「……………………葵」
俺は思わずその名を呟いた。
俺の目の前にあった女神像は、紛れもなくアルオイスの姿そのもの。
可能性としては考えていたが、こうやって実際に事実を目の前にすると、言葉を失ってしまう。
「…………………」
俺がその女神像を呆然と眺めていると、
「…………これが、この村で祭られている女神様の像です」
エミリアが歩み寄ってきて、そう口にする。
「……………これが、女神………」
クラウディアが呟くと、
「とても綺麗…………」
エリスがその姿に感嘆の声を漏らす。
「これが女神像………? でも、翼があるって事は天使じゃないの?」
アリスが興味深そうに眺めながらも疑問を口にした。
「……………神にとって『翼』を持つ事は、力ある事の証明なんだ」
その質問に答えた俺の言葉に、全員の視線が俺に向く。
すると、
「タッ、タイシさん!? どうしたんですか!?」
エミリアが慌てた様に問いかける。
「えっ………?」
俺は意味が分からず声を漏らすと、
「お前、泣いているぞ」
クラウディアの言葉を聞いて、手で頬に触れると、確かに濡れていた。
自分でも気づかない内に涙を流していたようだ。
どうやら像とは言え、久し振りに葵の姿を見たことで、感極まってしまったらしい。
俺は涙を拭うと、
「いや、何でもない…………」
そう言ってはぐらかす。
「それで、『翼』を持つ事は神にとって力ある事の証明とは如何言う事だ?」
クラウディアがそう問いかけてくる。
「まあ、これでも『神』に関しては人よりも関りが深いんでね。その過程でちょいと詳しいだけさ」
「そう言えばタイシさんは、前に異世界召喚された時に神様に関わってるんでしたね」
エヒトは正確にはエセ神だったけどな。
まあ、その際に葵がアルオイスとして覚醒したり、上級神様とも会ったりしたから間違いでは無いが。
「って事は、この神様は、神様の中でも上の方って事?」
アリスがそう言うと、
「『力』があるという意味ではその通りだな。階級は別だが………」
「……………………タイシ、何処か嬉しそう」
突然エリスが俺の顔を見上げるような体制でそう言った。
「………そう見えるか?」
「うん」
即頷くエリス。
表情に出てたようだ。
「そうか…………」
まあ、間接的とはいえ、葵の姿を見る事ができたんだ。
嬉しいと思っているのは間違いないだろう。
「この女神像を見れただけでも、この村に来た甲斐はあったな」
俺は本心からそう思う。
俺は女神像に向き直ると、胸に手を当て、軽く礼をする。
心の中で、『必ずお前達の元に帰る』という誓いと共に。
すると、その思いが伝わったかのように、女神像が仄かに輝いたような気がした。
盗賊に襲われるというトラブルはあった物の、人的被害は無かったため、この村の『豊穣祭』は予定通り行われることになるとの事。
『豊穣祭』は3日後。
それまでは、収穫の手伝いなどをして過ごす事にした。
盗賊に襲われた翌日は、村の被害の確認。
門の周辺から教会までの道にあった建物は被害を受けている。
更に、村の外の小麦畑は、レアモンが通ってきた所為で約2割が駄目になっていた。
その様子を、村長は困った顔で見つめていた。
「今年の小麦が2割も駄目になるとは………今年の冬を越すのには少々心許ないのう………」
この村は裕福とは言えない村なので、領主に収める税を払う為に作った小麦の大半を売りに出し、その売り上げの残りで生活に必要な物を買い揃えていた。しかし、小麦の2割が駄目になってしまったので、税を払うだけなら何とかなるが、冬を越すための備えが足りなくなってしまうらしい。
その事で村長が困っていると、
「この村の今年の税については減らして貰えるよう、私から父上に進言しておこう」
クラウディアがそう発言した。
村長が驚いた顔をして、
「よ、よろしいので!?」
そう確認を取ると、
「盗賊を野放しにしてしまったのは我々の落ち度だ。その所為で収穫量が落ちてしまったのなら、補填するのは当然の義務だ」
クラウディアはそう言う。
「あ、ありがとうございます!」
村長は深く頭を下げた。
当面の問題が一段落したところで、俺達は小麦の収穫を手伝う事にした。
なので、
「カードスラッシュ! スナイモン! 鋼の刃!」
「はっ! せやっ!」
「「ウインドカッター!」」
両腕をカマにしたドルモンと、アリスとエリスが風の刃で小麦を刈り取っていく。
刈り倒した小麦を俺やエクスブイモン、スティングモンが運び出し、荷車に乗せた小麦をガルルモンやグレイモンが脱穀の場所へ運んでいく。
因みに脱穀作業だが。麦の束を床に叩きつけて脱穀するという俺から見たら非効率極まりないものだった。
なので翌日、
「おーい、タイシ君! 頼まれていたものが出来たぞ!」
昨日の作業が始まる前に、モノ作りが得意な大工職人を紹介して貰い、とあるものを作って貰った。
「タイシ、何なのそれ?」
「角棒が横一列に何個も並んでる?」
「大きな櫛みたいね」
カイルとエリス、アリスが疑問の声を漏らす。
「口で言うより実践した方が早いからな。適当な束をこの間に通して………」
俺は小麦の束を角棒の隙間に通していき、
「一気に引っ張る!」
言葉通り一気に引っ張った。
すると、麦穂が角棒に引っ掛かり、麦穂だけがバラバラと床に落ちる。
とまあ、俺が作って貰ったのは千歯扱きだ。
確か江戸時代に出来た農機具だったか?
構造は単純なので、試しに作って貰った。
「とまあこんな感じだ………」
これで多少は楽になるだろうと皆の方に向き直ると、
「「「「「「「「「「………………………………………………」」」」」」」」」」
仲間内だけではなく、村の人全員が目を丸くして俺を見ていた。
「タイシ! これ凄いよ!!」
カイルが大袈裟に称賛の言葉を叫ぶ。
「本当です! 脱穀作業はかなり大変な作業なのに、こんな簡単に………!!」
エミリアも目を輝かせていた。
この村出身の2人は、脱穀作業の大変さが分かっているのだろう。
「構造は単純…………でも、効率は桁違い」
エリスが千歯扱きを観察しながらそう呟く。
「これは素晴らしい物だ! これを使わせてもらっても………!?」
「ええ、その為に作ったんで」
「よし! 大工職人たちはすぐにこの器具の量産に入れ! 数があればその分早く作業できる!」
村長が職人たちに指示していく。
俺は少しでも楽になればとアイデアを出しただけだったんだが、なんか思ったよりも大事になったなぁ、と思っていると、千歯扱きを興味深そうに見つめていたクラウディアが、
「タイシ、この技術は広めてもいいものなのか?」
なんか深刻そうな表情で問いかけてきた。
「え? 全然かまわないが?」
「そうか………! これは農業に革命が起こるぞ………!」
「んな大袈裟な………」
この世界の文明レベルなら、同じような農機具ぐらいどっかにあるだろ。
そうタカを括っていた。
その夜。
寝付けなかった俺は、散歩をする事にした。
俺が泊っている家を出ると、ドルモンも付いてくる。
「タイシ、こんな夜中に如何したの?」
ドルモンがそう問いかけてくる。
「ああ、ちょっと寝付けなくてな。只の散歩だよ」
「そっか。じゃあ、俺も付き合うよ」
そう言ってドルモンは俺の横に並ぶ。
俺は何となく教会に足を向ける。
像とは言え、葵の姿を見たかったのかもしれない。
教会前の広場に辿り着くと、そこには先客がいた。
そこに居たのはクラウディア。
ガルルモンが傍に寄り添い、満月を見上げている。
月明かりに照らされる彼女は幻想的で美しかった。
「……………クラウディア」
思わず声が漏れる。
「ッ………! タイシか」
その言葉で俺に気付き、クラウディアは俺の方を振り向く。
「如何した? こんな時間に?」
そう問いかけてきたので、
「ちょっと寝付きが悪かったから、気晴らしの散歩だよ。クラウディアは?」
そう答えてついでとばかりに聞き返す。
「私も、似たようなものだ…………」
クラウディアは僅かに微笑むと、再び月を見上げる。
だが、俺にはその微笑みが自嘲しているように思えた。
「……………クラウディア。お前………大丈夫なのか?」
俺はそう問いかける。
「…………何がだ?」
「最近のお前は、平気なように見える………だけど、平気なように
「ッ………そんな事は………!」
クラウディアは一瞬否定しようとしたが、すぐに力を抜くと、
「…………いや、その通りだな……………」
まるで観念したようにそう呟いた。
すると、
「私は最近、分からなくなってしまったんだ………」
「分からない? 何がだ?」
「私は幼少の頃からレオナルド殿下の婚約者として、色々な事を学んできた。殿下を支える為に、立派な王妃となる為に、貴族としての教養、勉学、武術、そしてデジタルナイトとして学び、研鑽を積んできた…………全ては殿下の為に…………」
その言葉から、彼女がどれだけの努力を続けてきたのかが伺える。
「だが…………それがあの日、粉々に打ち砕かれた」
『あの日』とは、王子サマに婚約破棄を宣言された日なのだろう。
「それから私は、どうすればいいのか分からなくなってしまった。今までは殿下の為にという確固たる目的があった。だが…………今はそれが無くなってしまったんだ……!」
クラウディアには、幼少時から『殿下の為に』と言うハッキリとした目的があった。
言わば、何の為に生きているか。
生きている意味を明確に持っていたため、それに対して全力で取り組めていた。
だが、それがある日突然失われてしまい、クラウディアはどうすればいいのか分からなくなってしまったのだ。
生きている意味を幼少の頃から持ち続けていた彼女にとって、それは辛い事だろう。
クラウディアは珍しく辛そうな表情を見せている。
その顔を見て、俺は柄じゃないが口を開いた。
「俺には月並みの言葉しか言えないが……………それは人間の誰もがぶつかる疑問だと思う」
「えっ…………?」
クラウディアは驚いたように俺を見た。
「何の為に生きるのか………生きている意味とは何なのか…………それは誰もがぶつかるものだ」
「誰もが……………」
「だから、人は皆それを探す為にも生きているんだ」
「生きる意味を探す為に………生きる…………」
「まあ、受け売りだけどな」
「……………私にも………生きる意味が見つかるだろうか?」
「俺は神様じゃないから断言はできないな」
俺がそう返すと、
「フフッ……! そこは嘘でもきっと見つかるという所ではないのか?」
クラウディアは可笑しかったのか可愛く笑って見せた。
「…………けどまあ、一緒に探してくれる相手は、お前のすぐ隣に居るだろう?」
俺がそう言うと、クラウディアは傍らのガルルモンを見つめた。
「そうか………そうだったな…………私の隣には、いつもお前が居てくれた…………」
クラウディアはガルルモンの頬に手を添える。
「ガルルモン……………これからも、私の傍に居てくれるか………? 『友』として………」
クラウディアがそう呟くと、
「クラウディア………俺はこれからも君の隣にいる…………どんな時も…………」
ガルルモンはそう答えた。
その時、ガルルモンに添えたクラウディアの手の隙間から、青い光が漏れ出した。
「これは…………?」
クラウディアがその手を確認すると、エミリアの物と同じ形のデジヴァイスがそこにあった。
「これは………リアと同じ……………」
クラウディアがそう呟こうとした時、何かがトンッとすぐ近くに落ちた音がした。
俺達がそちらを見た瞬間、轟音と共に視界が白く染まった。
【Side 三人称】
先程まで大士達が居た場所には、モクモクと爆煙が立ち上っていた。
「フフッ………やったね、兄さん」
「ああ、やってやったな、弟よ」
民家の屋根の上からその光景を見下ろしていたのは、盗賊に雇われていた双子だった。
彼らはマメモン達がライズグレイモンに撥ね飛ばされた際、どさくさに紛れて逃亡していたのだ。
そして、仕返しの機会を虎視眈々と狙っており、偶々2人で無防備だった大士達に向かって、マメモンのスマイリーボムをお見舞いしたのだ。
双子はしてやったりの表情で爆発地点に視線を戻す。
その爆煙が晴れていくと、
「なっ!?」
「ちっ!?」
クラウディアをその身で護ったガルルモン。
そして、デジソウルを全身に纏って生身で爆発に耐えた大士の姿があった。
しかし、
「くっ………!」
ガルルモンがその場で崩れ落ち、
「ううっ………!」
爆発によって吹き飛ばされてボロボロになったドルモン。
「ガルルモン!?」
「ドルモン!? 大丈夫か!?」
クラウディアはガルルモンに寄り添い、大士はドルモンに駆け寄る。
「あの爆発で生きているとはな………だが!」
双子の兄の方が手を翳すと、メタルマメモンが左腕のエネルギーキャノンを向ける。
「エネルギーボム!!」
そこから間髪入れずエネルギー弾が放たれた。
「クラウディア!」
咄嗟に大士がデジソウルを纏いながらクラウディアの前に立ちはだかる。
「ぐっ!」
両腕をクロスさせ、防御の体勢を取りながらエネルギーボムを受け止める。
大士は爆発に包まれるが、その後ろのクラウディアは、爆風に煽られるものの爆発は届かない。
「ッ………!? タイシ!?」
クラウディアが悲痛な声を上げる。
それでも倒れない大士を見て、
「完全体の攻撃を受けて立っているなんて、あいつは本当に人間か!?」
「兄さん、拙いよ! このままだと他の奴らも集まって来る!」
兄が大士のタフさに戦慄し、弟が他のメンバーが来ることを警戒する。
「分かっている! お前達! 全力攻撃だ!! そいつらだけを始末してトンズラする!」
マメモンが手投げ爆弾を次々と投げ付け、メタルマメモンがエネルギー弾を連射する。
「ッ! クラウディア!!」
大士はクラウディアを押し倒し、その上に覆いかぶさるようにクラウディアを護る。
爆弾とエネルギー弾をその背で全て受ける大士。
クラウディアも大士のデジソウルに包まれ、その身を守られている。
「タイシ!? よせ! そのままではお前がッ………!」
クラウディアが悲痛な声を上げる。
「心配するな………! この位………平気だ………!」
大士はそう言うが、爆発ごとに大士は僅かに顔を顰める。
クラウディアはそれを見抜いていた。
「そんなわけあるか! 完全体の攻撃をこれだけ受けて、平気なはず無いだろう!?」
「余り………俺を舐めて貰っちゃ困るな…………!」
大士は過去、完全体よりも強力なアーマー体のバイオデジモンであるバイオボアモンの攻撃を受けても耐えきった過去がある。
だが、これだけ連続で完全体クラスの攻撃を受け続けるのは初めてだ。
「何故だ………!? 何故お前はそうまでして私を護ってくれるのだ………!? お前は………見ず知らずの人間には、命を懸けるつもりは無いと自分で言っていただろう!?」
クラウディアは泣きそうな声で叫ぶ。
「ああ…………だけど、自分で護りたいと思ったからには………可能な限りは必ず護るさ…………!」
「ッ…………! 何故…………! 決闘の時もそうだ………! あの時も同じチームと言うだけで、お前とは深い接点は無かった筈………それなのにお前は名乗り出た………3割だけとは言え、私の為に…………!」
「………簡単に言えば…………気に入ったんだよ…………」
「えっ………?」
「俺が召喚された次の日…………ガルルモンに跨っていたお前は………とても美しかった………そして思った通り………お前とガルルモンの間には、確かな信頼関係があった………この世界の常識の所為で、真のパートナーまでもう一歩のところで足踏みしてたけどな…………」
「タイシ………」
「そんなお前が理不尽な目に合うのは………我慢ならなかった………そして今も………お前を死なせたくないと俺自身が思っている……………!」
「タイシッ…………!」
「だから心配するな。お前は必ず………俺が護るから…………」
「タイシぃ………!!」
クラウディアの瞳からは涙が溢れている。
クラウディアは、自然とデジヴァイスを握っていた手に力が籠る。
その瞬間、デジヴァイスが青い光を放ち始めた。
「この………光は…………」
「ッ…………クラウディア。ガルルモンを信じろ………! 自分のパートナーを………!」
「ガルルモンを………信じる…………」
「ガルルモンは、ずっとお前と一緒にいた筈だ………辛い時も悲しい時も、楽しい時も嬉しい時も…………!」
「そうだ………確かにガルルモンはずっと私と一緒にいた………成長期のガブモンの頃から…………」
クラウディアがその事を思い出していくと共に、デジヴァイスから放たれる光が強くなっていく。
「ああ、そうだ………ガルルモンはずっと私の隣に居てくれたんだ。勉強が上手くいかず、ふさぎ込んでいた時も、殿下から婚約破棄を言い渡されて辛かった時も…………私が1人だと思い込んでいた時にも、お前はずっと一緒に居てくれたんだ…………!」
デジヴァイスから放たれる光が更に強くなる。
「ガルルモン………すまない。私はお前を本当の意味で見ていなかった。こんなに頼りになる『友』がすぐ傍にいたのに、私は1人で何を悩んでいたんだ…………!」
デジヴァイスの輝きが最高に高まる。
「ガルルモン………お前は私の大切な『友』だ………!!」
その事に気付いた時、クラウディアのデジヴァイスの画面に、手をつなぎ合わせた様な形の紋章が浮かび上がった。
それに共鳴する様に、気を失っていたガルルモンも光を放ち始め、次の瞬間目が見開かれる。
ガルルモンは立ち上がると、マメモン達に飛び掛かった。
「チッ! メタルマメモン!!」
メタルマメモンが狙いをガルルモンへ変更し、エネルギーをチャージし始める。
それがガルルモンへ向けて放たれる。
エネルギー弾は一直線にガルルモンへ直進。
そのまま直撃するかに思われた。
だが、
「はあっ!!」
ガルルモンは前足で………
いや、手でエネルギー弾を村の外へと弾き飛ばす。
「何ッ!?」
兄が驚愕した瞬間、
「ガルルモン! 超………進化ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ガルルモンの後ろ脚が人の脚の形に近くなり、二足歩行となる。
前足は完全な手になり、五本指の拳が握られた。
獣の姿だったガルルモンが人型となり獣人の姿へと進化した完全体デジモン。
「ワーガルルモン!!」
名乗りを上げるワーガルルモン。
「なっ!? また進化した!?」
弟が驚愕すると、ワーガルルモンは右足を振り被り、
「円月蹴り!!」
回し蹴りを放って鋭い衝撃波を飛ばす。
「「マメェ!?」」
マメモンとメタルマメモンはその一撃で吹き飛ばされ、大士達への攻撃が中断される。
「くっ…………!」
大士は何とかクラウディアの上から退くと、そのまま横の地面に大の字に倒れた。
「タイシッ!?」
すぐさまクラウディアが抱き起こす。
すると、その横にワーガルルモンが着地した。
クラウディアがワーガルルモンに視線を移すと、
「ガルルモンが………進化した…………!」
「クラウディアの心が、俺を進化させたんだ」
「私の………心…………」
進化したワーガルルモンを見ると、双子は不利と悟ったのか、
「くっ! 悔しいがもう時間は無い! この場は退かせてもらう………!」
兄がそう判断しようとして、
「逃がすな! ワーガルルモン!!」
「おう!!」
クラウディアの掛け声と共に、ワーガルルモンは膝を深く曲げると一気に跳躍する。
そして、両手の爪を輝かせると、
「カイザーネイル!!」
マメモン達の傍を通り過ぎると同時に、その爪で切り裂いた。
「「マメェェェェェェッ!?!?」」
マメモン達はそのままデータ粒子に分解される。
「く、くそっ! 逃げるぞ弟!」
「ああっ、待って! 兄さん!!」
一目散に逃げようとした双子だったが、
「そこまでだ!」
そんな双子に巨大な銃口が付きつけられた。
「「うっ!?」」
双子が逃亡しようとした先には、ライズグレイモンが左腕の巨大な銃口を突き付けており、その右手にカイルが乗っていた。
大士達に気を取られ過ぎて接近に気付かなかったようだ。
双子は絶望的な表情をしながらその場に崩れ落ちたのだった。
尚、大士はエミリアの回復魔法で無事完治した。
オリジナル異世界編第22話です。
今回はワーガルルモンの進化でした。
葵との再会を期待していた人達もいるかもしれませんが、それはまだまだ先です。
何気に知識チートを少々。
正直ガルルモンをどこで進化させようか悩んでいたんですよね。
まあ、折角なのでここで。
オマケにクラウディアのフラグ強化です。
次回は『豊穣祭』本番だけど………書くことあるかなぁ………?
お楽しみに。
葵とリュウダモンだけでも早く合流させるべきか?
-
早く合流させるべき。
-
合流する時は嫁全員で。