ありふれた転生者はデジモンテイマー   作:友(ユウ)

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第47話 防衛戦

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

カイル達がホーリーエンジェモンの城に身を寄せてから数日後。

それは突然起こった。

 

―――ドゴォォォォォォン!!

 

爆発音が鳴り響く。

 

「な、何ッ!?」

 

カイルが宛がわれた部屋で飛び起きる。

すると、エンジェモンが駆け込んできた。

 

「皆さん!」

 

「エンジェモン! 一体何が!?」

 

カイルがそう聞くと、

 

「デーモン軍の攻撃です! 予想通り攻撃を仕掛けてきました!」

 

エンジェモンがそう答える。

そして、姿勢を正し、

 

「皆さんの力を、我々にお貸しください!」

 

頭を下げながらそう言った。

 

「もちろんです!」

 

カイルはそう答えると、皆と一緒に外へ駆けだした。

 

 

 

 

 

城の外では、ホーリーエンジェモン軍とデーモン軍の兵士であるデジモン達が、既に戦いを繰り広げていた。

 

「もうこんなに攻め込まれているなんて………!」

 

その様子を見て、カイルが声を漏らす。

 

「やはり、ホーリーエンジェモンの言った通り、戦力は向こうの方が上の様だな」

 

クラウディアが冷静に分析する。

 

「なら、早く手伝わないと!」

 

エミリアが意気込んでそう言う。

 

「ああ、多数相手はメタルガルルモンの得意分野だ!」

 

クラウディアが頼もしくそう言った。

 

「では、私のヤタガラモンが、ここであなた達の護衛につきます」

 

「皆さんは、思いっきりやっちゃってください!」

 

カトレアとティファニアがそう言う。

 

「うん! お願いするね!」

 

カイルがそう言うと、3人はデジヴァイスを掲げる。

 

「リアライズ! ビクトリーグレイモン!!」

 

「リアライズ! ウォーグレイモン!!」

 

「リアライズ! メタルガルルモン!!」

 

3人の呼びかけに応え、デジヴァイスから3体の究極体デジモンが姿を現す。

 

「行くぞ!」

 

ビクトリーグレイモンが大剣を構えて地上の戦いへと向かい、ウォーグレイモンとメタルガルルモンが空中へと飛び立つ。

 

「成熟期のデジモンは俺に任せろ! ウォーグレイモン達は隊長クラスを!」

 

「分かった! 任せたぞ!」

 

メタルガルルモンの言葉にウォーグレイモンは突撃していく。

メタルガルルモンは、各センサーでデーモン軍のデジモンだけをロックオンしていき、

 

「グレイスクロスフリーザー!!」

 

身体中の武装を展開し、無数のミサイルを放つ。

そのミサイルは、味方のデジモンを避けるように動き、敵のデジモンだけに着弾する。

一発一発の威力は大したことが無いとはいえ、それでも成熟期のデジモンを一撃で倒すだけの威力はある。

ミサイルに当たったデジモンは、一瞬にして凍り付き、砕け散っていった。

一方、

 

「うぉおおおおおおおおおっ!!」

 

ウォーグレイモンは、各小隊を率いる隊長格のデジモン達に突撃し、一撃の下に殴り飛ばしていく。

当然反撃は来るが、究極体であるウォーグレイモンそのものの防御力と、ウォーグレイモンの纏うクロンデジゾイドの鎧の防御力の前には、多少の攻撃は無意味。

強引に突っ切りながら、数を減らす事を最優先にしていた。

更に、

 

「ふんっ!!」

 

ビクトリーグレイモンの叩きつけるように振るった大剣が地面を砕き、周辺のデジモン達を吹っ飛ばす。

押され気味だったホーリーエンジェモン軍は、3体の究極体の介入で、勢いを取り戻そうとしていた。

 

 

 

 

その様子を、後方から眺める視線があった。

 

「ほう………あれがお前から報告があった者達か………」

 

赤いローブを纏い、悪魔のような翼を持ったデジモンが、傍らにいたスカルサタモンに問いかけた。

 

「は、はい………! 奴らの邪魔が無ければ、今頃は………!」

 

「確かに奴らの力は、貴様の実力では荷が重いだろう…………」

 

ローブを纏ったデジモンは、納得したような口振りでそう言う。

 

「どれ………少し試してやるとするか………」

 

「で、デーモン様直々にですか!?」

 

スカルサタモンが、驚きながらそう口にした。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁああああああああああっ!!」

 

ウォーグレイモンが、またデーモン軍の隊長格の完全体を殴り飛ばす。

 

「くっ! 数が多い!」

 

強さこそウォーグレイモンの足元にも及ばないが、数の暴力は脅威だ。

 

「だが、ここで食い止めなければ、クラウディア達の世界が……!」

 

メタルガルルモンは無数のミサイルを放ちながら、何とか堪えようとする。

 

「絶対に負けられない!!」

 

ビクトリーグレイモンが、叫びながら大剣を振り回す。

だがその時、

 

「ッ!?」

 

ウォーグレイモンが何かに気付き、回避行動を取った。

その直後、凄まじい炎が先程までウォーグレイモンが居た場所を通過する。

 

「何だ………!?」

 

直撃していれば、ウォーグレイモンでも唯では済まなかっただろう炎に息を呑む。

ウォーグレイモンが、炎が放たれた方向に視線を向けると、そこには赤いローブに身を包んだデジモンが居た。

 

「何者だ!?」

 

ウォーグレイモンが叫びながら問いかける。

 

「フッ……我が名はデーモン………」

 

「デーモン!? このデジモン達を率いている親玉か!」

 

それを聞いたウォーグレイモンが構える。

 

「だとしたら?」

 

デーモンが、フードから僅かに見える眼を細めながら聞き返すと、

 

「ここでお前を倒して、この戦いを終わらせる!!」

 

ウォーグレイモンがそう宣言する。

 

「ならばやってみるが良い」

 

デーモンは、余裕を持った声でそう告げた。

その瞬間、

 

「うぉおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ウォーグレイモンがドラモンキラーを振り被りながら突撃する。

 

「フッ………」

 

デーモンはひらりと横に避ける。

 

「はぁっ!」

 

ウォーグレイモンが反対のドラモンキラーを突き出すが、それを上昇して避ける。

 

「逃がすか!」

 

ウォーグレイモンがデーモンを追って上昇し、そのままドラモンキラーを突き出す。

ウォーグレイモンは、今度こそ捉えたと思った。

しかし、

 

「なっ!?」

 

驚愕の声を漏らす。

何故なら、デーモンはドラモンキラーを片手で掴んで止めていたからだ。

 

「この程度か?」

 

デーモンはそう言いながら軽くウォーグレイモンを投げ飛ばした。

 

「うわぁっ!?」

 

空中に投げられたウォーグレイモンは何とか制動を取るが、デーモンに向き直った時、デーモンは右手に炎を集中させていた。

 

「ッ!?」

 

「フレイムインフェルノ!!」

 

その手をウォーグレイモンに向けると、地獄の業火が放たれた。

 

「拙いっ!」

 

体勢を立て直したばかりのウォーグレイモンに、回避するだけの余裕はない。

 

「ブレイブシールド!!」

 

ウォーグレイモンは、背中の翼のような装甲を前面で合わせ、盾にする。

炎がブレイブシールドに直撃した。

 

「くっ……! 何て炎だ……!」

 

ウォーグレイモンは何とか防ぐものの押されていく。

 

「どうした? お前の力はその程度か?」

 

デーモンは炎の勢いを強める。

その様子から、まだまだ余力がある事を伺わせる。

しかしその時、

 

「ガルルトマホーク!!」

 

別方向から一発のミサイルがデーモンに着弾し、凍り付かせた。

 

「ウォーグレイモン! 大丈夫か!?」

 

メタルガルルモンが飛んでくる。

 

「メタルガルルモン………助かったぞ」

 

そう礼を言うと、氷漬けになったデーモンに目をやるが、デーモンを覆っていた氷に罅が入り、次の瞬間に砕け散る。

 

「くっ………!」

 

メタルガルルモンが声を漏らす。

 

「この程度で我を倒せると思ったか?」

 

デーモンが余裕の声で問いかける。

 

「何て奴だ………」

 

ウォーグレイモンは戦慄の声を漏らす。

 

「フフフ………」

 

デーモンは怪しい笑みを零す。

だがその瞬間、

 

「はぁああああああああああああっ!!」

 

ビクトリーグレイモンが大剣を振り被ってデーモンに斬りかかる。

デーモンは、片手でそれを受け止めたが、

 

「おぉらぁあああああああああああっ!!!」

 

「むっ………?」

 

ビクトリーグレイモンは大剣を強引に振り切り、デーモンを吹き飛ばした。

 

「ビクトリーグレイモン!!」

 

メタルガルルモンが嬉しそうな声で叫んだ。

だが、

 

「ほう? 少しはやる奴も居たか………」

 

それでもデーモンは余裕で体勢を立て直し、再び近付いてくる。

ビクトリーグレイモンは大剣を構えなおすと、

 

「皆。こいつは強い………! ここは力を合わせて戦うんだ!」

 

ウォーグレイモンとメタルガルルモンにそう言う。

 

「わかった!」

 

「ああ!」

 

2体は即座に頷いた。

すると、デーモンは笑うように目を細め、

 

「だが、我にばかりかまけていていいのかな?」

 

そう告げた。

 

「何ッ!?」

 

ビクトリーグレイモンが声を漏らした時、

 

「ヒャッハーーー! テメエらやっちまいな!!」

 

スカルサタモンが率いる部隊が別方向から城に向かっていた。

既にホーリーエンジェモン軍は、他のデジモン達を相手に手が一杯で、とてもそちらまで手が回りそうにない。

 

「なっ!? 別動隊が居たのか!?」

 

「拙いぞ! あそこにはクラウディア達が!」

 

ウォーグレイモンとメタルガルルモンが狼狽える。

2体が慌てて救援に向かおうとしたが、その目の前を炎が遮った。

 

「貴様達の相手は我では無かったのかな?」

 

嘲笑うようにそう言うデーモン。

その目は愉悦を浮かべている様だ。

 

「くっ!」

 

「このままでは……!」

 

ウォーグレイモンとメタルガルルモンは気が気でなかった。

しかし、

 

「……………………」

 

ビクトリーグレイモンだけは冷静なまま剣を構える。

 

「ほう? 人間達が心配ではないのかな?」

 

デーモンが神経を逆なでするようにそう問いかけて来るが、

 

「………………フッ」

 

ビクトリーグレイモンは、不敵に笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

スカルサタモンが城に攻め込んできた時、

 

「………ヤタガラモン、お願いします」

 

「分かっている!」

 

カトレアの言葉で、ヤタガラモンが飛び立つ。

 

「おおっと! テメエら、あいつを足止めしな!」

 

スカルサタモンの命令で、デビモンやデビドラモン達がヤタガラモンに殺到する。

 

「なっ!?」

 

相手が成熟期とは言え、数十体と群がられれば苦戦は必至だ。

そしてその隙に、スカルサタモンは無防備なエミリア、クラウディア、カトレア、ティファニア、カイルに襲い掛かる。

 

「カトレア!!」

 

ヤタガラモンが叫ぶ。

 

「くたばっちまいな!!」

 

スカルサタモンは、手に持った杖を叩きつけるように振るった。

 

「「ッ!」」

 

エミリアとクラウディアが、思わず身を寄せ合う。

そして次の瞬間、

 

―――ガキィィィィィィン!!

 

甲高い音がした。

 

「………え?」

 

エミリアとクラウディアがゆっくりと目を開ける。

するとそこには、全身にデジソウルを纏い、大剣でスカルサタモンの杖を受け止めているカイルの姿があった。

 

「なっ、何っ!?」

 

スカルサタモンは驚愕の声を上げる。

 

「はぁああああああああっ!!」

 

カイルは大剣を振り切り、スカルサタモンを押し返した。

 

「うぉおっ!?」

 

スカルサタモンは声を上げてたたらを踏む。

 

「カ、カイル君………?」

 

エミリアが呆然とした声を漏らす。

 

「皆、大丈夫?」

 

カイルはそう声を掛けた。

すると、

 

「スピリットエボリューション!!」

 

ティファニアがデジヴァイスを掲げて叫ぶ。

デジヴァイスから溢れたデータ粒子がティファニアを覆う。

そして、

 

「メルヴァモン!!」

 

メルヴァモンとなってその姿を現した。

 

「はぁあああああああああああああっ!!」

 

「どわぁあああああああああああああっ!?」

 

メルヴァモンの振るった剣が、スカルサタモンを吹き飛ばす。

 

「ティ、ティファニア………?」

 

クラウディアも呆気に取られた声を漏らした。

 

「これが私の進化だよ」

 

メルヴァモンはそう答える。

 

「話には聞いていましたが、実際に見ると驚きますね」

 

カトレアがそう言った。

 

「さて………」

 

メルヴァモンが大剣を肩に担ぎながらスカルサタモンに向き直る。

 

「どうやら当てが外れたようだね?」

 

「ぐぐぐ…………」

 

スカルサタモンは歯噛みする。

更に、

 

甕布都神(ミカフツノカミ)!!」

 

ヤタガラモンが、苦戦しつつも向かって来たデジモン達を全滅させたところだった。

そして、スカルサタモンの逃げ道を塞ぐ。

 

「ち、畜生!!」

 

スカルサタモンは、悔しそうに叫び声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場所から地下深く。

闇に覆われた場所に、禍々しさを感じるクリスタルが存在していた。

そのクリスタルの内部に、2つの首を持つ怪しい影が見える。

その2つの首にある赤い目が怪しく輝き、黒い稲妻が奔った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「残念だったな?」

 

カイル達の様子を見たビクトリーグレイモンが、デーモンに向かってそう言い放つ。

 

「俺のパートナーを舐めたのが運の尽きだ」

 

大剣の切っ先をデーモンに向ける。

 

「………貴様………!」

 

デーモンは忌々しそうにビクトリーグレイモンを睨み付ける。

だが次の瞬間、突如として黒い稲妻が迸った。

 

「ッ!? 何だ!?」

 

ビクトリーグレイモンが驚愕の声を漏らす。

黒い稲妻は、何度か轟音を鳴り響かせると、スカルサタモンに直撃した。

 

「あひゃぁっ!?」

 

スカルサタモンは驚きの声を漏らす。

しかし、

 

「な、何だこりゃ!? 力が溢れてきやがる!!」

 

スカルサタモンは、黒い稲妻を纏いながらそう叫ぶと、その姿が覆い隠される。

そして、

 

「スカルサタモン進化ぁ!」

 

その黒い光が巨大化し、その内部から獣のような4足歩行の下半身に翼が付き、悪魔のような風貌の上半身を持つ魔獣型の究極体デジモン、

 

「ガルフモン!!」

 

ガルフモンとなってその場に現れた。

 

「進化した!?」

 

メルヴァモンが驚愕の声を漏らす。

 

「ほう? 進化したか………」

 

デーモンにとっても予想外だったのか、声を漏らす。

 

「こいつはすげえ! 力が溢れてきやがる!」

 

スカルサタモンが進化したガルフモンは、気を良くして叫ぶ。

 

「さあて………たっぷりお礼をしてやらなきゃなぁ………」

 

「チッ………」

 

見下ろしてくるガルフモンに、メルヴァモンは舌打ちする。

メルヴァモンにとって、エミリア達を護りながら勝てるか不安な所であった。

 

「そうらよっ!」

 

ガルフモンはその巨体の前足を大きく振り上げる。

踏みつぶそうというのだろう。

そして、メルヴァモンにとって躱すという選択は出来ない。

なぜなら、その一撃は大地を砕き、エミリア達が巻き込まれてしまうということが分かっているからだ。

そして当然、ガルフモンもそれを狙っていた。

受け止める為に身構えるメルヴァモンを見て、ガルフモンはニヤリと笑う。

そして………………………

 

「ポジトロンレーザー!!」

 

「どぉわぁああああああああああああああっ!?!?」

 

横方向から攻撃を受け、盛大に転倒した。

 

「何だい!? 今のは………!?」

 

メルヴァモンが思わず振り返る。

すると、そこにはこちらに向かって飛んでくる巨大な竜型のデジモン、インペリアルドラモンがいた。

 

「あれは………!?」

 

メルヴァモンが声を漏らす。

インペリアルドラモンが上空に辿り着くと、そこから3つの影が飛び降りた。

それは、

 

「アルファモン! オウリュウモン! ジエスモン!」

 

メルヴァモンが叫ぶ。

飛び降りてきた3体は、エミリア達の前に降り立つ。

 

「アルファモン………タイシさん!」

 

エミリアが嬉しそうに叫ぶ。

 

「無事か?」

 

アルファモンはそう声を掛ける。

 

「アルファモン………では、こちらの2体はもしや」

 

クラウディアがオウリュウモンとジエスモンを見ながら声を漏らすと、

 

『もちろん私達だよ』

 

『お察しね』

 

葵と優花の声が聞こえた。

 

「アオイさん! ユウカさん!」

 

再びエミリアが声を上げる。

 

「じゃあ、あのデジモンは………」

 

カイルがインペリアルドラモンを見上げる。

 

『アリスとエリスのパイルドラモンが究極体に進化したインペリアルドラモンだ』

 

アルファモンから大士の声がした。

その時、ガルフモンが起き上がる。

 

「ち、畜生………!」

 

悔しそうな声を漏らすが、

 

「ここは退くぞ」

 

いつの間にかガルフモンの近くに移動していたデーモンが、そう呼びかけた。

 

「デーモン様!? しかし………」

 

「貴様が進化しただけでも、今日攻め込んだ意味はあった。ならば幾らでもやりようはある」

 

「へ、へい………」

 

デーモンの言葉に、ガルフモンは渋々頷いた。

 

「野郎ども! 撤退だ!」

 

ガルフモンの言葉で、デーモン軍は一斉に引き上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、合流した大士達は、情報を交換した所だった。

 

「ミレニアモン………か」

 

大士が顔を顰める。

 

「確かにミレニアモンなら、リアルワールドに侵攻する事は可能だろうな………」

 

大士は自分の知識とホーリーエンジェモンの情報を照らし合わせてそう結論付ける。

 

「ああ。だから私達はこの状況を放っておくことは出来ないと判断した」

 

クラウディアがそう言う。

 

「なるほど………」

 

大士は少し考えを巡らせると、

 

「………分かった。俺も力を貸そう」

 

そう口にした。

 

「本当ですか!?」

 

エミリアは驚きの口調でそう叫んだ。

 

「ああ。お前達の世界の危機で、お前達もそれを何とかしたいんだろう? まあ、出来るだけはやってやるさ」

 

「ありがとうございます!」

 

エミリアは嬉しそうにそう言った。

 

「それにしても…………」

 

大士は改めてティファニアを見た。

 

「流石にテファがメルヴァモンに進化してたのは驚いたぞ」

 

「あはは………色々あって………」

 

ティファニアは苦笑する。

 

「クオンだけでも驚きだっていうのに、カトレアにもパートナーデジモンが出来てるし」

 

「フフッ………」

 

大士の言葉にカトレアは笑みを浮かべる。

 

「?」

 

クオンはカンナに抱かれながら首を傾げていた。

そこで一度息を吐くと、

 

「でも、まあ……………」

 

そこで一旦言葉を区切り、

 

「皆、無事で本当に良かった………」

 

安堵の笑みを浮かべながら、大士はそう言ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜。

大士は自分が宛がわれた部屋で寝る準備をしていると、コンコンとドアがノックされた。

 

「誰だ?」

 

大士が呼びかけると、

 

「あの、私です。クラウも一緒です」

 

少し緊張気味なエミリアの声がした。

 

「エミリアとクラウディア? 如何したんだ?」

 

そう言いながら扉を開けると、

 

「こ、こんばんは………」

 

「じゃ、邪魔するぞ………」

 

エミリアだけでなく、クラウディアも緊張した面持ちで部屋に入って来る。

 

「ああ………」

 

大士は特に抵抗なく部屋に通す。

因みにドルモンは何故か別室だ。

それから、大士は2人に向き直ると、

 

「それで、一体どうしたんだ?」

 

大士が改めてそう聞くと、

 

「えっと………私達、タイシさんに会えたら言おうって決めてた事があるんです………」

 

エミリアは緊張しつつも、ハッキリとそう言う。

 

「言う? 何を………?」

 

大士が首を傾げると、

 

「その…………わ、私達は…………」

 

クラウディアも珍しく、言い淀んでいる。

大士が黙ってその先を待っていると、

 

「私は………タイシさんが好きです!」

 

「ッ!」

 

先に言ったのはエミリアだった。

大士も、エミリアの気持ちは知っていたとはいえ、改めて言われると、やはりドキリとするし、嬉しさも感じる。

更に、

 

「タ、タイシ! わ、私も………! 私もお前を慕っている!」

 

エミリアに続くように、クラウディアも自分の気持ちを告白した。

 

「クラウディアッ…………!?」

 

流石にそれには大士も驚愕した。

 

「改めて自分の気持ちを思い直して気付いたのだ。私も………ずっとお前の傍に居たいと…………」

 

「そ、それはもしかしなくても………」

 

大士が顔を真っ赤にしながらそう言うと、

 

「「私達を、タイシ(さん)の恋人にしてくれ(ださい)!」」

 

2人同時に改めて告白された。

 

「………………あ、いや、その……………ありがとう。とても嬉しいよ」

 

大士も自分の気持ちを正直に伝える。

 

「…………だけど、本当にいいのか? 自分で言うのも何だが、俺は………」

 

そう言いかけた所で、エミリアの人差し指が口に当てられ、言葉が中断する。

 

「分かっています。全部理解した上で、私達はタイシさんとこれからも一緒に居たいと思ったんです」

 

「エミリア………」

 

「お前こそ、私達の想いを舐めて貰っては困るな………そもそも、半端な気持ちではお前を好きになる事すら出来ないのだろう?」

 

「クラウディア………」

 

2人の言葉に大士は言い掛けた言葉を飲み込むと、

 

「………………エミリア、クラウディア」

 

改めて口を開いた。

 

「俺もお前達が好きだ。俺の恋人になってくれ!」

 

正直な気持ちを告白した。

 

「はい!」

 

「もちろんだ!」

 

2人は迷いなく頷いた。

そのまま2人は大士に歩み寄り、身を任せる。

大士は2人に手を回して抱きしめた。

すると、

 

「あの、タイシさん…………きょ、今日は、このまま泊ってもいいですか?」

 

「それはその………そう言う意味でいいのか?」

 

大士はその言葉の真意を読み取って聞き返すと、

 

「は、はい、クラウと2人一緒に…………」

 

「わ、私も………リアと一緒なら嬉しい………」

 

2人は顔を真っ赤にしてそう言う。

 

「…………わかった」

 

 

 

 

 

その夜、2人がタイシの部屋から出て来ることは無かった。

 

 

 

 

 






オリジナル異世界編第47話です。
スターオーシャン6やってて時間削った為に、結構急ぎ足で書いた回です。
今回は防衛戦と大士達との合流ですね。
デーモンと軽く戦ったのと、スカルサタモンの進化です。
進化してもあの扱い………
このタイミングで合流して、戦力過剰だと思うかもしれませんが、一応流れは考えてあるので、続きをお楽しみに。
そして最後にはありふれた告白。
遂にハジメ超えてしまいました。
さて、どうなることやら?



P.S 今回の返信はお休みします。

カンナのパートナーは?(候補追加)

  • クズハモン
  • アポロモン
  • ミタマモン
  • その他
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