ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第42話 皇帝竜、インペリアルドラモン!!

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

光の柱に呑み込まれてしまった仲間達。

彼女達の行き先は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃぁああああああああああっ!?」

 

光に呑み込まれたアリスが次に気が付いた時、そこに大士達の姿は無かった。

 

「こ、ここは………? 他の皆は!?」

 

アリスが慌てて辺りを伺う。

すると、

 

「落ち着いて、アリス」

 

すぐ横から冷静な声が聞こえた。

アリスが横を振り向くと、青い腕に抱えられたシャルロットの姿。

そして、気付けば自分も青い腕……エクスブイモンの腕に抱えられている事に気付いた。

 

「エクスブイモン! シャルロット!」

 

自分達の状況は、光の柱に飲み込まれる前と同じだった。

 

「あっ! エリスやタイシ達は!?」

 

アリスがハッとなって問いかけると、

 

「私達はここ」

 

少し上から声が聞こえ、アリスが見上げると、スティングモンに抱えられたエリスとイルククゥの姿があった。

 

「エリス! 良かった………!」

 

双子の妹の無事にホッとするが、アリスはキョロキョロと辺りを見回し、

 

「………タイシ達は居ないの………?」

 

そう問いかけた。

 

「ここに居るのは私達だけ」

 

エリスがそう言う。

 

「光の柱に巻き込まれる前にタイシが言ってた。『何処に飛ばされるかわからない』と。状況から察するに、私達は光の柱に巻き込まれて、別の場所に転移したと考えられる」

 

シャルロットが冷静な声でそう分析する。

 

「転移……って、何処に!?」

 

アリスが狼狽えた様にそう言うが、

 

「それは分からない………だけど、元の場所に戻る為の道標はある」

 

「道標………?」

 

エリスが疑問の声を漏らすと、

 

「あれ」

 

そう言いながらシャルロットが指を指した。

その指し示した先にあったのは、リアルワールド球。

 

「あれって………」

 

「さっきまで居た場所はあの真下辺りだった。だから、あれに向かっていけば、少なくとも元居た場所には戻れるはず」

 

シャルロットは真っ当な意見を出した。

 

「なら、早く戻りましょう!」

 

アリスはそう言うが、

 

「その前に周辺の偵察をするべき。私達にとって、ここは未知の領域。迂闊に動けば危険」

 

「うっ………それもそうね………」

 

「あと、何時までもこの状態は少し大変だから、一旦下に降りて体勢を整えるべき」

 

シャルロットの言葉通り、アリス、エリス、シャルロット、イルククゥの4人は、エクスブイモンとスティングモンに抱えられている状態だ。

一先ず、地上へ降りる事にした。

 

 

 

 

地上には、ごつごつとした岩山が連なっており、草木は見当たらない。

しかし、その岩山の中に、ひときわ高い1000m程ある岩山の中腹辺りにのみ木々が生い茂る場所があった。

 

「何であそこだけ………?」

 

エリスが首を傾げるが、一先ずそこに降りる事にする。

そこは、岩山の割れ目から水が噴き出しており、滝のように流れ出て滝壺を作り、そこから穏やかな川があった。

 

「綺麗なのね~」

 

イルククゥが自然を眺めながら口にする。

その時、彼女達の後ろの茂みがガサッと音を立てた。

 

「ッ!?」

 

シャルロットが即座に警戒し、エクスブイモンとスティングモンが、アリスとエリスを護る様に前に出た。

 

「誰だっ!?」

 

エクスブイモンが叫ぶ。

すると、

 

「やっ! 来ないで……!」

 

弱々しい声が聞こえた。

 

「「「「「「?」」」」」」

 

その声に、シャルロット達は顔を見合わせる。

シャルロットが警戒しながら茂みを覗くと、そこにはウサギのような大きな耳を持ち、額に三日月のようなマークがある小さなデジモンが居た。

 

「このデジモンは…………?」

 

シャルロットが呟くが、

 

「こ、殺さないで…………!」

 

そのデジモンは酷く怯えている。

シャルロットは片膝を着いてそのデジモンになるべく視線を近付ける。

 

「………大丈夫。傷付けたりしない」

 

シャルロットは優しくそう言う。

 

「えっ…………?」

 

そのデジモンが意外そうな顔をした。

その瞬間、

 

「こりゃ! ルナモンに何をしておる!?」

 

年老いた女性の声が聞こえた。

シャルロットが振り向けば、そこには箒を持った老婆のような姿のデジモンが居た。

老婆のデジモンは持っていた箒を構え、シャルロット達を威嚇している。

 

「待って欲しい。私達に敵意は無い。光の柱に巻き込まれてこの付近に転移させられてしまった。ここには、空から見えたから立ち寄っただけ」

 

シャルロットは両手を挙げて敵意が無い事を示しながら、そう説明した。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

老婆のようなデジモンは暫くシャルロットを見つめ、シャルロットも黙って見つめ返していた。

すると、

 

「…………どうやら嘘は無いようじゃな」

 

そう言って老婆のようなデジモンは警戒を解いた。

 

「いきなり失礼な態度を取ってすまんかったの」

 

老婆のデジモンは謝罪する。

 

「気にしていない。私達は、あなた達から見れば不審者。警戒するのは当然の事」

 

「ふむ…………」

 

老婆のデジモンは、改めてシャルロット、アリス、エリス、イルククゥを観察するように眺める。

 

「お前さん達はデジモンでは無いな?」

 

「え? ええ、私達は人間よ」

 

「ほう、人間か………儂も長い事生きてはおるが、実際に人間を見たのは初めてじゃ………」

 

老婆のようなデジモンは軽く驚いた表情をする。

 

「おっと、自己紹介を忘れておったの。儂はババモン。このスポットの長老のようなものじゃ」

 

そう自己紹介する老婆のデジモンことババモン。

 

「そしてこっちはルナモンじゃ」

 

「………………ッ!」

 

ババモンは隠れるように背中にいた、ウサギのようなデジモンを紹介する。

そのルナモンはまだ少し怯えているのか、そっとシャルロット達を覗くだけだ。

 

「私はシャルロット」

 

「きゅいきゅい! イルククゥなのね!」

 

「アリスよ」

 

「エクスブイモンだ」

 

「エリス……」

 

「スティングモンだ」

 

シャルロット達も、それぞれ自己紹介する。

 

「それで、お主たちは光の柱に巻き込まれたと言っておったのう?」

 

その言葉にシャルロットは頷く。

 

「その所為で仲間達と逸れてしまった。だから、元居た場所に戻る為に、あれを目指そうと思っている」

 

「リアルワールド球かい………確かに目印にはなるだろうね」

 

ババモンは納得したように頷く。

 

「ただ、出発は明日にする事をお勧めするね」

 

「「「えっ?」」」

 

ババモンの言葉に、声を漏らすシャルロット達。

 

「もうすぐ夜になる。リアルワールド球までの10分の1も行かない内に暗くなるじゃろうて」

 

ババモンの言葉にシャルロット達は顔を見合わせる。

 

「一晩位なら居っても構わんぞ? その辺で野宿するよりは安全じゃろうて」

 

ババモンはそう言う。

シャルロット達は少し相談した後、ババモンの言葉に甘える事にした。

 

 

 

 

夕食までの時間の間、彼女達はこのスポットの散策を行う事にした。

なお、食料や水などの補給も含めて、だ。

その途中、アリスが滝近くを散策していると、エリスが岩壁の方を見つめていた。

 

「エリス? どうかしたの?」

 

アリスはそう問いかけながら近付く。

 

「………あれ」

 

エリスが岩壁の上の方を指差し、アリスがその指し示す方向を追っていくと、岸壁に何かが描かれていた。

そこに描かれていたのは、

 

「赤い翼の………竜………?」

 

絵の殆どの色が剥げてしまっており、元の色は分からないが、その翼だけは赤く染まっている竜らしきものが描かれていた。

 

「…………インペリアルドラモンじゃよ」

 

突然聞こえたその声にアリスとエリスは振り向く。

そこにはババモンがいた。

 

「インペリアルドラモン?」

 

アリスが聞き返すと、

 

「皇帝竜とも呼ばれた、古代デジタルワールドに存在した強大な力を持ったデジモンじゃ」

 

「皇帝竜…………」

 

エリスがその名を呟く。

 

「インペリアルドラモンは、この地の護り神なんだよ!」

 

ルナモンがひょこっと姿を見せた。

 

「だから私は毎日祈ってるんだ。このデジタルワールドが、昔の様に豊かな世界に戻りますようにって………」

 

ルナモンは、インペリアルドラモンの壁画を見つめながら手を組んだ。

と、その時、突然周辺が暗くなった。

 

「な、何ッ!?」

 

突然の事態にアリスは声を上げるが、

 

「心配せんでええ。夜が来ただけじゃ」

 

「夜………?」

 

「こんな一瞬で夜になるものなの?」

 

エリスとアリスが呆気に取られる。

 

「ほれ、そろそろ夕食の時間じゃ」

 

ババモンはそう言うと、促すように背を向け歩いて行った。

 

 

 

 

夕食の場には、今まで隠れていたのか、幼年期デジモンやルナモン以外の成長期デジモン達の姿もあった。

 

「こんなにデジモン達がいたのね………」

 

アリスが意外そうな声で呟く。

 

「戦える者は少ないがの」

 

ババモンはそう言う。

 

「きゅいきゅい! 結構おいしいのね!」

 

ババモンの作った料理にそう言う感想を漏らすイルククゥ。

すると、ルナモンがおずおずと前に出てきて、

 

「えっと………最初に会った時、怖がってごめんなさい………!」

 

そう言って頭を下げた。

 

「気にしてない。不審者を恐れるのは当然の事。むしろ、勝手にそちらの領域に入ったこっちが謝罪すべき。怖がらせてごめん」

 

シャルロットがルナモンに頭を下げた。

 

「「………………………」」

 

その言葉に、シャルロットとルナモンは顔を見合わせ、

 

「「………………フフッ」」

 

どちらからともなく笑いあった。

その時だった。

 

―――ドカァァァァン!!」

 

突然、爆発音のような音と共に、激しい揺れが襲った。

 

「な、何じゃ!?」

 

ババモンは慌てて様子を見に行く。

シャルロットやアリス達もそれに続き、辺りを見渡せるスポットの端の方へ向かう。

そこから見えたのは、

 

「スパイラルボーン!」

 

岩山の麓から、このスポットのある岩山に向かって、背びれから骨を高速回転させて飛ばす、全長20m程の骨の象………

いや、骨のマンモスのデジモンだった。

 

「あ、あれは究極体のスカルマンモン!」

 

ババモンが叫ぶ。

 

「スカルマンモン………!? 究極体………!」

 

アリスが驚愕の声を漏らす。

スカルマンモンは、背びれの骨を高速回転させながら次々と飛ばし、岩山に向かって攻撃している。

 

「くっ…………!」

 

エリスは、攻撃による激しい振動で倒れないように足を踏ん張る。

すると、

 

「何故じゃ……!? スカルマンモンは確かに知性や感情を失い、本能のまま戦うデジモンではあるが、その矛先はすべてウィルス種のデジモンに対するものの筈………! 何故ここを攻撃する………!?」

 

ババモンは驚愕しながらも、何故この場所を攻撃するのかと疑問を零す。

 

「い、今はそんな事言ってる場合じゃ……!」

 

アリスがそう叫んだ時、スカルマンモンの攻撃がスポットの上方にある岩壁に着弾した。

岩壁が砕け、破片がデジモン達に降り注ぐ。

 

「いけない……! スティングモン!」

 

「ああ!」

 

エリスが咄嗟にスティングモンに指示を出し、スティングモンが飛び立つ。

 

「エクスブイモン! あなたもよ!」

 

「分かってる!」

 

続いてエクスブイモンも飛び立つ。

 

「スパイキングフィニッシュ!!」

 

「エクスレイザー!!」

 

2体は必殺技で大き目の岩の破片を砕いていく。

 

「ほりゃ! そりゃ!」

 

ババモンも、手に持った箒で降り注ぐ岩を打ち払う。

だがその時、一際大きな破片がルナモンに降り注ごうとした。

ルナモンは慌てて逃げようとしたが、

 

「あっ……!?」

 

ルナモンは躓いて転んでしまう。

 

「ルナモン!」

 

ババモンは叫ぶが、ババモンの周辺には幼年期デジモン達が居り、そこを離れるわけにはいかない。

 

「くっ! ルナモン!」

 

「間に合わない!」

 

エクスブイモンとスティングモンも手一杯だ。

 

「あ………あ………」

 

ルナモンがその岩に圧し潰されようとした時、

 

「はぁあああああああああああっ!!」

 

青い輝きと共に、その降り注ごうとした岩が砕かれた。

 

「えっ………?」

 

ルナモンは思わず声を漏らした。

 

「大丈夫? ルナモン」

 

「………シャルロット?」

 

そこに居たのは、青いデジソウルを3本の爪の様に腕に纏わせたシャルロットだった。

 

「デジソウルならここでも使える………!」

 

シャルロットは自信を持って言う。

 

「シャルロット! あなた………!」

 

「デジソウル………!」

 

アリスとエリスが驚愕する。

 

「話は後………! 今は護る事に集中する……!」

 

「そ、そうね………!」

 

シャルロットの言葉に2人は気を取り直し、

 

「エリス! ジョグレスよ!」

 

「うん!」

 

2人はD-3を向け合う。

そのD-3から光が溢れ、

 

「エクスブイモン!」

 

「スティングモン!」

 

「「ジョグレス進化!!」」

 

エクスブイモンとスティングモンの2体が光に包まれ、螺旋を描きながら上昇し、1つとなる。

 

「「パイルドラモン!!」」

 

パイルドラモンとなり、腰の生体砲を展開すると、

 

「「デスペラードブラスター!!」」

 

降り注ぐ岩の破片にエネルギー弾を連射する。

それによって瓦礫を破壊する速度が増す。

スカルマンモンは攻撃を続けているが、瓦礫には何とか対処出来ている。

しかし、

 

「……………おかしい」

 

その事に、シャルロットは疑問を覚えた。

 

「おかしいって………何が?」

 

アリスが聞き返すと、

 

「究極体の力なら、この程度の岩山を粉々にすることは簡単なはず………」

 

シャルロットはそう言った。

 

「「ッ!」」

 

その事に2人も気付く。

シャルロットの言う通り、究極体の力なら、この程度の岩山は簡単に吹き飛ぶ。

寧ろ、破壊力に秀でた完全体でも難しい事では無い。

それなのに、スカルマンモンの攻撃は、岩肌を砕いてはいるが、山そのものが如何にかなる様子は無いのだ。

もちろん、スカルマンモンが手加減している様子は無いし、手加減できるような知性も持ち合わせていない。

その時、小さな破片がシャルロットの頭に向かって飛んできた。

 

「…………ッ!?」

 

考えに没頭していたシャルロットは、その岩の破片に気付くのが遅れ………

 

「ルナクロー!!」

 

その破片がシャルロットの頭に当たる寸前にルナモンが飛び出し、岩の破片を弾き飛ばした。

 

「シャルロット! 大丈夫!?」

 

ルナモンが慌てながら聞く。

 

「………うん、大丈夫。ありがとう」

 

シャルロットは笑みを浮かべてお礼を言った。

すると、スカルマンモンは必殺技を連射してエネルギーを消耗したのか、必殺技を放つのを止め、その足で歩き出した。

岩山の斜面を一歩一歩昇ってくる。

その行先は、このスポットか、それとも山の頂上か。

どちらにせよ、スカルマンモンの進行方向にはこのスポットが存在した。

 

「いかん! このままではこのスポットが踏み荒らされてしまう!」

 

ババモンが危機感を持ってそう言う。

 

「だったら、ここで食い止めるしか無いわね!」

 

アリスがそう言うと、

 

「「パイルドラモン!」」

 

「「デスペラードブラスター!!」」

 

パイルドラモンは上空からエネルギー弾の雨を降らせる。

スカルマンモンの所々に着弾するが、スカルマンモンは意に介さずに歩みを進める。

 

「ッ………眼中に無いって訳? 舐められたものね………!」

 

アリスは不敵に笑って見せる。

すると、

 

「ティア―シュート!!」

 

アリス達のすぐ横でルナモンが水球を放つ。

その水球は、スカルマンモンの顔に当たり、弾ける。

何の効果も無かったが、

 

「ティアーシュート! ティア―シュート!!」

 

ルナモンはそれでも攻撃を止めない。

すると、他の幼年期や成長期のデジモン達もルナモンの横に並び、アワ攻撃や自分の必殺技をスカルマンモンに向けて放つ。

 

「お前達…………」

 

その姿を見て、ババモンが声を漏らす。

 

「きゅい! みんな必死なのね! 自分の居場所を護る為に、必死になって頑張ってるのね!」

 

イルククゥがそう言う。

 

「……………フン。儂も若いもんに負けていられんわい!」

 

ババモンはそう言うと、崖から飛び降り、斜面を駆け下りていく。

 

「そりゃぁああああああああっ!!」

 

ババモンは箒を振り被り、スカルマンモンの頭をはたこうとする。

しかし、スカルマンモンの防衛本能がそれを脅威と感じたのか、その長い骨の鼻で受け止めた。

 

「はっ! そりゃ! でぇい!」

 

まるで剣戟の様にババモンの箒とスカルマンモンの鼻が幾度も交差する。

 

「ば、ババモンって、強かったのね………」

 

アリスが呆気に取られた声を漏らす。

 

「多分、ババモンも究極体」

 

エリスがそう推測する。

 

「「エスグリーマー!!」」

 

パイルドラモンは両腕のスパイクを突き立てようとするが、その骨の前に弾かれる。

 

「骨の癖になんて硬い!」

 

アリスは納得いかなそうな声を上げる。

すると、彼女達の横で攻撃していたデジモン達が、1体、また1体と攻撃を止めていく。

幼年期デジモン達はもちろんの事、成長期デジモン達も、長く戦えるだけの体力が無いのだ。

 

「はぁ、はぁ………ティアーシュート!」

 

最後まで攻撃を続けていたルナモンだったが、遂にエネルギーが尽きたのか、技名を叫ぶも、水球が生み出される段階で弾けてしまった。

 

「ううっ…………!」

 

ルナモンは泣きそうな顔になる。

ババモンは今もスカルマンモンと打ち合っているが、スカルマンモンは少しずつその歩みを進めている。

 

「力が欲しい………皆を護る力が欲しいよ………!」

 

ルナモンは悔しそうに涙を流す。

そんなルナモンの肩に、そっと手が置かれた。

 

「泣かないで…………」

 

シャルロットが優しく語り掛ける。

ルナモンはシャルロットを見上げ、

 

「シャルロット………でも………!」

 

何も出来ない自分が悔しいのか、ルナモンは再び涙を浮かべる。

 

「……………私なら、多分ルナモンに力をあげられる…………」

 

「えっ?」

 

シャルロットの言葉に、ルナモンは意外そうな声を漏らした。

 

「だから、ルナモンも私を信じて………?」

 

シャルロットの言葉に、

 

「信じる!」

 

ルナモンは即答した。

 

「シャルロットなら、信じられる!」

 

ルナモンのその言葉に、

 

「ありがとう」

 

シャルロットは笑みを浮かべながらそう述べた。

その瞬間、ルナモンの肩に置かれていたシャルロットの手から、青い光が放たれる。

シャルロットがその手を見ると、

 

「…………デジヴァイス」

 

その形は、カイルのデジヴァイスと同じ、デジヴァイスicだった。

シャルロットは右手にデジソウルを発生させる。

そしてルナモンを見つめ、

 

「行くよ、ルナモン」

 

「うん! シャルロット!」

 

ルナモンも迷わずに頷いた。

 

―――EVOLUTION

 

その文字がデジヴァイスicの画面に刻まれる。

 

「デジソウル………チャージ!!」

 

シャルロットはデジソウルの宿った右手をデジヴァイスicに翳す。

シャルロットのデジソウルがデジヴァイスicに吸い込まれ、その画面から眩い光を放った。

 

「………!」

 

その光を受けたルナモンが澄んだ青い光を放つ。

 

「ルナモン進化っ!!」

 

ルナモンの身体が巨大化していき、その体系はより戦闘に適した獣人の形へ。

跳躍力に優れた強靭な脚と、格闘戦に適した腕。

顔には仮面を被った獣人型デジモン。

 

「レキスモン!!」

 

レキスモンとなったルナモンがその場に降り立つ。

 

「これは………進化した………?」

 

レキスモンは自分の姿を見下ろしながら驚愕の声を漏らす。

 

「これが、テイマーとパートナーデジモンの絆が生み出す力………!」

 

シャルロットがそう口にする。

 

「私と……シャルロットの絆…………」

 

レキスモンは感慨深く呟く。

すると、

 

「レキスモン!」

 

シャルロットが呼びかける。

 

「ッ! うん!」

 

レキスモンは気を取り直し、その強靭な脚で地を蹴った。

成熟期の中ではトップレベルの跳躍力で、空高く跳び上がる。

そこでくるりと回転しつつ飛び蹴りの体勢を取り、

 

「ムーンナイトキック!!」

 

急降下と共にスカルマンモンの側頭部に跳び蹴りを見舞った。

しかし、スカルマンモンはそれを脅威と認識しなかったのか、防御行動も起こさずババモンとの打ち合いを続けている。

 

「ッ!」

 

レキスモンはスカルマンモンの頭を蹴って距離を取ると、背中から氷の矢を引き抜き、

 

「ティアーアロー!!」

 

その矢を投げ放った。

だが、それもスカルマンモンを構成する骨の前に弾かれる。

レキスモンは続けて両手のグローブに泡を発生させ、

 

「ムーンナイトボム!!」

 

その泡をスカルマンモンに投げつけた。

その泡はスカルマンモンに当たって弾ける。

この泡には催眠効果があり、当たった敵を眠らせる効果があるのだが、

 

「ヴォォォォォォォォォォォォッ!」

 

レベル差か、それともアンデットであり闘争本能だけで生きていて眠る事を知らないのか、スカルマンモンには効果が無かった。

 

「足りない………力が足りない…………!」

 

レキスモンは悔しそうな声を漏らす。

すると、

 

「それなら…………!」

 

シャルロットは身体中からデジソウルを溢れさせる。

そして、

 

―――PERFECT

   EVOLUTION―――

 

デジヴァイスの画面にその文字が刻まれた。

 

「デジソウル…………!」

 

高まった青いデジソウルが、天を衝かんばかりに溢れ出る。

 

「フルチャージ!!」

 

そのデジソウルをデジヴァイスに叩き込んだ。

デジヴァイスの画面から、眩い光がレザービームの如く放たれる。

その光がレキスモンを包むと、

 

「レキスモン超進化っ!」

 

体形が獣人よりも、更に人型に近くなり、体、頭、手、足に鎧を纏い、盾と両刃の鎌のような武器を持つ。

氷と闇の力を持った魔人型デジモン。

 

「クレシェモン!!」

 

完全体に進化したクレシェモンがその姿を現す。

 

「この短時間で完全体まで………!」

 

エリスが驚愕の声を漏らした。

 

「ルナティックダンス!!」

 

クレシェモンが踊るような動きでスカルマンモンの周囲を移動しつつ、攻撃を加えていく。

しかし、成熟期の時よりも威力があるとはいえ、それでも究極体との力の差は大きい。

しかし、シャルロットは大士達を見て学んでいる。

テイマーとは、デジモンを進化させるためだけの存在では無いと。

 

「………………………」

 

シャルロットはジッとスカルマンモンを観察する。

スカルマンモンがまた一歩踏み出し、それに伴って後ろ足を前に出した瞬間、

 

「ッ! クレシェモン! 後ろ足!」

 

シャルロットは叫んだ。

クレシェモンは武器をアーチェリーに変形させると、闇の力で矢を作り出し、それを番えた。

 

「ダークアーチェリー!!」

 

クレシェモンが矢を放ち、その矢がスカルマンモンが踏み出した後ろ足の地面に着弾した。

地面が砕け、スカルマンモンは足を踏み外す。

その瞬間、

 

「そりゃぁっ!」

 

「「デスペラードブラスター!!」」

 

ババモンの渾身の一撃と、パイルドラモンの追撃により、スカルマンモンはバランスを崩した。

そのまま山の斜面を滑り落ちていく。

 

「やった!」

 

クレシェモンが嬉しそうな声を上げる。

 

「とは言え、スカルマンモンがこの程度で如何にかなるはず無いがな」

 

ババモンは油断なくスカルマンモンが落ちていった先を見下ろす。

スカルマンモンは落ちていった際に瓦礫に埋もれたが、

 

「ヴヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

すぐに瓦礫を吹き飛ばしてその姿を現し、再び岩山に向かって歩き出した。

 

「しつこいわね………!」

 

アリスが思わずボヤいた瞬間だった。

 

―――ゴゴゴゴ!

 

突如として地鳴りが鳴り響いた。

 

「な、何っ!?」

 

「地震………!?」

 

アリスとエリスが狼狽えた声を漏らす。

その時、岩山の頂上付近に亀裂が走った。

そして、

 

―――ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

噴火したかと思わせるほどの爆発音と共に、岩山の頂上一帯が吹き飛んだ。

噴煙の様にモクモクと砂煙が上がる。

 

「きゅい!? 一体何なのね~!?」

 

イルククゥが声を上げると、その砂煙が薄らいでいく。

その時、その砂煙の中に、何かのシルエットが浮かび上がった。

その形は竜の形。

そして、煙を切り裂くように中から赤い2枚の翼が飛び出した。

赤い翼と竜のシルエット。

その姿は、まさしく壁画に描かれていた、

 

「インペリアルドラモン………?」

 

クレシェモンが呟く。

その時、その翼が力強く一度羽ばたくと、砂煙が吹き飛ばされる。

その下から現れたのは、

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

漆黒だった。

爪は金色だが、その身体は禍々しさを感じさせる漆黒。

 

「あ、あれがインペリアルドラモン…………?」

 

アリスがその禍々しさに恐怖を感じる。

 

「あ、あの姿は………まさか………!」

 

ババモンが戻ってきて、切羽詰まった声を漏らす。

 

「言い伝えによれば、インペリアルドラモンは強大なパワーを持つため、制御するのは至難と言われており、扱い方によっては、救世主にも破壊神にもなるという………あの姿と禍々しさはおそらく…………」

 

「破壊神になったインペリアルドラモン…………」

 

ババモンの言葉に、エリスが呟く。

 

「ッ………! もしや、あの壁画は、護り神を表すものではなく、破壊神となったインペリアルドラモンが封印されているということを示すためのものだったのか!? そして、その気配をスカルマンモンが察知し、攻撃をしてきたというのなら辻褄は合う!」

 

ババモンは気付いたように言った。

 

「そ、そんな…………インペリアルドラモンは護り神じゃない…………!?」

 

クレシェモンは絶望に染まった声を漏らす。

その時、

 

「ヴヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

スカルマンモンが、遂に見つけたと言わんばかりに咆哮を上げ、背びれの骨を高速回転させながら飛ばし、黒いインペリアルドラモンに向かって攻撃する。

その攻撃は黒いインペリアルドラモンに当たるが、大したダメージがある様には見えない。

すると、今まで彼方を向いていたインペリアルドラモンが首を動かし、スカルマンモンをその目に捉えた。

そして、背中の砲台にエネルギーが集中し、一気に解放された。

螺旋を纏った漆黒の極太レーザーが放たれる。

 

「ヴヴォァアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァッ……………!?」

 

スカルマンモンはその直撃を受け、あっさりと消し飛ばされた。

 

「ス、スカルマンモンを一撃で………」

 

ババモンが戦慄した声を漏らす。

すると、インペリアルドラモンの視線がスポットに居る者達を捉えた。

 

「ヴヴヴ…………!」

 

インペリアルドラモンは低い唸り声を上げる。

 

「あ、ああ………駄目じゃ………破壊神となったインペリアルドラモンは、目に映るもの全てを破壊する…………見つかったが最後、逃げる事は出来ん………」

 

ババモンは絶望したように膝を着き、手も地面について項垂れる。

 

「……………これも、『運命』かのう………」

 

ババモンが諦めからそんな言葉を漏らす。

だが、

 

「…………『運命』? ハッ! そんな『運命』お断りよ!」

 

その言葉で、逆に火が付いた者達がいた。

 

「私達の『運命』は私達が決める………!」

 

アリスとエリスが真っ直ぐにインペリアルドラモンを見上げる。

 

「そう………諦めなければ、必ず道は開ける………!」

 

シャルロットも真っ直ぐに見上げた。

 

「だから諦めないで、クレシェモン」

 

「シャルロット………」

 

クレシェモンはシャルロットを見つめる。

 

「「ああそうさ! 勿論俺達も諦めない! アリスとエリスが諦めない限り、俺達も絶対に諦めない!!」」

 

パイルドラモンがアリスとエリスの前に降り立ち、生体砲を向けながら叫んだ。

 

「ッ! グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

インペリアルドラモンは、その姿に怒りを感じたかのように咆哮を上げながら口を大きく開いた。

その口に、先程よりも比べ物にならない程のエネルギーが集中する。

そして、その口から暗黒物質の塊が放たれた。

 

「「やらせるか! うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」

 

パイルドラモンはその暗黒物質の塊に向かってデスペラードブラスターを放つ。

しかし、放たれたエネルギー弾は、全てその暗黒物質の塊に飲み込まれていく。

 

「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」

 

しかし、それでもパイルドラモンは攻撃を止めない。

だが、非情にもその暗黒物質の塊は、止まるどころか減速する兆しすら見せなかった。

 

「「負けっ………るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

その時パイルドラモンは、信じられないことに素手でその暗黒物質の塊を止めようとした。

 

「「うぁあああああああああああああああああっ!!!」」

 

パイルドラモンは渾身の力で暗黒物質の塊を押し返そうとする。

 

「パイルドラモン!!」

 

「負けないで!!」

 

アリスとエリスも必死に声を掛ける。

だが、

 

「「うっ………あっ…………!」」

 

パイルドラモンが、暗黒物質に飲み込まれていく。

 

「「アリス………エリス…………」」

 

2人の名を呟くと共に、パイルドラモンは完全に暗黒物質の中に呑み込まれた。

 

「「パイルドラモン!?」」

 

アリスとエリスが叫ぶ。

暗黒物質は、そのまま彼女達に向かって突き進む。

 

「やはり無理か…………」

 

ババモンが項垂れる。

しかし、

 

「………………諦めるもんですか」

 

アリスが呟く。

 

「……………諦めない」

 

そしてエリスも。

 

「私達は信じてる。パイルドラモンは、私達のパートナーデジモンは、こんな所で負けないって………!」

 

アリスの、

 

「パイルドラモンは言った。私達が諦めない限り、自分も絶対に諦めないと。だから、私達は諦めない………!」

 

エリスのパートナーを信じる思いを口にする。

2人は、迫りくる暗黒物質の塊から、決して目を逸らさなかった。

暗黒物質の塊は既に目前に迫っている。

 

「例えここで死ぬことが『運命』だとしても………」

 

「私達が一緒なら、何も怖くは無い………」

 

2人は呟く。

 

「だって………」

 

「私達なら………」

 

そして、暗黒物質がアリスとエリスを呑み込もうとした時、

 

「「どんな『運命』だろうと、絶対に撃ち砕けるから!!!」」

 

2人のD-3から眩い光が放たれた。

それと同時に、暗黒物質の塊が、内側から切り裂かれるように四散し、光が飛び出す。

その光は、

 

「「パイルドラモン! 究極進化ぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

更に輝きを増して巨大化する。

それは、エクスブイモンを思わせる青い体表にスティングモンを思わせる黒い甲殻を纏った巨大な竜。

金色の爪に、赤く大きな翼。

背中に砲台を乗せ、白い髪に赤、白、黒の甲殻に覆われた頭部。

それは皇帝竜の名を冠せし古代竜。

その名は、

 

「「インペリアルドラモン!!!」」

 

黒いインペリアルドラモンと同じ姿。

だが、禍々しさは一切感じさせず、逆に神々しささえ感じさせるその姿。

 

「パイルドラモンが………」

 

「進化した………」

 

アリスとエリスが呟く。

 

「インペリアルドラモン…………!」

 

クレシェモンがその姿を見て声を漏らす。

 

「「ありがとう、アリス、エリス。2人が最後まで信じてくれたおかげで、俺は更に進化できた」」

 

インペリアルドラモンはそう言うと、黒いインペリアルドラモンを見据える。

 

「「2人はもう、絶対に傷付けさせない!!」」

 

インペリアルドラモンは黒いインペリアルドラモンに向かっていく。

黒いインペリアルドラモンもインペリアルドラモンを脅威と認定したのか、その翼を羽ばたかせて飛び立った。

 

「「うぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」

 

「グォオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

2体のインペリアルドラモンは、空中を旋回しつつ、期を見て攻撃を仕掛ける。

空中で何度も交差するインペリアルドラモン。

すると、黒いインペリアルドラモンが背中の砲台にエネルギーを集中させ始め、インペリアルドラモンも同じようにエネルギーを集中させる。

そして、

 

「グォアッ!!」

 

「ポジトロンレーザー!!」

 

黒いインペリアルドラモンは漆黒の。

インペリアルドラモンは紫の螺旋を纏った青いレーザーを放つ。

2つのポジトロンレーザーが中央でぶつかり合い、激しい衝撃を撒き散らす。

 

「な、何と言う戦いじゃ………」

 

2体のインペリアルドラモンの戦いを見て、ババモンは恐れ戦く。

 

「………………」

 

シャルロットはその戦いをジッと観察していた。

すると、

 

「………………クレシェモン」

 

クレシェモンに声をかけた。

 

「シャルロット………?」

 

「私達に出来る事は、まだある」

 

「えっ?」

 

「あの2体の力は互角。故に、僅かなきっかけで天秤は傾く」

 

「?」

 

シャルロットの言葉に、クレシェモンは首を傾げるのだった。

 

 

 

 

 

インペリアルドラモンが何度目かの交差をした後、

 

「インペリアルドラモン!」

 

下方からアリスの声が聞こえた。

インペリアルドラモンは、黒いインペリアルドラモンを警戒しつつも視線を下に向ける。

そこには、アリスとエリスがインペリアルドラモンをジッと見つめていた。

そして、何かを伝えるように頷く。

 

「「ッ! わかった!」」

 

その思いが伝わったのか、インペリアルドラモンは口を大きく開け、エネルギーを集中させる。

すると、黒いインペリアルドラモンも同じように口にエネルギーが集中させた。

それは、暗黒物質の塊を発射し、着弾点から半径数百メートルを消滅させてしまうインペリアルドラモンの必殺技、

 

「「メガデス!!」」

 

インペリアルドラモンが口から暗黒物質の塊を放つ。

そして、ほぼ同時に黒いインペリアルドラモンもメガデスを放とうとして、

 

「アイスアーチェリー!!」

 

片目に氷の矢が突き刺さった。

 

「グォァッ!?」

 

突然の攻撃に標準が狂う。

放たれた暗黒物質は、互いの中央辺りで交差し、それぞれに突き進む。

そして、黒いインペリアルドラモンが放ったメガデスは、インペリアルドラモンを紙一重で逸れていき、

 

「グォァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?」

 

インペリアルドラモンが放ったメガデスは、黒いインペリアルドラモンに直撃した。

黒いインペリアルドラモンは、そのメガデスに押されていき、そのまま1km程彼方の地上に激突。

メガデスのエネルギーが解放され、着弾点を中心に数百メートルが更地となった。

 

「……………これが、究極体」

 

「これが………インペリアルドラモン………」

 

2人は、自分達のパートナーを見上げる。

 

「皇帝竜……………『皇帝』………か」

 

「アリス………?」

 

アリスが呟いた言葉に、エリスが呼びかけると、

 

「ううん。伝承にあった、『青き竜従えし者が緑の昆虫を従えし者の力を得る時、皇帝の道を歩む』。この伝承の『皇帝』っていうのは、インペリアルドラモンを現してたんだなって改めて思ったの」

 

「確かに………翻訳ミスを含めれば、エクスブイモンとスティングモンが1つになれば、インペリアルドラモンへ繋がるパイルドラモンになれる………と取れる」

 

「けど、そんな事は関係無いわ。私は、エリスと一緒に居たかったからこの道を選んだ」

 

「………私も、アリスと歩んだこの道を間違っていたとは思わない」

 

そう言って2人は笑い合った。

 

「それにしても、困ったのう」

 

ババモンが、滅茶苦茶になってしまったスポットを見渡しながらそう言った。

 

「流石にこれではこれ以上ここに住むことはできんわい」

 

ババモンは溜息を吐く。

 

「……………のう? お主らはリアルワールド球へ向かうと言って居ったのう?」

 

「ええ、そうだけど?」

 

「すまんが儂やここに居るデジモン達を連れて行っては貰えんかのう?」

 

「何故?」

 

「リアルワールド球の近くには、儂の知り合いのジジモンが長老を務めるスポットがあるのじゃ。そこへ身を寄せようと思ってな」

 

「その位なら構わないけど?」

 

アリスがそう言うと、

 

「ありがたい。夜が明けたら出発するとしよう」

 

ババモンは頭を下げながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

夜から昼に変わった時、皆を背に乗せ、リアルワールド球に向かって飛び立つインペリアルドラモンの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 







オリジナル異世界編第42話です。
今回はインペリアルドラモンへの進化と、シャルロットのパートナー登場+ルナモン~クレシェモンまでの進化をお届けしました。
え?ルナモンの進化が早すぎるって?
そこまで話作ろうとすると、無駄に長くなってネタ切れして更新止まりそうな気がしたので、サクッと進化させます。
他も一緒の予定。
で、インペリアルドラモンの敵はインペリアルドラモン(黒)でした。
如何でしたでしょうか?
割とうまく書けたと思いますが…………
次はエミリア&クラウディア+カトレアの予定。
お楽しみに。





あと、カンナのパートナーの件ですが、メッセージで頂いたご意見の中に、これは良いと思った候補がありましたので、アンケートに追加します。
追加するのはミタマモン。
デジモン図鑑で確認しましたが、結構カンナのイメージに合ってると思ったので。
コロコロ変わって申し訳ないですが、アンケート取り直しです。
投票よろしくお願いします。

カンナのパートナーは?(候補追加)

  • クズハモン
  • アポロモン
  • ミタマモン
  • その他
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