【Side 三人称】
光の柱に飲まれた仲間達。
エミリアとメタルグレイモン。
クラウディアとワーガルルモン。
そしてカトレアの行き先は……………
次に気が付いた時、彼女達は空高くの空中に放り出されていた。
「うわっ!?」
「くっ!?」
突然の事態にメタルグレイモンとワーガルルモンは声を漏らすが、何とか制動を取って空中に留まる。
「こ、ここは………?」
ワーガルルモンに抱えられたクラウディアが辺りを見回す。
「クラウ! 大丈夫ですか!?」
メタルグレイモンの肩に乗ったエミリアが慌てた様に問いかける。
「リア……! ああ、私達は無事だ」
エミリアの無事な姿に、クラウディアもホッと息を吐く、
「私も大丈夫です」
クラウディアと同じくワーガルルモンに抱えられたカトレアもそう言った。
「それにしても、ここは一体…………それに皆は………?」
エミリアが疑問の声を漏らす。
「私達だけ、別の場所に飛ばされたのだろうか………?」
クラウディアがそう推測する。
「状況から察するにその様です。旦那様も何処に飛ばされるか分からないと言っていましたし………」
カトレアがそう言うと、
「…………まずはこれからどうするか方針を決めねばな…………」
クラウディアがそう言った時、
「うぉわぁああああああああああああああっ!?」
突如として、この場にいる者達以外の声が聞こえた。
「な、何!?」
突然の事態にエミリアが狼狽える。
すると、
「上だ!」
ワーガルルモンが叫ぶ。
その声に上を見上げると、何か巨大な影が勢いよく落ちて来ていた。
「な、何だ!?」
その影にクラウディアが狼狽えた声を漏らす。
「ああああああああああああああああああああっ!?!?」
その影から聞こえる声は、悲鳴のように聞こえる。
「ッ! 大変! エミリアさん! あの子を助けて!」
突如としてカトレアが叫んだ。
「えっ!? は、はい! メタルグレイモン!」
「わかった!」
カトレアの言葉に一瞬驚くも、エミリアはメタルグレイモンに呼びかける。
メタルグレイモンは、その巨大な影が落ちてくる先に回り込むと、
「ふんっ!」
機械化されている両腕をうまく使って、全身で受け止めた。
「ううっ………!」
受け止めたのは、メタルグレイモンよりも2周り程小さく、成熟期のデジモンと思われる鳥型のデジモンだった。
ただ、鳥型のデジモンにしては翼が身体に対してやや小さく、空を飛ぶことに適しているようには見えなかった。
「大丈夫?」
カトレアがそのデジモンに声を掛ける。
「うぅ………た、助かった………のか?」
そのデジモンは首を擡げると、辺りを確認するように左右に振った。
その時、
「うわはははははは! 情けない奴!」
更に上空から、また別の声がした。
全員が見上げると、そこには大きな翼を広げた3つの影。
「鳥型の癖に飛べないんだもんなぁ?」
そのうち一つは黒い炎を纏ったデジモンのセーバードラモン。
「情けないったらありゃしない」
「ッ…………!」
投げかけられる言葉に、メタルグレイモンが受け止めた鳥型のデジモンは悔しそうに食いしばりながら睨み付ける。
「ふっ! 悔しかったらその翼で飛んでみるが良い。飛べるものならな?」
最後にそう言ったのは、青い巨鳥型デジモンのサンダーバーモン。
「ッ~~~~~~~!」
その鳥型デジモンは何か言いたげだったが、歯を食いしばるだけだ。
「フン…………」
何も言わない所を見ると、サンダーバーモンは蔑んだ目で見下ろすと、興味を失ったように背を向けて飛んでいった。
「何なんだ! あのデジモン達は!?」
クラウディアが猛る様に言う。
「いいんだ。彼らの言う事はもっともなのだから………」
そう言ったのは、先程助けた鳥型のデジモン。
「礼がまだだったな………助けてくれて感謝する。私の名はディアトリモン。見ての通り、ただの飛べない鳥型のデジモンさ」
ディアトリモンは自嘲するように言った。
「……………一先ず、落ち着ける場所を探しましょう。いつまでもこのままでは大変ですから」
ディアトリモンの言葉にエミリアは何か言いたげだったが、この状況をいつまでも続けられるわけではないのでそう進言した。
「それならばいい場所がある」
そう言ったのはディアトリモンだった。
ディアトリモンの案内で辿り着いたのは、空中に浮かぶ浮島が集まる群島だった。
その中の、比較的大きい浮島の一角にある洞窟にエミリア達は案内された。
「ここは………?」
エミリアが尋ねると、
「ここは私の住処だ」
ディアトリモンはそう言う。
「まあ、君とっては小さいかもしれないが………」
身を屈めながら窮屈そうに座っているメタルグレイモンを見上げながら言うと、ディアトリモンは彼女達に向き直り、
「改めて礼を言いたい。助けてくれてありがとう」
ディアトリモンはそう言って頭を下げる。
「あ、いえ。偶々ですので………!」
そんなディアトリモンの姿にエミリアは慌てながら頭を上げるように言う。
「それにしても、何故空から落ちてきたのだ?」
クラウディアがそう聞くと、
ディアトリモンは少しバツが悪そうな顔をして、
「ああ………あの3体のデジモン。サンダーバーモン、アウルモン、セーバードラモンは、事ある毎に鳥型なのに飛べない私を馬鹿にしてきてな………『悔しければ飛んでみろ』と言われて、カッとなってつい………な」
己の行動を恥じる様な仕草でそう言う。
「そんな………! 飛べないデジモンなんて、いくらでもいるじゃないですか!」
エミリアが訴えるようにそう言うと、
「ああ、それは自分でもわかっている。私は脚力に特化したデジモンだ。言わば、コカトリモンやアカトリモンの様に、鳥型の中でも飛べない種類なのだ。自分でも気にしないようにと言い聞かせているのだが、私はカッとなると後先考えないきらいがあってな………面目ない………」
分かっているのに自分では感情を制御できない未熟者だとディアトリモンは言う。
すると、
「あなたは………空を飛びたいのですか?」
カトレアが口を開いた。
「君は………?」
ディアトリモンが聞くと、
「失礼しました。名乗っていませんでしたね。私はカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ。長いのでカトレアと呼んでください」
「カトレア…………」
ディアトリモンがその名を呟く。
「もう一度聞きます、ディアトリモンさん。あなたは空を飛びたいのですか………?」
カトレアはもう一度問いかけた。
「い、いや、先程も言ったように、私は飛べないデジモンで…………」
「そのような事は関係ありません。私は、あなたの気持ちを聞いているのです」
「私の………気持ち…………」
カトレアの言葉に、ディアトリモンは一度目を伏せ、自分の望みを今一度考える。
そして出てきた答えは………
「……………私は………」
ディアトリモンは目を開き、
「私は…………飛びたい…………! この大空を自分の翼で羽ばたき………自由に飛んでみたい………!」
自分の望みを口にした。
「そうですか………」
カトレアはそれを聞くと、ニッコリと笑い。
「なら、諦めないでください。諦めなければ、きっと飛べます。何故なら、デジモンには無限の可能性が秘められているのですから………」
「無限の………可能性…………」
ディアトリモンは、呆気に取られたように呟く。
「そうですよ! 私のメタルグレイモンも、進化する前は飛べませんでしたが、進化して飛べるようになりましたし!」
「私のワーガルルモンに至っては、進化せずとも飛行能力を手に入れたからな」
エミリアとクラウディアがそう言う。
「君達…………」
自分を励ましてくれる彼女達の言葉に、ディアトリモンは心を打たれる。
「ありがとう………私はこれからも頑張ってみようと思う………!」
ディアトリモンはそう言って穏やかな表情を浮かべた。
そして、間もなく夜が来て、一行はディアトリモンの住処で一晩を明かす事にした。
翌日。
―――ドゴォォォン!
突然の爆発音で目を覚ます。
「な、何だ!?」
飛び起きたクラウディアを筆頭に、ディアトリモンの住処である洞窟から外へ飛び出すと、
「キェエエエエエエエエエエエエッ!!」
「キシャァアアアアアアアアアアッ!!」
空中で、巨鳥型のデジモンであるパロットモンと、灰色のクワガタのようなデジモンのオオクワモンが争い合っていた。
更に、配下であろう多くの成熟期デジモン達も争っている。
パロットモンの方には、昨日のサンダーバーモンやアウルモン、セーバードラモンの姿を見せる。
「これは一体………?」
「…………縄張り争いか………」
クラウディアの呟きに、ディアトリモンが呟く。
「縄張り争い?」
エミリアが聞き返すと、
「ああ。ここ天空のスポットには、大きく分けて3つの勢力が存在する。1つがパロットモンが率いる鳥の勢力。もう1つがオオクワモンが率いる昆虫の勢力。そして3つ目が、その2つには属さない者達の集まりだ。この浮島は、3つ目の何処にも属さない者達の拠り所となっている。この浮島は、スポットの端の方であり、余りうまみが少ないからな。この島に住む者達が食い繋げるだけの食料は確保できるが、攻めてまで手に入れようとは思わないだろう。だが、残り2つの勢力が有する領地は、食料も豊富で豊かな土地だ。それを奪い合う為に度々争いが起こっている」
ディアトリモンはそう説明すると、厳しい視線を争いに向ける。
「しかし…………」
そう呟いた時、パロットモンが放った電撃が、ディアトリモン達の浮島に直撃し、大きく揺るがす。
「くっ! やはりこちらの事などお構いなしか!」
揺れに耐えながらディアトリモンが吐き捨てる。
すると、浮島の各地から幼年期や成長期のデジモン達が逃げ惑う。
「いかん! 子供達が!」
ディアトリモンが切羽詰まった声を上げる。
「ッ………! リア! 私達であの争いを止めるぞ!」
「はい! クラウ!」
クラウディアの言葉に、エミリアはもちろんと言いたげに頷いた。
「ディアトリモンとカトレアさんは、子供のデジモン達の避難を!」
「わかりました」
「ッ……頼む」
クラウディアの言葉にカトレアは頷き、子供達の方へ駆けていく。
ディアトリモンも一瞬遅れて頷いた。
カトレアとディアトリモンが子供達の方へ向かった事を確認し、
「ワーガルルモン!!」
「メタルグレイモン!」
「ああ!」
「任せろ!」
2人の言葉に、メタルグレイモンとワーガルルモンが飛び立つ。
2体はパロットモンとオオクワモンが戦っている場所へ向かい、
「ポジトロンブラスター!!」
メタルグレイモンが右腕の陽電子砲で、2体の間に威嚇射撃を放った。
「「ッ!?」」
それによって2体の注意がメタルグレイモンとワーガルルモンに向いた。
「むっ!?」
「なんだぁ!? テメエらは!?」
パロットモンが声を漏らし、オオクワモンがガラの悪い声で問いかける。
「争いを止めろ!」
「ここでの争いは、関係無い者達を巻き込む!」
メタルグレイモンとワーガルルモンがそう言うが、
「はぁ? 知ったこっちゃねえな、そんな事!」
「いずれこの地も我の物になる。我の物をどう扱おうと我の勝手だ」
「は? 何言ってやがる!? ここは俺様の物になるんだよ!!」
オオクワモンもパロットモンも、好き勝手なことを言う。
「ええい! どちらも為政者としては最悪だな………!」
その言葉が聞こえたクラウディアは、頭を痛める。
「どっちが勝ってもこの地のデジモン達にとっては最悪ですよ!」
エミリアもそう言う。
「ならば! 力尽くでも止めてやる!」
「仕方ない!」
メタルグレイモンはパロットモンへ、ワーガルルモンはオオクワモンへ向かう。
「邪魔をするな!」
パロットモンは頭部の触覚から電撃を放つ。
「ふん!」
メタルグレイモンは右腕を薙ぎ払ってその電撃を掻き消すと左腕を向け、
「トライデントアーム!!」
「ぐわっ!?」
左腕の爪を射出し、パロットモンの頭部に直撃させて怯ませる。
「こんにゃろ!」
オオクワモンは、向かってくるワーガルルモンに右腕を振るうが、ワーガルルモンは高速移動でその一撃を躱し後ろに回り込むと、
「はっ!」
「ぐおっ!?」
蹴りを食らわせて怯ませた。
「ぐっ! ち、畜生! テメエら! 何やってやがる! さっさと攻撃しろ!」
「総員攻撃!」
オオクワモンとパロットモンが、配下のデジモン達に呼びかける。
配下のデジモン達は、一瞬狼狽えるも、命令通りに攻撃を始めた。
「う~ん! う~ん!」
浮島では、1匹の幼年期デジモンが倒れた木に挟まって動けなくなっていた。
すると、
「大丈夫?」
カトレアが近付き、幼年期デジモンの上に乗っている木々を退かしていく。
少しずつどけていき、時間をかけて幼年期デジモンを救い出すカトレア。
「よいっしょ!」
カトレアはそのデジモンを両手で拾い上げた。
「ありがとう!」
手の上で喜びを示すようにピョンピョンと飛び跳ねる幼年期デジモン。
カトレアのその手は、擦り傷が見て取れる。
それでもカトレアは笑みを浮かべていた。
「……………………」
ディアトリモンはその様子を見て、何かを感じていた。
その時、攻撃によってボロボロになっていた木が、カトレアに向かって倒れかかった・
「ッ!?」
カトレアが気付くが、逃げる時間は無い。
しかし、
「あぶない!」
ディアトリモンが咄嗟に駆け込んできて、体当たりでその木を吹き飛ばした。
「大丈夫か? カトレア」
「ディアトリモンさん! ありがとうございます!」
「いや、無事でよかった」
ホッと息を吐くディアトリモン。
それから上空の戦いに目をやると、メタルグレイモンとワーガルルモンが、多勢に無勢で苦戦している光景が映った。
正直、メタルグレイモンの殲滅力があれば、全滅させることは可能だろう。
しかし、極力殺さないように戦っているため、2体は苦戦を強いられていた。
「ッ…………私が、空を飛べれば…………!」
戦いは空高くで行われているため、ディアトリモンでは戦いに介入できない。
悔しそうな表情でそう零す。
すると、
「飛べます」
カトレアが語り掛けた。
「あなたなら、飛べます」
「し、しかし…………」
カトレアの言葉に、戸惑いを見せるディアトリモン。
すると、カトレアはディアトリモンの背によじ登り始めた。
「カトレア!?」
ディアトリモンは慌てて身を屈め、翼を支えにしてカトレアを補助する。
「よい………しょっと………!」
カトレアはディアトリモンの背に乗ると、
「1人で不安なら、私も一緒です」
そう言って笑みを浮かべる。
「カトレア………」
「私は、あなたが飛べると信じています。だから、あなたも信じてください」
「カトレア……………」
疑いを何一つ持たないカトレアの言葉に、ディアトリモンは不思議な感覚を覚えた。
ディアトリモンは目を伏せる。
(何故だろう? 彼女の言葉なら信じられると思うのは………)
ディアトリモンは内心呟く。
(…………私が今まで飛ぼうとしていた時、心の何処かで飛べるわけが無いと諦めを持っていた…………なのに………彼女の言葉を聞くと、その思いすら拭い去ってくれる………!)
ディアトリモンは再び目を開けると、
「カトレア………私は………飛ぶ!」
「はい。あなたなら飛べますよ、ディアトリモン」
その言葉に、ディアトリモンは笑みを浮かべる。
「ゆくぞ! カトレア!」
「行きましょう! ディアトリモン!」
ディアトリモンはカトレアを背に乗せたまま駆けだした。
向かう先は、小高い丘。
その頂上に向かってディアトリモンは駆ける。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ディアトリモンの声が聞こえ、空中で戦っていたサンダーバーモン達が振り返る。
「な、何だ!? 何をしているんだあいつ!?」
「あいつ……! まさか!?」
彼らの視線の先で、ディアトリモンは丘の切り立った崖から踏み切ろうとしていた。
「私はっ………飛べるっ!!!」
「はいっ!」
ディアトリモンの言葉に、カトレアは迷いなく頷く。
ディアトリモンの背を掴むカトレアの右手から光が溢れた。
その光がディアトリモンを包む。
その瞬間、ディアトリモンは崖から踏み切った。
空中へ跳び上がるディアトリモン。
空中へ向かっていたディアトリモンは、やがて勢いを無くして下降を始める。
だが、
「飛べる……! 飛べる!」
「飛べます……! あなたなら!」
ディアトリモンは、精一杯翼を広げる。
「私は………!」
「あなたは………!」
「「……飛べる!!」」
2人の声が重なった瞬間、ディアトリモンを覆っていた光が翼から伸長し、大きな翼を形作った。
バサッ、と言う力強い音と共に、光の翼が羽ばたく。
失速し、墜落を始めていたディアトリモンの身体が浮き上がる。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
羽ばたく度にディアトリモンの飛行速度は加速し、戦闘空域に向かっていく。
「なっ!? ディアトリモンが!?」
「飛んでる!?」
サンダーバーモン達が驚きの声を漏らす。
そして、
「ディアトリモン、超進化ぁぁぁぁぁっ!!」
光が更に強く輝き、ディアトリモンを覆いつくす。
光の翼の中から現れたのは、大きな漆黒の翼。
金色の仮面を付けた長い嘴。
その姿は巨大なカラスの様だが、その足は3本ある。
それは、日本の伝説上の鳥である『八咫烏』のような妖鳥型デジモン。
「ヤタガラモン!!」
進化したヤタガラモンはその漆黒の巨大な翼を羽ばたかせる。
巻き起こる暴風が、周辺のデジモン達のバランスを崩し、行動不能に陥らせ、
「
漆黒の翼から放たれる光がデジモン達の視界を奪う。
ヤタガラモンの背中では、カトレアが水色のデジヴァイスを手にしていた。
ヤタガラモンが翼を羽ばたかせてパロットモンとオオクワモンへと向かっていく。
「これ以上、この島を巻き込むのは止めて貰おう!」
そう言い放つヤタガラモン。
「なっ!? テメェ!」
「進化したからと言って調子に乗るな!」
オオクワモンがヤタガラモンへ向かっていき、パロットモンが電撃を溜める。
すると、ヤタガラモンが脚へエネルギーを溜め、
「
それをエネルギー波として放った。
「ぬわっ!?」
放たれたエネルギー波は、衝撃でオオクワモンを吹き飛ばし、パロットモンが放った電撃と衝突する。
しかし、
「はぁああああああああああああっ!!」
「な、何っ!?」
パロットモンの電撃を一方的に押し切り、そのままパロットモンを吹き飛ばした。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
それぞれ近くの浮島に墜落した2体は、
「な、何だってんだ畜生!?」
「何故進化したばかりで、これほどの力を………!?」
2体は納得いかなそうに声を荒げる。
すると、
「これが、人間と絆を結んだデジモンの力だ」
メタルグレイモンがヤタガラモンの横に並びながらそう言う。
「そう。絆を結んだ人間の思いは、俺達を何処までも強くしてくれる!」
同じようにワーガルルモンもヤタガラモンの隣へ並びながら言った。
「オ、オオクワモン様! ここは退くべきでは!?」
「パロットモン様!」
2体の配下のデジモン達が撤退を進言する。
しかし、
「ふ、ふざけるなぁ!」
オオクワモンが、右腕の鋏で配下のクワガーモンを鷲掴みにする。
「オ、オオクワモン様!? 何を!? ぎゃぁああああああああっ!?」
オオクワモンは配下のクワガーモンを切断するとそのデータを吸収する。
「絆など、この我には必要無い!!」
パロットモンも配下に向かって電撃を放つ。
「いかん!」
ヤタガラモンは、咄嗟に近くにいたサンダーバーモン達の前に立ちはだかり、電撃を防ぐ。
「お、お前………何故………?」
サンダーバーモンが呆気に取られながら問いかける。
「………身体が勝手に動いただけだ」
ヤタガラモンはそう言う。
しかし、それ以外のデジモン達はデータに分解され吸収されていく。
「くっ! 気でも触れたか!? 味方を攻撃するなど!」
クラウディアが叫ぶ。
しかし、両者は配下のデジモン達を蹂躙し、そのデータを喰らっていく。
すると、
「何が絆だ! そんなもの圧倒的な力の前には無意味!」
「王とは孤独なもの! 友や仲間など居らぬわ!!」
2体が光に包まれていく。
「これは………!」
「進化の光!?」
クラウディアとエミリアが驚く。
パロットモンは黄金の鎧を纏った巨鳥型のクロスモンへ。
オオクワモンは、黒い甲殻に身を包んださらに大型の昆虫型デジモンのグランクワガーモンへと進化を遂げた。
「「「なっ!?」」」
その進化を見た3体が驚く。
「部下のデジモンを犠牲に進化しただと…………!」
その事実に、クラウディアは拳を握りしめながら怒りを感じていた。
「部下殺しなど、上に立つ者として一番やってはいけない事だ!!」
貴族として、領民や家臣を大切にするよう教わって来たクラウディアにとって、進化した2体のやった事は到底許せることでは無かった。
「ワーガルルモン!!」
「カイザーネイル!!」
クラウディアの叫びに応え、ワーガルルモンがグランクワガーモンに攻撃を仕掛ける。
だが、
「ぐっ!?」
グランクワガーモンの甲殻の前に、傷一つ付ける事は出来なかった。
「メタルグレイモン!」
「ギガデストロイヤー!!」
メタルグレイモンが胸のハッチからミサイルを発射する。
そのミサイルはクロスモンに直撃し、爆炎に包まれた。
しかし、その煙の下から現れたクロスモンには傷一つ無かった。
「そんな………!」
次の瞬間、グランクワガーモンとクロスモンが動き出した。
羽を羽ばたかせ、瞬時に近付いてきたグランクワガーモンの一撃を、ワーガルルモンは何とか回避する。
しかし、グランクワガーモンは瞬時にワーガルルモンの背後へ回り込んだ。
「速いっ!?」
そのまま背中から右腕による一撃を受ける。
「うわぁああああああああああああっ!?」
ワーガルルモンは墜落し、岩山に激突する。
「ワーガルルモン!?」
クラウディアが悲痛な声を上げる。
一方、メタルグレイモンはクロスモンの突撃を避ける事ができず、防御態勢を取ったのだが、
「ぐああああっ!?」
クロスモンは防御など物ともせずにメタルグレイモンを吹き飛ばした。
そのままエミリア達の近くに激突する。
「きゃあっ!?」
「リアッ!」
地面が激しく揺れ、エミリアが悲鳴を上げる。
クラウディアが駆け寄ろうとしたが、激突の衝撃により、浮島に罅が入り、一部が崩落していく。
「しまっ……!?」
クラウディアはその崩落に巻き込まれ、空中へ投げ出されようとした。
「ッ! クラウッ!!」
その瞬間、エミリアが駆け寄ってきて間一髪その手を掴む。
「リアッ!?」
クラウディアは宙吊り状態となり、エミリアが必死にその手を掴んでいる。
「ううっ………!」
エミリアは苦しそうな声を漏らした。
「リア! くっ!」
クラウディアは何とか這い上がろうとしたが、崩れた場所が出っ張る様に残った状態だったため、手や足が掛けられる場所が無い。
しかも、出っ張った場所がピシッと嫌な音を立てた。
「手を放せ! リア! お前も落ちるぞ!」
「嫌です! 諦めないでください! クラウ!」
「だが、このままでは2人とも……!」
そんな2人に気付き、
「ッ! ヤタガラモン!」
カトレアがヤタガラモンに呼びかける。
「分かった!」
ヤタガラモンが2人を助けようと旋回するが、その眼前を電撃が遮った。
それは、
「ふふふ………何とも面白い状況になっているな………」
クロスモンがそう呟く。
「くっ! エミリア!」
「クラウディア!」
メタルグレイモンとワーガルルモンが2人を助けようと飛び立つが、
「おっと、そうはいかねえな!」
グランクワガーモンが飛び立ったワーガルルモンをその顎で掴み取った。
「し、しまった!」
「ワーガルルモン!」
掴まったワーガルルモンにメタルグレイモンが声を上げるが、
「俺の事はいい! 先に2人を!」
ワーガルルモンはそう叫ぶ。
「くっ! 分かった!」
メタルグレイモンはその言葉を信じ、振り切って2人の元へ向かう。
しかし、その前にクロスモンが立ちはだかった。
「邪魔をするな!」
メタルグレイモンは右腕の刃状の砲身でクロスモンに斬りかかる。
しかし、クロスモンはその一撃を片手で受け止めた。
「くっ! トライデントアーム!!」
押しても引いてもビクともしなかったメタルグレイモンは、至近距離で左腕の爪をクロスモンに向け、射出した。
だが、ガキンと甲高い音を立てて弾かれる。
しかも、攻撃した方の爪が砕けてしまった。
クロスモンはそのまま力任せにメタルグレイモンを浮島に投げつける。
メタルグレイモンの巨体は軽々と投げ飛ばされ、浮島に激突した。
「メタルグレイモン!?」
ワーガルルモンが叫ぶが、
「おっと、お前は自分の身の心配をするんだな」
グランクワガーモンがワーガルルモンを捉えている顎に力を込める。
「ぐぁあああああああっ!?」
身体が締め付けられ、ワーガルルモンが悲鳴を上げる。
「おっと、そう簡単にくたばってくれるなよ?」
グランクワガーモンは、猫がネズミをいたぶる様に少しずつ力を加えながら、楽し気に呟いた。
エミリアとクラウディアのいる場所は、メタルグレイモンが激突した影響で今にも崩れそうだった。
「もう限界だ! 手を放せ! リア!」
クラウディアはエミリアにそう言う。
「ッ………!」
エミリアは掴むのに必死な表情をしていたが、決して放そうとはしない。
「リア!」
クラウディアは再度呼びかける。
すると、
「その者の言う通りだぞ?」
突然クロスモンが話しかけてきた。
「その手を放すだけでお前は助かるのだ。そのままであれば、2人とも死ぬ。どうせなら、どちらかが助かった方がいいとは思わんか?」
まるで誘惑する様な口振りで問いかける。
「ッ! 奴の言う通りだ! このままでは2人とも助からない! せめてお前だけでも……!」
クラウディアはそう言うが、
「嫌です!」
エミリアは更にしっかりとその手を握る。
「約束したじゃないですか………2人で一緒に幸せになるって………」
エミリアは涙を浮かべながらそう言う。
「リア………」
「私だけが生き残ったって、そこにクラウが居なかったら意味がありません………私は、クラウと一緒に幸せになりたいんです…………!」
「リア、何故そこまで私の事を………」
「ッ…………」
その言葉に、エミリアは一瞬躊躇するように言葉を詰まらせた後、
「…………だって」
何かを決意したように口を開いた。
「………だって、『友達』じゃないですか…………」
「ッ………!? 友……達…………?」
その言葉に驚くように復唱するクラウディア。
「クラウにとって、平民の私が友達だなんて、迷惑に思うかもしれません………だけど、だけど………私はクラウの事が大事で………もっと仲良くなりたくて………『友達』で……いたくて…………!」
自らの心の内を打ち明けるエミリア。
「だから………! この手を放しちゃったら、私にその資格は無くなっちゃうんです……! だから、この手は絶対に放しません!」
「リア………!」
その言葉に、クラウディアも涙を浮かべる。
しかし、
「ふん、つまらん」
クロスモンは興が削がれたと言わんばかりに吐き捨てた。
「もういい。消えろ」
2人に向かって電撃を溜めるクロスモン。
そして、容赦なく放った。
「エミリアさん! クラウディアさん!」
カトレアが叫ぶ。
「「ッ………!?」」
2人がその光景に息を呑んだ瞬間、その前にメタルグレイモンが立ちはだかった。
爆発に包まれるメタルグレイモン。
「メタルグレイモン!?」
声を上げるエミリア。
だが、メタルグレイモンはボロボロになりながらも2人の前に立ち塞がっていた。
「チッ、まだ動けたか………」
舌打ちするクロスモン。
しかし、メタルグレイモンは満身創痍。
まともに戦えそうには無かった。
クロスモンも、それが分かっているのか余裕の態度を崩さない。
すると、
「……………漸くわかった」
突然メタルグレイモンが話し出した。
「今まで僕を『進化』させてきたエミリアの心…………」
メタルグレイモンは目をつむったまま静かに続ける。
「それは…………『勇気』………!」
目を開くと同にそう告げる。
「『勇気』…………」
エミリアが呟く。
「何の話だ?」
クロスモンは訳が分からないと口を開く。
だが、
「そして今………エミリアは今までで最高の『勇気』を出した………!」
その言葉と共に、エミリアのデジヴァイスからオレンジ色の光が漏れ出し始め、メタルグレイモンの身体がオレンジ色の光に包まれていく。
「その『勇気』が…………僕に更なる『力』を与えてくれる…………!」
次の瞬間、エミリアのデジヴァイスから光が放たれ、メタルグレイモンのすぐ上に太陽のような紋章を浮かび上がらせた。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
メタルグレイモンの咆哮と共に、機械化されていた頭部の装甲、胸のハッチ、両腕が分離する。
メタルグレイモンの本体は更に強い光に包まれ上昇。
「メタルグレイモン! 究極進化ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
太陽のような紋章を通り抜けると、その形は3m程の人型となる。
続けて、分離した各パーツが紋章を通り抜けると、胸のハッチは2つの赤い装甲となり、両足の脛に装着される。
頭部の装甲は、黄金に輝くシールドとなり、通り抜けた紋章と同じ紋章が刻まれ、更に2つに分離して背中に翼のように装着された。
そして、両腕のパーツは黄金の小手となって両腕に装着。
更にその先から、3本の刃が飛び出し、爪の様な武器となる。
それは、グレイモン系デジモンの究極体。
絶大なパワーを誇る竜人型デジモン。
「ウォーーーーーグレイモンッ!!!」
名乗りを上げるウォーグレイモン。
「メタルグレイモンが………進化した!?」
驚愕の声を漏らすエミリア。
「……………………」
ウォーグレイモンがクロスモンを見据えると、
「はぁああああああああああああああっ!!!」
一瞬にしてクロスモンに接近。
腕に装着されている武器『ドラモンキラー』で攻撃する。
「ぐわぁああああああああああああああああああっ!?!?」
その一撃は、クロスモンの装甲を貫き、確実なダメージを与える。
しかし、その攻撃の余波が最後の切っ掛けとなった。
エミリアとクラウディアがいた場所の足場が崩れる。
「「きゃぁあああああああっ!?」」
「ッ! エミリア! クラウディア!」
ウォーグレイモンは2人を助けようとクロスモンに背を向け、
「行かせんぞ!」
その足をクロスモンが掴んだ。
「貴様!」
「おのれの無力さを思い知るが良い!」
「邪魔をするな!」
ウォーグレイモンは振りほどこうとするが、クロスモンは意地でも離そうとしなかった。
落ちていく2人。
「クラウ……ごめんなさい………」
「何を謝る?」
落下しながらエミリアはクラウディアに謝っていた。
「結局、クラウを助ける事が出来ませんでした………」
「気にするな………それよりも、私は嬉しかった」
「えっ………?」
「私を、『友達』と言ってくれた事だ」
「クラウ………」
「リア…………お前が平民だろうと関係無い………お前は、私の最高の『友達』だ!」
クラウディアは最高の笑みを浮かべながらそう言った。
「クラウ………!」
エミリアは感動で声を震わせ、涙を浮かべる。
すると、今度はクラウディアのデジヴァイスが青い光を放ち始めた。
「これは…………」
「まさか………私にも出来るのか…………?」
クラウディアは赴くままにデジヴァイスを上空へ、ワーガルルモンの方へ掲げた。
「ワーガルルモン!!」
クラウディアが己のパートナーの名を叫ぶ。
その瞬間、デジヴァイスから青い光が放たれた。
その光はグランクワガーモンに捕らえられているワーガルルモンの見える位置まで上昇すると、手をつなぎ合わせた様な紋章を浮かび上がらせた。
ワーガルルモンがその紋章を目にした瞬間、青い光に包まれる。
そして、
「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
今までビクともしなかったグランクワガーモンの顎を、両腕で抉じ開ける。
「な、何だと!?」
グランクワガーモンが驚愕するが、ワーガルルモンはその顎から脱出すると、一直線に浮かび上がった紋章へ向かった。
青い光と共に、ワーガルルモンの背中の8枚の鋼鉄の翼が分離。
ワーガルルモンはそのまま紋章を通り過ぎると、4足歩行の青い光の狼となる。
そして、一拍遅れて8つの鋼鉄の翼が紋章を通り過ぎると、それぞれが各パーツとなる。
「ワーガルルモン! 究極進化ぁぁぁぁぁぁっ!!」
光の身体に、変化した各パーツが装着されていく。
前足、後ろ足、胴体、頭部。
そうして現れたのは、身体中を機械化した蒼き狼。
各部に武装を隠し持ち、絶大な火力を誇るサイボーグ型デジモン。
それは、背中のウイングからビーム状のウイングを展開させ、超スピードでエミリアとクラウディアに追いつき、そのまま雲の中に突っ込む。
そして、
「メタルガルルモン!!!」
名乗りを上げると同時に、雲の中から2人を背に乗せてその姿を現した。
「メタル……ガルルモン………?」
クラウディアが呟く。
「そうだ。クラウディアの『友情』の心が、俺を更なる進化へと導いた」
「私の……『友情』……?」
「エミリアが『勇気』なら、クラウディアは『友情』。クラウディアの『友情』が俺の進化の源だったんだ!」
メタルガルルモンはそのまま上昇し、ウォーグレイモンを掴んでいるクロスモンに狙いを定める。
そして、両肩のミサイルランチャーから合計6発のミサイルを放った。
そのミサイルは煙の尾を引き、クロスモンの各部に着弾した。
「ぐおっ!?」
その衝撃でクロスモンはウォーグレイモンを手放す。
ウォーグレイモンは体勢を整えると、
「大丈夫か、ウォーグレイモン!」
「メタルガルルモン!」
近付いてきたメタルガルルモンと合流する。
その背に乗る2人が無事な事にホッとすると、クロスモンに向き直った。
すると、そこには体の半分近くを凍り付かせたクロスモンの姿があった。
「凍っている?」
クラウディアが声を漏らす。
「そうだ。俺の属性は氷属性なんだ。クラウディアと一緒だな」
そう言いながらメタルガルルモンは笑みを浮かべた。
「私と……一緒…………あっ!」
その時、クラウディアは初めてあった頃の大士の言葉を思い出した。
それは、
『クラウディアとガルルモンの相性は抜群だと思うぞ』
そう言われていたのだ。
「…………タイシは………最初から分かっていたのだな…………」
まるで愛しく思うように微笑みを浮かべながら呟く。
「クラウ?」
そんなクラウディアの様子にエミリアは首を傾げた。
すると、ヤタガラモンが近付いてくる。
「無事で何よりだ」
ヤタガラモンがそう言うと、
「ヤタガラモン! この2人を頼む!」
メタルガルルモンは、背中に乗る2人をヤタガラモンに預ける。
「任された!」
ヤタガラモンは、2人を背に乗せると、少し距離を取った。
究極体の戦いには介入できないと察しているからだ。
「行くぞ! メタルガルルモン!」
「ああ! ウォーグレイモン!」
ウォーグレイモンはクロスモンへ。
メタルガルルモンはグランクワガーモンへ向かっていく。
「くっ! 調子に乗るなぁ!」
クロスモンは氷を砕いて振りほどくと、ウォーグレイモンへ突撃する。
「カイザーフェニックス!!」
クロスモンは全身に光を纏ってウォーグレイモンへと突撃。
それに対し、ウォーグレイモンは、
「ブレイブトルネード!!」
ドラモンキラーを頭上で合わせ、高速回転を行い黄金の竜巻となる。
そして交差。
その結果は、
「ぐはぁっ!?」
クロスモンの片翼が捥ぎ取られていた。
片翼を失った事で、クロスモンは上手く体勢を整える事が出来なくなり、何とか振り返った所で、
「なぁっ!?」
絶望的な声を漏らした。
なぜなら、ウォーグレイモンが両手を上に掲げ、頭上に巨大なエネルギー球を作り出していたからだ。
それは、大気中のエネルギーを圧縮し、球状にして放つ必殺技、
「ガイアフォース!!」
ウォーグレイモンは投げつけるようにそれを放つ。
片翼が無くなったクロスモンは、それを避ける事が出来ず、
「ぐわぁああああああああああああああああああああっ!?!?」
そのエネルギー球に呑み込まれ、そのまま後方の無人の浮島に直撃。
跡形もなく消し去った。
一方、
「今度こそ斬り刻んでやる!!」
グランクワガーモンがメタルガルルモンに向かってくる。
メタルガルルモンは、先程と同じように、肩のミサイルランチャーから6発のミサイルを発射。
だが、
「そんなもんに当たるかよ!」
グランクワガーモンは素早い機動でそのミサイルを躱す。
ミサイルには追尾機能もあったが、グランクワガーモンは、そんなもの物ともせずに振り切った。
「はっ! 俺様に当てたかったらこの3倍は持ってこい!!」
グランクワガーモンはそんな事を言う。
「……………そうか」
メタルガルルモンはニヤリと笑って見せると、身体中の装甲を展開。
その下にある無数の砲口やミサイルランチャーが露になる。
「へっ?」
それを見て。グランクワガーモンは素っ頓狂な声を漏らす。
「たった3倍では失礼だ。遠慮せずに受け取ってくれ」
その武装を一斉に放つ。
それが、
「グレイスクロスフリーザー!!」
無数のミサイルが放たれ、全方位からグランクワガーモンに襲い掛かる。
「ちょ、タンマ! こんなの聞いてな………ぎゃぁあああああああああああああっ!?!?」
身体中に着弾し、グランクワガーモンを凍り付かせていく。
凍り付いて動かなくなった所に、メタルガルルモンは口の中に絶対零度の冷気を集中させ、
「コキュートスブレス!!」
全てを凍てつかせる息を放った。
グランクワガーモンは成す術無く身体の芯まで完全に凍り付き、バラバラに砕け散った。
「わぁ………」
「これが、究極体の力………」
エミリアとクラウディアがその力に思わず声を漏らした。
「クラウ」
突然エミリアに話しかけられ、クラウディアがそちらを向くと、
「絶対に2人一緒に幸せになりましょうね」
笑みを浮かべながらエミリアが言った。
その笑みに、クラウディアも笑みを浮かべ、
「ああ。2人一緒に……な」
改めてその思いを口にするのだった。
オリジナル異世界編第43話です。
今回はエミリアとクラウディアとカトレアでした。
カトレアのパートナーのヤタガラモンは、セイバーズや深淵卿のパートナーのヤタガラモンではなく、原種の方です。
なのでその進化先は…………
で、メタルグレイモンとワーガルルモンも進化しました。
2人の進化はエミリアの『友達』と告白する勇気と、クラウディアの『友情』で進化する事は決めていたのでこんな感じに。
でも、当初とはかなーりストーリーが変わってきているので擦り合わせに苦労しました。
なのでちょいちょい違和感が………?
次はカイルとティファニアですね。
さて、一体どうなるのか!?
カンナのパートナーは?(候補追加)
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クズハモン
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アポロモン
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ミタマモン
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その他