリオに歩み寄った。

 

「教皇聖下、タイシからの頼みです。今すぐ『聖地』へ行き、『約束の地』へのゲートを開いて欲しいとの事です」

 

シャルロットがそう言うと、

 

「……………今更私に如何しろと言うのです? 今日で世界は終わりです…………虚無の力も、あの悪魔の前では児戯に等しい……………もう打つ手はありません…………みっともなく足掻かず、静かに最期の『運命』の時を迎えようではありませんか…………」

 

ある意味潔いと言える言葉。

だが、そんな言葉は今のシャルロットには戯言だ。

シャルロットは右手を伸ばすと、ヴィットーリオの胸倉を掴み、持ち上げて宙吊りにする。

 

「うぐっ……!? な、何を………!?」

 

「聖下!?」

 

突然のシャルロットの行動に、吊り上げられたヴィットーリオは苦しそうな声を上げ、ジュリオは駆け寄ろうとする。

だが、シャルロットの一睨みでその足は止められる。

 

「別にあなたが諦めるのは勝手…………でも、あなたの『諦め』に、『諦めてない人』を巻き込むのは止めて欲しい………!」

 

シャルロットはヴィットーリオを見据え、

 

「タイシ達は諦めてない。だから私も諦めない。タイシはこの頼みを聞いてくれるなら、今まであなた達が行って来た行為に目を瞑るとも言っている。あなたにとっても悪い条件ではない筈」

 

「それは…………」

 

「このまま何もしなければただ死ぬだけ。でも、ここで行動すれば少なくとも『可能性』は生まれる」

 

「可能性………」

 

「『運命』は自分の手で掴み取るもの。私はそれをタイシ達から教わった。あなたが本当にハルケギニアの未来を憂いているというのなら、このまま滅びの『運命』を受け入れるのは本意ではない筈」

 

「……………………………わかりました。言う通りにいたしましょう」

 

その言葉を聞くと、シャルロットは胸倉から手を離す。

それからすぐに美姫に振り返ると、

 

「ミキにもついてきて欲しいとタイシが言っていた」

 

「私も?」

 

「その方が話が通りやすいって」

 

「話?」

 

シャルロットの言葉に美姫が首を傾げる。

 

「それとルクシャナ。海母に話を通して、『場違いの工芸品』と呼ばれる異世界の武器が流れ着く場所に案内して欲しい」

 

「よ、よくわからないけど、分かったわ!」

 

ルクシャナは困惑している様だが頷いた。

 

 

 

 

 

それから、海母の案内でアリの巣のような入り組んだ洞窟内を進んでいくと、大きな劇場ほどもある巨大な空間に辿り着いた。

そこには、錆び付いているが銃、大砲、戦車、戦闘機などの兵器が山のように積まれていた。

 

「ッ………地球の兵器がこんなに…………」

 

それを見た美姫が思わず呟く。

 

「ここがそうだよ」

 

海母の言葉にシャルロットが頷くと、ヴィットーリオに目配せする。

ヴィットーリオは、何処か諦めた表情で呪文を唱えだした。

そして、壁の一点を狙い、杖を振り下ろすと、虚空にキラキラと光る豆粒の様な小さな点が生まれる。

その点が大きく広がっていき、やがて虚空に浮かんだ『扉』となった。

そして、その『扉』の向こうには、

 

「…………地球」

 

美姫が呟いた通り、青く輝く地球の姿がそこにあった。

 

「あれが『約束の地』…………」

 

ヴィットーリオが、何とも言えない表情で呟く。

本来であれば、ヴィットーリオはあの地を取り戻すべく、進軍しようとしていたのだから。

 

「………………言われた通り『扉』を開きました。これからどうするのです? もしや、この場にいる者達だけ、『約束の地』に逃れるおつもりですか?」

 

ヴィットーリオは一度溜息を吐き、シャルロットに振り返りながらそう問いかけた。

 

「タイシはゲートを開けばいいと言っていただけ。何かしろとは言っていない」

 

シャルロットは淡々と答える。

 

「『扉』を開くだけ? それでこのハルケギニアは救われるとでも―――ッ!?」

 

ヴィットーリオが文句あり気に言葉を続けようとした時、ヴィットーリオが開いたゲートにバチバチッと紫電のようなモノが奔った。

ヴィットーリオが思わず振り返る。

すると、ヴィットーリオが開いたゲートにバチバチと幾つもの紫電が奔り始める。

 

「こ、これは………!? 『扉』が何かの干渉を受けている………!?」

 

ヴィットーリオが信じられないと言った面持ちで言葉を漏らす。

すると、その紫電はどんどん激しく迸っていき、やがて中央に集まると、そこから別の景色が一気に広がった。

 

「なっ!?」

 

思わず驚愕の声を漏らすヴィットーリオ。

そして、

 

「チッ………! やっと繋がりやがった!」

 

「ん…………苦労した………」

 

「お疲れ様、ハジメ君、ユエ」

 

そのゲートから現れる黒髪の男性、金髪の少女、黒く長い髪の女性。

 

「ここにあいつらが居るんだな!」

 

「ちゃんと見つけてあげなきゃね!」

 

「無事だと良いけど………」

 

その3人の傍らにいる、黒い爬虫類型のデジモン、青い小竜型のデジモン、角の生えた毛皮を被ったデジモン。

 

「皆で手分けして探すですぅ!」

 

首に白い蛇の様なデジモンを巻いた白髪のウサミミの少女が飛び出し、

 

「まあ、タイシ達なら心配ないと思うがの」

 

小さな竜型デジモンを連れた、着物の様な服装の女性が続き、

 

「美姫ちゃんも、黒騎君達と合流できてると良いけど………」

 

剣道の防具を付けたデジモンを連れた、黒髪ポニーテールの少女が出てくる。

 

「ミュウも頑張って探すの!」

 

最後にてできたのは、腕にぬいぐるみの様な黒いデジモンを抱いたエメラルドグリーンの髪を持つ幼女だった。

 

「な、何者です!?」

 

ヴィットーリオが思わず叫んだ。

 

「あん? 誰だアンタ?」

 

黒髪の男が目付きを鋭くして睨み付ける。

 

「ッ………!?」

 

その視線にヴィットーリオは息を呑むが、

 

「南雲さん!?」

 

彼らを見た美姫が叫ぶ。

ゲートから出てきたのは、ハジメ達だったのだ。

 

「おっ? 美姫じゃねえか、無事だったようだな」

 

「はい、お久しぶりです」

 

美姫はそう挨拶すると、

 

「大士達は居ねえのか?」

 

ハジメがそう尋ねると、美姫はハッとして、

 

「そうです! お兄ちゃん達が外で戦ってるんです!」

 

美姫の言葉と共に、ズズンと衝撃で洞窟が揺れる。

 

「みてえだな」

 

ハジメが振動を感じて激しい戦いになっていると直感する。

 

「お願いです南雲さん! お兄ちゃん達を助けてください!」

 

美姫はそう言って頭を下げる。

すると、

 

「私からもお願いする。どうかタイシ達を助けて欲しい」

 

シャルロットが美姫の横に並び頭を下げた。

 

「………誰だ?」

 

ハジメがシャルロットを見て美姫に尋ねると、

 

「えっと………彼女はシャルロット。お兄ちゃんの、その…………3番目のお嫁さん!」

 

「ブッ!?」

 

美姫の言葉を聞いた瞬間、ハジメは思わず吹き出した。

 

「えっ!? 黒騎君の!?」

 

香織が意外そうに叫んだ。

他の面々も大なり小なり驚いた表情をしている。

 

「…………ほぉ~~~、大士のね~~~~~…………!」

 

ハジメはニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

「これは後で話を聞く必要があるな…………!」

 

ハジメの内心は唯一つ。

ようこそ同類(とも)よ!

だが、その時再び衝撃で洞窟が揺れる。

 

「とは言え、その前にこの状況を何とかするべきか…………」

 

ハジメはニヤリと笑いながらDアークを手にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の水を吹き飛ばし、そこに現れたのは、オメガモン Alter-B、アルフォースブイドラモンFM、スレイプモン、エグザモン、ガイオウモンの面々だ。

 

「ッ!? あいつらは!?」

 

マサルが叫ぶ。

 

「仲間だ!」

 

アルファモンが迷わずに言い放った。

その瞬間、それぞれが飛び上がる。

空を飛べないガイオウモンは、スレイプモンがその背に乗せる。

アルファモン達の近くに集まってくると、

 

「「久し振りだな、アルファモン」」

 

「オメガモン Alter-B!」

 

オメガモン Alter-Bの呼びかけにアルファモンは応える。

 

『またえらく面倒なことに巻き込まれてんじゃねえか』

 

『うっせ』

 

ハジメの軽口にそう返す大士。

 

『さっさとこいつを片付けて帰るぞ。聞きたい事もあるしな』

 

ハジメはニヤリと笑みを浮かべる。

すると、

 

「スレイプモン!? アルフォースブイドラモン!? ロイヤルナイツじゃねえか! どうして………!」

 

マサルが驚愕の声を上げる。

 

『マサル、ここに居るのは俺達の世界のロイヤルナイツだ。『神』を守る事より、自分のパートナーと共に居る事を選んだ………な』

 

「ロイヤルナイツが………」

 

その忠誠心を知っているマサルからすれば、驚くべきことなんだろう。

 

『大士、そいつは?』

 

ハジメがマサルの事を訪ねる。

 

『あいつは大門 マサル。俺達とは別世界のデジモンテイマーの様な存在だ』

 

『そうか』

 

その時、

 

『くっ………一体何なのです………? 何者ですか! あなた達はぁ!?』

 

倉田が叫び声を上げながら、ベルフェモンXの各部から黒い炎を纏った鎖を放つ。

それぞれが散開してそれを躱すと、

 

「「グレイキャノン!!」」

 

オメガモン Alter-Bが左腕のプラズマ砲を撃ち込む。

 

『ぐおっ!?』

 

それを顔面に食らったベルフェモンXは仰け反る。

その隙にアルフォースブイドラモンFMが瞬時に懐へ飛び込み、

 

「アルフォースVセイバー!!」

 

右肩から左越しにかけて右手のブレスレットから発生させた剣で斬りつける。

 

『うぐぁぁぁぁぁっ!?』

 

更にエグザモンがその胸に槍を突き立て、

 

「アヴァロンズゲート!!」

 

特殊弾頭を炸裂させる。

 

『ぎゃぁあああああああっ!!』

 

悲鳴を上げる倉田。

その反動で放っていた鎖の軌道が変わり、オストラント号の方へ向かって行ってしまう。

 

「ッ! 拙い!」

 

アルファモンは慌ててカバーに入ろうとしたが、その前に別方向から同じような鎖が伸びて来て、ベルフェモンXの鎖を絡めとった。

そして、

 

「ルォオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

次の瞬間粉々に切り裂かれた。

そこに居たのは、もう1体の通常のベルフェモン。

 

「なっ!? ベルフェモンがもう1体!?」

 

シャイングレイモンBMが思わず身構えようとしたが、

 

「いや、大丈夫だ。あのベルフェモンは…………」

 

次の瞬間、

 

「べるちゃん! やっちゃうのーーーーーーっ!!」

 

「ルォオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

そのベルフェモンの肩に乗ったミュウが叫ぶと、ベルフェモンは咆哮を上げ、その口から砲撃を放った。

その砲撃はベルフェモンXに直撃する。

 

『ミュウのパートナーだからな』

 

「………………ベルフェモンをパートナーにしたっていうのか………」

 

流石のマサルもこれには目を丸くする。

 

『ぬぅぅ………ベルフェモンですと………? ベルフェモンは、私1人で十分です!!』

 

そう叫んだ倉田の声と共に、無数の鎖がミュウのベルフェモンへと迫る。

だが、何処からともなく飛んできた紫の閃光によってその鎖は破壊される。

 

『な、何が起こったのです!?』

 

訳が分からず叫ぶ倉田。

 

『おいテメェ…………!!』

 

ドスの効いた声でハジメが呟く。

 

『ひぃっ……!?』

 

その声に、倉田は思わず情けない声を上げる。

 

『ウチの子に何してくれとんじゃゴラァッ!!!』

 

ハジメの叫びと共に、オメガモン Alter-Bの右腕からビームソードが発生する。

 

「「ガルルソード!!」」

 

振るわれたそれは、ベルフェモンXの右腰から左肩にかけてを切り裂いた。

 

『ぎゃぁあああああああっ!?』

 

悲鳴を上げる倉田。

 

『シア! 私達も行くわよ!』

 

『はいです!』

 

ガイオウモンと同化している雫が、スレイプモンと同化しているシアに呼びかけ、スレイプモンがガイオウモンを背に乗せたまま駆けていく。

 

『ッ! 待て! ガイオウモンの攻撃力じゃ、ベルフェモンXの防御力を破ることは………!』

 

それを見た大士が、思わず制止に入ろうとした。

だが、

 

『心配すんな。雫は俺が選んだ女だぞ? そんな女が、何時までも他の女たちに後れを取っていると思うなよ……!』

 

ハジメは全く心配していない口振りでそう言った。

その瞬間、

 

『行くわよ! ガイオウモン!!』

 

「うむ! 我らの新しき『力』、存分に振るって見せようではないか!!」

 

ガイオウモンが光に包まれる。

 

「何だ!?」

 

アルファモンが思わず声を漏らす。

ガイオウモンが光の中で姿を変える。

鎧武者の風貌を残したまま、鬼のデータが覚醒し、より強靭な姿へ。

二刀流だった『菊燐』が1つとなって、1本の大刀『菊燐』へと変化する。

これが、ガイオウモンの新たなる姿。

 

「『ガイオウモン:厳刀ノ型!!』」

 

「「『『『ッ!?』』』」」

 

ガイオウモンの新たなる姿に、驚愕で息を呑む大士達。

 

「旋風縛!!」

 

ガイオウモンが振るった大刀から竜巻が放たれる。

 

「オーディンズブレス!!」

 

更にスレイプモンが吹雪を巻き起こしてその竜巻に乗せ、吹雪を纏う竜巻となってベルフェモンXを飲み込む。

 

『な、何ですかこれはぁぁぁぁっ!?』

 

スレイプモンの吹雪とガイオウモンの竜巻が相乗効果を生んで、ベルフェモンXの四肢を凍り付かせ始める。

スレイプモンはガイオウモンを背に乗せたまま凍り付いたベルフェモンに向かって駆け抜け、

 

菊燐一閃・號雷斬(きくりんいっせん・ごうらいざん)!!!」

 

雷を纏った『菊燐』を振り被ったガイオウモンが、ベルフェモンXの胸を横一文字に切り裂いた。

 

『ぬわぁあああああああああっ!?』

 

度重なるダメージで、ベルフェモンXの動きも鈍ってきている。

 

『ッ! 今なら行ける! ジエスモン! 優花!』

 

それを見た大士が、ジエスモンGXと優花に呼びかける。

 

「ああ!」

 

『分かったわ!』

 

ジエスモンGXが再び『ナイツ・イントルーダー』となり、アルファモンの右手に収まる。

 

『やるぞ!!』

 

大士達はデジソウルを激しく燃焼させる。

そして、限界を超えた。

 

―――BURST

   EVOLUTION―――

 

『『『チャージ……………!! デジソウル…………バースト!!!』』』

 

デジソウルの輝きが限界を突破し、アルファモンに限界を超えた力を与える。

アルファモンの黒い鎧が黄金に輝き、背中には大きな輝く光の翼。

左手には黄金に輝く究極戦刃王竜剣。

右手には金色に輝く光の刀身を持つ、究極戦刃ナイツ・イントルーダー。

アルファモンが限界を突破した姿。

 

「アルファモン! バーストモード!!」

 

バーストモードとなったアルファモンは、王竜剣とナイツ・イントルーダーを1つに重ね、巨大な黄金の王竜剣を生み出す。

 

「究極っ………戦刃っ…………!!」

 

アルファモンBMは、その剣を振り上げる。

その時、ベルフェモンXが最後の力で体勢を立て直した。

 

『まだです! このまま終わってなるものですかっ!!』

 

倉田が叫ぶと、ベルフェモンXの冠にエネルギーが集中する。

 

『すべてのエネルギーを集中させた最後の攻撃です! 皆吹き飛びなさい!! セブンス・ペネトレイトォォォォォォォッ!!!』

 

ベルフェモンXの爪から、全エネルギーが放出される。

その瞬間、

 

「神・竜・けぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!!!」

 

『神』すら断つ一刀が振り下ろされた。

神竜剣の刃とセブンス・ペネトレイトが激突する。

 

「うっ………ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

一瞬神竜剣は止められるも、じりじりとその刃はセブンス・ペネトレイトのエネルギーを切り裂いていく。

 

『そ、そんな………あり得ません………あり得ませんよぉっ!?』

 

その事実に驚愕する倉田。

 

「終わりだぁああああああああああああっ!!!」

 

渾身の最後の一押しにより、セブンス・ペネトレイトは切り裂かれて四散し、神竜剣の刃が縦一文字にベルフェモンXの胸から胴にかけてを切り裂く。

だが、

 

「ッ!? 浅いっ!」

 

セブンス・ペネトレイトにより若干押されていたため、神竜剣の刃が完全な致命傷を与えるまでには至らなかった。

だが、ベルフェモンXの胸にはデジコアが露出している。

 

『ッ! もう一撃!!』

 

アルファモンBMは止めを刺そうとベルフェモンXの懐に飛び込む、神竜剣から分離したナイツ・イントルーダーを右手に握り、ベルフェモンXのデジコアへ突き立てようと振り被った瞬間、

 

「…………ぐっ!?」

 

アルファモンBMの身体から力が抜け、進化が解除されてしまった。

 

「しまった!? エネルギー切れ!」

 

肝心な時に危惧していた事が起きてしまった事に、大士は思わず吐き捨てる。

 

『ッ!? 貰いましたよ!!』

 

瞬時に状況を把握した倉田が、大士達を叩き潰さんと、ベルフェモンXの両腕を動かし、勢い良く挟み込んだ。

 

『終わりです!!』

 

大士達が叩き潰される。

そう思われた瞬間、

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

シャイングレイモンBMがその手の間に割り込み、両腕でその手を支えた。

 

『なっ!? シャ、シャイングレイモン………!?!?』

 

「ぐぅぅっ………!」

 

倉田は驚愕の声を漏らし、シャイングレイモンBMが必死に支える。

 

「シャイングレイモン………マサル…………ッ!」

 

空中に投げ出されながらも、大士はシャイングレイモンとマサルを見上げ、決意したように拳を握り込んだ。

 

「葵! 優花!」

 

大士は2人に呼びかける。

大士の言わんとすることを瞬時に理解た2人は、葵は女神化してその翼で飛び、優花は〝空力〟の足場を作って跳躍する。

2人に支えられた大士は、

 

「マサル!! 合わせろ!!」

 

シャイングレイモンBMの肩に乗ったマサルに呼びかけた。

 

「ッ………! へっ!」

 

マサルは笑みを浮かべて右の拳を握り込んでデジソウルを燃やす。

そして、シャイングレイモンBMの肩から、剥き出しのベルフェモンXのデジコアへ向かって飛ぶ。

そして、大士は葵と優花に勢いよく投げ飛ばされた。

大士とマサルが横並びとなってベルフェモンXのデジコアへと向かって行く。

 

「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」

 

マサルは右の拳を、大士は左の拳を振り被ってデジソウルを爆発させる。

 

『く、来るな…………!』

 

そのデジコアに、倉田の顔が浮かび上がる。

 

『来るなぁぁぁぁぁっ………!!』

 

「「これで終わりだ倉田ぁっ!!」」

 

大士とマサルは同時に叫ぶ。

同時に繰り出された拳が、浮かび上がった倉田の顔ごとデジコアに叩き込まれた。

大士の金色のデジソウルと、マサルのオレンジ色のデジソウルが螺旋を描くように混ざり合い、ベルフェモンXの身体を貫き、背中から放出される。

 

『ぐわぁああああああああああああああああああああああああっ!?!?!?』

 

倉田の断末魔の叫びと共に、デジコアが砕け、ベルフェモンXの体が消滅していく。

ベルフェモンXの体が消滅していく中、倉田と1つのデジタマだけが残された。

 

「何故です……? 何故一度ならず二度までも………何故私は勝てないのです………?」

 

倉田は呆然と呟く。

 

「お前は初めから負けを認めてるんだよ」

 

その呟きに答えるように大士が言った。

 

「ッ?」

 

「お前は上に立つ者を排除しようとすることしかしなかった。それは、自分では敵わないと認めていたからだ。初めから負けを認めている奴が、勝とうとしている奴に勝てるわけが無いだろう」

 

「ッ……………!」

 

倉田はその言葉に目を見開く。

 

「…………私の………負けです……………」

 

そして倉田はゆっくりと目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

それから、倉田は憑き物が落ちた様に落ち着くようになった。

エルフの一部に残されていた、バイオデジモン化した者達も、倉田の力で分離させることが出来た。

まあ、『鉄血団結党』の面々が、力を無くす事に反対したので、ハジメによって鎮圧されることになったが。

そして、誰にも気付かれる事無く去る者が5名ほど居たが、それは別の話だ。

それから、マサル達の世界はどうやらこの世界から近いらしく、簡単にクリスタルキーでゲートを作ることが出来た。

そして別れの時、

 

「じゃあな大士。お前らと居た時間、楽しかったぜ!」

 

「ああ、俺もだ」

 

マサルと大士が握手を交わす。

因みに倉田はゲートを開いた時点で、一礼して去っている。

すると、マサルは背を向け、

 

「…………しみったれた別れってのは柄じゃねえんだ。つーわけで、じゃあな! 縁があったらまた会おうぜ!!」

 

「皆~、またな~~~!!」

 

マサルが最後にサムズアップをして、アグモンが両手を振る。

そのままゲートに駆け込んでいった。

そしてゲートが閉じる。

大士がそれを見届けると、振り返った。

 

「次は俺達だな」

 

大士はルイズ達を見回す。

 

「…………その、タイシ、アオイ、ユウカ、ドルモン、リュウダモン、ハックモン…………今まで本当にありがとう。あなた達のお陰で、本当に助かったわ」

 

ルイズが顔を赤くしながらそうお礼を言う。

すると、カトレアが前に出て、

 

「ルイズ、私は旦那様と一緒に行くわ………父さまや母さま、姉さまによろしくね」

 

「ちいねえさま…………」

 

ルイズとしては、大好きな姉と中々会えなくなるのは寂しいのだろう。

しかし、ルイズはゴシゴシと涙を拭くと、

 

「タイシ! ちゃんとちいねえさまを幸せにしないと許さないんだからね!」

 

ビシッと大士を指差して強気な言葉でそう口にした。

 

「ああ………約束する」

 

大士は頷く。

一方、ティファニアもまた大切な姉と別れを惜しんでいた。

 

「マチルダ姉さん………」

 

「ティファニア………幸せになるんだよ………」

 

「うん………タイシと一緒なら、きっと大丈夫」

 

ティファニアはそう言って笑みを浮かべる。

 

「ティファニア………」

 

マチルダは、最後にティファニアをギュッと抱きしめた。

更にもう一組、

 

「…………………………」

 

「…………………………」

 

シャルロットとジョゼットが無言で見つめ合っている。

 

「……………最後に、あなたの名前を教えて欲しい」

 

シャルロットがそう告げる。

 

「………………ジョゼットです………姉さん…………」

 

ジョゼットも静かにそう告げた。

 

「そう…………ジョゼット、母様をよろしくね」

 

「…………………………はい」

 

シャルロットの言葉に、ジョゼットは若干自信無さげに頷いた。

 

「大丈夫。母様は、ちゃんとあなたを『娘』として見てくれる」

 

「姉さん…………」

 

「だからあなたは、シャルロットとしてではなく、ジョゼットとして母様と暮らして欲しい」

 

「………はい!」

 

ジョゼットは先程よりもハッキリと返事をする。

その返事にシャルロットは笑みを浮かべた。

その様子を大士が微笑ましそうに見ていると、

 

「いやぁ………まさか大士が『嫁』を3人も増やしていたとはなぁ………」

 

ハジメがニヤニヤとしながら後ろから声を掛けてきた。

 

「何だよ………?」

 

「何、仲間が増えて嬉しいなんて、これっぽっちも思って無いぞ?」

 

「そんな顔でそんな事言われても、説得力ねーよ」

 

大士は溜息を吐く。

すると、大士の肩にポンと、手が置かれ、

 

「ようこそ、ハーレムの世界へ」

 

そう嬉しそうに言ったのは、

 

「居たのか遠藤」

 

「初めからいたよこん畜生!! やっぱり気付いて無かったのか!?」

 

世界一影の薄い男、遠藤 浩介。

因みにベルフェモンXとの戦いの時、ミュウのベルフェモンに迫った鎖を破壊したのは、浩介とファルコモンが進化したレイヴモンBMだったりする。

誰にも気付かれなかったが。

 

 

 

やがて一通り別れの挨拶が済み、別れの時がやって来る。

ヴィットーリオの『世界扉(ワールドドア)』で地球へのゲートを作り、そこにハジメやユエが干渉してより正確なゲートを作り出す。

それぞれがゲートを潜る中、大士が最後に振り返り、

 

「じゃあな皆! 元気でな!」

 

そう言い残してゲートに消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尚、地球に連れて帰ったティファニアを見て、ハジメの両親が「「エルフ耳キターーーーーー!!!」」と叫んだのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

日本に戻った大士達は、家族との再会を済ませた後、一番に会いに行く相手を決めていた。

それは、

 

「よう中野! 久しぶりだな!」

 

「ひぃ! くくく、黒騎!? いい、いつ戻って来たんだ!?」

 

「ついさっきだ」

 

「そそそ、そうか………!」

 

大士達がハルケギニアに行く間接的な切っ掛けを作った張本人の中野 信治。

信治は、自分が大士達を異世界送りにする羽目になった事を自覚している上、優花に戻ったら覚えておけと言われているので非常に大士達を恐れていた。

因みに相変わらず彼女はおらず、常時募集中である。

 

「そんなに怖がるなよ。安心しろ。制裁に来た訳じゃない」

 

「へっ………?」

 

大士の言葉に素っ頓狂な声を漏らす信治。

 

「むしろ、感謝を言いに来たんだ」

 

「感謝………?」

 

「ああ感謝だ。あの時、俺を空間ゲートに突っ込んでくれて、ありがとうってな」

 

「ど、どういたしまして?」

 

何故感謝されるのか理解できていない信治は疑問形で返してしまう。

そこで大士はニンマリと笑みを浮かべ、

 

「何故なら……………」

 

そのタイミングで3人の美女が姿を現す。

それは、シャルロット、カトレア、ティファニアの3人だ。

大士は左右の手でカトレアとティファニアの肩を抱き寄せ、更にシャルロットが大士の胸に身を寄せる。

 

「3人も『嫁』が増えたからなぁ!」

 

嘲笑う様な仕草でそういう大士。

 

「ッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

信治は息を呑んだ後、真っ白になる。

HAHAHA!と言わんばかりに笑いながら大士達はその場を後にする。

信治は真っ白になったまま、風に吹かれてサラサラと灰になっていった。

 

 

 

 

 

 

 

~Fin~

 

 

 

 

 

 

 








はい、ゼロ魔クロス最終話でした。
ちょっと最後の別れがあっさりし過ぎたのが不満と言えば不満だが、ネタが無かった。
大士とルイズはそこまで別れを惜しむ間柄でもないですし。
その他の方がメイン?
ハジメ達は、何かきっかけさえあればハルケギニアに来れる状態だったので、ヴィットーリオがゲートを開いたのを利用しで無理矢理干渉させたわけです。
魔王軍が揃えば何のその。
一方的なリンチとなりました。
ついでとばかりにガイオウモンを厳刀ノ型にまでしてしまいました。
まあ、新しく出てきたんだしこの際と思って…………
そして最後の信治君は、ヒロインを増やすと決めた時点でこういう最後は決めていました。
変に制裁するよりも、こっちの方がダメージデカいでしょう。
さて、長々と続いたゼロ魔編もこれにて終了。
そして恒例のご相談。
次をどうするか考えていたのですが、軽くネタバレになりますが、デジモンの居るオリジナル異世界編に行くと、ヒロイン2人増える予定を考えているのですが、そのヒロイン達はパートナーデジモン持ちで、エクスブイモンとスティングモンにして、究極体をインペリアルドラモンにしようと考えているんです。
で、マブラヴ編のBETA殲滅はどうせなら派手にいきたいと思っているので、インペリアルドラモンが加わるオリジナルルートの後にしようかと思っています。
で、そのヒロインのタイプですが、仲良くしたいけど家の都合で仲良くできない訳アリ双子姉妹の軽いツンデレ姉と無口天然妹(イメージ的には、『魔王学院の不適合者』のサーシャとミーシャ)を考えていたのですが、シャルロットをヒロインにしたため、無口というタイプ的に妹と被ってしまうんですよ。
で、もう1つ考えたのですが、公爵令嬢の姫騎士と平民出身の少女の友情(イメージ的には、『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』のアンジェリカとオリヴィア)にしようかと思ったのですが、前者も捨てがたいです。
皆さんはどっちがいいですか?
↓にアンケート投票を作るので投票をお願いします。
あと、思い付きも選択肢に入れておきます。
ということで、アンケート結果も踏まえなければいけないので休憩がてら来週の更新はお休みします。

次回作およびヒロインについてのアンケート

  • 双子姉妹ヒロイン
  • 公爵令嬢と平民少女の身分差ヒロイン
  • むしろ4人でパラディンモードまで行け!
  • オリジナルよりマブラヴ早よ
  • アナザールートでインフィニットストラトス
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