【Side 葵】
臨海学校から暫くして8月に入り、IS学園も夏休みとなった今日。
今日は夏の定番であるプールに遊びに行くことになっていた。
でも、残念だけどリュウダモン達はお留守番。
今月出来たばかりのウォーターワールドだから、お客さんも多いだろうし、余計な混乱は避けたいという理由だった。
因みに、前売り券は完売していて、当日券も開場2時間前には並ばないと買えない様なところだけど、南雲君がちょちょいとやって人数分の前売り券を確保している。
因みに行くメンバーは、私と大士、優花はもちろんの事、南雲君、香織、雫、ユエ、シア、ティオにミュウのトータスで旅をしていたメンバー。
先生やレミアさんはお仕事があるらしいし、リリィに至ってはトータスに居るからそう簡単には呼べない。
それから、私の方でもう1人分前売り券を都合してもらった。
呼んでおきたい子が居たからだ。
そして、約束の日である土曜日。
ウォーターワールドのゲート前で待ち合わせをしていた。
そんな中、一番に集合場所に来た私は、見知った顔を見つけた。
「あれ? 鈴ちゃん?」
「あ、葵じゃない……!」
それは、同じようにゲートの前で待つ鈴ちゃんの姿だった。
「鈴ちゃんもウォーターワールドに?」
「え、ええ………そうよ………」
私がそう聞くと、鈴ちゃんは少し挙動不審な態度を見せる。
そこで私はビビッと来た。
「………もしかして、相手は織斑君?」
「ッ………!?」
私がそう聞くと、鈴ちゃんは顔を真っ赤にする。
分かり易いなぁ………
そんな鈴ちゃんを可愛く思う。
「やるじゃん」
「わ、私だってやる時はやるわよ………!」
鈴ちゃんは、照れながらも強気な態度でドヤ顔を決める。
「ふふっ、頑張ってね」
「………うん、ありがと…………」
鈴ちゃんはそうお礼を言うと、期待と照れが入り混じった表情で前を向いた。
そんなこんなしているうちに、こっちのメンバーは集まり始めた。
まず大士と優花。
次に香織と雫。
そして南雲君、ユエ、シア、ティオ、ミュウがセットで現れた。
「さて、これで全員か?」
南雲君が、さっさと入ろうぜと言わんばかりにそう言うが、
「ちょっと待って。もう1人来るから」
私はそう呼び止める。
「もう1人?」
大士が誰だと声を漏らした時、私達に歩み寄ってくる1人の影。
それは、
「こ、こんにちは…………」
「簪さん!?」
IS学園で友達になった簪ちゃん。
大士は驚いた声を上げた。
「どうしてここに………?」
大士は不思議そうな声を漏らしたので、
「私が誘ったの」
私はそう答える。
「葵が?」
「うん」
簪ちゃんを誘った理由は、彼女にもチャンスをあげるため。
簪ちゃんは、自分の意志の力で運命を乗り越えて大士を好きになった。
でも、大士は簪ちゃんに対しては友達以上の感情は持っていない。
大士は自分の、『異性から好かれない』運命を自覚しているから、私と優花以外の女性から好意を持たれているとは思ってない。
ううん、運命を自覚している分、初めから好意を否定しちゃう。
だから、簪ちゃんからの想いも、『友達として』しか思ってない。
この『運命』は大士が如何こう出来る問題じゃない。
『女性の方』が運命を乗り越えなきゃいけない事だから。
簪ちゃんはそれを成し遂げたけど、大士はそれに気付いてない。
だから、後は簪ちゃんの努力次第。
ちゃんと自分の想いに気付いてもらえるぐらいにぶつかっていくしかない。
私は簪ちゃんに微笑みかける。
「……………頑張って」
その耳元で、小さく呟いた。
簪ちゃんの紹介を終えてから鈴ちゃんと別れて場内に入り、男子(って言っても大士と南雲君だけだけど)と別れて更衣室で着替える。
すると、
「このメンバーで集まるのも久しぶりじゃのう」
ティオが服を脱ぎながらそう呟く。
その際に、私より大きな胸がぶるんと揺れる。
「そう言えばそうですね。タイシさんとアオイさんとユウカさんは、ずっとIS学園に居ましたから」
シアもそう言いながら服を脱ぎ、その巨乳をぷるんと揺らす。
「葵ちゃん達はIS学園での生活は如何?」
「私も気になるわね。如何なの?」
香織と雫も続けて服を脱ぎ、ぷるぷるんと胸が揺れる。
「如何って言われても………さほど不便は無いかな」
「ハックモン達への視線が少し気になるけどね」
私と優花もそう答えながら服脱ぐ。
自分で言うのも何だけど、豊満な胸が揺れている。
「「…………………………」」
そんな私達をジトーッと見つめる視線が2つ。
1つはユエ。
そしてもう1つは簪ちゃん。
この2人は胸が控えめだから、羨ましいんだろう。
でも、変成魔法使えば何とかなるんじゃ?
それから水着に着替えて更衣室を出る私達。
私と優花は、臨海学校で着た水着と同じものだけど、簪ちゃんは以前のワンピースタイプではなく、ビキニタイプにして露出を多くしている。
これも大士の気を引こうとしている表れだろう。
ミュウはフリルの付いた可愛らしいワンピースタイプの水着。
ティオはちょっと危険なラインすれすれを狙っている。
シアは………いつもと余り露出量が変わってないね。
香織、雫、ユエはスタンダードなビキニの水着を着ていた。
待ち合わせの場所まで歩いていく途中、多くの男性の視線が集中するのが分かった。
まあ、これだけスタイルの良い美女美少女が固まってれば、注目を浴びるのは仕方ない。
でも、大士以外の男に注目されても嬉しくもなんともないけど。
集合場所には、既に大士と南雲君が待っていた。
2人とも海パン姿で立っている。
そこに私達が合流すると、周りの男達の視線に殺気が籠った。
だけど、
「あ゛………!?」
南雲君の一睨みで全員沈黙した。
流石に南雲君はヤバいと本能的に感じたんだろう。
冷や汗を流しながら一斉に目を逸らしたのがよくわかった。
それを他所に、
「とぉーっ!」
ミュウが我慢できなかったのか、プールに向かって駆け出し、飛び込んだ。
「ぬあっ!? ミュウ!? 駄目だぞ! プールに入る時は、ちゃんと準備運動をだな……!」
それを見た南雲君が慌てた様にミュウに向かって叫ぶ。
でも、
「きゃはははっ!」
ミュウは南雲君の心配を他所に、スイスイと人の合間を縫うように泳いでいく。
「あの子………まるで魚みたい………! っていうか、潜水速っ!」
簪ちゃんが驚いた表情でそう呟く。
「そういや、ミュウは海人族だからな………寧ろ水の中が本領か…………」
大士が思い出したと言わんばかりに呟く。
「ミュウーーーーーーーーーっ!!」
南雲君がプールサイドを走りながらミュウちゃんを追いかけている。
「南雲君のミュウちゃんに対する親バカっぷりも変わってないねー」
あはは、と思わず笑ってしまう。
それはさておき、私達も楽しむことにしよう。
【Side Out】
【Side 簪】
夏休みに入ったある日。
突然葵さんから連絡を受けて、プールに一緒に行かないかと誘われた。
それには大士さんも来るみたいで、アピールするチャンスだと言われた。
臨海学校が終わった後は、余り大士さんとは接点が持てずにいた私にお膳立てをしてくれる葵さんには感謝しかない。
私はその誘いを受けて、当日久しぶりに大士さんと会う事が出来た。
そこには、大士さんや葵さん達の友人と言う男性と、見た目麗しい女性達がいた。
極一部を除き、スタイル抜群な彼女達を羨ましいと思ったのは秘密だ。
でも、葵さんと優花さん以外は、全員が南雲さんの恋人と聞いた時には、大士さんが葵さんと優花さんの2人と付き合っていると聞いた時以上の衝撃が走った。
その上、南雲さんには、まだあと3人の恋人がいると聞いて、更に戦慄した。
あと、ミュウちゃんに南雲さんが『パパ』と呼ばれているのを聞いた時にも、別ベクトルで戦慄が走った。
そして、大士さんと南雲さんのグループで二手に別れて遊ぶことになり、私は当然だけど大士さんに付いてきた。
私も勇気を出して、臨海学校の時とは違う、露出の多い水着を着てきたけど、葵さんと優花さんはそれ以上に露出の多い水着を着て、更に大士さんに密着する所を何度も見かける。
人によっては、はしたないと言われるかもしれないけど、それだけ葵さんと優花さんが大士さんの事を想っている表れだと私は思った。
私は流れるプールの流れに沿って、大士さん達の後を泳いでいる。
大士さんにアピールしなきゃと思ってはいるけど、中々その一歩が踏み出せない。
自分の臆病さに嘆いていると、ポーンと合図のようなベルが鳴った。
「えっ?」
私が辺りを見渡すと、看板にアドベンチャータイムと英語で表示されていた。
そして、上流側にあった水門が突然開く。
そこから、大量の水が開放された。
「えっ……? きゃぁぁぁぁっ!?」
私はあっという間にその激流に呑み込まれる。
そしてそのまま前方を泳いでいた大士さんに向かって、狙ったように流され、一緒に巻き込まれた。
気付けば私達は、人口浜に打ち上げられた。
設計上そうなっているんだろうけど、下手をすれば死人が出るんじゃ………?
私は、体を起こそうとして、温かいものに身体を包まれているのを感じた。
「えっ………?」
私が顔を上げると、すぐ傍には大士さんの顔。
「えええっ………!?」
思わず顔が熱くなる。
何故なら、偶然だろうけど、今の私は大士さんに抱きしめられるような形で砂浜に打ち上げられていたからだった。
「うっ………」
その時、大士さんが目を開ける。
すると、私とバッチリ目が合った。
「「…………」」
見つめ合って数秒。
「うおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
大士さんは飛び跳ねるように起き上がると私から離れた。
「かかっ、簪さんっ!? ゴメン! わざとじゃないんだ!」
大士さんは土下座しそうな勢いで私に謝罪する。
「あ、謝らないでください………き、気にしてませんから………!」
私は咄嗟にそう言う。
むしろ、恥ずかしかったけど、嬉しかったし………
「わ、分かった………だけど、本当にごめん………」
大士さんは頭を上げるけど、重ねてそう言った。
因みにそんな私達を見ながら、葵さんと優花さんがニヤニヤしていた事には気付かなかった。
私達は、気分を一新する為に、別のアトラクションに行く事にした。
選んだのは、定番のアトラクションのウォータースライダー。
だけど、ここのウォータースライダーには、ペア滑りコースというものがあり、2人一緒に滑れるというものがあった。
「さて、どっちが一緒に滑る?」
大士さんが葵さんと優花さんの2人に訊ねる。
分かってはいたけど、最初から私は選択肢に入ってないことに寂しさを感じる。
「優花、ちょっと来て」
葵さんが優花さんを呼ぶ。
2人は、どっちが大士さんと滑るかを話し合うと思ってたんだけど、2人はそのままスライダーのスタート地点に行ってしまった。
「あ、おい!」
大士さんが慌てて声を掛けるけど、
「大士は簪ちゃんと一緒に来てね!」
そう言い残して2人は滑って行ってしまう。
「………どういうつもりだよ?」
大士さんは怪訝な声を漏らす。
これって、葵さんが私に気を利かせてくれたって事だよね………?
なら、そのチャンスを逃す訳には行かない。
「あ、あのっ………!」
私は勇気を出して大士さんに話しかける。
「ん? どうした?」
「あ、あの……良かったら、一緒に滑りませんか………?」
「えっ………? 俺と一緒にか………?」
大士さんは自分を指差しながら素っ頓狂な声を漏らす。
「は、はい………!」
私は頷く。
「嫌じゃないのか?」
大士さんは真面目な声色で聞いてきたので、
「い、嫌じゃありません!」
私は首を振って否定する。
「……………まあ、葵も一緒に来いって言ってたしな………」
大士さんはそう呟くと、係員の指示に従ってスタート地点に座る。
私も指示に従って、大士さんの足の間に座った。
すると、
「で、男の子は後ろから女の子をギュッとするんです。ギュッと!」
係員さんは、両手を胸の前でクロスさせ、抱きしめる仕草をする。
「流石にそれは簪さんに失礼だろ…………」
大士さんはそう呟くと、
「あ~~、肩を支える程度にしとくから安心してくれ」
私を安心させるようにそう言った。
だけど、それじゃダメ。
「ッ~~~~~~~~!」
私は恥ずかしさで死にそうだった。
だけど、
「えいっ!」
私は思い切って背中を後ろに倒す。
私の身体は、すっぽりと大士さんの胸に収まる形となった。
「か、簪さん………!?」
「だ、大丈夫………大丈夫だから………!」
私は自分を抱きしめるように促す。
「あ、ああ…………」
大士さんの手がゆっくりと回され、抱きしめられる。
「ッ………………!」
死ぬほど恥ずかしいけど、死ぬほど嬉しくもある。
「それじゃあ、いってらっしゃ~い!」
係員さんが大士さんの背中を押し、私達は滑り始めた。
【Side Out】
【Side 葵】
ウォータースライダーの出口から出てきた大士と簪ちゃんは顔が真っ赤だった。
少しは距離が縮まったかな?
気持ちを落ち着ける事も含めて、いったん休憩を挟んだ時だった。
「つまり、一夏は行けなくなった自分の代わりにとあんたに頼んだのね」
後ろから鈴ちゃんの声がした。
「ええ。織斑さんとばったり出会ったと思ったら、いきなりチケットを渡されて、『ここに行かないか』って言われたんですわ。一瞬デートのお誘いかと勘違いしそうな言動でしたわ。その後にしっかりと確認したら、案の定でしたけど……わたくしは、鈴さんにもしっかり伝えてあるものだとばかり………」
続けてセシリアちゃんの声もした。
っていうか織斑君、セシリアちゃんにそんな事言ったんだ………
鈴ちゃん、織斑君にドタキャンされたんだね。
可哀想。
「はぁ…………」
鈴ちゃんは深い溜息を吐く。
「申し訳ありませんわね。わたくしが相手で」
「別にセシリアが悪い訳じゃないわよ」
鈴ちゃんはそうは言うけど、ガッカリ感は拭えない。
セシリアも如何励まそうか困っていたとき、放送が響き渡った。
『では! 本日のメインイベント! 水上ペア障害物レースは午後1時より開始いたします! 参加希望の方は12時までにフロントへとお届けください!』
そんなイベントあるんだー、と私が思っていると、
『優勝賞品はなんと沖縄5泊6日の旅をペアでご招待!』
それを聞いた瞬間、鈴ちゃんが椅子を蹴倒さんばかりに立ち上がった。
「セシリア!」
そう叫んだ鈴ちゃんの様子を見て、セシリアちゃんは何が言いたいか察したみたいで、
「わかりましたわ。ご迷惑を掛けたお詫びに協力いたします」
「感謝するわ!」
ガッとセシリアちゃんの手を掴む鈴ちゃん。
そのまま2人は受付へと向かって行った。
私は、見かけたよしみとして応援だけはしてあげようと思った。
思っていたんだけど……………
「さあ! 第1回ウォーターワールド水上ペア障害物レース、開催です!」
司会役のお姉さんが大きくジャンプする。
「さあ皆さん! 参加者の女性陣に今一度大きな拍手を!」
男性は出場禁止とはなっていなかった筈だけど、参加者は全員女性だ。
アクシデント狙いかなーっと私は考える。
でも、その参加者に問題があった。
参加者の中には、金髪赤目の少女と、青みがかった白髪のウサミミ少女。
それから、黒髪ストレートとポニーテールのコンビが参加していた。
言うまでもなくユエとシアコンビと、香織と雫コンビだ。
私達の近くには、ミュウちゃんを肩車した南雲君が立っている。
「お姉ちゃん達――っ! 頑張ってなのーーーーーっ!」
ミュウちゃんが手を振りながら応援する。
…………鈴ちゃん、ご愁傷様。
私は鈴ちゃんの冥福を祈る。
ルール説明が終わると、
「さあ! いよいよレース開始です! 位置について、よーい………!」
司会のお姉さんの合図で全員が身構える。
パァンッ!と競技用のピストルが鳴り響き、参加者が一斉に駆け出した。
その瞬間、参加者たちの行動は2つに分かれる。
先程のルール説明でも聞いた通り、この競争は『妨害OK』だ。
故に行動の1つは真面目にレースに取り組む真面目組。
そしてもう1つは、妨害上等の過激組だった。
その妨害組に狙われたペアの1つ、鈴ちゃんとセシリアちゃんは、
「セシリア!」
「わかっていますわ!」
開始直後に足を引っかけようとしたペアをジャンプで躱し、お返しとばかりに足を引っかけ返して水面へと落とす。
流石代表候補生と言うだけあり、一般人の中では身体能力が高い。
でも、そんな彼女達の活躍ですら、霞んでしまうほどの猛者が居た。
「「うりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」
がっつりと組みあった腕で、ラリアットを仕掛ける妨害ペア。
格闘技でもやっているのか、それなりにマッチョな体形をしている。
狙うのは〝見た目は〟か弱そうなユエシアペア。
そのペアはユエとシアを叩き落さんと向かっていき…………
その直後に宙を舞い、ドッボーン!と高く水柱を上げて水面に沈んだ。
シアがラリアットなど気にせずにそのまま突っ込み、2人を撥ね飛ばしたのだ。
そしてもう一組、明らかに他の参加者とは体格の違う、マッチョウーマンな2人が、女子高校生2人と組みあっていた。
片方は手四つ状態で、もう片方は互いの二の腕辺りを掴みあっている。
端から見れば、明らかに女子高生が押しつぶされそうな状況だった。
でも、
「うぎぎぎぎ…………!」
手四つ状態の方のマッチョウーマンが顔を真っ赤にしながら力を込めているが、対する女子高生―――香織は涼しい顔。
「えい!」
次の瞬間、香織が両手を振り上げると、マッチョウーマンの巨体が浮き上がり、香織の頭上を越えたあたりで手を離される。
そのままそのマッチョウーマンは放物線を描き、ドッボーン!とプールに落ちた。
そして、残ったもう1人のマッチョウーマンは、相手の女子高生―――雫を投げようと身体を捻る。
しかし、雫はあっさりと掴まれていた手を外し、投げを空振らせる。
そして、
「ここよ!」
逆に相手の腕を決めると、綺麗に投げに持っていき、同じようにプールに放り投げた。
その光景に、驚きを通り越して唖然とする観客達。
「………な、何が起こったのでしょうか………!? 木崎・岸本ペアは、ご存じの通り、先のオリンピックに置いてレスリング金メダル、柔道銀メダルの武闘派ペアです! そんな彼女達をあっさりと倒した少女達は一体何者なのか!?」
相手の2人ってそんなに凄い選手だったんだ。
オリンピックはトータスに召喚されてる間に行われたから、詳しいことは知らないんだよね。
でも、香織は元より雫も一般人に比べればぶっちぎりのチートな身体能力持ってるからね。
この結果は当然かな?
雫に放り投げられた選手がプールに落ちて水柱を上げた瞬間、香織とユエ、雫とシアが互いの視線を交差させる。
そして、水柱が消えた瞬間、同時に弾かれたようにコースを突っ切り始めた。
障害など無意味とばかりに揺れる小島や水の放水を突っ切り、イベントの企画者の思惑を知った事かとばかりに無視していく。
それを見ていた鈴ちゃんは焦っていた。
「な、何なのよあの4人は………これじゃあ、一夏との旅行が…………!」
鈴ちゃんがそうしている間に、4人は第3の島、第4の島をクリアしていき、ゴールの証であるフラッグが立つ島に近付いていく。
すると、鈴ちゃんは顔を上げ、
「こうなったら、手段を選んでる暇は無いわ!!」
何かを決意したようにそう叫んだ。
「如何するつおつもりですの? 鈴さん」
セシリアちゃんがそう呟いた瞬間、
「甲龍!!」
鈴ちゃんがISを展開する。
「ちょ、鈴さん!? 許可された場所以外でのISの展開は規則違反ですわよ!」
セシリアちゃんが叫ぶけど、鈴ちゃんはコースを無視して一直線にゴールの島へと飛んでいく。
「な、なっ、なぁっ!? 彼女はまさか………IS学園の生徒なのでしょうか!? この大会でまさかISを見られるとは思いませんでした! え、でも、あれ? ルール的にどうなるんでしょう………?」
司会のお姉さんも困ってるし。
「ほう………あれがISか…………パワードスーツ……! やはりロマンを感じるな………!」
南雲君は興味深そうにISを観察してるし。
「沖縄旅行は………あたしのだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
鈴ちゃんは必死の形相でフラッグに手を伸ばす。
でもその瞬間、
「行かせねーですぅっ!」
シアが横から飛び込んできて、〝宝物庫〟から戦槌ヴィレドリュッケンを取り出して振り被り、
「シャオラァッ!!」
鈴ちゃんに叩きつけた。
「うきゃぁっ!?」
シアの一撃を受けた鈴ちゃんは勢い良く叩き落され、
―――ドゴーーーーン!
とプールを粉砕しながら激突した。
「「「「「あ」」」」」
その光景に俺達は思わず声を漏らしたのだった。
あの後、シアと鈴ちゃんは司会のお姉さんにこってりと絞られた。
一応シアもISを持っていたと判断されたようで、思ったよりは大騒ぎになっていない。
まあ、当然ながら優勝賞品はおじゃんになった。
「このバカウサギ…………!」
ユエがシアに辛辣な一言を放つ。
「ユエさぁぁぁぁん…………!」
泣きそうな声を漏らすシア。
とりあえず、壊れたプールは後で直しておこう。
「まあ、そもそも旅行に行けるのは2人までだし、結局喧嘩になってたと思うがな…………いや、行った先で空間魔法を使って皆を呼べば全員で行けない事も無かったか………」
大士がそう言う。
その一言で、女性陣からギラリとシアへ厳しい視線が飛ぶ。
「ひぃぃぃぃっ! ハジメさぁぁぁぁん!」
「久し振りに残念ウサギを見たな………」
泣きつくシアを見て、遠い目をする南雲君。
確かに残念っぽいシアを見たのは久しぶりな気がする。
その後、鈴ちゃんの迎えに織斑君が来て、文句を言いつつも一緒に帰って行った。
「さて、俺達も帰るか………!」
南雲君の一言で、私達も帰路に着く。
夕日に照らされ、並んで歩く私達の影が地面に映る。
その中で、大士と簪ちゃんの影の距離が、少し縮まった事に、私は気付いていたのだった。
IS編第11話です。
何とか調子が戻って書き切った。
久しぶりのハジメ達の登場です。
何故かシアがえらい活躍した?
ハジメがISに興味を…………?
そして簪も行動開始。
楯無が置いてけぼりに………?
次回は原作ではシャルロットとラウラだが………
どうしようか?
打鉄弐型は如何するか?
-
原作通り。シンプルイズベスト
-
ワイルドバンチを呼んでデジモン的魔改造
-
ハジメを呼んで魔法的魔改造