【Side 三人称】
夕日が差し込む保健室のベッド。
ラウラはそこで目を覚ました。
「う……………私は…………」
体に力が入らない為、ラウラは視線だけを動かして周りの様子を伺うと、すぐ隣に千冬が居ることに気付いた。
「何が………起きたのですか…………?」
ラウラは千冬に問いかけた。
「………一応重要案件である上に、機密事項なのだがな………VTシステムは知っているな?」
「ヴァルキリー………トレースシステム………?」
千冬の言葉にラウラは軽く驚いた顔をする。
「そうだ。IS条約でその研究は疎か、開発、使用、全てが禁止されている。それがお前のISに積まれていた………………精神状態、蓄積ダメージ、そして…………操縦者の意志…………いや、願望か。それらが揃うと発動する様になっていたらしい」
千冬の言葉に、ラウラは自分に掛けられていたシーツを握りしめる。
「それは………私が望んだからですね…………?」
ラウラは悔しさで胸が張り裂けそうになった。
すると、
「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」
「は、はい!」
千冬にいきなり名を呼ばれてラウラは顔を上げる。
「お前は誰だ?」
「私は……私………は………」
ラウラはその続きを紡げなかった。
千冬になろうとした自分に、自分がラウラだという資格がある様に思えなかった。
すると、
「誰でも無いのなら丁度いい。お前はこれからラウラ・ボーデヴィッヒになるがいい。何、時間は山のようにあるぞ。何せ3年間はこの学園に在籍しなければいけないからな。その後も、まあ死ぬまで時間はある。たっぷり悩めよ、小娘」
「あ………………………」
千冬の言葉を聞いて、ラウラはただポカンとしていた。
千冬が自分を励ましてくれるとは思ってもいなかったからだ。
そんなラウラに、千冬は席を立ってベッドから離れた。
教師の仕事に戻るのだろう。
「ああ、それから」
千冬は保健室から出る直前に、言葉を掛ける。
「お前は、私にはなれないぞ」
それだけ言い残して、千冬は今度こそ立ち去って行った。
「………………ふ、ふふ………ははっ」
それから少しして、ラウラは急におかしくなって笑いを零した。
(自分で考えて、自分で行動しろ………か)
千冬の言った意味を理解し、考えるラウラ。
ラウラはふと、自分が気を失う寸前に見た、葵の微笑みを思い出した。
(あの微笑みは………本当に綺麗だった…………まるで………女神の様に………)
ラウラはそう思いながら、もう一度眠りについた。
【Side Out】
学年別トーナメントは中止となり、各自1回戦の対戦のみが行われることなった。
そして翌日。
SHRの時間になっても、何故かデュノアとボーデヴィッヒの姿は無かった。
その中で織斑は、気絶させられたことに何か言いたげなのか、葵にチラチラと視線を向けている。
「………今日は皆さんに……転校生を紹介します………」
教壇に上がった山田先生が歯切れ悪くそう言う。
それと共に、教室に入ってくる1人の『少女』。
だが、その顔はこの教室の誰もが知っている顔だ。
それは、
「シャルロット・デュノアです。 皆さん、改めてよろしくお願いします!」
女子の制服を纏っているデュノアだった。
「え~っと、デュノア君は、デュノアさんって事でした……」
山田先生の言葉に、
「は?」
何も知らない箒が声を漏らす。
それを切っ掛けにクラスメイトが、ざわつき出す。
「えっ? じゃあデュノア君って女?」
「おかしいと思った。 美少年じゃなくて、美少女だったわけね」
「って織斑君! 同室だから知らないってことは……」
「ちょっと待って! 昨日って男子が大浴場使ったわよね!?」
その瞬間、
――ドガァン
教室の壁を破壊して、ISを纏った鈴が現れる。
「いぃぃぃぃぃちぃぃぃぃぃぃぃかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
怒りの形相で鈴が衝撃砲を発射しようとする。
「ちょっと待て! 俺は昨日大浴場に入ってない! 俺死ぬ! 絶対死ぬぅぅぅぅぅっ!!」
織斑の叫びも空しく、衝撃砲が発射される。
因みに織斑が昨日大浴場を使ってない理由は、葵に気絶されられたまま、夜遅くまで眠っていたからだ。
ついでに言えば、俺はしっかりと堪能させてもらった。
俺は流石に拙いので助けようかと思ったが、その前に織斑を庇うように立ちはだかる者が居た。
「あれ? 死んでない………?」
織斑が目を開けると、目の前には、AICで鈴の衝撃砲を防いだボーデヴィッヒの姿。
「ラウラ! 助かったぜ、サンキュー!」
織斑がボーデヴィッヒに気付くと、気軽に声を掛ける。
ボーデヴィッヒは織斑に視線を向けると、
「今まで迷惑をかけた詫びだ。すまなかった」
素直に頭を下げるボーデヴィッヒ。
「あ、ああ…………」
少し呆気にとられる織斑。
すると、ボーデヴィッヒは振り向いてある方向へ歩いていく。
そして、ある席の近くで立ち止まった。
それは、葵の席だ。
「神代 葵………!」
ボーデヴィッヒは葵の名を呼ぶ。
「何かな……? ラウラちゃん」
葵が首を傾けてそう聞き返すと、ボーデヴィッヒはほんのりと頬を染め、
「お…………」
「お?」
その口から漏れた言葉を葵が繰り返す。
そして、
「………お姉様と呼ばせてください!!」
「………………はい?」
その口から出てきた言葉に、葵は呆気に取られたように声を漏らし、俺も呆然となった。
そして、
「「「「「「「「「「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?!?!?」」」」」」」」」」
クラス中が、一斉の驚愕の声に包まれるのだった。
それから時は流れ…………
1学期最後のイベントである臨海学校当日。
「今11時でーす! 夕方までは自由行動! 夕食に遅れないように旅館に戻ること! いいですねー!?」
「「「「「「「「「「は~~~~~~い!!」」」」」」」」」」」
山田先生の呼びかけに生徒達が答え、我先にと砂浜に駆けだす。
7月の太陽が照りつけ、目の前には青い海が広がる。
臨海学校1日目は終日自由行動だ。
生徒達は持参した水着を着て、はしゃぎ回る。
俺も海パン姿で砂浜に立っていた。
隣にはドルモンもいる。
すると、
「大士―!」
葵の声が聞こえて俺は振り返ると、
「おお………!」
俺は思わず声を漏らした。
葵は黄土色のビキニを。
優花は白いビキニを身に纏っており、その抜群のスタイルを惜しげもなく晒している。
「どうかしら?」
優花は片手を腰に当て、軽くポーズを取って見せる。
「あ、ああ…………2人とも、良く似合ってる…………」
2人の身体は見慣れているが、何気に水着姿は初めてだという事を思い出し、その姿を目に焼き付ける。
すると、2人の後ろにラウラが居る事に気付いた。
髪をツインテールに纏め、黒のビキニタイプの水着を着ている。
「どう? ラウラちゃんも可愛いでしょ?」
葵がラウラを前に押し出す。
たぶん、優花と2人でコーディネートしたんだろう。
「ああ。いいと思うぞ」
可愛いとは思うが、ラウラは幼児体型の為、特に欲情したりはしない。
「ふふふ、お姉様達に選んでもらった水着だ。お兄様にそう言って貰えるのは嬉しい」
ラウラはそう言って笑みを浮かべる。
ラウラは以前とは別人のように良く笑うようになった。
しかも、葵をお姉様呼びするようになった後、俺が葵の恋人だと分かると、何故か『お兄様』呼びされるようになってしまった。
話を聞くに、副隊長が入れ知恵したとか。
その際に俺も『ラウラ』と呼び捨てする様になった。
その時、
「お~い! くっき~~~!」
布仏さんの声がした。
そちらを向くと、そこには布仏さんに押し出されるような形で前に立つ簪さんの姿。
もちろん簪さんも水着に着替えており、その姿は水色のワンピースタイプの水着で、簪さんのイメージによく合っていた。
「ほ、本音………恥ずかしい………」
簪は顔を真っ赤にして俯いている。
「恥ずかしがることなんてないよ~。 似合ってるよ~。 ね、くっきー?」
布仏さんはそう言いながら俺に話を振ってくる。
「あ、ああ……うん。 よく似合ってるよ、簪さん」
「ううっ…………」
簪さんは恥ずかしそうに顔伏せているが、耳まで真っ赤にしている。
「ッ…………!?」
その仕草に、俺はドキリとした。
「「………………………」」
その瞬間を、葵と優花が見逃さなかった事に俺は気付かない。
「ねえねえ~。 ビーチバレーしようよ」
布仏さんがどこからともなく取り出したバレーボールを持ってそう言う。
「あ、ああ、いいぞ。丁度3対3でチーム分け出来るしな」
俺はそう言う。
これまたいつの間にか砂浜に用意されていたコートに立つ俺達。
ただ、葵と優花が同じチームになると無双してしまうので、その2人は分けて、更に俺はデジソウルを使わないという制約を掛けて、くじ引きでチームを決めることになった。
その結果、俺、優花、簪さんのチームと、葵、ラウラ、布仏さんのチームで分かれた。
最初のサーブは簪さん。
簪さんはボールを上に放り投げ、いつもの雰囲気とは裏腹に、豪快なジャンピングサーブを放つ。
簪さんも代表候補生と聞いていたから、その身体能力は高い。
鋭いサーブがコートの隅に向かうが、
「任せろ!」
ラウラが素早く落下地点に回り込んでレシーブする。
「お姉様!」
ボールを上げたラウラが葵に向かって叫ぶ。
「ナイス! ラウラちゃん!」
葵は上がったボールに向かって跳ぶと、
「たぁっ!」
強烈なスパイクを打った。
手加減はしているだろうが、プロ顔負けの威力を持ったスパイクが向かってくる。
「ふっ!」
だが、そのスパイクも優花が滑り込んで拾う。
上がったボールに今度は俺が跳び、
「せいっ!」
相手のコートに向かって叩き込んだ。
ボールは布仏さんに向かって一直線。
布仏さんはわたわたと慌てていたが、
「えい!」
偶然か狙ったかは分からないが、突き出した手がボールをいい具合に上げる。
そして再び葵が駆け込んでくる。
俺もブロックに跳ぼうとして身構えた瞬間、
「大士!」
葵が俺の名を呼ぶ。
俺は思わず視線を葵に移すと、
「ッ………!?」
俺は思わず目を奪われた。
葵は、俺に対して胸の谷間を見せつけるような前傾姿勢で走り込んできたのだ。
その瞬間、葵は跳ぶ。
「ッ!?」
俺も一瞬遅れて跳ぶが、一度意識してしまうと、その誘惑を中々振り切る事が出来ない。
空中に跳んだことで、魅惑的に跳ねるその胸に意識を持っていかれてしまい、葵が撃ったボールを捉える事が出来なかった。
俺の手の間を抜けて、ボールがコートの隅に突き刺さる。
「いえーい!」
葵はこれ見よがしにピースサインをする。
正直文句を言いたかったが、誘惑に負けたのは俺なので何も言う事が出来なかった。
その後もゲームは続き、途中で織斑先生達が混ざって来たり、海で鈴が溺れかけて織斑に助けられるなどのアクシデントがあったが、皆がそれぞれ楽しんだ1日だった。
【Side 三人称】
やはり楽しい時間というのは早く過ぎるものであり、気付けばいつの間にか日が傾いている時間だった。
夕食を終え、各々が各部屋で就寝までの時間を過ごしていた時、温泉から出た葵、優花、ラウラ、簪は部屋へと向かっていた。
その途中、
「あれ?」
一夏と千冬の部屋の前に張り付いている箒と鈴音の姿を見つけて声を漏らした。
襖に耳を当て、中の音に耳を澄ませている様だ。
「何やってるの?」
葵が代表して尋ねると、
「しっ………!」
鈴音が人差し指を口の前に立てて、静かに、とジェスチャーをする。
それから襖の中を指差す。
葵達は、何だと首を傾げながら同じように襖に耳を近付けて耳を澄ますと、
『千冬姉、久しぶりだからちょっと緊張してる?』
『そんな訳ないだろう………』
中から一夏と千冬の会話が聞こえた。
『あっ……うっ………少しは加減をしろ………!』
『はいはい。じゃ、ここは?』
『まっ………! そ、そこは…………!』
『すぐに良くなるって。大分溜まってたみたいだしね』
その会話を聞いて、箒と鈴音は顔を赤くしている。
「………………………」
一夏と千冬の会話と、箒、鈴音の反応からどんな想像をしているか簡単に予想がついたが、
「………………はあ」
優花が彼女達が耳を当てている襖の取っ手に手を掛け、スパンと素早く開いた。
「「きゃああっ!?」」
聞くことに集中し、前のめりになっていた2人は、部屋の中に雪崩れ込むように倒れる。
2人は恐る恐る顔を上げるとそこには、
「……………………?」
布団にうつ伏せで寝転んでいる千冬にマッサージを施していた一夏がポカンとした表情で彼女達を見ていた。
「こんな事だろうと思ったわ」
優花が呆れた様に呟いた。
現在、箒と鈴音の2人は千冬の前で正座させられていた。
他は偶々居ただけなので正座は免除である。
「まったく! 何をしているか馬鹿どもが!」
千冬は不機嫌そうにそう言うと椅子に腰かける。
「マッサージだったんですか………」
箒が苦笑しつつホッとした表情で呟く。
「しかし、私はてっきり…………」
ラウラが口を開く。
「何やってると思ったんだよ?」
一夏がそう聞くと、
「それはもちろん男女の………モガッ?」
ラウラがそう言いかけると、葵が後ろからラウラの口を塞いだ。
「ラウラ、そういう事は人前で口にしないことがマナーだよ?」
言い聞かせるようにそう言う葵。
「……ぷはっ! そう言うものなのですね。勉強になりました、お姉様」
ラウラはそう言って口を噤む。
「? なんだよ?」
一夏がそう言うと、
「それは自分で考えてね」
葵がそう言って話を切る。
「こう見えてこいつはマッサージが上手い。疲れがたまった時には偶にやって貰っているのさ」
千冬がそう言う。
すると、何かを思いついたように、
「一夏、マッサージで汗をかいただろう? もう一度温泉に入って来い」
突然そう言った。
一夏は素直に頷き、部屋を出ていく。
すると、千冬はこの部屋にいる全員にジュースを配り、自分も缶ビールを開ける。
そしてそれを煽ると、
「………で? お前らあいつの何処が良いんだ?」
「「!?」」
箒と鈴音に向かって突然そう問いかけた。
「わ、私は別に………以前より腕が落ちているのが腹立たしいだけですので」
箒はそう言い、
「あたしは、腐れ縁なだけだし………」
鈴音も素直になれずにそう言う。
「ふむ、そうか。ではそう一夏に伝えておこう」
しれっとそう言う千冬。
「「言わなくていいです!」」
2人は揃ってそう言う。
「鈴ちゃんには前にも言ったけど、せめて『好き』って気持ちを表に出せるようにならないと、先には進まないよ」
葵がそう突っ込む。
「そ、そうは言うけど、やっぱり恥ずかしいし…………」
鈴はモジモジとする。
「そう言うお前らは黒騎の何処がいいんだ? 言っては悪いが、私もあいつに異性としての魅力など欠片も感じないのだが?」
千冬は本気で不思議そうにそう問いかける。
「何処って言われても…………全部?」
「長所も短所も全部含めて、私達は大士が好きなの。これ以上無いぐらいに愛してるのよ」
ハッキリとそう言い切った葵と優花に箒と鈴音は尊敬の念の様なものを覚える。
「相変わらず迷わずに言い切るのね……………2人揃って大士の恋人だっていうのも大概なのに……………」
「ッ!?」
鈴音の言葉に、簪が反応したように息を呑んだ。
「ほう? そうなのか?」
初めて聞いた千冬は葵と優花を見る。
「はい、そうです」
「別に誰に何と言われようと知ったこっちゃないわよ」
千冬相手にも全く臆さずに言い切る2人。
「千冬さんにも臆さずに……………」
「流石はお姉様達です」
「ホント、あんた達の常識は何処行ったのよって言いたいわ」
箒とラウラ、鈴音はそう漏らした。
すると、
「そんなもの、奈落の底に置いてきたわよ」
優花がさも当然と言い切る。
「とは言え、やはり私にはあいつの良さは理解できんな」
千冬がそう零すと、
「別に、大士の良さを他の人に分かってもらおうとは思わないよ」
「この世界で大士を愛せるのは、私と葵だけだろうから」
2人がそう言った時、
「ッ………! そ、そんな事無いっ………!」
突然簪が強い口調で口を開いた。
「簪ちゃん………?」
葵が不思議そうに尋ねると、
「わ、私………私も…………私も黒騎さんの事………す、好きだからっ………!」
簪は顔を真っ赤にしつつ、そう言い切った。
「「嘘っ!?」」
葵と優花は本気で驚いた顔をする。
「ホントに!? 簪ちゃんホントに!? ライクじゃなくてラブの方!?」
葵は思わずそう捲し立てる。
簪は、恥ずかしそうにしながらも、コクコクと頷く。
「信じられないわね…………まさか大士を好きになれる人が私達以外に居るなんて………」
優花も言葉通り信じられないと言った表情をしている。
「いや、何であなた達が驚いてるのよ? いくらなんでも言いすぎでしょ?」
鈴音がそう突っ込むが、
「言い過ぎなんかじゃないよ。大士は異性として好かれないって『運命』できまってるんだから!」
「はい?」
鈴音は思わず声を漏らす。
「ああもう! 簪ちゃん! ちょっとお話しするよ! 優花も来て!」
葵は簪の首根っこを引っ掴むと、どたどたと部屋を出ていく。
そのまま自分達が宛がわれた部屋に簪を連れて来ると、
「簪ちゃん、もう一度聞くけど、本当に大士の事が好きなの?」
葵は強めの口調で問いかける。
「う、うん………好き………!」
少し恥ずかしそうであるが、ハッキリと頷く。
「どうして好きになったの?」
「………………彼は………『ヒーロー』だから…………」
簪はそう言う。
すると、優花が口を開いた。
「勘違いしてるみたいだから言っておくけど、大士はアニメや特撮なんかに出てくる、見ず知らずの人の為に命を懸ける『完全無欠のヒーロー』なんかじゃない。大士が戦うのは自分の為、自分の『大切』の為。それ以外は、いつでも切り捨てる事が出来るわよ?」
「………………確かに、彼は『完全無欠のヒーロー』じゃないかもしれない…………だけど、彼は………『私のヒーロー』だから…………!」
「…………………そう」
そう言うと、優花は下がる。
「それと、さっき聞いたから分かると思うけど、私と優花は2人とも大士の恋人。簪ちゃんがいくら大士を好きでも、身を引く気は一切無いし、大士も私達を手放さないと断言できる。こうやって指輪も貰ってることだしね」
葵は左手の薬指に嵌められている指輪を見せつける。
「ッ………」
「それでも大士を諦められない?」
「………………諦めない! 諦めたくない!」
簪はそう言い切った。
「そう………………なら、3番目になる?」
「えっ………?」
葵の提案に簪は思わず声を漏らした。
「簪ちゃんは、大士の3番目の恋人でも受け入れられる?」
「………………いいの?」
「私は、大士が望むならハーレムだろうと構わない。一緒に居られるのなら」
「私は正直、葵以外の女が大士の恋人になるのは面白くないと思ってる。だけど、大士が本当に好きになったのなら、受け入れても良いと思ってるわ」
葵、そして優花はそう言う。
「……………それでもいい……! 3番目でも構わない………! 私を彼と一緒に居させて!」
簪は自分の想いを口に出す。
「……………わかった」
「ッ!」
葵の言葉に、簪は一瞬嬉しそうに目を見開く。
「だけど、それは大士が受け入れたらの話。今の大士が簪ちゃんに持つ感情は、少し仲のいい同級生………友達の域を出て無いと思う」
「ッ………………!?」
その言葉に、簪は寂しそうに目を伏せそうになるが、
「だから、振り向かせて」
「ッ!」
続けて言われた言葉に、簪はハッとなって顔を上げる。
「簪ちゃんが本気で大士の事を好きなのなら、自分で大士を振り向かせて、惚れさせるの。私達はそれを邪魔しない」
「葵さん…………」
「もし簪ちゃんが大士を振り向かせることが出来たのなら、その時は改めて歓迎するよ」
「………………はい!」
葵の言葉に、簪はハッキリと返事を返す。
「私は必ず…………黒騎さん…………大士さんを振り向かせて見せます!」
そう言った簪の目に迷いは無かった。
「はっくしょん!!」
風呂から上がった大士が盛大にくしゃみをする。
「大士………大丈夫?」
ドルモンが心配そうに大士を見上げる。
「ああ…………湯冷めしたかな?」
当の本人のあずかり知らぬところで、そんな話が進められている事など、この時の大士には知る由も無かった。
デジモンアドベンチャー:にオメガモン Alter-S出たーーー!!(テンション爆上がり)
一瞬だけどグレイソードとガルルソードの二刀流と、ガルルキャノンとグレイキャノンの同時斉射も燃えたーーーーーー!!(テンション爆上がり)
でも最終回だったーーーーー…………!!(テンション爆下がり)
そんな感じで書いた第8話です。
ラウラが葵をお姉様と呼ぶようになりました。
ついでに大士がお兄様です。
さて、IS編のヒロインである簪が本格参戦の宣戦布告。
大士の明日はどっちだ!?
次もお楽しみに。
今日は熱っぽいので返信はお休みさせていただきます。
因みに、感想の中でグレイドモンの進化にツッコミが来たのですが、グレイドモンはハルツィナ樹海の迷宮を攻略する時に既に進化してます。
相手はゴキブリですけど。
ドルゴラモンにはなれませんがね。
あと、グレイドモンを選択したのは、大きさと、ラウラを助け出すために『力』よりも『技』が必要だったからです。
成熟期は皆巨体ですし、ドルグレモンやヒシャリュウモンでは手加減が難しいので、グレイドモンかセイバーハックモンが適任だっただけです。
ISのポテンシャルは、総合的に成熟期とどっこいどっこいぐらいですね。
福音戦が終わったら?
-
このままIS編続行!(アニメ2期まで)
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オリジナル異世界編スタート!