【Side 三人称】
簪が切り札とも言える『オーバードライブ』を発動し、更に重力衝撃砲の4門同時斉射による『フル・インパクト・キャノン』を披露し、一撃の下に一夏の白式のシールドエネルギーをゼロにした。
いくらシールドエネルギーを回復できると言っても、一撃でシールドエネルギーがゼロになってしまえばいくら回復手段があろうと無意味。
一夏はリタイアすることになった。
簪は、地面に倒れる一夏を軽く一瞥すると、箒に視線を移し、
「…………あなたはどうする?」
そう問いかけた。
遠回しに降参する様に問いかけているのだろう。
「ううっ…………」
箒は悔しそうに項垂れるが、1人では勝機は無いと悟ったのか、
「わ、わかった…………私達の負…………」
負けを認めようとした。
その瞬間だった。
―――ドゴォォォォォォォォン!!
と、何時だったかと同じように、アリーナのシールドが爆発と共に破られた。
「「ッ!?」」
「………ッ!?」
楯無と簪は即座に反応して臨戦態勢を取り、箒は驚愕したままだ。
巻き上げられた砂煙が舞う中、2人は警戒を怠らない。
「な、何だ!?」
ISが強制解除されていた一夏も思わず声を上げた。
砂煙の中に怪しい光が灯り、小さく左右に揺れる。
すると再び正面で止まり、砂煙が晴れていった。
その中から現れたのは、以前クラス代表戦に現れた無人のIS『ゴーレムⅠ』と、臨海学校に現れた『ゴーレムⅡ』の発展機、その名を『ゴーレムⅢ』と言った。
ゴーレムⅢはバイザー型ライン・アイで簪達を確認すると、巨大な左腕を向けた。
その掌には4つの砲口が見える。
「ッ!」
その瞬間、簪は咄嗟に前に出た。
直後、その砲口から熱線が放たれる。
熱線が簪のグラビティ・テリトリーに接触し、閃光を撒き散らす。
「簪ちゃん!?」
「大丈夫!」
楯無の心配する声に、簪は問題無いと伝える。
簪が前に出たのは、楯無や箒、何より生身の一夏を守る為だった。
「ここは私が!」
簪がビームサーベルを抜いて、ゴーレムⅢに斬りかかっていく。
距離を放して一夏の安全を確保するためだ。
ゴーレムⅢは簪の一撃を上昇する事で躱し、簪の狙い通りに一夏の方から距離を取り始める。
簪もそれを追い掛けて追撃を仕掛けようとしたが、
「あっ……!」
思わず躊躇してしまった。
何故なら、ゴーレムⅢが更に2体追加で現れ、3体のゴーレムⅢが並んでいたからだ。
更に、
「くっ! こっちにも………!」
楯無の声に振り向けば、もう1体のゴーレムⅢが楯無たちに迫っていた。
「お姉ちゃん!」
簪が咄嗟に援護に向かおうとした時、ゴーレムⅢの1体が簪を邪魔する様に立ちはだかる。
「くっ、このっ……! 邪魔しないで!」
簪はビームサーベルを構え、ゴーレムⅢに斬りかかって行った。
別の場所にもゴーレムⅢは現れていた。
試合の準備をしていたセシリアと鈴音、シャルロットとラウラ、ダリル・ケイシーとフォルテ・サファイアの各専用機持ちコンビに1体ずつ。
そして……………
「これはまた大層な出迎えで…………」
呆れるように呟いた大士、葵、優花達の前には、通路を埋め尽くす様に並ぶゴーレムⅢの大軍。
軽く20機は超えているだろうと思われるその数。
「…………っていうか、こんな大軍に侵入されるほどIS学園の警備ってザルなの?」
「優花、そこは侵入してきた相手が凄いって思っておこう?」
優花や葵も呆れ気味にそう言う。
「少し応援は遅れそうだな………」
大士がそう呟いた時、ゴーレムⅢの大軍から熱線の嵐が放たれた。
「くっ………!」
簪は、ゴーレムⅢ3機を相手に、状況を好転させられないでいた。
何故なら、
「エネルギーの残りが心許ない………私が調子に乗って『フル・インパクト・キャノン』なんて撃ったから……………!」
簪は、残りのエネルギーの数値に注意していた。
エネルギーの残りは10%を切っている。
『フル・インパクト・キャノン』を撃たずに勝負を決めていれば、もっとエネルギーに余裕があり、今の状況をもっと簡単に乗り切る事が出来たし、事実、『フル・インパクト・キャノン』を使わなくても、試合に勝つことは容易だった。
だが、簪にも『腹いせ』や『八つ当たり』と言った感情があり、余裕を見せて一夏を何度も回復させ、試合を引き延ばして無駄なエネルギーを消耗し、『フル・インパクト・キャノン』と言うエネルギーを大量に消費する最大砲撃まで行ってしまった。
その為、本来よりエネルギーを大量に消費してしまったという事だ。
そして、打鉄・凶鳥に使われる武器のエネルギーの源は、期待内部に内蔵された魔晶石の魔力であり、一応空気中の魔素を吸って魔力を回復させられるようにはなっているが、魔素が薄い地球上では、戦闘中の急激な回復は出来ない。
基本的に、葵か優花に魔力の充填を頼む仕様になっているのだ。
そしてこの場に葵と優花の姿が見えない以上、簪は残りの魔力でこの場を乗り切るほか無かった。
そして、一夏達の方を襲っていたゴーレムⅢは、楯無が迎え撃っていた。
「はぁぁっ!!」
楯無のランスと、ゴーレムⅢの右腕のブレードが火花を散らす。
ギィン、ギィン!と甲高い音が鳴り響く。
「ッ………!」
楯無は、何かを気に掛けるように目線をずらし、その隙にゴーレムⅢに弾き飛ばされる。
「くっ………!」
だが、そのお陰で間合いが開き、楯無は後ろを振り返る余裕が出来た。
「何時までそうやっているの!? 私が引き付けている間に逃げなさい!」
ISが強制解除されており、生身の状態で戦場の真っ只中にいる一夏に向かって、楯無が叱る様に叫んだ。
「そんな! 楯無さんを残して逃げるなんて事出来ません!」
一夏はそう叫ぶ。
「こんな時に我儘言ってる場合じゃないでしょ!? ISのエネルギーが切れた君に何ができるっていうの!?」
「直接戦えなくても、何か出来る事があるはずです!」
「このっ………いい加減に……くっ!」
「楯無さん!」
一夏との会話に気を取られ、不意打ちを受けてしまう楯無。
何とか体勢を立て直し、迎え撃つ楯無だったが、一夏に気を取られてしまう現状では、不利は否めない。
「…………………こうなったら………!」
楯無は、何かを決意したような表情になると、ランスを構えてゴーレムⅢに突撃した。
当然ながら、ゴーレムⅢは迎撃の為にブレードを振るう。
通常なら、迎撃を警戒して慎重になるはずだが、楯無は構わずに突撃した。
攻撃を受ける事も厭わずに、楯無はゴーレムⅢの胴体にランスの切っ先を突き立てる。
その際に、ブレードを掠めた楯無の脇腹から血が吹き出る。
ゴーレムⅢは何らかの電磁波により、ISの絶対防御やシールドバリアを無効化することは分かっていた、
それでも楯無は危険を承知でゴーレムⅢに突撃したのだ。
だが、
「くっ………! なんて硬い………!」
ゴーレムⅢの装甲は強固であり、楯無のランスでは貫けなかった。
すると、箒に振り向き、
「箒ちゃん! 背部展開装甲ON! 私を押して!!」
「は、はい!」
有無を言わさぬ迫力で呼びかけると、箒は反射的に返事をして、言われた通りに背部の展開装甲を広げて楯無に向かって飛ぶ。
試合のダメージで、一部が動作不良に陥っているが、それでもかなりの加速力を箒に与える。
箒はそのまま楯無の背中に手を添え、押し出した。
「くっ………!」
楯無が声を漏らす。
楯無には、前方で抗おうとするゴーレムⅢと背中から押す箒に挟まれて、相当な負荷がかかっていた。
「楯無さん……!」
箒が心配そうな声を上げる。
ゴーレムⅢはそのままアリーナのシールドバリアに押し付けられた。
それでもまだ装甲は抜けない。
その間にも、多大な負荷が楯無を襲っている。
「楯無さん!」
箒が心配そうな声をもう一度上げるが、
「このまま無人機の装甲を突き破るの!」
「ですが………!」
「いいからやりなさい!!」
箒の反論を黙らせ、楯無は命令する。
楯無への負荷が増し、苦悶の表情を浮かべるが、
「これでも……喰らいなさい!」
尚も抗おうとするゴーレムⅢに対し、楯無はランスに内蔵されたガトリングを発射する。
至近距離からの銃撃にゴーレムⅢは怯み、
「まだまだ……! おねーさんの奥の手は……これからよ!」
アクア・クリスタルに内蔵された全ての水と、防御用に展開していたヴェールの水が、全て楯無のランスに集まっていく。
「ッ!? 装甲が……!?」
その様子に箒も驚愕する。
「箒ちゃん………! エネルギーを全て防御に回しなさい……ッ! 巻き込まれるわよ………!」
ゴーレムⅢのブレードを所々掠めながら、楯無はそう言う。
「で、でもっ………!」
「………フフッ………おねーさんは………不死身なのよ………!」
楯無はそう言って前を向くと、
「ミステリアス・レイディの最大火力………受けてみなさい!」
全ての水が、巨大な槍を形作り、
「ダ、ダメッ………!」
箒の制止の声も空しく、
「『ミストルテインの槍』! 発動!!」
小型気化爆弾4個分に相当するというミステリアス・レイディの切り札が発動した。
ゴーレムⅢを中心に、空気をビリビリと震わせる大爆発が起こる。
だが、当然ながら至近距離に居た楯無も大爆発に呑み込まれた。
箒は展開装甲を防御に回していたのでダメージは受けたものの無事だ。
だが、楯無は防御用の水も攻撃に回し、更にゴーレムⅢの発する電磁波により、シールドバリア、絶対防御共に正しく機能していなかった。
それの意味する所は……………
「ッ………!?」
簪が突然の爆発に驚愕しながら振り返る。
状況は良く見ていなかったが、簪は嫌な予感が止まらなかった。
咄嗟に望遠機能で爆心地の周囲を確認する。
そして、その姿を見つけてしまった。
瓦礫の中に力無く横たわる、楯無の姿を。
装甲は無残に壊れ、深い傷もあるのか、出血が酷い箇所もいくつか確認できる。
「あ………あ…………!」
その無残な姿を見て、簪は声を震わせる。
「……お………お姉ちゃん!!」
簪は反射的に楯無の方へ向かう。
その前にゴーレムⅢの1機が立ちはだかるが、
「ッ……! 邪魔ッ!!」
簪は叫ぶと同時に2本のビームサーベルの柄をドッキング。
バスターソードモードにして、立ち塞がったゴーレムⅢを真っ二つに切り裂いた。
その際に、打鉄・凶鳥の残りエネルギーが2%を切ってしまったが、今の簪にそんな事を気にしている余裕は無かった。
「お姉ちゃん!!」
簪は涙を浮かべながら楯無に近付く。
だが、楯無は気を失っているのかピクリともしない。
「あ………い、嫌……………」
簪はフルフルと首を横に振る。
その時、
「楯無さん!」
生身の一夏が走って来た。
そして、傷だらけで横たわる楯無を見つけると、
「楯無さん!?」
心配そうな声を上げて、楯無に駆け寄ろうとした。
だが、そんな一夏を遮る様に簪が立ちはだかると、冷たい目で一夏を見ていた。
「……………織斑君………何でここに居るの………?」
簪は至極尤もな質問をした。
何故ISが強制解除されて戦えない一夏がこの場に居るのか?
「え? そりゃあ皆が心配だったからさ。直接は戦えなくても、こうやって怪我した人を助ける事ぐらいは出来るんじゃないか………ってさ」
一夏は至極当然の様に答える。
そして、簪は同時に理解してしまった。
何故姉であり国家代表の実力を持つ楯無が、このような無茶をしてまでゴーレムⅢを性急に倒す必要があったのかを。
一夏は楯無が避難するように促したにも関わらず避難しなかった。
その為、楯無は一夏に被害が及ばないように相打ち覚悟でゴーレムⅢを破壊したのだという事を。
「…………ふざけ………ないでっ………!」
簪は震わせながら声を絞り出す。
「お姉ちゃんを『助ける』………? お姉ちゃんを怪我させた張本人のあなたが、ふざけた事を言わないでっ……!!」
簪は怒りの籠った目で一夏を睨む。
「な、何の事だよ………? 楯無さんに怪我をさせたのはあいつ等で………」
一夏が何か言おうとした時、
―――ドゴォォォォォォォォン!!
と、凄まじい衝撃と共に、すぐ近くのピットの出入り口から、ゴーレムⅢの残骸が吹き飛ばされてきた。
それも1機や2機では無い。
5機……いや、それ以上の数の分のゴーレムⅢの残骸がアリーナ内に散らばった。
すると、
「やれやれ、やっと片付いたか…………」
ピットの出入り口から、そんな言葉を口にしながら大士達が現れた。
その背後には、グレイドモンとセイバーハックモンの姿もある。
その時、アリーナ内の様子を窺っていた大士が、簪達に気付く。
そして、傷だらけで倒れる楯無の姿も………
「ッ!? 楯無っ!?」
大士は咄嗟にアリーナ内に飛び降り、他もその後に続く。
簪は大士達に気付くと、楯無をそっと抱き上げた。
そして、こちらに駆けてくる大士達に歩み寄っていくと、
「大士さん…………お姉ちゃんを……お願いします………」
大士にそっと楯無を差し出す。
大士は託された楯無を抱き上げると、
「………わかった。任せろ」
しっかりと自信をもって頷く。
その時、大士達が出てきたピットから、3機のゴーレムⅢが飛び出してきて、アリーナ内の2機と合流した。
「チッ………! 仕留めそこないが居たのか………!」
大士は思わず舌打ちをする。
「機械相手だと、感知系技能でも完全停止してるか分かり辛いのよね…………」
優花も少し文句を言いたげにそう言いながら、苦無を取り出して手早く片付けようとした時、
「待ってください……………」
簪が呼び止めた。
優花が振り向くと、
「あいつらは………あいつらだけは………私が………!」
簪の表情は怒りに染まっている。
姉である楯無を傷付けた奴らを許せないのだろう。
「………私が…………! 消す!!」
優花は構えた苦無を降ろし、
「なら、早く片付けなさい」
そう言った。
すると、簪は両腕の装甲を消すと、空間パネルを呼び出し、それに指を走らせた。
それと同時に、簪の脳裏にはハジメからレクチャーを受けた時の事を思い出されていた。
『そういやこの機体だが、ある『切り札』を組み込んでおいた』
『『切り札』………ですか………? 『オーバードライブ』の事では無く……?』
『ああ、それとは別物だ。因みにこいつのエネルギー源も通常とは別物だから、エネルギー切れでも使える。だが、『試合』じゃ絶対に使うなよ。間違いなく相手を『殺』しちまうから』
『ッ…………!?』
『こいつを使う時は『実戦』………尚且つ、相手を文字通り『消』しても良いと判断した時だけだ。あぶねーからな』
ハジメを以って『危ない』と言わせる切り札とは一体なんだと簪は戦慄する。
『ま、使い方は使ってみりゃ分かる』
『……………………』
ハジメの説明に簪は若干呆れたが、
『何度も言うが、そいつを使えば間違いなく相手を『消』す。だから使う時は注意しろ』
ハジメは真剣な表情でそう言った。
『ッ……はい……!』
簪も真剣な表情で頷いた。
すると、
『ああ、それと……………こいつはオマケみたいなもんだが………』
ハジメは思い出したように言葉を付け加える。
『そいつを使えば間違いなく…………』
『……………………ッ!』
簪は、まだ何か恐ろしい効果が残っているのかと息を呑み、
『大士が悦ぶ』
『…………………はいっ!?』
最後の言葉は意味不明だったが、あのハジメを以って『危ない』と言わせる機能を簪は起動させる。
そして、目の前に開いた空間モニターにこう表示された。
―――SYSTEM
NOINT ―――
その瞬間、簪の機体が………
いや、簪自身が光を放った。
そして変化が訪れる。
まず、身長が伸びた。
簪の身長は154㎝と、平均よりもやや低めだったのだが、それが170㎝程にまで延び、水色だった髪が、長く輝く銀色の髪へ。
大きく切れ長の碧眼となり、少女にも大人の女にも見える不思議で神秘的な顔立ち、全てのパーツが完璧な位置で整っている。
白磁のようになめらかで白い肌に、スラリと伸びた手足。
胸は大きすぎず小さすぎず、全体のバランスを考えれば、まさに絶妙な大きさとなる。
光が収まると、今度は機体に変化が訪れた。
背部のスラスターが変形し、二又に別れたかと思うと、そこから銀色の光の翼が広がった。
その姿は、まるで銀色の天使の様。
「あ………あの姿は…………神の使徒………?」
その姿に覚えがあった大士は思わず呟く。
トータスに召喚された時、エヒトの配下として、何人も同じ顔の女を見ている。
何故簪がそのような姿にと一瞬不思議に思ったが、よくよく考えれば、そんな事を出来る人間など1人しかいない。
「ハジメーー! 何やってんだお前はーーーー!?!?」
ここに居ない
そんな自分の変化に気付かない簪は、ゴーレムⅢ達を睨み付ける。
次の瞬間、ゴーレムⅢの1体が簪に向かって斬りかかって来る。
「…………………………」
簪が黙って銀翼を広げると、そこから無数の光の羽根が射出され、ゴーレムⅢは瞬く間に破壊、いや、『分解』させられ、塵となった。
簪は残りの4機を見据える。
4機のゴーレムⅢは、装備されている全ての砲口を簪へ向けた。
次の瞬間、無数の熱線が一斉に放たれる。
「…………無駄」
簪が呟くと、銀翼で身を包む様に防御態勢を取る。
放たれた熱線は、銀翼に触れた瞬間分解され、その熱が簪に届くことは無かった。
銀翼を再び広げると、右手のグラビトンライフルを向ける。
簪が引き金を引くと、本来は黒い閃光が放たれるそれからは、銀光が放たれた。
その銀光はゴーレムⅢの1機を貫くとそのまま分解し、塵と化す。
だが、その程度では銀光は止まらず、後方のアリーナの観客席の一部を掠めると、そのまま分解し、貫いていった。
運良く飾りの部分だったので人的被害は無いだろうが、それを見た簪は、幾分か頭が冷静になったのを感じた。
「……………南雲さんが言った通りだった…………この力は『危ない』………」
ハジメが言った意味を改めて理解した簪は、グラビトンライフルをしまうと、
「それなら接近戦で仕留める………!」
ビームサーベルを抜くと、ビームサーベルの刃も銀光となっていた。
簪は銀翼を羽搏かせて飛翔。
今までとは比べ物にならないスピードでゴーレムⅢの1機に接近。
目前でビームサーベルを振り被る。
ゴーレムⅢは咄嗟にシールドユニットを展開して防ごうとしたが、
「はっ!」
銀の刃の人振りは、何の抵抗も許さず触れるモノを分解し、消し去った。
「残り2機………!」
簪は振り返りつつ残りのゴーレムⅢを見据える。
すると、銀翼を大きく広げ、
「これでっ………!」
その状態でゴーレムⅢ2機の間を飛翔した。
その2機は、銀翼の羽搏きに巻き込まれ、当然の様に分解され、塵と化していった。
全てのゴーレムⅢを倒し終えた簪は、大士達の方へ降りて来る。
その時には、楯無は葵の再生魔法によって治癒されており、傷一つ無かった。
それを確認した簪は、安心したように笑みを浮かべる。
すると、
「あ~………その~………簪?」
「はい、何ですか?」
「…………一先ず、自分の身体を確認してみような?」
「はい………?」
何処か言いにくそうな大士の言葉に、簪は怪訝に思いつつ自分の身体を見下ろす。
いつもなら、簪の視界にはあまり大きくない胸の膨らみが映るはずだった。
しかし、いま目に映るそれは、いつもよりも明らかに大きな膨らみが映っている。
「…………………はい?」
簪は思わず素っ頓狂な声を漏らす。
簪は慌てて体の各部を確認しだした。
いつもより手足はすらりと長く、良く見て見れば視線も高い。
更に髪も長く、その色も銀色だ。
「………え? え………? え………?」
簪が呆然と声を漏らすと、
「えええええええええええええええええええええええええっ!?!?!?」
簪の驚愕の声が響き渡るのだった。
IS編第21話です。
はい、と言う訳で、簪ちゃんは変身ヒロイン属性を手に入れた!の巻でした。
簪ちゃんがノイント化するとは誰が予想したでしょうか?
作者もビックリです(オイ
因みにこのネタを思いついた経緯は、感想の中に、『月光蝶』がありまして………
月光蝶→分解攻撃→分解と言えばノイント→そう言えば、この小説じゃ、ノイントの身体ってハジメの宝物庫の中で埃被ってね?
という訳の分からん連想ゲームが脳内で繰り広げられて、見事ノイントの身体が日の目を見ることになりました(爆)
因みに言っておきますが、ちゃんと元に戻れるので悪しからず。
次はワールドパージかな?
やっとデジモン活躍できそうだな。
お楽しみに。
一夏の今後の扱いをどうするか?
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アンチ路線を突っ切れ!
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いやいや、矯正しましょう!