ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第45話 それぞれの合流

 

 

 

キングエテモンを倒した俺達は、キングエテモンによって壊された出入り口の周囲の片付けを手伝っていた。

その作業を始めてしばらくすると、

 

「………………ん?」

 

空気が震えるというか、何かが近付いてきている様な気配を感じた。

それは他の皆も感じたようで、作業の手を止め、それぞれが空を見上げている。

そして、

 

―――ゴォッ!

 

突然起きた突風と共に、何かがこのスポットの上空を横切った。

 

「くっ………!」

 

俺は咄嗟に腕で顔を庇う。

少しして突風が収まると、

 

「………一体なんだ?」

 

俺は再び空を見上げる。

するとそこには、巨大なドラゴン型のデジモンが飛んでいた。

しかも、そのデジモンは、

 

「インペリアル…………ドラモン…………」

 

アニメにも出てきた、皇帝竜と呼ばれる古代竜型のデジモンだった。

そのインペリアルドラモンは、湖の近くにある広場にゆっくりと着陸する。

 

「大士!」

 

ドルモンや他の皆が俺の近くに駆け寄ってくる。

警戒しながらインペリアルドラモンを見据えると、

 

「大士、あれってインペリアルドラモンだよね?」

 

葵がそう聞いてくる。

 

「ああ」

 

俺はその言葉に頷く。

すると、インペリアルドラモンの背中から光が伸び、そこから複数のデジモン達が地面に降り立つのが見えた。

更に、その複数のデジモンに混じって、

 

「「「タイシ!!」」」

 

俺の名を呼びながら掛けてくる3人の人影。

それは、

 

「シャルロット! アリス! エリス!」

 

光の柱で行方不明になっていた、3人の恋人達だった。

思わず俺からも駆け寄り、3人を抱きしめる。

 

「3人とも………無事でよかった………!」

 

3人が無事だったとこに、俺は安堵の息を零す。

俺は3人から離れると、インペリアルドラモンを見上げる。

 

「………そうなると、このインペリアルドラモンは、アリスとエリスのパイルドラモンが究極体に進化したのか」

 

俺がそう推測すると、

 

「ええ、その通りよ」

 

「パイルドラモンが究極体に進化したインペリアルドラモン」

 

2人が自慢げに語った。

すると、

 

「タイシ、私からも紹介する」

 

シャルロットがそう言って来た。

シャルロットの後ろに居たのは、完全体デジモンのクレシェモン。

 

「新しく私のパートナーになったクレシェモン」

 

シャルロットがそう言う。

 

「よろしく」

 

クレシェモンがぺこりと頭を下げた。

 

「パートナー……!? シャルロットのか!」

 

純粋にそれには驚いた。

そして同時に、使い魔であるシルフィードもといイルククゥの立場がなくなるのでは?

と思っていたが、

 

「きゅいきゅい! ドルモンさま~~!」

 

「イルククゥ……苦しいよ………」

 

そのイルククゥは特に何の気にした素振りも見せずにドルモンに抱き着いていた。

その時、

 

「久し振りじゃな、ジジモン」

 

「おお……! ババモンではないか」

 

インペリアルドラモンに乗ってやってきたデジモンの中のババモンが、ジジモンに話しかけていた。

 

「すまぬが私達をここに住まわせてくれんかの? 私達のスポットは壊滅してしまったのじゃ」

 

「壊滅じゃと………!?」

 

ジジモンが驚いた声を漏らす。

 

「ああ、究極体の戦いに巻き込まれての。アリスとエリスのインペリアルドラモンのお陰で私達は助かったが、スポットは耐えきれなんだ」

 

「そうか………うむ。そう言う理由なら仕方あるまい」

 

「感謝する」

 

ジジモンはこのデジモン達を受け入れる事を決めたようだ。

 

「そう言えば、クラウディア達は居ないの?」

 

アリスがそう聞いてきた。

 

「ああ………ここに居ない皆は、アリス達と同じように光の柱に飲み込まれて別の場所に転送されたんだ………寧ろ、1日で合流できたアリス達は、運が良かったと言っていい」

 

「そうなんだ………」

 

「だが、こうしてアリス達が無事だったんだ。他の皆もきっと無事だ」

 

俺はそう信じて空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、遠く離れた空に、3体のデジモンがリアルワールド球の方に向かっていた。

それは、カトレアを背に乗せたヤタガラモン、エミリアを背に乗せたウォーグレイモン、そしてクラウディアを背に乗せたメタルガルルモンだった。

 

「随分遠くまで飛ばされたものだな………」

 

遠くに輝くリアルワールド球を見据えながらクラウディアが言った。

 

「ですが、目印があったのは不幸中の幸いですね」

 

エミリアがそう答える。

 

「旦那様が心配されている事でしょう………早く戻らないと………」

 

カトレアもそう口にする。

 

「ですね。クラウ、次にタイシさんと合流で来たら………」

 

「ああ。想いを伝えよう………2人一緒に………な」

 

「はい!」

 

クラウディアの言葉に、エミリアは嬉しそうに返事をした。

すると、

 

「ん?」

 

エミリアを乗せているウォーグレイモンが何かに気付いたように眼下を見た。

 

「どうしたの? ウォーグレイモン」

 

エミリアが聞くと、

 

「あれは…………」

 

ウォーグレイモンの視線を追ってエミリアが下を見ると、ウォーグレイモンに似たデジモンを無数の暗黒系デジモンが取り囲んでいた。

 

「………ウォーグレイモンに似てる………?」

 

エミリアが呟く。

すると、

 

「ッ………! あれはカイルとティファニアだ!」

 

メタルガルルモンが叫んだ。

 

「何ッ!?」

 

クラウディアが声を上げる。

 

「本当か!?」

 

「ああ! ウォーグレイモンに似たデジモンの背に、カイルとティファニアが乗っている!」

 

メタルガルルモンはセンサー類を使って判断したのか、そう叫ぶ。

 

「ッ! 助けないと!」

 

「分かってる! ヤタガラモン! エミリアを頼む!」

 

「こっちもクラウディアを!」

 

「分かった!」

 

ウォーグレイモンとメタルガルルモンは、それぞれのパートナーをヤタガラモンの背に乗せると、

 

「「うぉおおおおおおおおっ!!」」

 

そのデジモン達に向かって急降下を始めた。

 

 

 

 

 

一方、カイルとティファニア、そしてビクトリーグレイモンは、タクティモンを倒した後に、エミリア達と同じようにリアルワールド球に向かっていたのだが、突然現れたデビモンやデビドラモン、イビルモン、バケモンといった暗黒系デジモンに囲まれてしまったのだ。

そしてそれらを率いていたのは、

 

「何だぁ! テメエら! テメエらも天使デジモン共の回し者か!?」

 

骸骨のようなアンデット型完全体デジモンであるスカルサタモン。

 

「えっ?」

 

カイルは突然の事態に意味が分からず声を漏らすが、

 

「惚けやがって………まあいい! 見せしめだ! テメエらやっちまいな!!」

 

スカルサタモンは話を聞かずに部下達をけしかけた。

 

「くっ! やるしかないか……!」

 

聞く耳を持たないスカルサタモンに、カイル達が迎撃しようとして、

 

「うぉおおおおおおおおおおおっ!!」

 

突然上空から急降下してきたウォーグレイモンが、一番先頭のデビドラモンを殴り落とした。

 

「えっ………?」

 

ティファニアが声を漏らす。

その直後、無数のミサイルが降り注ぎ、デジモン達を氷漬けにしていく。

 

「な、なんだぁ!?」

 

スカルサタモンが驚愕すると、上空からメタルガルルモンが降下してくる。

 

「まだやるか?」

 

メタルガルルモンが脅しを含めてそう聞くと、

 

「く、くそ! 撤退だ!」

 

スカルサタモンは、生き残った部下を連れて逃げ出した。

ウォーグレイモンとメタルガルルモンは、それを確認すると、ビクトリーグレイモンに向き直った。

 

「お前達は………?」

 

ビクトリーグレイモンは、若干の警戒心を見せながらそう聞くと、

 

「カイル君! ティファニアさん!」

 

更に上空から、ヤタガラモンの背から手を振るエミリアの姿があった。

 

「エミリア!?」

 

「カトレアさんとクラウディアさんも……!」

 

ヤタガラモンの背に乗る3人に気付いたカイルとティファニアが驚きの声を上げる。

 

「そのデジモンは………」

 

「あっ、このデジモンはヤタガラモンといって、新しくカトレアさんのパートナーになったデジモンです」

 

エミリアがそう説明する。

 

「えっ? カトレアさんもテイマーになったんですか?」

 

ティファニアが声を漏らす。

 

「はい、私のパートナーのヤタガラモンです」

 

カトレアは微笑みながらそう答える。

 

「ところで、私()ということは、ティファニアさんも?」

 

カトレアが聞き返すと、

 

「ええ、まあ…………少し特殊ですけど………」

 

「特殊?」

 

その言葉に、カトレアは首を傾げる。

すると、

 

「出てきて、ミネルヴァモン」

 

ティファニアは自分のデジヴァイス――Dスキャナ――を取り出してそう言うと、液晶画面が輝き、1体の少女のようなデジモンが出てくる。

しかし、その身体は半透明で、実体が無かった。

 

「彼女が私のパートナーのミネルヴァモン。でも、今は魂の状態だから実体がないの」

 

『よろしくね。実体はないけど、戦う時はティファニアと一体化すれば力になれるよ』

 

「一体化?」

 

クラウディアが首を傾げる。

 

「あ、タイシ達が行うマトリックスエボリューションに近いものです。ミネルヴァモンの魂と一体化することで、私自身がデジモンに進化して戦えるようになるんです」

 

「そ、そんな事が出来るのか………」

 

その言葉にクラウディア達は唖然とする。

 

「ところで、そこにいる2体のデジモンは、もしかして………」

 

カイルがウォーグレイモンとメタルガルルモンに視線を向けながらそう言うと、

 

「はい! メタルグレイモンが進化したウォーグレイモンと………」

 

「ワーガルルモンが進化したメタルガルルモンだ」

 

エミリアとクラウディアが自分達の進化したパートナーを紹介する。

 

「やっぱり! 2人も究極体に進化する事が出来たんだね!」

 

カイルが嬉しそうにそう言うと、

 

「そう言うカイルも、もしや………」

 

クラウディアがビクトリーグレイモンに視線を向けながら聞き返すと、

 

「うん! ライズグレイモンが究極体に進化した、ビクトリーグレイモンだよ!」

 

カイルは誇らしげに言う。

 

「そうか………お前も究極体に………」

 

それを聞いて、クラウディアは何かを思案する様な表情になる。

 

「お前になら………リティナ様を任せられるな………」

 

小さくボソッと呟いた。

 

「えっ? 何か言った?」

 

その言葉を聞き取れなかったカイルが質問するが、

 

「いや、何でもない」

 

クラウディアはそう言ってはぐらかす。

すると、

 

「カイル! 何か来る!」

 

ビクトリーグレイモンが声を上げた。

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

その言葉に全員が警戒すると、スカルサタモン達が去った方向とは反対側から多数のデジモン達がやってくるのが見えた。

 

「「「「ッ!」」」」

 

パートナーデジモン達が警戒するように構えを取るが、

 

「待ちたまえ! こちらに交戦の意思はない!」

 

そのデジモン達の中の1体、天使型デジモンのエンジェモンが前に出てきてそう言った。

 

「我々は、スカルサタモンが率いる暗黒デジモン軍団を討伐する為に編成された軍団だ」

 

「スカルサタモン?」

 

「もしかして、さっき追い払ったデジモン達でしょうか?」

 

クラウディアが声を漏らすと、エミリアがそう口にする。

 

「おお! では、あなた方がスカルサタモン達を撃退してくれたのですね!」

 

エンジェモンが喜びを表現しながらそう語る。

 

「え? まあ、成り行きですけど………」

 

エミリアが少し困惑しながら答える。

 

「やはり! 感謝いたします!」

 

エンジェモンを筆頭にデジモン達が頭を下げる。

 

「ええっ…………!?」

 

エミリアが更に困惑すると、

 

「我々を救ってくださった英雄達を持て為したいので、是非我々のスポットへお越しください!」

 

エンジェモンはそう言うと背を向け、

 

「ついてきてください!」

 

そう言って行ってしまう。

 

「な、何か押しが強いデジモンだね………」

 

カイルがそう言うと、

 

「どうしましょうか?」

 

カトレアが首を傾げる。

 

「ま、まあ、折角の善意をお断りするのも悪いでしょうし………」

 

「一先ず、ついて行くか………」

 

クラウディアの言葉に全員が頷き、エンジェモンの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、サーバー王国では更なる事態が動き出そうとしていた。

戴冠式が行われていないため未だ暫定だが、レオナルドが国王となって数日。

隣国であるブラウザ帝国から使者がやってきてたのだ。

とんでもない文を持って。

その文の内容は、この度皇帝が急死したため、皇子であるアルベルト・ド・ブラウザが即位した事。

これを機に、サーバー王国と同盟を結びたいということ。

そして、両国の結び付きを強くするため、リティナ王女を新皇帝であるアルベルトの妻に迎え入れたいという旨が記されていた。

だが、その記された同盟の条件は、同盟とは名ばかりの王国側が不利になるような内容ばかりであった。

特に、サーバー王国の次期国王には、アルベルト新皇帝とリティナ王女の間に生まれた子を置くという、明らかに国を乗っ取ろうとしている条件すら記されていた。

そして、あろうことかレオナルドはその条件を吞んだのだ。

その理由は、『帝国には究極体がいる』と言う使者の言葉だった。

未だ若く、才能はあっても経験は無く、国政を甘く見ていたレオナルドはあっさりと脅しに屈したのだ。

そして、それを聞いたリティナは迷うことなくレオナルドの居る執務室に怒鳴り込んだ。

 

「お兄様!! 何故あのような不利な条件を呑んだのですか!!」

 

執務机を乱暴に叩きながらリティナが怒鳴る。

 

「ッ………! 吞む他なかろう! 向こうには究極体が居るのだぞ!!」

 

怒鳴り返すレオナルド。

 

「例えそうだとしても、交渉をして少しでもいい条件を引き出すべきです!!」

 

「愚か者! それで心象を悪くして、更に不利な条件を出されたらどうする!?」

 

「そこを上手く交渉するのが国王としての役目でしょう!」

 

即座に言い返すリティナ。

 

「お父様であれば、少しでも交渉を長引かせ、次の手を打ったはずです」

 

「くっ………この状況で時間を稼いで何ができる!?」

 

机を殴りつけながら、レオナルドが叫ぶ。

リティナは溜息を吐き、

 

「時間さえ稼げれば、いずれタイシ殿達が戻って来たでしょう。フォルダ公爵にクラウディアを通してタイシ殿を説得して貰い、帝国の究極体だけでも何とかしてもらう………わたくしでもこの程度は思いつきます」

 

「ッ!?」

 

「とは言え、お兄様ではタイシ殿は元より、フォルダ公爵すら説得できそうにありませんが」

 

リティナは、今言ったのはフォルダ公爵と親しかったアスランだからできる策だという。

 

「とにかく、即座に同盟の条件を見直すべきです! このままではこの国は破滅しますよ!」

 

リティナはそう言って執務室を出ようと踵を返す。

 

「待て! お前にはアルベルト皇帝に嫁いでもらう!」

 

レオナルドはそう言うが、

 

「わたくしとて王族。この国の為に身を捧げる事はやぶさかではありません。ですが、今の条件ではこの国を滅ぼすだけです。そのような理由での結婚など、到底頷けるわけがありません」

 

リティナは拒絶の意思を示す。

リティナはそのまま執務室を出ようとしたが、

 

「兵士達よ! リティナを捕えよ!」

 

レオナルドが命令し、扉の前に居た護衛の兵士が槍をクロスさせてリティナの行く手を遮る。

 

「なっ!? お兄様!」

 

「お前には帝国に嫁いでもらう! これは王命だ! 拒否は許さん!」

 

リティナは驚愕するが、レオナルドは更に命令する。

 

「部屋に閉じ込めて一歩も外に出すな! デジモンとも引き離せ! デジモンはロイヤルナイツ5人に監視させろ!!」

 

「お兄様!!」

 

「数日中には帝国へ向かってもらうぞ、リティナ………!」

 

レオナルドは、狂気に満ちた表情でそう言い放った。

兵士達に連れていかれたリティナは、王族を軟禁する為の塔の最上階にある部屋に閉じ込められた。

エンジェウーモンとも引き離されたリティナに、個々から脱出する術は無い。

 

「……………………カイル」

 

リティナは、唯一ある窓から夜空を見上げ、自分の愛しい少年の名を零すのだった。

 

 

 

 

 

 







オリジナル異世界編第45話です。
ちょいとネタが少なくて短いです。
いや、進化する所のネタはあるのですが、流石に連続は不自然なので、少しは間を開けないと…………
さて、今回はそれぞれの合流と、王国側も少し入りました。
リティナがかなーりヤバい状況ですね。
そしてレオナルドは国王としてはダメダメで………
彼らの運命や如何に!?




カンナのパートナーは?(候補追加)

  • クズハモン
  • アポロモン
  • ミタマモン
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